冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

築地、八丁堀、新川辺りのランチ

2011-12-28 20:28:09 | グルメ
職場はあまり趣のない六本木なのですが、住まいは中央区で老舗が多い楽しいところです。
で、土曜日を中心に経済的なお店でランチグルメをトライしつつあるのですが、この半年程度で見たトップスリーと思われるものをメモ。

1. 天ぷら 「ちはら
私、天ぷら屋には厳しいです。天ぷらグルメだと言うわけではなく、単にコスト対比で感動できる店が少ないと思うだけです。
チェーン店の「てんや」のコストパフォーマンスに勝つのって、実際にはかなり難しいと思うわけ。
で、この新川の小さなお店。ここは素晴らしい。てんやに圧倒的に勝つ。
路地にありますが、店に近づくと油のいい匂いがして、もう楽しくなります。お昼の定食950円。安い。そして目の前で揚げたて。
天ぷらはさくっと揚がっていて、まず海老が5本くらい出てきます。いきなりえび5本が目の前に出されるとかなり感動します。
そして、キス2匹(もしくはアナゴ。選べる。)、季節の野菜や海苔が何品か。
お味噌汁も美味しいし、パクパク食べて腹いっぱい。満足度高し。
長く続いてほしいお店です。ご高齢のご夫妻、末永くご健康でいてください。

2. 親子丼 「鳥ふじ
八丁堀、住所的には茅場町。ランチの名店の宝庫ですが、平日に行く機会がほとんどないのが残念です。
このお店は、特上親子丼というのがあります。1,400円。まあまあの値段ですが、地鶏にこだわりの卵ということで、確かに美味しい。
ふわふわ、しっとり、ジューシー。味も甘すぎず、しょっぱすぎず。
親子丼も、美味しいといわれながら、行ってみると「それほどでもないね」というお店が多い中、ここは満足。
1.の「ちはら」もそうですが、ご主人が調理しているのがカウンターから見えるのがなかなかよろしいと思いますね。
職人気質というか、真剣にお仕事されているのが伝わってくる。
夜に焼き鳥とかいただきに行くのもよいと思います。機会があれば試したいものです。

3・ ラーメン 「銀笹
私はラーメン通でもラーメンフリークでもないですが、日本人としては普通に時々食べたくなるし、実際美味しい店を見つけたいとも思います。
で、和風ラーメンとかいうジャンルに入るらしいこのお店。確かに、スープは和食の出汁のような味。
こってり豚骨とか、魚介系、東京ラーメンの醤油などのどれとも異なる、上品なお味。これがラーメンぽくないとして好きでないならしょうがないですが、私としてはこのスープはかなり美味だと思います。そして、細めの麺もチャーシューも、明らかに平均以上。
さらに、150円とリーズナブルな小鯛飯がポイント。
このラーメン、どんぶりの一部が注ぎ口の形をしていて、そこからスープを注ぐことができます。
つまり、即席鯛茶漬けができるのです。
まあ、ちゃんとした鯛茶漬けのようにしっかりと鯛の刺身・味噌ダレなどがあるわけではないですが、でもかなり美味しいです。

まあ、上記がトップスリーとは言っても、やはり私としては本当は以下の2店でのランチのほうが至福感強いですけど。
鮨 「石島
鰻 「丸静
お鮨のほうは、1,000円のランチでもいいけど、握りのおまかせだと3,500円。でも、夜行くことを考えるとやっぱりこっちかなあ。
鰻は量によっていろんな値段があるけど、普通は2,700円かな。
そうすると、両方ちょっと高いので今回のランキングからは外して番外編としました。

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Jazz現代の名盤 その50

2011-12-25 18:27:42 | 息抜き
50回目ということで、1年に渡って毎週末続けてきたこのシリーズもこれを最後にしたいと思います。
最後を何にするのか。30枚目くらいを書いている時からそれとなく考えていましたが、やはりこれですな。

On Tour。既に解散してしまった、フランスのある種実験的なバンド、Prysmのライブアルバムです。

この週末息抜きシリーズをメモしていくうちに、自分がJazzに何を求めているのか整理できたように思います。
私の場合はやはり即興性とスピード、パワー。そしてそれを支えるテクニック。バカテクと言われるような技巧派は贔屓してしまう。
メロディもスピードとパワーにマッチしたもの。メロディ軽視ではないのですが、メロディだけではだめ。
例えば、耽美的でリリカルだったり落ち着いていたりというのも悪くないでしょうし、そういうのが必要な時がありますが、それは私にとってはむしろ特殊な時。
普通にJazzを聞きたいと思うときには、刺激があるものの方が明らかに好み。
だから毒のある演奏も好むし、男性的で骨太な演奏も好む。
リリカル系で日常的に聞くのはほんの2~3枚。Habaneraとか。

閑話休題、このアルバムですが、Prysmは1994年にピアノ、ベース、ドラムズの3人が皆リーダーとして動くユニットとして結成されたフランスのトリオです。
Piano: Pierre de Bethmann
Drums: Benjamin Henocq
Base: Christophe Wallemme
という鬼才3人ですが、基本的に自作曲でパワーと即興性に任せた演奏、そしてそれを支える技巧面の才能にあふれたバンドでした。
2001年に活動停止するまで、相当の毒気を含む怪演を聞かせてくれました。
とにかく即興性が前に出る。イマジネーションとやる気の塊。音の洪水。ピンと張りつめた緊張感。「私たちを見よ。聴け。」と言っているよう。
この存在感は、私のイメージではBrad Mehldauなどあっという間に凌駕してしまうと思います。

これだけ自己主張が強ければ毒気も当たり前。アクティビスト的と言うか、反体制的なパワーがあります。
まあ、あまりクリスマス向けではないです。
私の場合は、10代から20代の後半まではRock、特にBritish Rockを聴いていたのですが、Jazzを聴くときのにもその時の好みはある程度反映されるように思いますね。
King Crimsonとかが好きな人は、この"On Tour"をお勧めしますね。
フランスのバンドですが、ワインやコニャックではない。あくの強いシングルモルトやジンのイメージ。
このアルバムを聴いて楽しんでいるうちは、まだまだ自分にも十分な若さが残っているということでしょう。
老成した大人には向かないアルバムでございます。

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Jazz現代の名盤 その49

2011-12-11 18:52:42 | 息抜き
週末息抜きシリーズ。Jazzアルバムのメモは最後から2回目。

Prima O Poi。イタリアが誇るGiovanni Mirabassiのピアノトリオ作品です。

なんとなく思いつくままに毎週定期的に書いてきたこのシリーズですが、私のコレクションでは永久に続けるには限界あるし、最近は50回なら切りがいいなと思っておりました。そうすると、当然最後の1枚は何にしようと考える。
で、最後から2枚目にしようと思ったこのMirabassi。個人的な思い出の多い1枚。それをこの12月の第2日曜日に書くことになるとは。まったくもって個人的な話ながら昨年のこの日は人生の節目で、このアルバムの思い出とも深く関係しているので。

それはさておき、やはり情熱と技巧のピアニスト、イタリアンのMirabassi。私としてはBaptiste Torotignonと並んで現代ピアニストのお気に入り。
表現力の広さと深さ、叙情感。すばらしい。
このアルバムはMirabassiらしいメロディの曲で幕を開け、それが少し異なった趣で3曲続きます。
1曲目はベースが主旋律を堂々と弾くところから始まり、Mirabassiの左手が引き取って盛り上がっていく。情熱的なメロディと安心感あるテクニックに支えられたMirabassi調。
3曲目はトランペットで参加のFlavio Boltroのすばらしい高音の演奏から始まって、これもドラマチック。メロディはMirabassi調で熱い。

そして、アルバムの展開の変化を告げる小品の4曲目を挟んで、聞き所は自身の作曲ではない5曲目と6曲目。
5曲目は久石譲作曲の、「ハウルの動く城」のテーマ。とても美しく、少し物悲しく、少し楽しげに表現されます。この表現力にはただただ感心するばかり。
ところで、このアニメ映画の評価ってどうなんですかね。ジブリ作品の中ではあまり評価されてないんですかね。私は意外と好きでした。魔法使いのハウルの心情はなかなか深く描かれていたと思います。やりすぎて悪魔のようになったり、落ち込んで溶けてしまったりするのはかなり共感できますな。
この5曲目は、個人的にも特に思い入れがあります。
6曲目は"Lloro"という曲で、テンポのよい明るく楽しい曲。いつもの熱い熱いイタリアの情熱的演奏とは一線を画した演奏で、とても聞き心地がよい。アルバムスタートから続いたMirabassi調にとのコントラストがおもしろいし、聞いていて疲れない。そして、このメロディは頭から離れなくなるタイプのものですな。

7曲目のバラードから美しく情熱的なパターンに戻りますが、特にこの曲ではホーンのBoltroの活躍がこれまた心地よい。8曲目は後半に盛り上がりを見せる展開で、パワー炸裂。そして9曲目にはもう1つ静かで叙情的な曲を持ってきて挟み込んでいます。冬の夜はこういう静かで長めの曲がうれしい。名手Louis Moutin担当のドラムとの絡みはよいので、もう少しベースが利いてくると余計によかったと思いますが。
最後の10曲目もホーンが極めて上手く使われていて、ホーンが感情豊かに高めていくのをピアノが受け止めます。

もっとクールなものが好きな人もいるでしょうし、北欧系の完璧なトリオプレイもよいでしょう。
最後は個人の趣味ですが、ピアノ、特にヨーロッパのピアノの中ではかなり贔屓です。

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Jazz現代の名盤 その48

2011-12-04 20:59:31 | 息抜き
週末息抜きシリーズ。今日はホーンを書きます。
このシリーズ、一応50回でやめようと思うのであと3回しか書くことができないのですが、私がJazzを聞くきっかけとなったこの人のアルバムをもう1枚。

Metamorphosen。変身ってことですかね。英語のMetamorphosisのドイツ語っぽいですが。
でも、内容は変身というよりは10年間カルテットを組んできたこのバンドのまとまりのよさを示した作品。
Branfordの作曲とMonkの曲がそれぞれ1曲ずつで、あとはバンドの各メンバーが2~3曲ずつ作曲しています。

1曲目は現代ジャズドラムの巨人であり、バンドの屋台骨を支えてきたJeff "Tain" Wattsの作品。1曲目に相応しい躍動感あるナンバー。バンドの演奏力と即興性がいかんなく発揮されます。
Branfordは3曲目の"Jabberwocky"を作曲。これはファンタジーの怪物の名前ですが、恐ろしい化け物というより捉えどころなく変化し続ける生命体のようなものをイメージさせる曲。明るい感じながら複雑で、これも即興性十分。
聞きどころは8曲目の"And Then, He Was Gone"から9曲目の"Samo"に至るアルバムの終盤戦。
それぞれベースのEric RevisとドラムのWattsの作品で、リズムが素晴らしいのは言うに及ばず。それが徐々に盛り上がりを見せながら、ピアノとサックスの聞き応えあるメロディを纏いつつ展開。この物語の展開は確かにMetamorphosisかもしれないですな。若いころのやんちゃぶりとは異なるものの、Branfordの激しい演奏も入ってくる。

昨今のピアノトリオ優勢の業界状況では、どうしても手持ちのCDもピアノのアルバムが多くなってしまう訳ですが、やはりホーン、特にアメリカのホーンはJazzらしくてよろしい。
Jazzに期待するパワーやグルーヴ感、即興性、リズムなどが素直に出てくる。
ピアノにしたって、ホーンと競演しているものの方が面白いと思わせられることもしばしば。

とろで、Branford Marsalisのアルバムは多いので、どれを取り上げるのかは迷うところ。
例えば、バラードの名盤とされる"Eternal"は私にとってはちょっと退屈だし、何よりこのアルバムの2曲目の"The Blossom of Painting"と7曲目の"The Last Goodbye"の2曲が十分よいバラードになっている。両方ともピアノのJoey Calderazzoの作品。
あるいは、88年の発表の作品で、その前年に東京でレコーディングされた"Random Abstract"は若いときのBranfordの野心的でパワーのあふれる名盤。でも、少し古い。
個人的によく聞いた"The Dark Keys"は、個人の好みが優先している感じで名盤リストには入れにくい。

まあ、こうやって考えると、自分の好みが自分で分かってきて、それはそれで意味あることですな。

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