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残の成り立ち

2024年01月18日 | ことば遊び
 「衣食足りて礼節を知る」。生活が豊かになって初めて礼儀に心を向けることができる。つまり、人は金銭・・残り・・少なくなると浅はか・・・なことをしがち
 前行末の文章に出てくる「金銭」「残り」「浅はか」の「銭」「残」「浅」の三つは右の形が同じ。これらは一つの関係性をもった字といえる。
 「銭」「残」「浅」の旧字「錢」「殘」「淺」の右にある「(さん)」は、「(ほこ)」を重ねた形で、薄く小さいものを重ねた状態の意味がある。

 「残の「歹(がつ)」は人の死体の胸から上の骨が残っている形。死体の「死」はこの「歹」と「匕(ひ)」を合わせた形。「匕」は右向きの「人」で、残骨(ざんこつ)になった者を拝んでいる人。そこから「死ぬ」の意味になった。
 そこで、「残」は、バラバラになって、わずかに残されている骨のことで、「のこる」の意味になった。

薄く小さいものを重ねた状態の「」に「(さんずい)」を加えた「浅は「水が浅い」ことで、そこからすべての「あさい」意味になった。

 また「銭は「」を重ねた意味に近いほうの文字。中国の古い字書「説文解字せつもんかいじ」には「銚(すき)なり。いにしえの田器なり」とあって、農具のことだった。後に「ぜに」の意味になる。昔、銭は小さな刀の形をしていた。それを「刀銭とうせん」などと言う。

 まだ「」を含む字がある。「戔」には薄いものを重ねる、連ねる意味があり「桟(さん)棧」は木を連ねてつくる「かけはし」のこと。
桟橋さんばし」は船を港につなぎ、乗客らの乗降などに使う橋のこと。

「実践」の「践は足跡が重なり連続する意味。足で「ふむ」意味となり「実行する」意味になった。「便箋」「付箋」の「箋」も薄い紙の意味。

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2 コメント

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漢字の成り立ち (らいちゃん)
2024-01-18 09:14:36
「残」が死体の骨がバラバラになった状態から生まれた漢字でしたか。
全く想像できませんでした。
銭、残、践など、「戈(ほこ)」を重ねた形の漢字がたくさんありますが、意味は違っていてもいずれも関連性があったのですね。
漢字の成り立ち、参考になりました。

>十分な水分補給が予防策ですが、「波止場のポーズ」が、手軽に筋肉をほぐす効果が期待でき有効だそうですょ。
次にこむら返りが起きたら試してみます。
ありがとうございます。
(らいちゃん) へ (iina)
2024-01-18 10:13:00
娯楽が、映画やラジオからテレビに移って、まさに「一億総白痴化」がいわれてから久しいです。

もっとも、太平洋戦争時の「一億玉砕」や戦後の「一億総懺悔」から派生した言葉だと思っていました。
「一億総懺悔」を学生の時に知りましたが、政治家に都合の良い造語です。
・                                   ・ 
残酷な戦争を起こした政治家が国民にも責任を負わせる政治家のご都合主義は、残念ながらいまも裏金工作でつづいています。

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