一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第73期王将戦第1局2日目

2024-01-09 22:44:55 | 男性棋戦
第73期ALSOK杯王将戦第1局(主催:スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社、日本将棋連盟)、2日目である。菅井竜也八段の封じ手は、飛車を浮く手だった。解説の松本佳介七段が指摘していた手で、さすがである。
話がちょっと戻るが、1日目の昼食時、菅井八段は昼食にうな重を注文したのだが、菅井八段はそれを10分で平らげ、あとは対局室に戻り、こんこんと考え続けたという。
その気持ちは分からぬではないが、昼休みはしっかり取り、昼食もゆったり摂って、英気を養うものではないか。このあたり、菅井八段が気負っているようにも見え、私はちょっと心配になった。
中盤は藤井聡太王将の8筋の歩の突き捨てで開戦となり、華麗な攻め合いとなった。菅井八段が飛車取りには目もくれず歩を垂らしたあたりは菅井八段の真骨頂だったが、藤井王将も的確に応対する。
そして白眉は104手目の角打ちだったと思う。いかにも味がよい手で、私は、渡辺明竜王と羽生善治名人が激突した第21期竜王戦第1局においての、羽生名人の角打ちを思い出した。
終盤戦になって藤井王将は持ち時間がなくなってきたが、藤井王将はそうなっても間違えない。ここが1分将棋の神様・加藤一二三九段と違うところで、加藤九段は人間だから、けっこう間違えたのだ。
そして、120手目の金打ちで菅井八段投了。闘志満々の菅井八段にしては淡白な投了に思えた。
ただ局面をよく見ると、後手は次の△3八金▲同金△4七歩成▲同金△4九竜が厳しい狙いだ。投了図から▲4八歩と受けても、△3八金▲同金△4七歩成▲同歩△3九金で一手一手、ということか。しかしそれは▲同金△同竜のとき、▲6四馬がある。
ただ、いずれにしてもジリ貧は免れず、潔く駒を投じたものだろう。
いやー、菅井八段の健闘虚しく、藤井王将の快勝だった。藤井王将は約2ヶ月ぶりのタイトル戦の登場だったが、実戦不足は微塵も感じさせなかった。本局の居飛車穴熊も、銀桂が攻めに参加しないいかにも穴熊らしい動きで、8筋と5筋の歩の垂らしだけで手にしてしまうあたりは、長年穴熊を指しなれているそれに思えた。
いっぽうの菅井八段は、もうヤバい。残り6局を4勝2敗で乗り切ることは至難の業で、もう大勢決した、といってもよい。ハッキリ言って、いまの藤井王将には、挑戦者がいきなり2連勝していい勝負。否、挑戦者が3連勝しても、私は藤井王将ノリである。そのくらい、藤井王将の信用は絶大である。
ああそうだ、いまさらこれを言ったら身も蓋もないが、菅井八段の「三間飛車穴熊」は、自身の棋風に合っているのだろうか。中飛車+美濃囲いでガンガン攻めるほうが、菅井八段の棋風に合っていると思うのだが……。
第2局は1月20日・21日。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする