一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

旅館率

2023-05-08 23:38:42 | 将棋雑記
羽生善治九段が多くのタイトルを持っていたころ、羽生九段が将棋会館で指すと「珍しい」と言われたものだ。タイトル戦を指すため全国を飛び回っていたから、「本拠地」の東京・将棋会館で指す機会がなかなかなかったのだ。
それが現在の藤井聡太竜王にもいえる。六冠を持ち、名人戦も戦っているから、当時の羽生九段に匹敵する将棋会館不在になっていると思われる。
いずれにしても、高級旅館に泊まり、美味いものを食べ、温泉に浸かり、将棋を指しておカネがもらえる。将棋ファンからしたら、天国のような毎日であろう(まあ対局者からすれば、そんな気楽なものではないが)。
では、2022年度に藤井竜王が高級旅館とホテルで指した、いわゆる「旅館率」はどうだったのだろう。全64対局(53勝11敗)を調べてみた。

【旅館・ホテル】
第7期叡王戦五番勝負 3局
第93期棋聖戦五番勝負 4局
第63期王位戦七番勝負 5局 
第35期竜王戦七番勝負 6局
第72期王将戦七番勝負 6局
第48期棋王戦五番勝負 4局
第81期順位戦A級最終戦 1局

以上、29局。タイトル戦全28局に、静岡市「浮月楼」で行われた、順位戦A級最終局である。なお「浮月楼」では、今期名人戦第2局が行われた。
「旅館率」は0.453となる。

さらに、東京・将棋会館、関西将棋会館、名古屋対局場以外で指す将棋もある。

【東京・将棋会館、関西将棋会館、名古屋対局場以外】
第43回JT杯将棋日本シリーズ 3局
第16回朝日杯将棋オープン戦 2局
第72回NHK杯 5局

JT杯は地方対局が主だ。
朝日杯の準決勝、決勝は、「有楽町朝日ホール」で指された。
NHK杯は、NHK放送センターで指されている。

よって、64局中39局(0,609)が、東京・将棋会館、関西将棋会館、名古屋対局場以外で指されたことになる。
そして残りの25局が、東京・将棋会館か、関西将棋会館か、名古屋対局場で指されたことになる。

【東京・将棋会館、関西将棋会館、名古屋対局場】
第81期順位戦A級 8局+プレーオフ1局
第70期王座戦 1局
第48期棋王戦 8局
第16回朝日杯将棋オープン戦 2局
第30期銀河戦 5局

銀河戦はどこかのスタジオで指していそうだが、東京・将棋会館の地下で撮影されている。だから4階や5階の対局室でないところがちょっとアレだ。
第70期棋王戦では藤井竜王が奪取したので、第71期は、この8局はなくなる。
また、現在激闘中の名人戦でも、藤井竜王が奪取すると、順位戦の8局がなくなる。
となると、今年度に将棋会館3つで指す対局は、かなり限られる。長時間の対局だと、王座戦しかない。
ほかの棋士から見ても、異次元の環境だろうと思う。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする