土曜日は群馬県と新潟県の県境にある谷川山系の山に登りました。谷川岳が有名ですが、それを含む山塊で、標高はいずれも谷川岳より高いです。仙ノ倉山は谷川山系の最高峰で、2026メートルあります。
谷川山系のこの2つの山には、2つの「売り」があります。
1つ目は高山植物。6月中旬が一番の見ごろらしく、少し時期をはずしたものの、以下に載せる写真にあるように多くの花を見ることができます。
2つ目は稜線の美しさ。日本有数と言うか世界有数の豪雪地帯である上越地方の山は、2000メートルくらいなのに森林限界を越えているので、アルプスのような見晴らしのよい稜線歩きができます。
1泊2日で谷川岳から縦走というのも、ある程度の経験者ならあり得るコースでしょう。
東京からのアクセスは、上越新幹線を使うと簡単です。7:00発の「MAXとき」で1時間少しで越後湯沢に出られます。
越後湯沢駅の東口にあるバスターミナルから、8:20発の苗場プリンスホテル行きに乗ると、9時前には平標山登山口のバス停に着きます。
同じバスに乗った登山者は10人もいませんでしたね。天気予報も午後は雨とあったので、登山者は少なめだったのかも。
平標山の登山経路は大きく2つあるのですが、沢沿いの経路は後半急な登りが続くのが嫌だったので、松手山コースをとりました。こちらのコースは初め樹林帯を結構急な階段が続きますが、松手山を越えると森林限界を越えて稜線歩きになるということなので。
最後に反省を書きますが、この日は出だしこそ好調だったものの、松手山に着くころにはバテ気味になっていました。
最初のうちは年配の登山者を追い抜いていたものの、稜線上では皆さんと同じかむしろ遅い歩みに。高山植物豊富な可愛い山の印象ですが、1000メートルくらいの標高差を登るので舐めてかかると苦しむことになります。
松手山を越えると、多くの高山植物が目に付くようになります。以下、その一部をここに(花の名前はGoogle先生にお聞きしたもの)。
ベニサラサドウダン。赤が鮮烈ながら小さい花は可憐。低木に咲く花。
ハクサンチドリ。ランの仲間。数は少なかった。
アズマシャクナゲ or ハクサンシャクナゲ。山頂近くには結構きれいなものもあったけど、樹林帯では多くが既に見ごろを過ぎていた。
タニウツギ。同様に山頂付近のものの色が濃くて綺麗。
アカモノ。とても可憐。形は低木に咲く花に似ているけど、これは草の花。
ヨツバシオガマ。ちょっとハクサンチドリに似ているけど、よく見ると葉も花も違う。数も多い。
ウラジロヨウラク。ベニサラサドウダンを薄紫にした感じ。この下にアカモノが結構咲いていて、色のコントラストが綺麗だった。
オノエラン。珍しいらしい。
コバイケイソウ。大きくて目立つ。数も多かった。
ナナカマドと蝶の一種。昆虫が多かったです。
曇っていて景色はいまいちでしたが、それでも稜線の迫力が感じられます。効用の時期に谷川岳と合わせてリベンジですかね。
雪渓も残っていました。さすが豪雪地帯。
ちょっと晴れ間が出ると雰囲気が一変しますな。
仙ノ倉山方面は、一面の天空の花畑状態になっています。植物を保護するために登山道を外れることはできませんが、この草原に寝転ぶと気持ちよさそう。
イワカガミ。綺麗なのに下を向いているので撮りにくい。
ミヤマキンバイ。ハクサンコザクラ、ハクサニチゲと一緒に花畑を構成していました。
花畑の主役の一人、ハクサンコザクラ。花勢としては終盤で、雨にぬれて花びらがふにゃふにゃのが多かったです。が、可憐。
主役のハクサンイチゲ。まさに花畑の主。一面に咲いていました。
この日は曇っていたせいか、平標山から仙ノ倉山まで行く人はほとんどいませんでした。小学生と思われるお子さんを連れた4人家族と、若い男女3人のパーティ、その他ちらほら単独行の人がいたくらい。
途中の道ではハイマツの実?が見ごたえありました。
ツマトリソウが可憐に咲いていました。
仙ノ倉山は谷川山系最高峰ということで、山頂の眺望が素晴らしいはずですが、この日は何も見えず。
しょうがないので平標山の山頂まで戻って、平標山の家という山小屋方面に下山を開始。長い階段が続きます。とちゅう、シャクナゲやベニサラサドウダンが多く咲いていました。山小屋に着く直前、軽く雨が降ってきました。仕方なく雨宿りをさせてもらいました。水場があり、美味しい湧き水を飲むことができます。有料トイレもあります。
しばらくして止んだので下山再開。しかし、沢沿いの林道に出たころから30分程度でしたがかなり強い雨に降られました。木陰で雨を避けながらレインウェア上下を取り出し、装着。この気温では低体温症の心配はないものの、単に濡れたくない。ボトムズは買ってから初めて装着しましたが、雨を避けるにはやはりレインウェア相当効果的ですな。
雨の中は楽しくなかったですが、沢沿いの道にギンリョウソウを見つけました。エイリアンみたいですが、キノコの仲間のようですな。
下山後は、バスで越後湯沢まで戻り、日帰り温泉の江神温泉で汗と疲れを落としました。
思ったよりは道も楽でなく、そういう意味でやりがいのある登山でした。もちろん、高山植物はさすが。花の宝庫ですな。
一方で今回の登山は、前回6月9日の日光男体山登山の成功でいい気なっていたため、幾つかの基本的な失敗をしています。
そのため、思いのほか苦しい登山になってしまいました。具体的には、
1) 朝食とらなかった:
もともと朝食をとらない習慣なのですが、さすがに登山する時にはアミノバイタルとゆで卵とかアンパンとか、簡単なエネルギー補給をしてきました。ところが、この日はなぜか何も食べずに登山を開始。途中で明らかにエネルギー切れを原因とする疲労が襲ってきて、しかも山頂までは開けた場所がほとんどなかったので休んで食事を取るタイミングも逸してしまい、全体的なペースを大きく乱す結果になりました。
2) 服装がいいかげん:
いまだにアウトドアショップでウェアを揃えるようなことはせず、ユニクロの機能性シャツとかで済ませてます。これまでは晴れていても湿度が低めだったりしたので、それでも問題ありませんでした。しかし、今回は登山口から急な上り坂が続き、しかも湿度が高くてあっという間に汗だくに。そのためボトムズが足にくっついてしまい、足を上げにくい状態に。多くの登山者のように、スポーツタイツとショートトラウザースというのが正解。
3) 虫対策がいまいち:
事前にブログなどを調査して、この時期はバグが多いことは分かっていました。そこで虫除けを持っていったんだけど、腕などの肌はこれで防衛できても頭はダメだった。髪の中に平気で入り込んでくるバグが多くて、しかも結構噛まれたりして、不快だった。
ちゃんと準備するのは基本ですね。舐めてはいけません。
山頂付近は風があると涼しいですが、特に登山開始直後は真夏の道を行くのとたいして変わらないように思います。
暑さと湿気への対策が欠かせませんな。
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冷たい風のような火を燃やすものたち
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谷川山系のこの2つの山には、2つの「売り」があります。
1つ目は高山植物。6月中旬が一番の見ごろらしく、少し時期をはずしたものの、以下に載せる写真にあるように多くの花を見ることができます。
2つ目は稜線の美しさ。日本有数と言うか世界有数の豪雪地帯である上越地方の山は、2000メートルくらいなのに森林限界を越えているので、アルプスのような見晴らしのよい稜線歩きができます。
1泊2日で谷川岳から縦走というのも、ある程度の経験者ならあり得るコースでしょう。
東京からのアクセスは、上越新幹線を使うと簡単です。7:00発の「MAXとき」で1時間少しで越後湯沢に出られます。
越後湯沢駅の東口にあるバスターミナルから、8:20発の苗場プリンスホテル行きに乗ると、9時前には平標山登山口のバス停に着きます。
同じバスに乗った登山者は10人もいませんでしたね。天気予報も午後は雨とあったので、登山者は少なめだったのかも。
平標山の登山経路は大きく2つあるのですが、沢沿いの経路は後半急な登りが続くのが嫌だったので、松手山コースをとりました。こちらのコースは初め樹林帯を結構急な階段が続きますが、松手山を越えると森林限界を越えて稜線歩きになるということなので。
最後に反省を書きますが、この日は出だしこそ好調だったものの、松手山に着くころにはバテ気味になっていました。
最初のうちは年配の登山者を追い抜いていたものの、稜線上では皆さんと同じかむしろ遅い歩みに。高山植物豊富な可愛い山の印象ですが、1000メートルくらいの標高差を登るので舐めてかかると苦しむことになります。
松手山を越えると、多くの高山植物が目に付くようになります。以下、その一部をここに(花の名前はGoogle先生にお聞きしたもの)。
ベニサラサドウダン。赤が鮮烈ながら小さい花は可憐。低木に咲く花。
ハクサンチドリ。ランの仲間。数は少なかった。
アズマシャクナゲ or ハクサンシャクナゲ。山頂近くには結構きれいなものもあったけど、樹林帯では多くが既に見ごろを過ぎていた。
タニウツギ。同様に山頂付近のものの色が濃くて綺麗。
アカモノ。とても可憐。形は低木に咲く花に似ているけど、これは草の花。
ヨツバシオガマ。ちょっとハクサンチドリに似ているけど、よく見ると葉も花も違う。数も多い。
ウラジロヨウラク。ベニサラサドウダンを薄紫にした感じ。この下にアカモノが結構咲いていて、色のコントラストが綺麗だった。
オノエラン。珍しいらしい。
コバイケイソウ。大きくて目立つ。数も多かった。
ナナカマドと蝶の一種。昆虫が多かったです。
曇っていて景色はいまいちでしたが、それでも稜線の迫力が感じられます。効用の時期に谷川岳と合わせてリベンジですかね。
雪渓も残っていました。さすが豪雪地帯。
ちょっと晴れ間が出ると雰囲気が一変しますな。
仙ノ倉山方面は、一面の天空の花畑状態になっています。植物を保護するために登山道を外れることはできませんが、この草原に寝転ぶと気持ちよさそう。
イワカガミ。綺麗なのに下を向いているので撮りにくい。
ミヤマキンバイ。ハクサンコザクラ、ハクサニチゲと一緒に花畑を構成していました。
花畑の主役の一人、ハクサンコザクラ。花勢としては終盤で、雨にぬれて花びらがふにゃふにゃのが多かったです。が、可憐。
主役のハクサンイチゲ。まさに花畑の主。一面に咲いていました。
この日は曇っていたせいか、平標山から仙ノ倉山まで行く人はほとんどいませんでした。小学生と思われるお子さんを連れた4人家族と、若い男女3人のパーティ、その他ちらほら単独行の人がいたくらい。
途中の道ではハイマツの実?が見ごたえありました。
ツマトリソウが可憐に咲いていました。
仙ノ倉山は谷川山系最高峰ということで、山頂の眺望が素晴らしいはずですが、この日は何も見えず。
しょうがないので平標山の山頂まで戻って、平標山の家という山小屋方面に下山を開始。長い階段が続きます。とちゅう、シャクナゲやベニサラサドウダンが多く咲いていました。山小屋に着く直前、軽く雨が降ってきました。仕方なく雨宿りをさせてもらいました。水場があり、美味しい湧き水を飲むことができます。有料トイレもあります。
しばらくして止んだので下山再開。しかし、沢沿いの林道に出たころから30分程度でしたがかなり強い雨に降られました。木陰で雨を避けながらレインウェア上下を取り出し、装着。この気温では低体温症の心配はないものの、単に濡れたくない。ボトムズは買ってから初めて装着しましたが、雨を避けるにはやはりレインウェア相当効果的ですな。
雨の中は楽しくなかったですが、沢沿いの道にギンリョウソウを見つけました。エイリアンみたいですが、キノコの仲間のようですな。
下山後は、バスで越後湯沢まで戻り、日帰り温泉の江神温泉で汗と疲れを落としました。
思ったよりは道も楽でなく、そういう意味でやりがいのある登山でした。もちろん、高山植物はさすが。花の宝庫ですな。
一方で今回の登山は、前回6月9日の日光男体山登山の成功でいい気なっていたため、幾つかの基本的な失敗をしています。
そのため、思いのほか苦しい登山になってしまいました。具体的には、
1) 朝食とらなかった:
もともと朝食をとらない習慣なのですが、さすがに登山する時にはアミノバイタルとゆで卵とかアンパンとか、簡単なエネルギー補給をしてきました。ところが、この日はなぜか何も食べずに登山を開始。途中で明らかにエネルギー切れを原因とする疲労が襲ってきて、しかも山頂までは開けた場所がほとんどなかったので休んで食事を取るタイミングも逸してしまい、全体的なペースを大きく乱す結果になりました。
2) 服装がいいかげん:
いまだにアウトドアショップでウェアを揃えるようなことはせず、ユニクロの機能性シャツとかで済ませてます。これまでは晴れていても湿度が低めだったりしたので、それでも問題ありませんでした。しかし、今回は登山口から急な上り坂が続き、しかも湿度が高くてあっという間に汗だくに。そのためボトムズが足にくっついてしまい、足を上げにくい状態に。多くの登山者のように、スポーツタイツとショートトラウザースというのが正解。
3) 虫対策がいまいち:
事前にブログなどを調査して、この時期はバグが多いことは分かっていました。そこで虫除けを持っていったんだけど、腕などの肌はこれで防衛できても頭はダメだった。髪の中に平気で入り込んでくるバグが多くて、しかも結構噛まれたりして、不快だった。
ちゃんと準備するのは基本ですね。舐めてはいけません。
山頂付近は風があると涼しいですが、特に登山開始直後は真夏の道を行くのとたいして変わらないように思います。
暑さと湿気への対策が欠かせませんな。
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