冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

快晴の八ヶ岳で充実の週末

2013-09-26 20:59:25 | 旅行
9月のお彼岸の3連休。月曜にお墓参りに行くことにして、土日は八ヶ岳に行ってきました。
苔むした森林や火山ならではの荒々しい火口風景、岩稜、そして高山植物など、いろんな売りがあって早く行ってみたいと思っていたのだけど、今年の夏は週末の天気が今ひとつだったりして後回しになっていました。
高山植物は既に時期を過ぎ、紅葉には早いという微妙なタイミングでしたが、秋晴れの絶景を狙った山行は大当たり。
充実したテント泊登山となりました。神に感謝。

1. 日程とコース
ちなみに、八ヶ岳というのは山の名前ではなく山塊の名称です。山脈みたいなもんですね。
それは昔から聞き知っていたのですが、どんな峰があるのかを知ったのは登山を始めてから。つまり今年の初夏に地図を買ってからです。
そして地図を見ながら考えると、どうしても主峰(この中で一番高い山)に目が行きますな。八ヶ岳の場合は赤岳(標高2,899メートル)です。
赤岳に目標を決めれば自ずとアプローチや宿泊地点が絞られるので、あとは時間が許す範囲でコースを決めればよい訳で。
加えて今回は木曽駒ヶ岳に続いて楽チンテント泊を狙います。
楽チンテント泊の定義は、テント泊の重装備を背負って山頂を目指さなくてもいいこと。山頂へのアタック前にテント場があり、そこから山頂への登りは軽装でOKというパターンです。
赤岳の直下に、湧き水が美味しいと評判の行者小屋という山小屋があり、そこのテント場を使います。

結果、以下のような日程とコースに。時間は地図に記載されているコースタイム。
0日目(9月20日) 22:40竹橋発のバス(毎日アルペン号)にて車中泊で登山口の美濃戸口へ
1日目(9月21日) 5:00美濃戸口(南沢経由)→8:00行者小屋(テント設営などで45分ほど)→9:20赤岳鉱泉→11:10赤岩の頭→11:30硫黄岳→12:40横岳→13:25地蔵の頭→14:30(地蔵尾根経由)行者小屋
2日目(9月22日) 5:20行者小屋→7:10(文三郎尾根経由)赤岳→8:20中岳→8:40阿弥陀岳→9:50行者小屋(撤収作業1時間ほど)→13:20(南沢経由)美濃戸口 

2. 硫黄岳の絶景が印象的な1日目
初日は時間的に余裕があるので、テント場から離れた硫黄岳を攻略することにします。頂上の爆裂火口が有名です。
ピークハントと爆裂火口目当ての軽い気持ちで登ったのですが、実は今回の山行で一番の景色を拝むことができたのはこの硫黄岳だったかもしれません。
八ヶ岳らしい苔むした樹林帯が続く道をひたすら1時間半以上登ると、森林限界を越えて視界が開けます。すると、急に硫黄岳から横岳に連なる稜線が視界に飛び込んできます。


更に登ると、赤岩の頭というピークに出ます。白い花崗岩の砂とハイマツの緑が印象的な場所です。
ここからの眺めはまさに絶景。快晴で360度見渡せたので、八ヶ岳連峰だけでなく、蓼科と霧ケ峰、南アルプス、中央アルプス、木曽御嶽山、北アルプス、下に目を転じれば諏訪湖など、とにかく全てが見渡せました。








ここで会った何度か八ヶ岳にいらしている方の話だと、こんなに見晴らしがよかったのは初めてだとか。幸運を神に感謝。

そして、硫黄岳山頂。これがまた凄い。広い山頂の風景は日本ではないみたい、と言うか、山頂ではないみたい。


もちろん爆裂火口も。


山頂が広いので、ガスがかかっていたら迷いやすいのでしょう。ケルンが多くありました。


硫黄岳を堪能したら、横岳に向かいます。
初夏ならば高山植物の宝庫らしいですが、9月ではそれは望めません。
アップダウンの激しい、鎖場やハシゴの多い険しい道を進みます。結構体力使いますね。
宝剣岳で危険な岩場を体験していたので、それに比べれば楽勝という気持ちで望めました。これだけ連続して切り立った道が続くと楽しいものです。まあ、その時は結構必死なんですけど。




ダケカンバが黄色くなりかけていました。


この日は赤岳には登らず、手前の地蔵の頭から小屋に向けていったん下山します。


しかし、稜線からの眺めは素晴らしい。これは横岳方面。


赤岳は富士山と同時に拝めます。


3. 行者小屋テント泊のメリット
何よりも、赤岳・阿弥陀岳・横岳を眺められるロケーションと、美味しい湧き水が最大のメリットでしょう。
飲み物や食べ物(おでんが名物らしい)だけでなく、ビールやお酒も売っているので、わざわざ苦しい思いして持ってこなくても楽しめます。
しかし、ここでは中山展望台という、小屋から歩いて10分程度の天然の展望台をご紹介したい。
ここ、赤岳と横岳を完全に視界に捉えられる絶景ポイントです。意外と訪れる人は少ないようですが。
私はここで夕日に染まる赤岳・横岳を楽しみました。私のほかにはもう一人、やはり東京から単独で来られている方がいらしただけでした。






4. 急な岩場が楽しい2日目
起きてみると霜が降りていましたが、テント泊は暖かく感じました。まだまだ3レベル(マイナス6度まで対応)のシュラフで大丈夫なようです。
そして、いよいよ主峰に挑みます。どこから登っても急登で厳しいコースなのですが、それは短時間で高度が稼げるということでもあります。
急な階段や鎖場、そして稜線に出てからは足を踏み外すと重症以上は免れなそうな急峻な岩場を登りつつ、1時間20分程度で頂上に到着。


山頂は狭いものの登頂者でにぎわっています。結構苦労する登りですからね。皆興奮気味ですわ。


山頂からは富士山が大きく見えます。写真は雲海に浮かぶ富士山。


赤岳は見ても雄大だし、登っても適度に厳しくて好きな感じですね。やはり主峰は貫禄があります。
さて、この後は阿弥陀岳に向かいますが、途中に中岳というピークを挟んで  メートルくらい下ってから登り返すので、楽ではないです。
しかも、阿弥陀岳山頂への道は赤岳以上に急峻。滑落事故が多発してもおかしくないと思われるようなところです。
まあ、こういうところを経て登頂すると満足感が大きいんですけど。


山頂からは南アルプスが間近に見えます。鳳凰三山に続いて、甲斐駒ヶ岳にも挑戦したいものです。


下山時に見上げると、阿弥陀岳も紅葉が始まっていました。


ペース配分としては、1日目は絶景に興奮して走り回って写真撮ったり景色見ながら昼食をゆっくり取ったりしましたが、コースタイムとほぼ変わらずでテント場に戻ってきました。1時間以上余裕があるということですね。
2日目は、下に記すように膝が悲鳴を上げるまではほぼコースタイムどおりでした。膝の痛み耐えて赤岳、阿弥陀岳の急な登り・下りを行くのは楽ではなかったですが。

5. そろそろトレッキングポール買おう
ということで、お天気に恵まれた充実した山行だったのですが、1つだけ問題が。
下山が下手で前々から少しずつ痛めていた膝が、ついに悲鳴を上げました。別に靭帯に問題が発生とかいうわけではないのだけれど、最後は右ひざの痛みのために沢沿いの岩場を下りる時には(土の道より膝への負担が大きい)ツアーで来ている高齢者以下のスピードという惨状に。
何となくポールはうまく使えないような気がしてこれまで利用していなかったけど、何とかして膝への負担を減らさないとこれ以上厳しい山行は不可能だと悟ったよ。

深い森の奥に勇壮な峰々が鎮座する八ヶ岳は、期待以上に登って楽しく、景色も美しいところでした。




富士山も比較的近いので大きく見えるし、南アルプスから北アルプスまで見渡せる大パノラマは、まさに自然の大展望台ですな。
天狗岳などの北八ヶ岳の山々にも挑戦したいし、南八ヶ岳でも権現岳などにはまだ登っていないので、今度は別のシーズンで違った雰囲気を楽しみたいと思います。

↓記事がおもしろかったら、投票していただけるとありがたいです
にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へにほんブログ村人気ブログランキングへ

↓お勧めの本のリストを作りました。
冷たい風のような火を燃やすものたち

Creative Commons Licence冷たい風のような火 by icyfire is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.1 Japan License

シャンパーニュはこれで決まりだ

2013-09-18 20:23:13 | グルメ
この前のMichel Grosに続いて、好きなワインをメモ。
年間80本くらい飲むと思うけど、シャンパーニュを初めとして泡ものは意外と飲まないですね。
夏とか、シャルドネ系のやつとかクレマンとかも悪くないように思うのだけど、何となくそんなに飲まない。
それでも、やはり好みはありますな。
割としっかりした、味の濃い、ある意味バタリーな感じのするものか、ホントにスッキリしてシャープな石のようなものか、その両極端が好きです。
バランスのいいものは、嫌いにはならないけどハマりはしない。

で、今日はしっかりした方の代表。と言うか、コストパフォーマンスを考えれば最強のシャンパーニュと思う。
Jose Michelのスペシャルクラブ。


ピノ・ムニエという葡萄が主体になっていて、とてもコクがある。強い色調で、味も香りも濃い。ややトロピカルフルーツや桃を感じる。
そして、同時に柑橘系のシャープさがあって、アタックは柔らかい泡と共に結構刺さる。でも、フィニッシュはしっとりバタリー。
ワイン、特にシャンパーニュは社交の酒だと思うので、一緒に飲む人が大事ですね。あと、オケージョンも。
下手に高いメジャーなシャンパーニュより、よほどいい時間が記憶されることでしょう。

ただ、この写真の2002年ものを最後に買ってません。と言うか、売ってるのを見かけません。
相当高齢の作り手で後継ぎもいないとかいう話を聞いたことがあるので、廃業だったのかも。
昔は7000円台(私はいつもワイン買う店から大量購入で5000円くらいでかなり買ったことがある)で買えたけど、今は1万円以上出してもいい希少価値があるのかもね。
私もあと1本しか持ってません。
その残りの1本をどんなオケージョンで開けることになるのやら。

↓記事がおもしろかったら、投票していただけるとありがたいです
にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へにほんブログ村人気ブログランキングへ

↓お勧めの本のリストを作りました。
冷たい風のような火を燃やすものたち

Creative Commons Licence冷たい風のような火 by icyfire is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.1 Japan License

「妻を帽子とまちがえた男」

2013-09-15 20:26:40 | 息抜き
1985年の著作ですが、脳とか神経についてはこの30年ほどは理解がそれほど進まなかったのでしょうね。今でもとても刺激的な本です。
今後30年、あるいは今世紀の終わりごろまでには、脳についての理解ももっと進むのでしょうかね。

オリバー・サックスは言わずと知れた神経学者で医師でベストセラーエッセイストですが、この人が患者を見る目は温かいですね。
音楽を理解する人なので、芸術と人間の脳の関係についても深く考察できるのだと思います。
ものを総合的に認識する能力を失い、妻と帽子を取り違える音楽家の話から始まり、10ケタの素数を言い当てる自閉症の双子や見たままのイメージを絵に表わす知能障害の男まで、24編のエッセイはいずれも驚きのケーススタディであると同時に正常とは何か、異常とは何か、我々の世界観ってとんでもなく間違っている可能性があるのではないか、といったことを考えさせられます。


妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

脳の不思議について、精神病的な側面から一時関心が高まった時期があったと思います。20年ほど前。「24人のビリー・ミリガン」とかが出た頃。
でも、このブームは犯罪心理のプロファイリングなどの方に移って行ってしまって、人間の脳や神経の医学的・解剖学的な関心にはつながらなかったですね。
実はこっちの方がずっと面白いと思うけど。

この連休は八ヶ岳に行こうと思っていたのに、台風が来るということで中止。
月曜が休みなのは、開幕したばかりのNFLのライブ中継を見るチャンスだからよしとして、今日はだらだらと読書して過ごしたのでした。
中継は午前2時からなのだけど。

↓記事がおもしろかったら、投票していただけるとありがたいです
にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へにほんブログ村人気ブログランキングへ

↓お勧めの本のリストを作りました。
冷たい風のような火を燃やすものたち

Creative Commons Licence冷たい風のような火 by icyfire is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.1 Japan License

木曽駒ヶ岳 楽々テント泊デビュー

2013-09-08 10:53:52 | 旅行
9月の第1週は有給休暇をとることができたのだが、事前に計画していたことはほとんどキャンセルという状況に。
中国の張家界旅行は直前でいろんなハプニングがあり、結局キャンセル。
まあ、このおかげで空いた時間を家族関連で有効に使うことができたので、よかったのかもしれないが。
そして、この土日に予定されていた会社のオフサイトミーティングも結局欠席に。
オフサイトを東北の被災地で行うということで、6月以来のボランティア参加も考えていたのだけど、これも果たせず。
しかし、5日、6日の木曜・金曜に予定していた、国内での登山は実行できた。
それで、以下はその記録。

この時期に休みが取れることになって、1泊2日で登山を考えた時には行先についていろいろ迷いました。
季節的に紅葉には早いので、夏山として面白いところがよさそう。
そして、せっかくの平日なので、休日には無茶混みするところに行くチャンスである。
あとは、当初予定では中国旅行から帰ってきて翌日からの登山となっていたので、あまりハードなのは避けてできるだけ楽しめるところがよさそうだなと。
北アルプスは行きたいところが多いけどどれもハードな感じだし、南アルプスは甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳を次のターゲットにしたいけど前日甲府駅で野宿になりそうだし、八ヶ岳のどれかにしようか、東北地方とか北陸、近畿の山にしようか。。。

で、迷った末に結局決めたのが木曽駒ヶ岳。日本百名山でもある、標高2956メートルの中央アルプス最高峰。
見どころも多く、千畳敷カールという氷河が削ってできた勇壮な風景は日本の山岳風景の中でも特に絶景とされるものの1つ。ある著名な登山ブロガーさんも、この景色に感動して登山を本格的に始めたようですし。
すぐ隣にある宝剣岳は切り立った岩の峰で、滑落者も続出する登り甲斐のある山だけど、稜線からの登攀距離が短いので慎重にやれば岩登りの技術がなくても頂上を目指せる。
ということで、いつかは行きたい山の1つでした。

今回の旅の目的と照らしても、ロープウェイが海抜2600メートル以上の地点まで連れて行ってくれるので、実際に登るのは千畳敷カールを見ながらの300メートル程度という楽チン登山ができるのが魅力。ハードな行程なく楽しめるのが素晴らしい。
ロープウェイで楽だということは、土日に行くと観光客や登山客で激混みということでもあり、それは数々の登山ブログでも指摘されている事実。しかし、これも平日なら緩和されることが見込まれますしね。
そして、この機会を利用して、テント泊デビューも一気にすることにしました。
有に10kg以上の装備を背負うことになるテント泊登山は、私程度の体力だとかなり苦しくなることがわかっていたので、東京のハイカーが雲取山でテント泊デビューをして地獄の苦しみを強いられたりするのをブログで読みながら、デビューに相応しい楽チンコースを探していたのです。
ロープウェイという文明に頼りつつ、頂上直下の整備されたテント場でのデビューが可能という、まさに充実した有給休暇のためのコースではないか。

しかし、ご存じのとおり、台風とそれに伴う前線の影響で、日本列島の天気は大荒れだった今週。
関東でも竜巻被害が出る有様。前線の活動は依然として活発で、テレビでやってた水曜の天気予報では登山なんて自殺行為のように見えました。
が、そこは天気図を中学校の理科の知識で読む能力に長けている私。かなりの可能性で前線の影響は木曜夕方までになくなると予想。昼過ぎまでは雲が厚いかもしれないけど、夜空はバッチリ満点の星空となり、金曜の朝は最高のご来光が拝めると踏みました。
果たして結果はいかに。

木曜日は朝7時に新宿のバスターミナルを出る中央高速バスの伊那飯田線に乗ります。駒ケ根インターを目指します。
そして、お約束の大雨。これは調布のあたりですが。まあ、これは想定内です。強い雨雲の東西の幅は80㎞程度と踏んでいたので、駒ケ根に近づけば雨が降っていたとしてもパラパラ程度だろうと思ってました。


そして、10時半に着いてみると曇り。またも天気予報に勝った。蔵王と同じパターンじゃ。
天気より、行きのバスだけで3時間半もかかる遠さに参ってました。
駒ケ根インターからは、路線バス(これが凄い。山道を30分程度登っていくけど、景色も社内の観光アナウンスもドライバーのテクニックもどれも最高)、日本一高いところにあるロープウェイを使い、楽チンで千畳敷カールへ。
バスの接続はいいし、ロープウェイも本来30分に一本ですが、お客が多いと柔軟に臨時便を出しているようで好感持てました。
しかし、天気は思い切り曇天で眺望はたかが知れていたので写真はなし。

ところが、雲を抜けて11時40分ごろに千畳敷に到着すると、この様子。

流石の超絶景、千畳敷カール。大迫力。でも、何となくやさしい感じの曲線で、私には女性的に感じられました。
日本って凄いと思うよ。この大自然。東京から4時間半程度でヨーロッパアルプスかと思う絶景にたどり着くってのはホントに凄い。
これを楽しまないのは本当にもったいない。

まあ、天気はずっと晴れているわけではなくて、雲が相当な速さで動いているので景色が隠されてしまう時間も結構あります。
景色を楽しみながらサンドイッチ食べて昼食にします。
そして、12時半ごろまで一般観光客用の遊歩道で高山植物を探しながら散歩しました。千畳敷は多くの花が咲く花畑なのですが、さすがに夏の終わりでは花勢は終盤でしたね。
チングルマは花が終わって、名前の由来である穂が舞っていました。


ナナカマドは赤い実をつけ始めていました。10月には葉が真っ赤になって、紅葉が見事なのでしょう。


ミヤマリンドウとサクライウズは見頃でした。青い花は独特の強さを感じます。



エゾシオガマもまだ残っているのを見つけました。黄色っぽい白さと三角形の花の形が何となく可愛げがあります。


で、ようやくテント泊の重い荷物を担いで登山開始です。
きつい登りは1時間足らず(実際には登山客がほとんどいなくて空いていたので40分程度で行けた)なので、何とか頑張れます。
しかし、整備された登山道は結構急でした。階段状になっていると登るの辛いのよね。


高度を上げていくにつれ、ガスも濃くなってきました。下を見ると、千畳敷カールもガスで覆われてしまったようです。


稜線に出ると、数メートル先もよく見えない状態に。今回は目印が多くて迷うことのない登山道ですが、そうでなかったらかなり怖いものがありますね。


夕方には晴れると勝手に決め込んで、黙々と歩きます。途中、中岳という標高2925メートルのピークを登ります。
頂上には小さな祠がありました。ここからは木曽駒ヶ岳、宝剣岳だけでなく、中央アルプスの山々に加えて南アルプスや乗鞍岳なども眺望できるはずですが、今日はガスで無理。明日のご来光をここで拝むことにして早々にテント場を目指します。テント場は、頂上直下にある駒ヶ岳頂上山荘に併設されています。
2時過ぎに着いてみると、頂上山荘は閉まっていました。こんな天気で登山客がいないのか、この日は宝剣岳と中岳の間にある宝剣山荘しか営業していないらしい。ちなみに、宝剣岳から木曽駒ヶ岳までの稜線にはこの2つの山荘に天狗荘を加え3つの山荘がありますが、経営は同じです。テントの幕営料は、後ほど職員が徴収に来るらしい。
で、テント場に行ってみたら、何と1張しかないではないか。そのテントに泊まっていた方は、木曽駒には何度か来ているようで、今回はまったり2泊するとのことでした。
自分の天気予報能力は信じているものの、この状況にやや不安になる。
まあ、まずはテント張らないと寝るところがないので、初テント張ってみた。

花崗岩の風化した土壌が柔らかくて、ペグを打ったものの強い風だと飛ばされるような気がしたので、石を重しにしました。
因みに、テント場は石で風よけが作られていて、スペースも十分。平らな土地で張りやすかったです。初心者に優しいテント場でした。
さらに、2900メートルの高地にありながら、水場があります(美味しかった。中央アルプスのおいしい水だ)。これを自由に使えるのもポイント高いですね。
木曽山脈は水が豊富と聞きますが、それにしても凄い。
どーでもいいけど、テント場を略してテン場とか言うのを見聞きしたことがあるけど、トの一字だけ略することにどれほど意味があるのだろうか。

4時ごろに3人のパーティが1組やってきて、テント場は3張になりましたが、極めて静かでした。
少し雨もぱらついたりして、ガスは晴れず。文庫本読みながらマッタリ過ごします。
5時ごろにコッヘルとガスバーナーを使って初の食事。カレーヌードルにソーセージとゆで卵を入れたもの。特に創意工夫なく簡単なものなので写真はなし。
5時半ごろに山荘の方が幕営料を徴収に来られました。800円。その時に空を見ると、西側からのガスはまだまだ濃いものの、所々に晴れ間が。
夕日は期待できるかもしれないと思って、木曽駒ヶ岳の山頂を目指すことにしました。
ガレ場のやや急な登りを10分行くとすぐに山頂です。すると、やはり夕方になって雲が下がっていました。
山頂には立派な社があります。


北東側の尾根。馬ノ背と呼ばれる方面です。下から沢の水音がゴーと聞こえてきます。


宝剣岳方面。


中央アルプスのもう1つの百名山である空木岳も奥の方に見えますね。東京からだとアプローチがやや難ありですが、登ってみたい山です。空木岳から千畳敷まで縦走してくるコースなら1泊で行けそうだし。


そして夕暮れ。オレンジから紫色に変わっていきます。駒ヶ岳の山頂は広く、四方の視界が開けていて景色がとても良いですね。


暗くなる前に急いで(と言っても10分の距離だが)テント場に戻ります。
夜は冷え込みが厳しかったですね。シュラフカバーがあった方がよかったのかも。でも、風もなく穏やかな天気で、テント場も人が少なくて静かだったので結構よく寝たように思います。9時過ぎに外に出てみたら、星が凄かった。天の川も久しぶりに確認。私のデジカメでは星空は撮れないですが。

朝は、3人パーティがご来光も見ずに縦走に出るということで、4時半ごろに起きてしまいました。日の出までは1時間ほどありますが、水場で顔を洗ったりしているうちに結構明るくなってきたので中岳山頂に行ってみます。
夜明け前の寒い中でしたが、空気が引き締まっていて気持ちよかったです。四方に雲海が広がっていましたが、上空は快晴。狙い通りになりました。
東側には、南アルプスの巨大な山塊と、その奥に富士山が見えます。


南アルプスの甲斐駒ヶ岳。駒ヶ岳という名の山の中では甲斐駒ヶ岳が一番高くて、木曽駒ヶ岳は2位です。その差はほんの11メートルですが。甲斐駒ヶ岳は、今年の紅葉シーズンか、来年の夏に絶対に登るつもりです。


そして感動のご来光。日本の山最高!


西側には木曽の御嶽山。富士山のような独立峰の火山ですね。相当でかい。圧倒的迫力です。男性的ですな。これも登ってみたい山です。


ヒタキの仲間ですかね。日の出とともに鳥がたくさんやって来ました。


一度テント場に戻ってシュラフを畳んだりしていたら、ふと昨日の夕暮れ時に登った木曽駒ヶ岳の山頂にもう一度行ってみたくなりました。朝の景色も素敵かなと。
で、また10分かけて登りました。やはり、よく晴れた朝の風景は美しかった。


乗鞍岳方面。


北アルプスも少し見えました。空気が澄んでいる感じでした。


木曽駒ヶ岳は正に「中央」アルプスの主峰なので、山頂からは東西南北に本当にいろんな山々が展望できますね。
時間に余裕のある旅なので、ゆっくり楽しむことができてよかったです。

テント場に戻ってからは、軽くアンパンなどの朝食を取ってからテントを撤収。
今日は宝剣岳に挑戦します。が、その前に中岳の巻き道を通ることにします。雪のある時には通行止めになるやや危険な道で、片側が切り立った崖になっています。しかし、この道の眺望は素晴らしいので、危険を承知で挑む価値はあるでしょう。
写真の場面は、まだそれ程切り立った場所ではないですし、道幅も広めです。これが、かなり狭い道で断崖のところがあります。でも、浮石はなかったしちょうどいいところに手で捕まるのに適した岩があったりしたので、テント泊装備を背負いながらも比較的安全に進むことができました。


岩の間には、トウヤクリンドウがたくさん。まだ蕾でしたけど。


そして、いよいよ宝剣岳に挑みます。滑落者の多い難コースと聞きますが、晴れているし風も弱いので何とかなるでしょう。ザックはデポして身軽になって行きます。


鎖場の多い道です。確かに危険度高いかも。足を踏み外すと一気にかなり落ちますね。死ななくても相当痛いでしょう。でも、自分としては鎖があったので意外と苦労せず登れた感じです。安全のために三点支持を徹底していれば何とかなるものです。


で、この岩の上が頂上。取りついて、顔が頂上の上に出るところまではいったけど(証拠写真は撮りました)、どうしても頂上に足が上がらなかったですね。足をかけるところがほとんどないので、一気に開脚して登るしかないと思うのですが、ちょっと無理でした。技術があれば違う登り方で岩の上に立てたかもしれませんが。まあ、頂上に顎をかけたので登頂したということで自分を納得させました。


後は下山するだけです。まだ9時過ぎですけど。
お天気がよかったので、昨日とは打って変わって観光客も登山者もたくさんです。
千畳敷から稜線まで登ってくる人が多くて、細い登山道をでかい荷物背負って逆方向に進む私は邪魔者だったと思われます。
こんな時間に下りてくるので、いつ登ったんだと何人かの人に聞かれました。

下山途中で、青空の千畳敷カール。


一応、一般観光客の回る遊歩道も一周してみました。コバイケイソウの大群生地帯(花は終わってましたけど)とかナナカマドの林があって、季節が合えば相当綺麗だろうということが想像できましたね。
ロープウェイの駅まで戻ってしばらくマッタリしていると、10時10分に臨時便が出るとのことなのでそれに乗りました。
晴れて、観光客が続々とやって来ているようでした。下りのロープウェイは私一人だけの完全貸切状態だったのに、上りは満員でした。
千畳敷カールに別れを告げて、木曽駒ヶ岳から下山です。


帰りの路線バスから見た景色。太田切川の清流です。この後、昼食取ってから川にちょっと入りました。


ビューホテル前で下車して、日帰り温泉施設の「こまくさの湯」を利用します。
この施設、かなりポイント高いです。入浴料600円ですが、比較的新しいのか施設は綺麗だし、大きなお風呂は気持ちいいし、露天風呂からは晴れていれば木曽駒ヶ岳方面が一望できます。1時間以上いろんなお風呂を行ったり来たりして楽しみました。
湯上りに昼食ですが、併設された食堂で地元産の黒川マス塩焼き定食をいただきました。マスは美味しかった。でも、ソースかつ丼などの名物を食べるならここでなくてもいいかも。食堂はあくまで食堂でした。この施設を出るとすぐに、いくつかのレストランやカフェがあるので、そっちの方がよいでしょう。


帰りのバスは2時50分駒ケ根インター発なので、2時間弱も時間があります。
駒ケ根市は自然を生かした遊歩道などを整備しているのを、事前のウェブでの調査で知っていたので、少し散歩します。
こんな林の遊歩道が整備されています。太田切川に沿った道もあって、川まで下りられるところがあります。昨日までの雨のせいか、かなり流れは急で水量も多かったので、岸辺にビーサンで入っていっただけですが。冷たくて気持ちよかったです。


川には大きな吊り橋がかかっています。これも散策コースの一部。


お花畑とか、スポーツ施設、そしてありがちなオブジェがあります。子供のころ家族旅行で山に行ったのを思い出しますね。



1時間ほど散歩して戻ってくると、ビジターセンターに併設された土産物屋と、現地の農産物加工品を売る場所がありました。
地ビールとソーセージを購入。帰宅してから早速食べたけど、かなり美味しかった。地ビールは、日光と南信州がこれまでのところ当たりです。


木曽駒ヶ岳一帯、観光地としてもっとメジャーになってもいいのでは?軽井沢の規模はないけれど、相当過ごしやすい避暑地だと思いました。冬は千畳敷でスキーできるらしいし。
まあでも東京から遠すぎるのかね。高速バスで3時間半だから。普通は上越方面に出てしまうんでしょうな。

お天気に恵まれ、楽チン登山でテント泊デビューも無事果たすことができました。
そして、絶景と温泉をマッタリ楽しむという休暇の目的もバッチリ。
今度は中央アルプスの他の山から縦走して来てみたいですね。

↓記事がおもしろかったら、投票していただけるとありがたいです
にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へにほんブログ村人気ブログランキングへ

↓お勧めの本のリストを作りました。
冷たい風のような火を燃やすものたち

Creative Commons Licence冷たい風のような火 by icyfire is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.1 Japan License