9月20日、21日の週末に行った鹿島槍ヶ岳の2日目です。
朝4時に目を覚ますとテントが霜でバリバリになっていて驚かされました。10分下の山荘でトイレを済ませ、4時40分ごろに寒い中を山頂に向けて出発です。
ご来光は、テント場と鹿島槍ヶ岳の間にある小ピークの布引岳で見ることを決めていました。そうすれば、朝焼けの鹿島槍も見ることができるからです。
冷池山荘のスタッフの話では5時20分くらいが日の出ということで、テント場からコースタイムで1時間程度のところですから、アタックザックで身を軽くしたら40~50分で着くだろうという算段です。
まだ暗い道をヘッデンの灯りを頼りに慎重に歩き、暫くするとハイマツ帯もほとんど抜けて岩と石の道になります。
東の空はこんな感じ。
麓の大町市の灯りが見えます。
そして、5時15分くらいに布引岳に到着。日の出を待ちます。
狙った通りの快晴状態。雲海も広がっており、最高のコンディションです。徐々に東の空がオレンジ色に色づきます。ちなみに、寒いです。
南の方角、爺ヶ岳から針ノ木岳、さらに遠くには槍ヶ岳が見えますが、徐々に赤くなっていきます。
そして、ついに太陽が出てきました。
爺ヶ岳がピンクに染まり始めます。
その奥には針ノ木、右奥には野口五郎岳や赤牛岳、水晶岳など。
そして鹿島槍。
太陽がどんどん大きくなります。
大絶景をGoogle+の「おまかせビジュアル」サービスでもらったパノラマ写真で。槍、穂高から水晶、野口五郎、赤牛、立山、剣まで、とにかく全部。それがピンクに染まっていく神々しさ。
立山と剣岳。剣岳はいちばん遅くに光が当たります。ちょうど鹿島槍の影になっているのです。つまり、剣には鹿島槍の影がくっきり写っていることになります。
拡大。
八ヶ岳、南ア方面。富士山も見えます。
拡大。
拡大針ノ木。針ノ木の左後の黒い山が水晶岳でしょう。別名黒岳と呼ばれるのがよく分かります。
拡大槍ヶ岳~穂高連峰。8月に縦走した前穂高岳から奥穂高岳の吊尾根もよく見えます。あの下は涸沢カール。そろそろ紅葉目当ての登山者でごった返す頃かも。
拡大剣岳。荒々しい。
オレンジ色に染まった鹿島槍。さて、そろそろ登頂を目指しますか。
鹿島槍までは、それほど急ではないものの地味に長い登りで体力を削られます。よく休んだ後の朝一番なので結構順調に行きましたが、昨日無理をしなくてよかったです。
そして、ついに山頂へ。八峰キレットを越えていくテント泊の人たちは全部抜かしたので、暫くは山頂を独り占めでした。風は弱かったですが、それでも寒いです。
ここからもまず目が行くのは立山と剣岳。
拡大剣岳。氷河が目立ちます。
拡大立山。やはり剣岳との比較感では女性的ということになるのでしょう。
登ってきた方角を振り返ります。先ほどまでピンクだった光景は快晴の太陽に照らされて本来の色に。左手前がさっきまでいた布引山。
そして、鹿島槍北峰(右)から奥に、五竜岳、唐松岳、白馬岳と連なる後立山連峰。今日はこっちには行きません。天気がよければ、今年の秋のうちに五竜から唐松に縦走する計画はあります。
山頂の絶景を楽しみ、他の登山者の方と写真を撮りあったりして暫く過ごしました。下山するのが名残惜しい感じでしたね。
それでも、夜明け後にテント場や小屋を出発したと思われる人たちが登ってくるのが見えたので、混雑する前に引き返します。
途中、登りの時には暗くて見落としていた高山植物も見ることができました。トウヤクリンドウとか。背景の真っ赤なウラシマツツジの中にあって白い姿が神秘的。
ミヤマリンドウやヤマハハコの群生も。
コメススキは背景に高山が来ると格好がつきます。
ライチョウさんに会えなかったことだけが残念でしたが、お天気に恵まれて最高の眺望を楽しみました。8時過ぎにはテント場に戻り、時間的に余裕があったので1時間ほどかけながら撤収です。霜で濡れたフライシートとか乾かしながら。
絶景のテント場も名残惜しかったですが、いずれ後立山縦走プランでもう一度来る機会もあるかもしれないし、針ノ木から種池山荘まで縦走する時にもこちらに足を延ばすことも考えられます。また来る可能性の高いところです。
さて、下山ですが、これが一筋縄にはいかない。まずは爺ヶ岳を300メートルくらい登り返すので。
当然、途中は現実逃避します。ナナカマドの紅葉とか、
鹿島槍を振り返ったりとか。すでにちょっと雲がかかってますね。早朝アタックがやはり正解でしょう。
霜に覆われたシャクナゲとか。
途中の冷乗越です。昨日よりも空の色が青いです。
ウラシマツツジの草紅葉は本当に美しい。ハイマツの緑とのコントラストが素晴らしい。
爺ヶ岳のピークには登らず、巻き道をトラバースしますが、巻き道と山頂の距離が近いのであまり楽にはならないです。逆に言えば、巻き道もそれなりの高度にあるので風景は素晴らしいです。
日蔭は霜が溶けずに残っていて、緑、赤、白の絶妙のコントラスト。
拡大。お菓子のようです。実はライチョウさんの好物らしいです。
種池山荘をこのアングルで収められるところまで戻ってきました。
鹿島槍を振り返ると、やはり東側から雲が湧いてきています。本当に、完全に晴れることの少ない山なのですね。登山道も立山方面もすべて快晴なのに。
爺ヶ岳をやっと下り、種池山荘近くまで来ました。ここは、ちょっとした紅葉の廊下になっています。
ここから見てもやはり鹿島槍は少し雲に隠れていました。紅葉とのコラボ写真を撮ろうと思ったんですけどね。
種池山荘に11時ごろ到着しました。とりあえずコーラを飲み、山荘の方とちょっと会話してから最後の食事としてフリーズドライの山菜おこわを食べました。
多くの登山客でにぎわっていました。今年は夏の書き入れ時に天候不順で山荘の収入も今一つだったと思うので、登山客がよいお天気で楽しむ中で山荘も稼いでくれればいいと思います。窯焼きピザが1,000円というのに惹かれましたが、山菜おこわを消費していたのでこれも次の機会に。
種池山荘から眺める針ノ木岳も、やはり青空が濃い方がいい感じですね。
さて、ここからは柏原新道を本格的に下山です。登りに3時間くらいだったので、下りは2時間ちょっとと踏んでいました。
実際にそのくらいで下山できましたが、途中に休憩ポイントがあまりないので、意識して休まないと結構疲れます。道がいいので膝の痛みとかはあまりないですが、高度を下げてくるとどうしても温度が高くなって水分と体力を消耗するので。
柏原新道の下山中にも、前日の登りよりも花に目が行きました。余裕があったのかも。
タテヤマアザミですかね。とにかくアザミであるのは間違いない。
タカネニガナ。
これはミヤマタンポポかなあ。葉の形がちょっと分からない。写真の撮り方失敗ですね。
そして、紅葉も青空が濃い方が映えます。
柏原新道、本当に歩きやすい道でした。極端な斜度もないし、大きな岩や滑りやすそうな木の根もないので足を運びやすく、とてもフレンドリーな形に整備されています。重ね重ね感謝します。
扇沢の登山口から振り返ると、真夏のような空でした。
鹿島槍ヶ岳、流石に後立山連峰の盟主の風格でしたね。お天気に恵まれてラッキーでした。爺ヶ岳もよかったです。最高の展望台だし、始まったばかりの紅葉も楽しめました。
ライチョウさんに会いに再訪したいと思います。
本格的なアルピニスト達は厳冬期の鹿島槍に登るみたいですが、私はそれはないので、次は夏の前半で高山植物の綺麗な時がいいです。
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冷たい風のような火を燃やすものたち
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朝4時に目を覚ますとテントが霜でバリバリになっていて驚かされました。10分下の山荘でトイレを済ませ、4時40分ごろに寒い中を山頂に向けて出発です。
ご来光は、テント場と鹿島槍ヶ岳の間にある小ピークの布引岳で見ることを決めていました。そうすれば、朝焼けの鹿島槍も見ることができるからです。
冷池山荘のスタッフの話では5時20分くらいが日の出ということで、テント場からコースタイムで1時間程度のところですから、アタックザックで身を軽くしたら40~50分で着くだろうという算段です。
まだ暗い道をヘッデンの灯りを頼りに慎重に歩き、暫くするとハイマツ帯もほとんど抜けて岩と石の道になります。
東の空はこんな感じ。
麓の大町市の灯りが見えます。
そして、5時15分くらいに布引岳に到着。日の出を待ちます。
狙った通りの快晴状態。雲海も広がっており、最高のコンディションです。徐々に東の空がオレンジ色に色づきます。ちなみに、寒いです。
南の方角、爺ヶ岳から針ノ木岳、さらに遠くには槍ヶ岳が見えますが、徐々に赤くなっていきます。
そして、ついに太陽が出てきました。
爺ヶ岳がピンクに染まり始めます。
その奥には針ノ木、右奥には野口五郎岳や赤牛岳、水晶岳など。
そして鹿島槍。
太陽がどんどん大きくなります。
大絶景をGoogle+の「おまかせビジュアル」サービスでもらったパノラマ写真で。槍、穂高から水晶、野口五郎、赤牛、立山、剣まで、とにかく全部。それがピンクに染まっていく神々しさ。
立山と剣岳。剣岳はいちばん遅くに光が当たります。ちょうど鹿島槍の影になっているのです。つまり、剣には鹿島槍の影がくっきり写っていることになります。
拡大。
八ヶ岳、南ア方面。富士山も見えます。
拡大。
拡大針ノ木。針ノ木の左後の黒い山が水晶岳でしょう。別名黒岳と呼ばれるのがよく分かります。
拡大槍ヶ岳~穂高連峰。8月に縦走した前穂高岳から奥穂高岳の吊尾根もよく見えます。あの下は涸沢カール。そろそろ紅葉目当ての登山者でごった返す頃かも。
拡大剣岳。荒々しい。
オレンジ色に染まった鹿島槍。さて、そろそろ登頂を目指しますか。
鹿島槍までは、それほど急ではないものの地味に長い登りで体力を削られます。よく休んだ後の朝一番なので結構順調に行きましたが、昨日無理をしなくてよかったです。
そして、ついに山頂へ。八峰キレットを越えていくテント泊の人たちは全部抜かしたので、暫くは山頂を独り占めでした。風は弱かったですが、それでも寒いです。
ここからもまず目が行くのは立山と剣岳。
拡大剣岳。氷河が目立ちます。
拡大立山。やはり剣岳との比較感では女性的ということになるのでしょう。
登ってきた方角を振り返ります。先ほどまでピンクだった光景は快晴の太陽に照らされて本来の色に。左手前がさっきまでいた布引山。
そして、鹿島槍北峰(右)から奥に、五竜岳、唐松岳、白馬岳と連なる後立山連峰。今日はこっちには行きません。天気がよければ、今年の秋のうちに五竜から唐松に縦走する計画はあります。
山頂の絶景を楽しみ、他の登山者の方と写真を撮りあったりして暫く過ごしました。下山するのが名残惜しい感じでしたね。
それでも、夜明け後にテント場や小屋を出発したと思われる人たちが登ってくるのが見えたので、混雑する前に引き返します。
途中、登りの時には暗くて見落としていた高山植物も見ることができました。トウヤクリンドウとか。背景の真っ赤なウラシマツツジの中にあって白い姿が神秘的。
ミヤマリンドウやヤマハハコの群生も。
コメススキは背景に高山が来ると格好がつきます。
ライチョウさんに会えなかったことだけが残念でしたが、お天気に恵まれて最高の眺望を楽しみました。8時過ぎにはテント場に戻り、時間的に余裕があったので1時間ほどかけながら撤収です。霜で濡れたフライシートとか乾かしながら。
絶景のテント場も名残惜しかったですが、いずれ後立山縦走プランでもう一度来る機会もあるかもしれないし、針ノ木から種池山荘まで縦走する時にもこちらに足を延ばすことも考えられます。また来る可能性の高いところです。
さて、下山ですが、これが一筋縄にはいかない。まずは爺ヶ岳を300メートルくらい登り返すので。
当然、途中は現実逃避します。ナナカマドの紅葉とか、
鹿島槍を振り返ったりとか。すでにちょっと雲がかかってますね。早朝アタックがやはり正解でしょう。
霜に覆われたシャクナゲとか。
途中の冷乗越です。昨日よりも空の色が青いです。
ウラシマツツジの草紅葉は本当に美しい。ハイマツの緑とのコントラストが素晴らしい。
爺ヶ岳のピークには登らず、巻き道をトラバースしますが、巻き道と山頂の距離が近いのであまり楽にはならないです。逆に言えば、巻き道もそれなりの高度にあるので風景は素晴らしいです。
日蔭は霜が溶けずに残っていて、緑、赤、白の絶妙のコントラスト。
拡大。お菓子のようです。実はライチョウさんの好物らしいです。
種池山荘をこのアングルで収められるところまで戻ってきました。
鹿島槍を振り返ると、やはり東側から雲が湧いてきています。本当に、完全に晴れることの少ない山なのですね。登山道も立山方面もすべて快晴なのに。
爺ヶ岳をやっと下り、種池山荘近くまで来ました。ここは、ちょっとした紅葉の廊下になっています。
ここから見てもやはり鹿島槍は少し雲に隠れていました。紅葉とのコラボ写真を撮ろうと思ったんですけどね。
種池山荘に11時ごろ到着しました。とりあえずコーラを飲み、山荘の方とちょっと会話してから最後の食事としてフリーズドライの山菜おこわを食べました。
多くの登山客でにぎわっていました。今年は夏の書き入れ時に天候不順で山荘の収入も今一つだったと思うので、登山客がよいお天気で楽しむ中で山荘も稼いでくれればいいと思います。窯焼きピザが1,000円というのに惹かれましたが、山菜おこわを消費していたのでこれも次の機会に。
種池山荘から眺める針ノ木岳も、やはり青空が濃い方がいい感じですね。
さて、ここからは柏原新道を本格的に下山です。登りに3時間くらいだったので、下りは2時間ちょっとと踏んでいました。
実際にそのくらいで下山できましたが、途中に休憩ポイントがあまりないので、意識して休まないと結構疲れます。道がいいので膝の痛みとかはあまりないですが、高度を下げてくるとどうしても温度が高くなって水分と体力を消耗するので。
柏原新道の下山中にも、前日の登りよりも花に目が行きました。余裕があったのかも。
タテヤマアザミですかね。とにかくアザミであるのは間違いない。
タカネニガナ。
これはミヤマタンポポかなあ。葉の形がちょっと分からない。写真の撮り方失敗ですね。
そして、紅葉も青空が濃い方が映えます。
柏原新道、本当に歩きやすい道でした。極端な斜度もないし、大きな岩や滑りやすそうな木の根もないので足を運びやすく、とてもフレンドリーな形に整備されています。重ね重ね感謝します。
扇沢の登山口から振り返ると、真夏のような空でした。
鹿島槍ヶ岳、流石に後立山連峰の盟主の風格でしたね。お天気に恵まれてラッキーでした。爺ヶ岳もよかったです。最高の展望台だし、始まったばかりの紅葉も楽しめました。
ライチョウさんに会いに再訪したいと思います。
本格的なアルピニスト達は厳冬期の鹿島槍に登るみたいですが、私はそれはないので、次は夏の前半で高山植物の綺麗な時がいいです。
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