冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

冬の北八ヶ岳ハイキング超楽しい

2014-02-18 21:45:34 | 旅行
八ヶ岳好き。南アルプスは大きすぎて圧倒されるし、北アルプスは格好よすぎて圧倒されるが、八ヶ岳は馴染みやすい気がする。
夏の終わりに行った時は快晴で、主峰の赤岳を含めて南八ヶ岳の人気コースを堪能。
山頂や稜線の岩場の面白さや絶景だけでなく、樹林帯の木々と土の香りや鳥の声、沢の水音など、原生林が懐深い感じでヒーリング効果抜群。
高山植物の時期を外したことだけが悔やまれるが、この時の山行は昨年のGWに山歩きを始めてから最も充実したものだったと思う。

で、季節は変わって厳冬期の2月。八ヶ岳の中でも北八ヶ岳と呼ばれる山域は、南と比べると標高も低く山容も険しくないために雪山初心者向けのコースとして雑誌などによく紹介されている。
2月の第2週くらいまでの時点では今年は雪が少ないらしいけど、2,500メートくらいの標高を誇る山域なので低気圧が通過した後はそれなりの降雪があるはずだし、その直後に高気圧が支配している時に訪れれば綺麗な青空と雪のコントラストも楽しめると思って機会をうかがう日々。
そして、先週土曜日の大雪の後を狙って月曜(有給)・火曜(祝日)で行ってきました。

今回のコースは2日編成。
1日目は北八ヶ岳ロープウェイで一気に標高2,200メートル地点まで運んでもらい、そこから北横岳(2,480メートル)に登頂。
その後登山道を戻って縞枯山(2,403メートル)に登頂、さらに茶臼山(2,384メートル)に進んで麦草峠(2,127メートル)に下りたら麦草ヒュッテにチェックイン。
そこからスノーシューを履いて完全凍結している白駒池(2,115メートル)にトレッキング。ヒュッテに戻って宿泊。
2日目は麦草ヒュッテをチェックアウトして丸山(2,330メートル)を経由して高見石(2,300メートル)へ。その後、今回の最高地点である中山(2,496メートル)に登ってから高見石に戻り、賽の河原と呼ばれる地点を経由して渋の湯(1,880メートル)に下山。

1. 快晴は最強の要素
八ヶ岳とは相性がいい。前回に続いて今回も快晴。つまり、2度の山行で2度の快晴。
雪山で快晴だと空の青さと雪の白さの対比が際立つので、特に素晴らしい。
日本の自然が作る絶景を楽しむ旅なので、これはとても大事な要素だ。
例えば以下のような光景。

北八ヶ岳らしい縞枯れ帯を含んだ光景。


北横岳山頂から見る蓼科山とその奥に見える北アルプス。この方面の木々には雪が載っていてきれいです。


そして南八ヶ岳方面の大パノラマ。やはり赤岳は勇壮。


中山展望台からの大パノラマ。北は蓼科山から北アルプス、乗鞍、御嶽山、中央アルプスとくっきり見える。


そして北八ヶ岳で人気の天狗岳。3月末までには私も登頂したいと思う。


高見石から白駒池と浅間山。とても気持ちいい。


完全凍結した上に雪の積もった白駒池。絶景の中心に立って、池ノ上をスノーシューハイク。


賽の河原。木々に雪がついていたらもっと綺麗だったのだと思う。


2. 樹林帯の「ちょっとモンスター」が可愛い
土曜日の大雪の後だったんだけど、八ヶ岳では東京で騒いだほどの大雪ではなかったらしく、その後の好天の太陽で樹上の雪はほとんどなくなってしまった模様。確かに、白く輝く霧氷・樹氷の類はほとんど見られず。
それでも、特に麦草峠からの樹林帯を進んで白駒池や丸山、そして中山に進む道には、北欧の森を思わせるような針葉樹と雪の光景がありました。
昨年2月に蔵王で見たスノーモンスターのような完全な樹氷ではないものの、これはこれで風情があるし、何より愛嬌があって可愛らしい。「ちょっとモンスター」と名付けて道すがら楽しんでおりました。






3. 自然と動植物を大切にしたくなる
「ちょっとモンスター」を眺めながら麦草峠~白駒池をスノーシューでハイキングしていると、動物の足跡が多く見られます。
白駒の奥庭という開けたスポットは、雪の吹き溜まりの形も面白いけど動物の足跡もたくさん。また、賽の河原でも鹿の足跡がたくさんありました。
鳥の声も聞こえます。谷川岳はまったくの静寂の中で修行のように登山しましたが、八ヶ岳は生命を身近に感じますね。
動物だけでなく、植物も意識されます。多種多様な苔が自生する北八ヶ岳の白駒池付近は、解説の看板が多くたっています。もちろん今の時期は苔は雪の下でみえないけれど、豊かな森を想像するのはむずかしくありません。
ハイキングしていると自然と動植物への愛情が強まると思います。

野兎の足跡。思ったより大きいですね。


鹿かカモシカ。


白駒の奥庭。


坪庭のシュカブラ。この下にも溶岩だけでなく、高山植物が眠っているんですよね。


帰り際、下山して「渋の湯」の温泉を出たところにいたカモシカ。


4. 冬の山小屋は落ち着く
今回は麦草ヒュッテさんにお世話になりました。
土曜日の大雪と日曜日の交通マヒのせいか、何と宿泊客は私一人。それでも面倒がらずに親切にしていただき、感謝です。
座敷の個室でストーブとコタツというのは、都心のマンションから来てみるととても懐かしい雰囲気。
暖かかったです。

麦草ヒュッテ。


日没直前、ヒュッテの前の大きく開けたところから見る綺麗なお月様。


晩御飯は焼き魚。



今回思ったのは、ピークハントという意味での登山をしなくても十分楽しいということ。
紅葉シーズンの北アルプスでも、穂高連峰のピークに登頂するのではなくて穂高連峰の紅葉を堪能するために「屏風の耳」に行ったけど、今回もそれに似ている。
天狗岳のような高めのピークは一つも狙わず、標高差にして100~300メートルくらいのピークを幾つか登り下り。主に樹林帯を歩いて八ヶ岳ならではの雪の森を楽しみました。それに加えてスノーシューで白駒池や付近の樹林帯をハイキングしたのが、とても気持ちよかった。
単独行でしたが、こういうハイキングは仲間がいた方が楽しいでしょうね。大雪でJRの運行が狂ったり中央高速が通行止めになったりしていたせいか、あまり多くの人には出会いませんでした。しかし、北八ヶ岳は冬のアウトドアスポットとして超おすすめできます。
キツイ登山ではなく、ハイキングで日本の冬山、雪の森、凍った池(白駒池は標高2,100メートル以上の地点にある池では日本最大。周囲の長さは1.35㎞)、数々の展望スポットが楽しめます。
山小屋も、夏だと登山客で混雑していて初心者は何となく気後れするかもしれないですが、冬なら空いていてスタッフの方と会話するのも楽しい。
冬のアウトドアに関心があるなら、是非行ってみて欲しいところです。

↓記事がおもしろかったら、投票していただけるとありがたいです
にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へにほんブログ村人気ブログランキングへ

↓お勧めの本のリストを作りました。
冷たい風のような火を燃やすものたち

Creative Commons Licence冷たい風のような火 by icyfire is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.1 Japan License