冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

Jazz現代の名盤 その49

2011-12-11 18:52:42 | 息抜き
週末息抜きシリーズ。Jazzアルバムのメモは最後から2回目。

Prima O Poi。イタリアが誇るGiovanni Mirabassiのピアノトリオ作品です。

なんとなく思いつくままに毎週定期的に書いてきたこのシリーズですが、私のコレクションでは永久に続けるには限界あるし、最近は50回なら切りがいいなと思っておりました。そうすると、当然最後の1枚は何にしようと考える。
で、最後から2枚目にしようと思ったこのMirabassi。個人的な思い出の多い1枚。それをこの12月の第2日曜日に書くことになるとは。まったくもって個人的な話ながら昨年のこの日は人生の節目で、このアルバムの思い出とも深く関係しているので。

それはさておき、やはり情熱と技巧のピアニスト、イタリアンのMirabassi。私としてはBaptiste Torotignonと並んで現代ピアニストのお気に入り。
表現力の広さと深さ、叙情感。すばらしい。
このアルバムはMirabassiらしいメロディの曲で幕を開け、それが少し異なった趣で3曲続きます。
1曲目はベースが主旋律を堂々と弾くところから始まり、Mirabassiの左手が引き取って盛り上がっていく。情熱的なメロディと安心感あるテクニックに支えられたMirabassi調。
3曲目はトランペットで参加のFlavio Boltroのすばらしい高音の演奏から始まって、これもドラマチック。メロディはMirabassi調で熱い。

そして、アルバムの展開の変化を告げる小品の4曲目を挟んで、聞き所は自身の作曲ではない5曲目と6曲目。
5曲目は久石譲作曲の、「ハウルの動く城」のテーマ。とても美しく、少し物悲しく、少し楽しげに表現されます。この表現力にはただただ感心するばかり。
ところで、このアニメ映画の評価ってどうなんですかね。ジブリ作品の中ではあまり評価されてないんですかね。私は意外と好きでした。魔法使いのハウルの心情はなかなか深く描かれていたと思います。やりすぎて悪魔のようになったり、落ち込んで溶けてしまったりするのはかなり共感できますな。
この5曲目は、個人的にも特に思い入れがあります。
6曲目は"Lloro"という曲で、テンポのよい明るく楽しい曲。いつもの熱い熱いイタリアの情熱的演奏とは一線を画した演奏で、とても聞き心地がよい。アルバムスタートから続いたMirabassi調にとのコントラストがおもしろいし、聞いていて疲れない。そして、このメロディは頭から離れなくなるタイプのものですな。

7曲目のバラードから美しく情熱的なパターンに戻りますが、特にこの曲ではホーンのBoltroの活躍がこれまた心地よい。8曲目は後半に盛り上がりを見せる展開で、パワー炸裂。そして9曲目にはもう1つ静かで叙情的な曲を持ってきて挟み込んでいます。冬の夜はこういう静かで長めの曲がうれしい。名手Louis Moutin担当のドラムとの絡みはよいので、もう少しベースが利いてくると余計によかったと思いますが。
最後の10曲目もホーンが極めて上手く使われていて、ホーンが感情豊かに高めていくのをピアノが受け止めます。

もっとクールなものが好きな人もいるでしょうし、北欧系の完璧なトリオプレイもよいでしょう。
最後は個人の趣味ですが、ピアノ、特にヨーロッパのピアノの中ではかなり贔屓です。

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