冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

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強風の北岳 キタダケソウさんに会えるのか

2016-07-26 23:13:27 | 旅行
山歩きを始める前から興味のあった山が幾つかあります。その中でまだ未踏なのは北アルプスの白馬岳と南アルプスの北岳。
そして、白馬岳にはウルップソウ、北岳にはキタダケソウという、花を重視している自分としては外せないターゲットも咲きます。
今年は冬に雪が少なかった影響か、各地で高山植物の開花も早まりました。そのため、6月初めにはお目当ての花も開花しているという情報が入っていました。
しかし、だからと言って直ぐに行けないのが現実。車を運転しないのでアルプスの山々に行くには公共交通機関を利用するしかないのですが、登山口までのバスは7月近くにならないと走り始めません。また、南アルプスはそもそもアクセスが厳しい。北岳登山の起点となる広河原は6月25日の開山まではアクセス不能です。一般車両の交通規制があるため。

早めに咲き始めたお花は見頃を過ぎてしまいます。まったく、気候を考えて柔軟に運行スケジュールを組めばいいのに、お役所的なインフラ産業にそんなことを期待しても無理。お花という意味ではこのままでは今年は残念な年になってしまう可能性大だったので、公共交通機関で早くからアクセス可能な八ヶ岳だけは5月のうちに訪れ、お目当てのツクモグサを堪能しました。
そして、早くも7月に入り、北岳もやっとアクセス可能になったものの、季節は梅雨。お天気的に厳しい。

そんな中、予想天気図を頼りに自分なりに分析し、7月2日、3日の週末で南アルプス最高峰にして日本2位の高峰、北岳に行ってきました。白馬岳ではなくて北岳にしたのは、予想天気図的に長野県北部は相当の確率で雨の週末と思われたので。まあ、結果的には北アルプスも結構晴れたようで。

山梨交通の登山用の夜行バスで、夜10時に新宿発のものを利用しました。途中、午前1時くらいに甲府近辺の施設に寄って、そこの広間でザゴ寝(布団はないけど畳の上で座布団とか敷いてタオルケット使える)。4時半くらいまで。5時頃に広河原の登山口に向けて出発し、途中で他の登山客も拾って6時半くらいに広河原到着というもの。
3時間ちょっと床の上で睡眠できること、これを使わない場合は公共交通機関だと前日(前夜)に甲府入りして早朝の路線バスを使わないと午前6時台には広河原に入れないことを勘案し、8,000円という距離的には遠い北アルプスへのバスよりもお値段は高いけれど利用してみました。
南アルプスは交通規制があるのでアクセスが悪く、余裕を持って登山口にたどり着けないのが苦しいですな。
使ってみた感じは、施設でのザゴ寝まではOK。翌朝広河原へ向かうバスは夜行のバスではなくて路線バスの車両なので、途中で乗客を拾って満員になるとザックを膝の上で抱えて苦しい状況で1時間以上耐えるという事実がいただけなかった。まあ、アクセスの悪い南アルプスなので、サービス提供者の方が交渉力強い。この値段でも利用するしかないです。

で、広河原は曇り。予想天気図通りの展開で、北岳は雲の中。まあ、それでもキタダケソウさんを見に行くのが目的なので、稜線からの景色は諦めるつもりで歩き始めます。


お約束の吊り橋を渡る。


ルートは、樹林帯の中を白根御池小屋に向かい、そこから草スベリという樹林帯の急登を進むコースを取りました。これは、広河原から約600メートル登ったところにある白根御池小屋のテント場にテントを設営して、山頂との間をピストンするためです。
当初は翌週の前半に有給休暇を取って白根三山の縦走も考えていたのですが、木曜日の時点で72時間後の予想天気図(高層天気図)を調べたところ、標高3,000メートルの辺りでは土曜の夜から日曜の昼過ぎにかけて風速17メートルの強風が見込まれていました。
その状況で稜線のテント場、具体的には北岳肩の小屋のテント場にテントを張っていては、私の能力だと撤収作業中に飛ばされかねない。そんな危険を考えると、土曜のうちに北岳に登頂してキタダケソウを探し、白根御池小屋のテント場に戻って日曜に余裕を持って下山すべきという判断です。白根御池から山頂は1,000メートルの標高差があるので楽じゃないスケジュールですけど、全体的なリスク管理です。

それにしても北岳、山がでかい。6時半頃広河原を出てから約2時間半で白根御池小屋に着きましたが、この樹林帯の急登は侮れません。
夏山で蒸し暑いから汗も噴き出すし。テント泊装備はやはり負担が大きく、序盤はほとんど写真なし。針葉樹の若芽が美しいのと、南アルプスの森らしい土と木の香りに支えられながら、修行のような道を行きました。


お花は、トリアシショウマとかゴゼンタチバナ、カラマツソウなどのレギュラーキャラに加え、タカネグンナイフウロの濃い紫の花が目立ちました。が、ここでの写真よりも別の場所で撮ったものの方が形がいいので後ほど。
途中、開けたところから鳳凰三山を見ることができます。山歩きを始めたばかりの2013年に登り、タカネビランジの可愛さと花崗岩の独特の白さが際立つ稜線の美しさに感動しました。


まあ、雲がかかっていてちょっと不吉な感じのシーンなのは否めない。
心が折れそうな登りを経て、白根御池小屋に到着。テント泊装備の人の多くはそのまま稜線を目指したようですが、翌朝大丈夫だったのか。動けずに停滞した人もいたのではないかと思います。私と言えば、あと2時間以上かけて1,000メートル近くテント泊装備を担ぎ上げる気はまったくなく、ここで早々に今夜の宿を設営しました。


眺望などは特に特徴ない地味なテント場ですが、水が豊富だしトイレも水洗で清潔。縦走ではなくて北岳だけを狙うならお勧めのテント場です。
さて、9時過ぎにテント場を出発し、急登で知られる草スベリを行きます。ニリンソウやミツバオーレン、そしてミヤマハナシノブとか、キバナノコマノツメ、シナノキンバイなどの花がいっぱい咲いていて綺麗ですが、急登であまり余裕がありません。テント装備からは既に解放され、アタックザックでの登りなので楽なはずなんですけどね。





ちなみに、後から調べたところではミヤマハナシノブは北岳ではいっぱい咲いていますが、北岳と北アルプスの清水岳という山にしか咲かないということで、ほとんど固有種です。
柔らかい感じの薄紫の花びらと、濃い黄色の雄蕊の組み合わせがとても上品。

途中、北岳山頂方面を見上げるも、やはり雲の中。。。


そして、ガスの中を進むとミヤマキンバイ・シナノキンバイを中心とした巨大なお花畑が出現。鹿の食害から守るための防護柵があるのが仕方ないですが、それがなかったら本当に壮観でしょう。




イワカガミやハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、アオノツガザクラなどのレギュラー高山植物群もこれに交じって、それはそれは豪華です。北岳は花の大名山。




徐々に高度を上げて森林限界を突破するのはいいんだけど、この日は既に風が相当強かったです。翌朝には風速17メートルの予想でしたが、既に優に10メートルは越えていたでしょう。
写真を撮る手も震えるし、何よりガスの中で風に吹かれて寒い寒い。やはり3,000メートル級の山は過酷です。
そんな中、小太郎山分岐に到着。ここからは稜線歩きになるはずですが、ガスの中で眺望はゼロ。レインウェアを着こんで飛ばされないようにしっかり足取りを進めます。


でも高山植物の写真は頑張って撮る。ツガザクラやイワウメ、イワツメクサ、ミヤマタネツケバナ、タカネシオガマ、オヤマノエンドウ、イワベンケイ、ハハコヨモギ、チシマアマナ、そしてミヤマキンバイ。とにかく白、黄色、ピンク、赤、青、色とりどり、形もいろいろ、皆強風に揺れながら可憐な姿を見せてくれます。ホント、北岳は花の宝庫だ!こんなに凄いとは!






















青空を背景に撮りたかったですが、それは今回は仕方なし。いやー、それにしても本当に凄い。ハハコヨモギもいっぱいあるけれど、北岳と木曽駒ヶ岳にしか存在しないということで、ほとんど固有種。世界中で北岳にしか咲かない固有種のキタダケソウさんだけではないです。貴重なお花。自分の歩いたことのある山では、岩手の早池峰山に並ぶ凄さかもしれません。。

そして、肩の小屋が近づくとハクサンイチゲが目立つようになります。キタダケソウに似ていて気品を感じる白い花。群落を作りがちなので、迫力あるお花畑を見せてくれるのがいいですね。


まあ、背景が完全にガスですけど。。。
強風にさらされながらも執念でお花の写真を撮っている私の横を多くの登山者が抜かしていきましたが、それでも私も11時過ぎには北岳肩の小屋に到着。コースタイムよりはだいぶ早いペースでした。私を抜かしていた人はテント泊装備の人たちもいたので、彼らは相当足腰強いですね。八ヶ岳などとは違って、北岳に登る人は玄人っぽい感じがしました。


肩の小屋では温かいものが欲しくて、珍しくお汁粉を頼みました。500円。甘いものは普段あまり食べないですが。でも美味しかったです。寒い中強風にさらされながら急な登りをこなしてきた後なので、糖分も体が欲していたのでしょう。
30分くらい休んで、いよいよ山頂アタックです。山頂へは50分程度とありますが、実際には20分程度でしょう。途中にイワヒゲやキバナシャクナゲが咲いていて、相変わらず花が多いです。




しかし、ここで大きなミス。後日の調査によると実は小屋の周囲にキタダケソウさんが咲いていたらしいのですが、事前のヤマレコレポートでは出てこなかったのでチェックせず。無念。見逃しました。小屋の方、キタダケソウがこの日でもまだ咲いているとしたらどの辺りか質問したのに、このことを教えてくれないとはどういうことか。。。
まあ、嘆いてもしょうがない。この日に向けての事前調査では、いわゆるトラバース道のキタダケソウは今年は既にほぼ終わっていて、肩の小屋から登頂後に山頂から下る途中に比較的形のいい株があるという情報を得ていました。そのため、それに集中していたのです。

で、山頂を目指してガンガン登っていると、だんだんガスが晴れてきたような気がする。少なくとも明るくなっている。


右側を見ると、おや、仙丈ケ岳ではないですか。2年前の7月に登った南アルプスのビッグマザー。北アルプスの薬師岳と並んでおおらかな山容にカールが目立ちます。


こうなると俄然やる気がでます。もしかすると稜線の絶景が拝めるかもしれません。アタックザックで身軽だったせいもあり、ほとんど走るように山頂へ。おっ、見えてきた。山頂。


と、その前にチョウノスケソウが2輪だけ残っていました。八ヶ岳で群落を形成しているのを見てみたいのですが、今年はツクモグサ君を5月に見に行ってしまったのでその後はタイミングが合わず、見逃していました。ここで会えたのは嬉しい。




そして、ついに日本で2番目に高い山、北岳に登頂。標高3,193メートル。3位の奥穂高岳・間ノ岳より3メートル高いです。


この頃には仙丈ケ岳は完全に見えるようになっていました。相変わらず風は強いですが、晴れてきたので山頂にいた人達も大喜び。


これは中央アルプス方面。


まだこの頃は甲斐駒ヶ岳はガスに隠れていましたが、それでもちょっと顔を出すタイミングで撮影。


南アルプス南部は徐々に雲が取れてきていました。間ノ岳、農鳥岳につながる稜線は日本アルプスを代表する格好いい稜線と言えるでしょう。それがガスから時々姿を現します。








うーん、迫力十分。やはり当初計画のように、北岳から農鳥岳、もしくは塩見岳への縦走をしてみたくなります。南アルプスはアクセスがよくないのでどうしても計画では後回しになってしまう傾向がありますが、来てみるといつもとても感動します。山容が大きくて。休みの取れる時にちゃんと計画して実行しよう。

そして、そうこうしているうちに本当にガスが晴れてきて、なんと富士山も見えるようになりました。






東側には鳳凰三山と、その奥には奥秩父山塊の深い山山。


南アルプス南部の稜線もハッキリしてきて、さらにその奥の山並みも。


北側に目を転じると、甲斐駒ヶ岳もついにその雄姿を現しました。


仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳の図。


これは、Google+のサービスで自動的に写真が合成されてパノラマになったもの。左から北岳山頂から南側に連なる間ノ岳方面の稜線。西側をぐるっと見て仙丈ケ岳まで。


絶景を堪能して写真撮影し、他の登山者の方々と少しお話したら、頂上から下ってキタダケソウを探します。でもなかなか見つからない。ヤマレコにあった位置を何度も行き来しても見つからない。その間、いろんな別の花の写真だけが増えていく。










北岳山頂付近にはハクサンイチゲが多いです。






緑のハクサンイチゲも見つけました。これもヤマレコのレポートで掲載されていて、見たかったのです。でも、そのそばに咲いているはずのキタダケソウさんは見つからない。
代わりに、ミヤマオダマキが見つかりました。贔屓の花です。




そして、ついにその近くに一輪だけ、もう終わりかけのキタダケソウさんを発見。透き通るような白い花を広げた姿ではなく、やや縮んでしまっているけれど、気品のある花。


結局この一輪しか見つけれれませんでした。キタダケソウさんとの本当の出会いは来年以降に持ち越しです。温暖化の進む中ではどんどん難しくなるかもしれませんが、ある程度雪が残って開花時期が6月中旬以降になり、バスが開通して北岳の開山後にも暫くその姿が見られる年には絶対に再訪です。

さて、八本歯方面への分岐まで来ました。ここからの眺めもいいですね。




八本歯ルートは急な階段やハシゴが多く、下山で使うには注意を要しますが、天気が回復していたので特に問題なく進みました。
左手に有名な北岳バットレス。数百メートルの高さのある、国内有数の岩壁です。うーん、このシーンも格好いい。北岳、花の大名山というエレガントな一面と、巨大で荒々しい山容という男性的な一面を持つ、奥の深い山ですな。


その辺りから北の方角を見ると、八ヶ岳が見えました。


そのまま左俣ルートと呼ばれる、大樺沢の雪渓脇を通るルートで下山です。何だかんだで結構疲れました。山頂から白根御池のテント場までは1,000メートルの標高差がありますからね。
途中は、稜線とは違った花々を見ることができます。やはりミヤマハナシノブとタカネグンナイフウロが主役でしょう。








やっとテント場に戻ってきました。山頂方面はまた雲が出てきている模様。タイミング的にとても恵まれた山行でした。


この日に白根御池に泊まっていた方々には、山岳ガイドをやりながらクライミングをされている猛者が結構いたようです。やはり、バットレスに挑む玄人が多いところなんですね。
一方、この稜線にテントを張った人は大丈夫だったんでしょうか。後日調べたところ、翌朝の風速は25メートルに達した模様。私ならテントをたたむことはできず、停滞を余儀なくされるところ。遭難のニュースはなかったので何よりですが。

さて、私は翌日は下山するのみ。雨こそ降っていませんでしたが、樹林帯の中でも相当の風を感じる状況で、8時のバスに乗るべく5時過ぎにはテントをたたんで早々に下山しました。


下山中に見た鳳凰三山方面も、何だか不穏な雰囲気。


いやー、お天気大事ですね。日本アルプスの3,000メートル級に挑むときは特に。安全もそうですが、やはりお天気が良くないとせっかくの稜線、高山植物ともに魅力が減退してしまいます。どうせ苦労して登るなら、多少混んでも晴れた日にすべきですね。

さて、下山後は甲府の銭湯で汗を流し、いつもの小作というほうとう屋さんで猪ほうとうを食べました。甲斐駒ヶ岳・仙丈ケ岳から下山した時と一緒の展開。


そして、時間があったので中央本線の鈍行でのんびり東京に帰りました。甲府駅で買った信玄餅のアイスクリーム、プレミアム価格ですが試す価値ありです。超美味。きな粉と黒蜜が絶妙でした。




北岳、これまで登った山の中でも、山そのものの存在感という意味では最高だったかもしれません。そして花の大名山。そして間ノ岳方面へ続く魅力的な稜線。そして世界でそこにしか咲かないキタダケソウ。再訪しない方がおかしい。南アルプスは行くまでが億劫ですが、行けばかならず心奪われますね。さて、次の訪問はいつになるやら。
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遥かな尾瀬はタテヤマリンドウの大当たり年

2016-07-09 10:04:26 | 旅行
6月4日と5日の土日、急に思い立って尾瀬に行ってきました。燧ケ岳は登らず、まったりテント泊して湿原を楽しむプランです。
豪絶地帯の尾瀬も今年は雪が少なめで、花の開花が例年に比べてとても早いようです。水芭蕉もいつもなら6月初めくらいに一番の見ごろらしいのですが、事前のリサーチによると今年は尾瀬ヶ原ではほぼ終わり、標高の高いアヤメ平などに残る程度ということでした。まあ、名物の大群落は見られなくても、湿原の癒し効果は昨年の鬼怒沼で経験済み。日本の代表的な自然美を楽しむなら、必ずしも水芭蕉がなくても大丈夫でしょう。

金曜日の夜にバスタ新宿を出発する関越バスの「尾瀬号」に乗り、まずは戸倉を目指します。戸倉からは朝4時半頃に出るシャトルバスで、尾瀬の入口である鳩待峠を目指します。
耳栓がポイントですね、夜行バスでは。結構眠ったと思います。注意としては、尾瀬号のパンフレットによると先に戸倉に着いてその後にもう一つの尾瀬の入口である大清水に行くように書いてあるのですが、実際には逆です。戸倉が後。これは、シャトルバスがどうせ4時半にならないと来ないので、早く着いても意味ないから。大清水からは林道を延々と歩いていくことになるので、夜明け前に着いても誰も文句を言わないんですね。むしろ時間を有効に使えるわけで。


そんな訳で鳩待峠に5時15分頃には到着です。尾瀬号も満員だったし、シャトルバスも満員。乗り切れない人はマイクロバスに乗せられていました。このマイクロバス、実は人数が集まったらバスと同じ料金で走ってくれる乗り合いタクシー。便利ですね。帰りにはこの乗り合いタクシーを使いました。


おにぎりなどの簡単な朝食を取って早速出発。尾瀬ヶ原に直接向かう人が多いと思いますが、私はアヤメ平を目指しました。今年は前述のように尾瀬ヶ原では水芭蕉もリュウキンカも見頃を過ぎているという情報を得ていたので、標高が高めのアヤメ平方面に残っているものを見ようという算段。加えて、尾瀬ヶ原を囲む小高い山に登ることになるので(標高差400メートルくらい)、景色も期待できるという腹です。
早速ブナの美しい森。尾瀬は実は湿原だけではなくて森も美しいですね。


尾瀬らしい木道の整備された道。朝の空気と木の香りがうれしい。


久しぶりのテント泊装備で重く感じますが、コースタイムより速いペースで横田代の湿原に到着。


そして、ここからは多くの登山者に抜かされるのも気にせず湿原の景色を楽しみます。早朝なので開いてない花もありますが、やはり湿原の楽園感はハンパない。
まずは水芭蕉。尾瀬ヶ原ほどの群生ではありませんが、ある程度楽しむことができます。


今年の尾瀬はタテヤマリンドウの当たり年。早朝はまだ花を開いていないものが多いですが、水色の小さい花が群しているのはとても可愛い。


ピンクの代表はヒメシャクナゲ。


アルプスの稜線では夏の代表的な花、チングルマが咲き始めていました。


そして湿原と言えばモウセンゴケ。鬼怒沼でも見ました。


そしてワタスゲ。この辺りは標高のせいか、まだ穂が真っ白にはなっていなかったですが、それでも木道と一緒に写真に収めるとなかなかいい。ワタスゲのメルヘン感は反則的に強力な癒しパワーがあると思う。




一歩引いて湿原を眺めると、とても気持ちがいい。青い空と緑の湿原、そして小さい花々と白い木道。


振り返ると至仏山。


これは平ヶ岳方面。ワタスゲの群生がよくわかると思います。


この通り。


そして、暫く歩くとアヤメ平に着きます。一時は人間が踏み荒して荒廃してしまった湿原ですが、東京電力などの地道な努力で回復してきています。東電のイメージはどうしてもよくないですが、尾瀬に限ってはその功績を認めるべきでしょう。


タテヤマリンドウが開いてきた。


ショウジョウバカマ。流石に花勢は終盤であまり見ませんでしたが、これは形のいい株。


イワカガミもちらほら。


ヒメシャクナゲもやはりピンクで可愛い。


尾瀬の主峰、燧ケ岳が正面に見えます。




平ヶ岳方面を振り返っても、池塘と一緒だと雰囲気が違う。


日光白根山も南方向に見えます。


ここから富士見峠方面に向かう途中に南方向の見晴らしがよいところがあるのですが、この山の風景が素晴らしい。原生林の緑が本当に綺麗。北関東の山々、尾瀬や谷川連峰、奥日光は本当に素晴らしいと思う。


見晴らしのいい木道を進みます。


富士見峠前の池塘。癒しの空間。


そしてタテヤマリンドウがたくさん。


ここからは樹林帯を尾瀬ヶ原方面に下ります。長沢新道という道です。途中、木道はあったりなかったり。意外と急な坂もあります。距離は短いけれど普通に登山道っぽい道でした。
ミツバオーレンが多かった。


広葉樹の森が美しい。巨樹もあります。






そして、やっと尾瀬ヶ原に下りてきました。すると、至仏山が左手に見えます。


水芭蕉と共に尾瀬に咲き乱れるリュウキンカ。残念ながら花勢は明らかに終盤で、形のいいものはあまり残っていませんでした。


そして、ここでもタテヤマリンドウが目立ちます。


これはなんだろう。白い花は多くてGoogle先生にお聞きしてもなかなか分からず。


湿原は泥炭の土地なので痩せていて栄養が少ないため、大きな植物は育ちにくいのです。だから、過酷な環境で生きる高山植物のような可愛い花が多いとのこと。タテヤマリンドウも、湿原のものは尾瀬沼周辺の樹林帯で見られるものより色が薄かったりして、やはり一生懸命なのですな。

そんな花を愛でながら尾瀬ヶ原の木道を行く。よく晴れた週末なので観光客が大勢。


尾瀬ヶ原の中央部に位置する龍宮と呼ばれるところに来ました。龍宮小屋という山小屋があり、その向こうには燧ケ岳が見えています。


龍宮小屋を過ぎて沼尻川を越え、尾瀬ヶ原の東端にある見晴を目指します。見晴には山小屋が6件も密集している上にテント場もあります。私もそこにテントを張る予定。途中はやはりタテヤマリンドウが多く、湿原はうっすらと水色に染まっているように見えました。
その他の花もちらほら。これはオゼヌマタイゲキ。


オオバタチツボスミレですかね。スミレは見分けるのがたいへんですが。


見晴の山小屋群に近づいてきました。燧ケ岳も徐々に大きく見えてきます。


見晴のテント場は、燧小屋が管理しているので、まずは小屋にて受け付け。


10時頃にはテントを張り、余裕の一日です。キツい山登りをせずに湿原の景色と空気、香りを楽しむ週末。なかなか優雅です。


とは言っても折角の尾瀬なので、寝て過ごしてもしょうがない。ここは尾瀬沼に散歩に出かけることにします。
尾瀬沼までは樹林帯の道を2時間ほど。尾瀬ヶ原とは標高差が250メートルくらいあるので、ところどころ急な坂もありますが、全体としては誰でも歩くことのできるルートだと思います。
はじめは木道を行きます。


沢を何度か通過。涼しい。


小粒の白い花が多いです。ニリンソウとか。


ツボスミレはたくさん。


これは何だろう。


スダヤクシュは結構ありました。


リュウキンカも形のいいものを探す。


これは不明。Google先生も限界。


オオカメノキ。どこにでもあるような気がするけど、尾瀬関連のホームページでは樹林帯の代表的な花として紹介されていることが多いです。


下から見上げる構図が好き。


時には形のよい水芭蕉も残っています。


そして、道中にも幾つかの小さい湿原があり、木道とベンチが整備されています。相変わらずタテヤマリンドウが多くて全体的にうっすら水色。


そんな中、ミツガシワ。よく見ると複雑な形の花ですが、可憐なイメージ。


湿原は木道とワタスゲのコラボ写真を撮っておけば間違いない。




程よく汗もかいたところで、尾瀬沼に到着です。沼尻と呼ばれる、北西の端に当たるところ。


さて、尾瀬沼を一周しながら景色とお花を楽しみます。ヤマカタバミが咲いていました。今年は奥多摩から八ヶ岳からどこでも見かけます。この花。


尾瀬沼越しの燧ケ岳は絵になる。


途中に水芭蕉がかなり残っている一角もありました。


そして、ビジターセンターに到着。ここ、結構情報豊富で楽しいです。鳥の写真と鳴き声のコーナーとか、かなりはまります。ぜひ行ってみてください。


何だかんだでゆっくり散歩して、尾瀬沼を一周して沼尻に帰還。その後は樹林帯の道を戻ります。帰りは250メートル下るので楽チンでした。
夕食までは燧小屋のお風呂で汗を流したりして過ごしました。久しぶりのテント泊でフォークや箸の類を忘れてくるという失態を犯したものの、流石に尾瀬なのでお土産に地元の木で作ったフォークがあったので事なきをえました。
夕食中に飛んできた小鳥。尾瀬では鳥の声はいつでも聞こえているのですが、勉強不足でまったく種類はわからず。


翌日は三条の滝方面に行くことも考えられたけど、今回は徹底的に楽をするコンセプトを採用して尾瀬ヶ原の木道を早朝散歩することにしました。
ワタスゲのメルヘン感に包まれながら木道を東電小屋方面に向かいます。


この小さい花は湿原の水辺に結構咲いていたんだけど名前が特定できない。


咲きかけの小さい青いお花。エゾムラサキかなあ。


早朝は特に野鳥の声がよく聞こえてきました。なかなか写真に収められないけど。これは必死にズームで撮ったもの。後姿だけど。


橋を渡ると一瞬だけ新潟県に入る。ちなみに、尾瀬は群馬県、新潟県、福島県にまたがっています。日本有数の豪雪地帯ですから、冬の積雪が豊かな水をたたえて湿原を支えているんでしょう


橋を渡った先にはオゼヌマタイゲキのお花畑がありました。




早朝のお散歩は快適。ブナの林を抜けて東電小屋方面へ。


東電小屋の周囲には水芭蕉やリュウキンカの群生地があるのですが、残念ながら今年の花の時期は終わっていました。


でも、一部のリュウキンカと例の白い花はまだまだ綺麗。


オオバタチツボスミレは所々に咲いていて、大きいから目立ちます。濃い紫が独特の気品を備えています。


ヨッピ吊橋と名付けられた橋を渡ります。


池塘が幾つか目につくエリアに入りました。池塘とワタスゲのコラボは天国感が強い。






朝の湿原。




一回りしたら見晴のテント場に戻って撤収。軽く朝食を食べて山ノ鼻方面へ。尾瀬ヶ原を横断して帰ります。




夜は花を閉じてしまうタテヤマリンドウが、再び花を開いてきたので湿原がうっすらと水色に。




そしてやはりワタスゲが可愛い。






池塘もたくさんあります。しかし、若干干上がっているように見えるものもあり、やはり冬場に雪の少なかった今年は水不足なのでしょう。貴重な直物のためにも梅雨の時期に恵みの雨があることを祈ります。






ヒメシャクナゲも牛首分岐を過ぎた辺りからかなり見かけました。


高山の稜線で見る花々と似ているようで違う雰囲気の湿原の花々。いずれもとても可憐で儚げで、ちょっと個性的なものが多いです。やはり花が好きだから山歩きしているのだと実感。

時間的にはまだ午前9時頃だったのですが、この時期は花の宝庫である至仏山は閉山されているので登らず、早めに東京に戻ることにします。週末のうちに片づけておきたいこともあったので。
山ノ鼻から鳩待峠までは基本的に木道の続く1時間程度の道ですが、観光客が大挙してやってくるのですれ違うのが結構大変でした。私はテント泊装備背負っているので邪魔だったでしょうね。
途中、ミヤマエイレンソウやカラマツソウを見かけました。


森の景色も素敵です。


鳩待峠に到着。人数が集まると乗り合いバスが戸倉まで順次出てくれるので、効率的です。


戸倉からはバスで上越線の沼田駅に出て帰りました。
尾瀬や奥日光、谷川連峰などの北関東の山々は贔屓の山域です。雪深い地域なので自然環境の厳しさがハンパなく、ただでさえ森の木々や花々、そして鳥たちも特徴的で美しい。それに地理的に特殊な高層湿原や氷河が削った景観、火山の影響、蛇紋岩という特殊な岩でできた山々など、箱庭のように凝縮されていて素晴らしい。3,000メートル級の稜線とは違った楽しみ方ができますし、心理的にはより落ち着く環境だと思います。
尾瀬には夏にもう一度くらいは行きたいです。他の花が咲く季節、そして至仏山の開いている季節に。
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