冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

久しぶりに奥多摩 - 雪の鷹ノ巣山を楽しんだ

2017-02-26 19:22:54 | 息抜き
2月12日の日曜日、お天気も良かったので久しぶりに奥多摩に行くことにしました。お天気がよかったのはあくまでも東京の話で、北関東や長野などのメジャーな山々は雪でした。典型的な冬型の天気ですね。奥多摩は東京在住の私にとってはホームグラウンドのはずですが、何故かこれまで冬には山歩きしていません。冬はメジャーな雪山という先入観があったとも思えませんので、理由は今一つ不明です。自分のことですが。それはともかく、冬場は当然寒いので夏場のように暑さにやられて汗だくになって苦しむことが、基本的にはありません。つまり、夏場には暑さでやられがちな急登の山に行くには丁度いいと言えます。ということで、これまでは急登とそれに伴う暑さを嫌気して避けていた奥多摩の名峰、鷹ノ巣山に初めて行ってきました。


冬場とは言え、ホリデー快速奥多摩号は登山者が多く乗り込んでいます。そのため、奥多摩駅から奥多摩湖方面に向かうバスはやはり混雑。まあ、それでも皆さん着席できるレベルではありました。鷹ノ巣山と言えば、奥多摩でも一番の急登ルートである稲村岩尾根が有名ですが、実は今年の2月は通行止め。そのため、奥多摩湖畔の倉戸山を経由する榧ノ木尾根のルートを取りました。まあ、このルートも倉戸山の山頂までの標高差600メートル強はかなりの急登です。

バスを倉戸口のバス停で下りたら、早速登り始めます。快晴で奥多摩湖も綺麗。


直ぐに温泉神社という神社が現れます。奥多摩は温泉が多く湧いていて、この辺りも地名で熱海とかいうところがあるくらい。温泉宿もあります。


さて、その後は落葉したブナの樹林帯を行きます。気持ちのいい青空と冷たい空気ですが、地図にあるように結構急な坂で、直ぐにベースレイヤーとその上のシャツだけでも汗が出るくらい。


そして、比較的直ぐに雪が現れます。気温が適度に低いのが幸いしてアイスバーンにはならずにグズグズに溶けてもいない、比較的歩きやすい雪質でした。そこで、無理にチェインスパイクはつけずにツボ足で登ります。結果的に、この日は一日ツボ足でした。


途中2,3人の方とすれ違ったり追い抜いたりしましたが、全体的に人は少なめでした。落ち着いた山歩きができます。かなりの急登でしたが、何とか1時間15分くらいで山頂まで来ました。


ここからは榧ノ木尾根を行きますが、雪はそれまでの道よりもずっと深いです。トレースがついているので問題ないですが。ちょっとした雪山気分も味わえるというお得感。


実際にはもっと雪深いゾーンもありましたが、この程度は積もっていました。


動物の足跡も幾つかありました。奥多摩の自然は残していきたいですね。




榧ノ木尾根は比較的緩めの道なので辛くはないのですが、それほど歩いている人もいないのか所々でトレースが不鮮明でした。尾根道なので迷いにくいですが、一応気を付けていきました。


目指す鷹ノ巣山も見えてきました。


石尾根に合流。帰りは石尾根から奥多摩駅を目指す予定。


石尾根の下り方面にもかなりの雪が残っています。


さて、鷹ノ巣山山頂を目指します。ここからは20分くらいの道なのですが、山頂直下は雪や凍った土(霜)が溶けてドロドロの状態でした。この泥が滑る滑る。雪よりよっぽど厄介で、転ばないように注意が必要でした。


ここまで来ると、南側は開けていて富士山の眺望が素晴らしい。それにしても、富士山は圧倒的に大きい。




奥多摩や丹沢の山並みも綺麗です。


そして、12時ちょうどくらいに鷹ノ巣山に登頂。約3時間、標高差1,200メートルくらいで適度に厳しい道でした。澄んだ空気が気持ちよかった。非常にいいルートだと思います。ブナ並木が多かったので、新緑の頃にも歩きたいところ。


一応自撮り。


山頂からの富士山も美しい。




これは雲取山方面だったかな。写真を見直しても今一思い出せず。


登ってきた榧ノ木尾根越しに、御前山など奥多摩の山々。


その向こうには東京の街も見えます。


山頂では30分くらい、昼食を取りながら数人の登山者の方々とルートの雪の状態などの情報交換をして過ごしました。そして、12時半ごろに石尾根を下り始めました。順調にいけば3時間強で奥多摩の町に着くはず。山頂直下のドロドロゾーンだけは注意ですが。


雪は膝下近くまで積もっているところも稀にありましたが、全体的にこんな感じ。


シュカブラのようなものも。


激下りゾーン。奥多摩の尾根は急な箇所が多いので、実は下手なアルプスや百名山より厳しいと思います。


御前山と大岳山がよく見える。


小鳥の声が道すがらほとんどずっと聞こえていて、冬の森歩きも悪くない。と言うか、かなり楽しい。


シジュウカラかな。野鳥の姿は見えつつも、写真に撮るのは至難の業。


落ち葉ゾーン。実は滑りやすいし、落ち葉の下に石が隠れていたりして結構危険。


杉の植林帯まで下りてきました。ここまで来れば町はもうすぐ。


結局、3時過ぎには下山完了することができ、3時半前にはいつものもえぎの湯の温泉で温まりました。かなりいいペースで歩けました。この分なら、天気を見て白毛門とか唐松岳にも挑戦できそうな感じ。


ゆっくりと1時間ほど温泉を楽しみ、地ビールや川海苔の佃煮を買って、帰りもホリデー快速で帰りました。
鷹ノ巣山、確かに奥多摩の山の中では楽な部類ではないと思いますが、少なくともこの時期なら暑さにやられない分だけ登りやすいと思います。そして、ルートの広葉樹林は見事。眺望も素晴らしい。自分の中では、一気に奥多摩の中では贔屓の山に躍り出た感があります。春、初夏、秋にも行ってみよう。

強風・ガスガスの谷川岳

2017-02-09 21:11:05 | 旅行
毎年冬の谷川岳には登っています。大贔屓の山なので。谷川岳自体もですが、雪の主脈稜線が大迫力。ただし、天気予報で晴れ・高気圧が関東を覆う、となっていても実際には綺麗に晴れてくれることは稀で、その美しさを堪能できる可能性は低めです。今回も天気予報では晴れだったのですが、実際にはかなり苦戦を強いられる厳しいコンディションの中の山歩きとなりました。

新幹線は使わず、上越線の水上駅を9時53分に出るバスで谷川岳ロープウェイを目指します。10時13分に着く予定。もっと早く着くことができればいいのは間違いないですが、この時期は朝一番だと強烈なラッセルを強いられるので、谷川岳のようなメジャーな山では敢えてスタートを遅くしてトレースができてから登るのも手です。
この日は晴れて風も穏やかなはずなのに、(確かにロープウェイの乗り場付近は晴れていましたが)山頂方面は雲の中。ロープウェイの中から湯桧曽川対岸の白毛門方面を見ても、やはり山頂は雲に覆われています。


そして、この日は意外と風が強かった。ロープウェイの終着である標高1,300メートル地点で8メートル。その後は10メートル以上の風だったでしょう。ゲレンデ横を15分くらい登って登山道に出てからは、多分15メートル前後の風だったはず。そして、ガスも結構かかっていて視界もあまりよくありません。


まあ、人気の山なので登山者は多いです。しかし、こんな状況だと景色もよくなくて、写真をあまり撮らずに黙々と登る修行登山状態。主脈稜線方面を見上げてもこの通り。


見下ろすと寒さが倍増の景気。


振り返っても、綺麗に赤城山方面が見えてくれるわけではありません。


標高差約700メートル、2時間くらいの登りですが、景色がよく見えない中で強い風に吹かれて飛ばされそうになりながら黙々と進むのは結構つらいです。


終盤、西黒尾根からの道と合流するところにある巨大な道標ですが、今年はほぼ完全に雪に埋まっていました。去年は台座がかなり見えていたのと対照的。去年は少雪、今年はなかり多雪のようです。


で、12時半頃に双耳峰の手前のピークであるトマノ耳に到着。


視界のない悲しい山頂。一応自撮りしますが、風速は体感20メートル状態。山頂にいる人も皆余裕なく、1,2枚山頂写真を撮って即下山。


私は、昨年の快晴のコンディションの時には登山者の渋滞に巻き込まれて時間が厳しくなってしまい、オキノ耳に行けなかったことを悔やんでいました。そのため、今年は少し危険な天候ではありましたが、勝手知ったる10分間の道なのでオキノ耳まで歩きました。

途中の岩に作られる自然の造形美。風が強すぎて写真撮る余裕がほとんどないので、構図とか考えずにシャッター切っただけです。


そして、まあ山頂はトマノ耳同様に残念な視界。登頂することに意義を見出しているんでいいんですけどね。谷川岳に対する敬意みたいなもので。


主脈稜線もほぼ見えない。これでも一瞬ガスが晴れた時ですが。


とにかく風が強くて危険な感じだし、何よりも寒いので早々に下山です。そして、ありがちなパターンですが、下山を始めると徐々にガスが取れてくるという展開。




半分くらいコースを戻るとこのレベルの青空。今回はお天気に恵まれませんでした。残念。1時間くらい登頂が遅ければいい景色だったでしょう。




日光白根山、武尊山方面も綺麗に見えます。


そして、ゲレンデ上の見晴らしのよいところまで戻ってきました。谷川岳はこの雄姿。これが見られただけでもよいとする。そうするしかない。


白毛門方面も晴れました。


ちなみに、風は最後まで強くて、このように雪片が地吹雪のように飛びまくっていました。


バスがタイミング的に来ない時間だったので、帰りは土合まで歩いて鈍行で東京に戻りました。地下駅で有名な土合ですが、高崎方面に行くプラットフォームは地上なんですね。


毎年恒例の谷川岳ですが、今年はちょっと残念な結果に。それでもオキノ耳まで行くことができたので達成感はあります。この冬の目標は白毛門。晴れた日に白毛門から望む谷川岳の姿が見たいのです。