冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

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ホウオウシャジンを見に行く

2019-10-08 22:25:38 | 旅行
私の夏山行の目的は、山頂からの絶景よりも高山植物を見ることが基本。特に固有種など珍しいもの。上品なもの。可愛いもの。
ホウオウシャジンは世界で鳳凰三山にしか咲かない固有種で、山歩きを始めた頃から絶対に見たかった花の一つ。ハヤチネウスユキソウやキタダケソウ、ツクモグサやウルップソウに並ぶ見てみたい優先度の高い花でしたが、8月の終わりから9月初めという休暇を取るタイミングとしてはやや微妙な時期が開花の時期なので、これまでは機会を逸していました。しかし、この時期はお天気も比較的安定しているし、週末を利用した1泊の山行でホウオウシャジンだけを狙うのは本来そんなに難しいことではありません。と言うことで、盛夏の頃に日本アルプスに行きそびれた今年、晩夏の南アにお花見登山です。
まずはいつものように山行のまとめ的な写真を幾つか。











9月7日の土曜日、7:30に新宿を出る特急あずさで出発です。比較的遅い出発ですが、これは鳳凰三山にアプローチするルートとして今回は韮崎駅からバスに乗って御座石鉱泉の登山口を目指したため、そのバスの時間に合わせたものです。


テントは鳳凰小屋に張る予定。6年前の夏は山歩きを始めたばかりだったのでテント泊は体力的にも無理で、薬師小屋に泊って縦走しました。今回はその時素通りした鳳凰小屋を目指します。小屋のブログを見る限り、感じのいいスタッフが運営している親切な小屋のイメージです。で、10時40分くらいに御座石鉱泉の登山口を出発。


この日は稜線に出ないので完全に樹林帯の道を行きます。暑い。暑すぎて汗だくです。下手をするとプチ脱水症状に陥って足がつるパターンと序盤で認識。水分補給はこまめに行うように気を付けます。


南アは森林限界が2,700mくらいなので、基本的に稜線以外は森の中。それはそれで原生林の美しさや深い森の雰囲気(自然に対してちょっと畏怖の念を感じるような雰囲気)を楽しめるのですが、風も通りにくい樹林帯は苦しい山行になりがちですね。少し開けたところから、土砂崩れを防ぐ人工物が見えました。南アは今でも年間数センチ成長する世界有数の成長山脈なので、崩落も多いですからね。


この日はキノコを多く見かけたので、樹林帯の花の季節は終わっていたこともあってキノコ写真を幾つか撮りました。










序盤は広葉樹も多い。


暑くてやる気が失せそうになる状況でしたが、小屋泊装備の外国人の方が私の少し先を歩いていて、間隔が詰まらずにしばらく行けたのでペースメーカーになってもらった感じでした。
1時間ほど歩いてきて、お花はそれほどありません。癒しが少ない時期ですね。9月というのは。アキノキリンソウやマルバダケブキなどがありました。ソバナは目立つし華やかな花ですが、これが結構多かったのは救い。










2時間ほど歩いて、ルート上の小ピークである旭岳に到着。地図で見る限り、チェックポイントとなる燕頭山までは2:30のコースタイムなのであと少しかもしれませんが、急坂と書いてあります。これまでもいい加減急登だったと思うけど、さらに急坂が続くのか。


多少は眺望が開けるところも出てきました。富士山も見えたりします。




で、この後は急坂にやられてあまり写真がないですが、苦労して結局出発から2時間50分くらいで燕頭山に到着。このルートでは急登が続くので下から見上げて「あの辺が燕頭山かな」と当たりをつけて登る感じですが、何度も裏切られます。嫌になり始めたところで針葉樹が太くなり、笹原が出てきたら本当に山頂近くです。まあ、テント泊装備だからコースタイムより20分くらい遅れるのはしょうがないとしよう。






燕頭山の山頂にはベンチもあったので、腰かけて足をぶらぶらさせて休憩です。足を宙に浮かせることができると助かる。
さて、ここからは地図でもなだらかな道とされていて、コースタイム2時間ですが350mくらいしか標高は上がりません。少しは楽になるはず。景色もまあまあいい感じ。夏山っぽい。


足元にはノコンギク。奥多摩にもたくさん咲く花。


これは何の花かなタカネビランジに似ているけど、稜線はまだ遠いので違うと思う。


と思ったらコゴメグサも出てきた。樹林帯ですけど稜線の花も交じっているのかしら。


しかし、足元の植物の中心は苔であり、


深い針葉樹である。まったくもって南アルプスらしい風景。そして森の香りが強い。


確かに燕頭山までよりは道はなだらかですが、それでも時々嫌な登りや岩で足の置き所に迷うところもあるので、最後の方は結構バテていましたね。1泊とは言ってもテント泊装備だし。
苦行を続けて登っていると。。。あっオベリスクが見えた。もうそろそろ鳳凰小屋かな。


この風景が見えたら小屋が近い。


と思ってからも少し歩かされますが、15時少し過ぎに目的地の鳳凰小屋に到着。何だかんだ言ってコースタイムをだいぶ巻いた。これは燕頭山から後がコースタイム2時間に設定されているのが甘すぎるだけだと思います。


鳳凰小屋に着くと、入り口のところで若い女性が「お疲れ様」と登山者全員に声をかけていたのが印象的でした。癒されますね。こうした声かけでテント場の受付や水場・トイレの場所確認や注意事項の伝達などもしやすくなるでしょうし、こういう気の利くスタッフは素晴らしいと思います
で、鳳凰小屋のテント場は大人気で、天気が悪くなければ毎週末満員。張るところはスタッフが細かく指定するのが常らしいのですが、この日は台風情報を信じた人たちが多かったため、空いていました。ラッキーです。


小屋の周りには花が多く咲いています。スタッフが保護しているのでしょう。そして、何とホウオウシャジンもありました。




綺麗である。上品である。色も形も。葉の形も。ある意味、この時点で今回の山行の目的は達成してしまいました。しかし、もちろん翌日には稜線に咲くホウオウシャジンを見に行きます。

小屋の周りにはお花が多くて、サラシナショウマやシラヒゲソウもありました。シラヒゲソウは5年ぶりくらい。雲取山で見た。




一段落したらテント場でマッタリして翌日に備えます。台風は翌日の夜ですね。この週末は完全に天気図の読み勝ちです。


で、翌日。4時過ぎの夜明け前に起きて行動開始です。地蔵ヶ岳山頂でのご来光も狙えなくはなかったのですが、実際には小屋泊の団体さんの渋滞に巻き込まれたので、早々にその考えは捨てました。それでも途中で気を利かせて抜かせてくれたので、朝日でオレンジ色に染まるオベリスクと花崗岩質の山体の美しさを見ることができました。






それにしても滑る道だ。急坂だしね。


太陽が上がってしまって、普通の色になったオベリスク。まあ、お天気は最高です。


振り返ると太陽。そして富士山。




オベリスクのところに来ました。登っている人いますね。ちゃんとした装備がないと危険だと思いますが。


そして、この晴天ならではの甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳のツーショット。地蔵ヶ岳から見る甲斐駒はどっしりしていて風格がある。




明け方は風が強く、山頂付近でもホウオウシャジンを見つけたのですが風に揺れてしまって写真は撮りにくかったです。ピントが合わない。それはともかく、6年ぶりに来た賽の河原。相変わらず多くのお地蔵さん。子宝に恵まれた人が担ぎ上げるという伝説。


鳳凰三山の稜線は、この辺りでは樹林帯に潜って出てを繰り返します。ヤマハハコが可愛い。


そして振り返ってオベリスク。絵になる。


そしてここで待望の白峰三山。手前の北岳がやはり大迫力。北岳は贔屓の山。この2年は登っていないですが。前回鳳凰三山を縦走した時は、北岳は山頂付近だけ雲を被っていたのですが、今回はバッチリ全体を見せてくれました。


大樺沢の雪渓がちょっと残っている。


そして間ノ岳と農鳥岳。2016年に縦走しています。塩見岳から。自分史上最高の山行だった。


稜線にはタカネビランジが多く残っていてくれて嬉しかったですが、さすがに終盤で形のよいものはありませんでした。




コゴメグサは今年は当たり年なのかしら。とても多かった。八ヶ岳でも多かったし。


イワインチンは始めて見た。濃い黄色が目立つお花ですね。




ホウオウシャジン以外にもお花が多くて嬉しいですが、やはり目当てのホウオウシャジンを探してしまう。他の登山者にも見かけなかったか聞きまくる。皆さん、意外とお花に関心ないですね。お天気がよかったせいもあり、稜線の風景に感動していて足元は気にならない模様でした。
そんな中、何とか見つける。ホウオウシャジンは地蔵ヶ岳から観音ヶ岳の間にパラパラと咲いている感じで、大群落はありませんでした。絶対的な個体数はかなり少ないんじゃないかな。登山者としては、登山道を外れて無意識で踏みつけたりしないように気を付けたいものです。


時刻はまだ6時10分です。観音ヶ岳方面にゆっくり移動です。お花と景色を楽しんでいます。時間は余裕があります。


進行方向右側は常にこの景色。


鳳凰三山の花崗岩とのコラボ。


仙丈ケ岳と北岳を一緒に撮る。


イワインチンやタカネビランジは結構出てきますが、ホウオウシャジンは少ない。




やっと岩場に見つけて、コンデジのズーム機能で一生懸命撮る。それにしても上品な感じの花だ。固有種ブランドに魅せられているだけかもしれないが、とても美しいと感じる。


地蔵ヶ岳を振り返る定番のシーン。そして、この辺りから観音ヶ岳の手前までにホウオウシャジンの一番大きな株がありました。


ちょっと離れた崖際のところ。


拡大。


岩場に咲く花です。過酷な環境に咲く花には美しいものが多いというのは事実でしょう。


拡大。


なかなかピントも合わなかったのですが、大株を中心に写真を撮り、もちろん実物も時間をかけて愛でました。


さて、進行方向左側の景色も見てみましょう。雲海が見事です。


ちょっと左後ろを見ると、地蔵ヶ岳の右側には八ヶ岳。今年はついに(ほぼ)全山縦走しましたから思い入れがあります。


八ヶ岳拡大。


この地蔵ヶ岳のシーンは定番だと思うが、確かに日本離れしているというか、花崗岩の山というのは独特の絶景を作るものだ。


岩々しいところに咲いているホウオウシャジン。


実は登山道から結構遠いところに咲いているのを見つけて必死にズームした。


これは日陰になったところに咲いていたもの。これはこれで趣がある。


その奥のウラシマツツジ。草紅葉が早くも始まってますね。


進行方向には富士山が見えてます。


振り返ると稜線の向こうに甲斐駒ヶ岳。格好いい。


で、ゆっくり遊んでいても観音ヶ岳に着きました。7:30頃です。眺望という点ではここからの風景が最高でしょうね。皆さん岩の上から写真を楽しんでいました。私もザックを下ろして岩の上を跳ねて行きます。ホント、テント泊装備がなくなると急に身軽になります。
まずは稜線の向こうに見える富士山。南アルプスから見る富士山は大きい。


太陽と富士山のコラボは絵になります。


振り返ると地蔵ヶ岳の向こうに存在感抜群の甲斐駒ヶ岳。


雲の上に浮かぶ八ヶ岳連峰。


赤岳、阿弥陀岳、硫黄岳、天狗岳は直ぐに見分けられますね。実は権現岳も見えるのだけど。


そして何よりこの白峰三山が一番でしょう。


渋く農鳥岳方面にズーム。白峰南嶺の稜線の向こうに見えるのは荒川三山でしょうか。今年こそは、と思っていて結局行けなかった山域です。




そして間ノ岳。塩見岳から縦走した時は、その大きな山体がボスキャラ感を出していて迫力満点だった。


ザ・北岳。バットレスを正面から眺めるなら、ここかボーコン沢の頭からの眺めが一番なんでしょうね。これほどの男山って感じなのに、実は高山植物が咲き乱れてライチョウさんのいる山だというギャップが素晴らしい。


北岳と間ノ岳。


富士山と、右には南ア南部の山深い、緑深い山々。


南ア南部方面。こっちも歩いてみたいですが、上級者向きなので実現しない可能性が高いです。


もう一回白峰三山。今日の風景の主役。


山頂では20分以上遊んでいました。他の登山者の方々も、ここぞとばかりに写真を撮ったり寝転がって休んだり。あまり混んでいない日だったので、のんびりと絶景を楽しめる贅沢な山頂でした。
さて、鳳凰三山の縦走も終盤。あとは薬師ヶ岳を残すだけです。で、少し歩くと鳳凰三山名物のオブジェが登場。せっかくなので青空と甲斐駒と共に写真に収める。


観音ヶ岳を振り返るとこんな感じ。同じ花崗岩の山として、北アルプスの燕岳は無茶苦茶人気が高いですが、私は鳳凰三山の方がずっと格好いいと思います。オベリスクの大迫力だけでなく、砂浜のような白い稜線はこっちの方が長くて綺麗だし、薬師と観音の両ピークの岩の感じも格好いいし、なによりこっちの方が全体的なスケールが大きい。


進行方向。富士山が見えている。


右手にずっと見えている白峰三山も、徐々に見える角度が変わっていきます。


そして、いよいよ薬師ヶ岳へ。




この辺りは砂浜感が凄い。




薬師ヶ岳から見る白峰三山。特徴的な岩とコラボさせたりしていますが、似たような写真ばかりで飽きますね。さすがに。






まあ、白い砂とのコラボは絵になると思います。






薬師ヶ岳の奇岩と太陽。


奇岩と富士山。


オブジェも天気がいいので絵になる。


と言うことで、とにかくお天気がいいので時間を使って遊びまくり。時刻は8:30。コースタイムを1時間以上オーバーしていますが、そんなのどうでもいいんです。まあ、この後、長い長い夜叉神までの下りが待っている訳ですが、この時はまだ現実逃避タイムなのです。
そんなこんなで遊んでいましたが、夜叉神峠の登山口まではコースタイムで5時間の道。登りで7時間以上のコースタイムは盛りすぎですが、下りはテント泊装備で疲れているとこんなもんでしょうから、そろそろ本格的に下山です。稜線を途中からほぼ一緒に歩いてきた名古屋方面からいらしていたグループは、中道コースを青木鉱泉に下って行ったので、夜叉神に行くのは私だけ。まあ、危険の少ないコースなので問題ないでしょう。
ということで、8時40分に薬師小屋を通過。6年前はここに1泊お世話になりました。その後に建て替えられて、とても綺麗になっていました。


まだ富士山が見えました。ホント、南アから見る富士山はいいと思います。


さて、ここからは急な道ではないもののそれなりの斜度と、それなりの大きさの石(直径15センチほど)が邪魔な長い樹林帯を行きます。シラビソの香りは癒しになるんですけどね。


序盤は元気に下っていました。チェックポイントの南御室小屋まではコースタイムを20分弱まいて到着。


この小屋の周りのお花畑は鳳凰小屋同様によく保護されていて、素晴らしいです。特にヤナギランとトリカブトが見頃でした。ヤナギランはとても上品な色ですね。








南御室小屋からは少し長く登り返します。これは分かっていたことですが、結構キツイ。しかし、樹林帯ならではの美しさは保証されている。






で、25分ほど歩くと辻山への分岐に出ます。ここの展望は、鳳凰小屋のスタッフの方もお勧めされていたので、あえて行ってみます。と言うかテント泊装備が重いので空身でスイスイ歩いてみたかった。


で、15分強歩くと展望のある辻山へ出ます。これは鳳凰山。位置的に薬師ヶ岳でしょう。


そして白峰三山。稜線を下りてくる時には、もうこれでお別れと思ってバイバイしてきたのにもう一回会えた。


しばらくこの展望ポイントでこの山行最後の景色を楽しみました。南アは何となく親近感というか、愛着があります。北アは格好良すぎるんですかね。
で、あまり遊んでいると台風も近づいてくると思うので下山再開です。相変わらずシラビソなどの広葉樹林帯。


特徴的なオブジェも健在。


辻山から2時間20分ほど下ってきて、ついに植生もカラマツに変化。しかし長い樹林帯の道だ。登りの方がまだ長さを感じないかも。下りはどうしても早く下山したいという気持ちがあるので、長い道は精神的につらい。


そして急に広葉樹も増えてきます。ミズナラ登場で癒されます。




ちょっと下って登り返すところと、笹の感じが峠が近いことを暗示。と思っていたらやはり夜叉神峠に着きました。時刻は13:00少し前。辻山によって遊んでいた割にはコースタイムと変わらん感じです。


空はまだまだ夏です。


この後40分くらいで夜叉神の登山口に到着。バス停至近の新しくなった施設(山小屋とは呼ばないと思う)でお風呂に入り、アイスコーヒーをいただいてバスを待ちました。例によって広河原で満員になるバスでは座れませんでしたが、それでも今回の山行はお天気と台風情報のおかげ(人が少なくてゆっくりできた)でとても充実したものになりました。お目当てのホウオウシャジンだけでなく多くの花やキノコも見られたし、鳳凰小屋のスタッフや夜叉神の森の施設の方も感じがよくてよかった。こういう充実した週末は殺伐とした社会人生活から現実逃避するために必要ですね。
それにしても南ア、来年は絶対に赤石岳方面で大縦走したい。
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八ヶ岳テント泊縦断 その3

2019-09-22 21:34:06 | 旅行
観音平から麦草峠まで八ヶ岳を縦断する山旅の3日目。いよいよ最終日です。この日はオーレン小屋を出発して蓑冠山を越えて根石岳、天狗岳に至り、黒百合平を経由して中山展望台、高見石、白駒池を通って麦草峠に至ります。冬に歩いたことのあるコースが多いですが、八ヶ岳の中では標高が比較的低いエリアなので夏は暑いと思って避けていました。しかし、実は山歩きを始めた直後から見てみたいと思っていた景色があるルートなので、お天気がよいことを願っていました。

さて、余裕を持って5時半ごろに出発。まずはシラビソの樹林帯をコースタイム50分ほど登ります。香りのよい気持ちのいい道です。


登山道は多少えぐれている。


大きなバイケイソウ。今年は北アルプスはコバイケイソウの当たり年だったらしいけど、行く機会がなかった。


高度を上げると樹間から硫黄岳が見えるようになります。


割といいペースで登って、6時10分ごろに蓑冠山に到着。


蓑冠山は山頂が樹木に囲まれていて展望がないので、ここでは休憩せずに根石岳を目指します。根石岳(右)と天狗岳(左)が樹間から見えるところにホシガラスがいました。




と、ここでアクシデント。何でもない道で軽くスリップする形で左足首をひねってしまいました。一瞬ズキッと痛みが走って焦りました。が、2年前から使っている好日山荘のバーゲンで安く買ったものの元々はいい値段がするハイカットのシューズのおかげか、ダメージは最小限に抑えられたようです。この後の山行にも支障はありませんでした。しかし、下山後に靴下を取り換える時に見ると踝の辺りの内出血がひどく、ギリギリで運がよかっただけですね。単独行はリスクが大きいです。

さて、気を取り直して歩き始めましょう。根石岳への道はこんな感じで樹木どころか草もほとんど見えませんね。ここは根石のコルと言われるところで、風が猛烈に吹き抜けるようです。この日は快晴無風のコンディションでしたが、積雪期に来た時は蓑冠山までは登ったけれどこっちに行くのは断念したことがあります。


根石岳方面、赤岳など南八ヶ岳に比べると人気が少ないのですが、実は絶景ポイントが多いのです。まず、樹林帯を抜けた瞬間にこの雲海。


そして根石岳に向けて根石のコルを歩いていくと、左手には根石岳山荘があります。


そして、そちらの方面はかるく柵が作られています。


何故かというと、それはコマクサの群落があるから。コマクサはこの3日間でたくさん目にしました。2日目の硫黄岳のコマクサ群生地も凄かったですが、この根石のコルの群生地も見事です。




コマクサ、高山植物の女王とか言われているけれど、ホントに過酷なコンディションを好む花ですね。そして、他の花は根付かないようなところだからコマクサだけの一大群落を作る。
ちなみに、、右側を見ると先ほどからずっと雲海の上に朝日が浮かんだ絶景です。


で、サクサク歩いて6:30に根石岳登頂。これで八ヶ岳の主要なピークは全部制覇したかな。ニュウとかまだだけど。


南の展望は当然硫黄岳とその後ろに赤岳。


根石のコルはこんな感じです。


空気が澄んでいて、南アルプスもかなりクッキリ見えます。


右端の仙丈ケ岳から左端の鳳凰三山まで全部見える。


贔屓の北岳を拡大。やはり格好いい。こんな感じなのに実際には高山植物の宝庫でライチョウさんもいるという。右に塩見岳(これも厳しい割に花が多い山)や三峰岳の岩、左に間ノ岳と農鳥岳も見えますね。


硫黄岳の爆裂火口を拡大。ジオパークっぷりが凄い。


縦の写真の方が実際に見ている景色の感覚に合うような気がする。


ここでも東側は雲海が素晴らしく、朝日とのコラボが美しい。


ちなみに、茅野側はそれほど雲海になっておらず。でも空気は澄んでいるので乗鞍や北アルプスまで見えました。
これから進む道。


その先にある東天狗岳と西天狗岳。積雪期に登頂していますが、無雪期は初めてです。西天狗岳は稜線の縦走ルートを外れるので、今回は東天狗岳のみを通る予定。


根石岳は素晴らしい展望台なので、しばらく写真を撮ったりしながら遊んでいました。でも、ここから少し下ったところに本日のハイライトとなるべき目的の場所があるので、そちらを目指します。
それは、白砂新道という本沢温泉と稜線をつなぐ道が合流する地点。この地点の写真が、私が山歩きを始めたばかりに買った登山関係のムック本に載っていて、その景色に感動していつかは来てみたいと思っていたのです。
そして6:52にその目的地に到着。


ムック本にはこちら側の図が載っていたのですが、この風景は広角でパノラマ画像にしないと伝わらないですね。


左右は根石岳と天狗岳。これらが一枚に入り切ると素晴らしいはず。




まあ、写真は私のコンデジでは限界がありますが、この眺めは素晴らしいもので、この場所に佇んでしばらく時間を過ごしました。屏風の耳から眺める紅葉の穂高連峰、鏡池越しの八ヶ岳、五色ヶ原、針ノ木稜線から黒部湖越しの立山・劒、北岳・間ノ岳稜線、北荒川岳からの眺め、塩見岳からの眺め、鬼怒沼、谷川岳東面、禿岩からの眺め、などと比肩し得る、まさにここにしかない景色として心に刻まれるものです。

十分堪能したら、まだまだ先が長いので出発。まずは目の前の天狗岳から。この辺りから高山植物の花々が再び出てきます。イブキジャコウソウ、イワオウギ、ミヤマオトコヨモギ、イワベンケイなど。




そして、7:15に東天狗岳登頂。この日はプリンのような形の蓼科山の方までクッキリ見えていますね。ホントに八ヶ岳連峰縦走というなら、あそこまで行くべきかもしれないですけどね。


これが西天狗岳。標高的には西天狗岳の方がちょっと高いです。


ちなみに、積雪期の西天狗岳はこんな感じ。山歩きを始めた年の冬に登り、雪山の強風という試練を初めて経験した場所です。


南八ヶ岳方面。ずっと歩いてきたわけで、やはり感慨深い。


ちょっと目をずらすと奥秩父方面は雲海の上にでていていい感じですね。下界は曇りですね。


北八ヶ岳方面。森深いことを示す濃い緑色。北八ヶ岳は苔生す原生林のイメージですね。


北アルプスも見えています。


さて、これから進む道ですが、天狗岳から中山峠に至るには樹林帯の道を素直に下るか、天狗の奥庭と呼ばれる岩場を行くか、2つのルートから選べます。ちなみに、樹林帯のルートはこの切れ落ちた右側の崖の直上を歩きます。


樹林帯はその後も続くことが分かっているので、どうせならということで天狗の奥庭を選択。写真のやや左前方に続くルートです。これがとんでもないミスジャッジだったことを思い知らされるのに時間はかかりませんでしたが。


積雪期に天狗の奥庭を歩いた時は、装備も比較的軽かったし雪が岩の上に積もっていたせいで、岩の形が隠されてデコボコがほとんどなくなっていました。つまり、歩きやすかった。そのイメージで行ったのがいけなかったですね。そもそもテント泊装備で大きな岩の道を行くのが大変なのは、初日の網笠山で思い知らされていたのに。


こんな道なので、空身なら跳びはねたり悠々と手足を使ってアスレチックな山行を楽しめるのでしょうが、テント泊装備では転ばないようにするのが大変。時間もかかるし神経も使う。余裕がなくてほとんど写真もありません。これは振り返って天狗岳を見た図。


積雪期に来た時は、強風に苦労していたので天狗の奥庭の大きな岩が風よけになってくれたりしたのですが、今回はまったくもって大変なだけ。
やっと少し平坦なところに出たので休憩です。


で、前夜の夜露で濡れたフライシートを干して乾かす。


岩の隙間に一輪だけ咲いているタカネニガナが可愛い。


トウヤクリンドウ。秋の花と言われるけど、盛夏の山行でちょくちょく見かけますね。


そんな感じで苦戦しつつ、休憩も取ったのであまり参考にはならないですが、コースタイム1時間のところ1時間40分ほどかかってやっと黒百合ヒュッテに到着。ここでも休憩しようかと思いましたが、スタッフが布団干しに忙しそうにしていたのでパス。小屋周辺にはヤマハハコがたくさん咲いていて綺麗でした。




で、黒百合ヒュッテからは5分ほど木道を通って中山峠へ。ここからは樹林帯です。


中山峠からの展望。やはり緑濃い。


中山峠から中山展望台への道は、一部でぬかるんだ所があったものの木道も登場するなど全体的に歩きやすく、アップダウンも少ない道でした。
景色は北八ヶ岳らしく、一部で縞枯れが見られる針葉樹林です。香りもよく、天気がいいのでやや暑いですが気持ちのいい道でした。


中山展望台はこんな感じ。広くて解放感ある場所です。積雪期に来た時にはまさに展望台として楽しんだのですが、夏だと岩がゴツゴツしていて歩きにくく、既に根石岳や天狗岳の山頂からの景色も十分楽しんでいるので今回はほどんど時間を使わずに直ぐに高見石を目指して高度を下げます。




そして、ここからのコースタイム1時間の道が苦行でした。始まりからこんな感じ。


必ずしも急な坂ではないのですが、大きな石が多くてテント泊装備だと苦労するパターン。北八ヶ岳らしく苔生して滑りやすいという特徴も加わり、相当に神経を使います。これだと、特に下りは小屋泊装備でも結構たいへんな感じで、他の登山者も皆苦労していました。




オコジョの森。コケ丸が登場。懐かしい。北八ヶ岳の森にはこのような名前がついていて、特徴的な苔の解説があります。冬に来た時には当然すべてが雪の下でした。雪の道の方がどう考えても歩きやすい。




冬の道。北欧かカナダの森のよう。美しく歩きやすい。雪って素晴らしい。


あまりに苦戦して感覚的には永久に歩いているのではないかと思われるほど長く感じた道でしたが、それでも実際にはコースタイムより5分ほど遅れただけで高見石小屋に到着。夏に来るのは初めてです。ここでソフトドリンクを購入してしばし休憩。一息ついたら、山小屋の裏手にある高見石に登ります。ここからは白駒池や北八ヶ岳、そして浅間山方面がよく見えるのです。


いやー、ホントに、空身で大きな岩を登るのは楽しい。アスレチックで楽しいし、何より体の自由がきくからスイスイ行ける。ジャンプも可能。これなら登りも下りもへたな道より早いくらいスピード出せます。これがテント泊装備を背負っているとまったくの苦行。テントでプライベート空間を作って山に入って溶け込んでいくというのは、非日常への脱出という意味ではとてもいいのですが、事故も起こりやすいだろうしデメリットも大きいです。
それはともかく、高見石からの展望はすばらしい。大きな石に寝転がって楽しむ人続出。




夏雲が上がってきていて、それがこの季節らしい雰囲気を演出していました。




時刻は11:45頃。麦草峠からのバスは15:40なので、時間的にはかなり余裕があります。しかし、足首をちょっと怪我していることもあるし、夏雲の状態によってはにわか雨もあり得るので、動けるうちに動いてしまうのが単独行の鉄則。次は白駒池を目指します。この道も、多少は斜度が緩くなるものの高見石へと下った道に似て大きな石が多く、コースタイムをややオーバーしました。まあ、針葉樹と苔の森の雰囲気は素晴らしい。






高見の森。




で、やっとのことで白駒池に到着。ここまで来ると登山者よりも一般観光客が多くなります。国道が近くを通っていてバスも来ているし、池の周りの道は整備されているのでスニーカーでも問題なしですから。そして、その雰囲気に今回の3日間の山行がついに終わったことを感じさせられる。


池の周りの山小屋は、観光地の食堂っぽい雰囲気もあり、汗だくの登山者は入りにくいですね。ソフトクリームなどにもあまり興味がないのでここは池の写真だけ撮ったらすぐに退散。麦草峠に向かいます。途中の道は登山者でなくても十分楽しめる整備された道ですが、左右の森を見渡すと苔が美しく、散策にはもってこいの場所だと思います。










コケ丸も相変わらず頑張っている。


針葉樹も美しい。




そして、白駒の奥庭に到着。開けたところですが、針葉樹と岩のコントラストの面白いところで、積雪期だと雪が作る吹き溜まりの形がとても楽しいところです。ちょっとしたスノーモンスターがたくさん出現していました。夏は木々の緑と岩の灰色の競演。




冬の白駒の奥庭。


白駒の奥庭を過ぎて少し歩くと、茶臼山や縞枯山が見えてきます。


そして麦草ヒュッテも見えてきました。いよいよ3日間の旅の終わりが近い。


冬の麦草ヒュッテ周辺です。雪原。


夏の麦草ヒュッテ周辺の景色。とても夏らしい。


そして13:30頃に麦草ヒュッテに到着です。


ヒュッテでは昼食に山菜蕎麦をいただき、八ヶ岳全山が描かれた手拭いを記念に買いました。
アルペンな岩々しい道も苔むした原生林の樹林帯も楽しめる八ヶ岳は、多くの高山植物の花が咲き誇る花の名山でもあります。日本アルプスに比べると地味な印象かもしれませんが、私はいつもお天気の相性もよく、楽しませてもらっている山域です。夏も冬も楽しい。山小屋がルート上に多くあることも、安心感があるし。
ということで、3か月ぶりの山行に二泊三日のテント泊装備で挑むという若干厳しいプランもほぼ完璧に終えることができ、とても充実した山旅になりました。八ヶ岳に感謝です。
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八ヶ岳テント泊縦断 その2

2019-09-16 21:58:39 | 旅行
8月3日から5日の八ヶ岳縦断旅。中日の8月4日の記録です。前日は久々のテント泊山行でコースタイムより大幅に遅れての苦しい道でしたが、何とか累積標高差1,400mを乗り越えて難所のキレット前半戦を終了。針葉樹の香りのよいキレット小屋のテント場に癒されながら眠りにつきました。テント場に最後にやって来たのは3人の外国人の方々で、私は英語は普通に喋るので会話したところ、なんとそれぞれポーランド、スウェーデン、イギリスの3か国の出身ということでした。日本の山に魅せられる外国人が多いのは嬉しいですね。

さて、この日も夜明けは5時ちょうどくらいなのですが、その20分くらい前から既に明るいのでそれに合わせて準備も完了。4:45頃に出発です。シラビソの香りの豊かなキレット小屋のテント場を後にするのはちょっと寂しいけど。


中日のこの日は、キレットを越えて赤岳に登頂。そして人気の横岳~硫黄岳に続く稜線を経て、夏沢峠に下降。最後はオーレン小屋のテント場を目指します。累積標高差は大したことないですが、まずは赤岳への登りが厳しい道だし、横岳は岩場で細かなアップダウンが結構面倒です。今日も気が抜けません。ソロテント泊は厳しいのだ。

さて、歩き始めて5分もしないで富士山の絶景スポットがありました。雲海と富士山のコラボは最強。






そして赤岳は昨日から変わらず、悪役ボスキャラとして聳え立っている。ホントにあれ登るのか。一般登山道としては穂高より厳しくないか。


このルンゼ。


こう登るようだ。


振り返ると権現岳。昨日通ってきたルートも分かるけど、昨日はガスが出ていたので稜線美を楽しむことはできませんでした。ちょっと残念。


山頂部拡大。


お花は、早速本日もチシマギキョウが登場。




コマクサやヨツバシオガマも。このヨツバシオガマは形は今一つだけど、この山行で初めてピントが合った。




権現岳に朝日が当たる。富士山も奥に見えています。




いよいよルンゼに突入。当然ストックは使わず、手を使います。三点支持を確実に。それにしてもザックの重さが気になる。小屋泊装備なら楽しいアスレチックイベントだったかもしれませんが、テント泊装備だと必死。


ちょっと振り返ると、崖。崖を登ってきている。


険しい道が続きます。


ちょっとだけ平らなところに出た。でもこの先も急だなあ。


振り返って富士山に癒しを求める。


権現岳も格好いい。八ヶ岳南部は赤岳~横岳~硫黄岳が圧倒的にメジャーだと思いますが、権現岳って格好いいですね。このキレットルートは万人にお勧めはできませんが。


いい加減崖は終わりにしてほしい。


崖にもチシマギキョウが多いです。そして、タカネツメクサもたくさん出てきました。お花は嬉しいですね。素直に現実逃避しましょう。




ここに来て梯子か。足を滑らせたらまずい梯子だ。


梯子を登り切って振り返ると大きな岩。大天狗と子天狗でしょう。


どうやら最大の難所は越えたようで、少し斜度も緩くなるのでここからはお花の写真が増えます。イブキジャコウソウ、ミネウスユキソウ、イワオウギ、タカネツメクサ、ムカゴトラノオ、キンロバイ、ミヤマオトコヨモギ、タカネナデシコなど。多種多様な花々。さすが八ヶ岳。


















さて、前方には竜頭峰と思われる岩峰が聳えていますが、これは左から巻きます。


コマクサも出てきました。比較的大きな株。


このタカネツメクサは立派な株。小さくてあまり人気ない花かもしれないけど、拡大すると美しさがよく分かる。






この辺りからは基本的に難所はなくて、キレット通過でヘロヘロになっていたとはいってもやや落ち着いて歩を進めました。そして、分岐点に到着。ここからは行者小屋方面から文三郎尾根を登ってくる多くの登山者と一緒になるので、急に混雑します。


下ってくる人とのすれ違いもあるので、写真を撮る余裕はなくなります。そして、順調に登頂。変な話、文三郎尾根から日帰りとか小屋泊装備で登っている人達に対してある種の優越感のようなものを感じていましたね。キレットをテント泊装備で登ったので。まあ、つまらん話ですが、やはり難度というか要求される体力全然違いますからね。
それはそうと、3回目の赤岳山頂もピーカン。八ヶ岳の神様に感謝です。何だかんだ言って、時間的にもコースタイム通りの丁度2時間で登頂でした。


まずは登ってきた権現岳方面を眺める。キレットは見えていませんが、網笠山は見えています。それにしても結構歩いてきたもんだ。


権現岳の後方には南アルプス北部の山々も見えています。大好きな北岳も。この2年間は行く機会がないですが。


北側に目を転じると、翌日越えていく天狗岳も見えています。まだまだ遠いイメージ。


阿弥陀岳方面。こっちに行ったのは実際には1回しかないですが、途中の中岳のアップダウンが微妙に疲れたイメージ。阿弥陀岳山頂直下は斜度がかなり急ですが、岩場という訳ではないので一気に落ちる恐怖はなかったと思います。


行者小屋方面を見下ろす。あそこにテントを張ったのは、登山を始めたばかりの年の秋でした。この時期は緑が濃いですね。


さて、山頂は混雑しているので、あまり長居しないで横岳方面に縦走です。この日の目的地は最初に書いたようにオーレン小屋のテント場で、硫黄岳まで越えて夏沢峠まで出てから少し下ります。進行方向、横岳と硫黄岳が見える。


今日もチシマギキョウが多いです。


サクサク進んで、地蔵尾根との分岐からちょっと行ったところから振り返った図。この形の赤岳は見慣れています。しかし、この山行を経てあの厳しいキレットの方から見上げる赤岳の姿の方に価値を感じる。


キレットを歩いていた時は周囲に誰もいませんでしたが、横岳の稜線は写真のように人が多いですし、危険とは言えないまでもそれなりの岩場で鎖や梯子も登場しますから、テント泊装備だと周りの人に気を使います。ほとんどの人は日帰りか小屋泊装備(小屋に衣類は置いているので水と非常食と地図くらいしか持っていない)なので、どうしてもこっちの方が鈍重になりますし、すれ違い時とかこっちの大きなザックにぶつかる人も出てくるので。一方、こっちが大きな装備背負っているのは分かるだろうから、向こうも気を使ってサッサと追い抜いたり特に多人数グループはすれ違いで道を譲ってくれてもよさそうな場面もあるのだけれど、経験的に八ヶ岳や北アではそうした気遣いは先ず期待できないですね。南アだと多少は期待できる気がする。


まあ、横岳はまさに花の宝庫なので、花を愛でたり探したり写真を撮ったりしながらゆっくり進みます。やはりイブキジャコウソウやチシマギキョウ、タカネツメクサなどの定番が多かったですが、チングルマかチョウノスケソウかウメバチソウか迷うような花も。綺麗なんですけどね。後は、硫黄岳が近付くにつれてコマクサも増えてきました。
















イワヒバリと思われる小鳥さんも登場。


横岳稜線はゆっくりと歩きました。キレット越えで赤岳に登頂した疲労もあるし、ザックは重いし、人は多いし、天気はいいし花も綺麗なので。で、結果的にはコースタイムを30分ほどオーバーしながらも楽しいハイキングになりました。
で、次に目指すは硫黄岳。お天気がいいのはありがたいものの、やはり盛夏の稜線は暑いので、その前の硫黄岳山荘で冷たいソフトドリンクを買おうと思っていました。


クライミングの対象である大同心を左手に見ながら。


と、この辺りから八ヶ岳らしい火山性の土の上にピンク色がやけに目立つようになります。硫黄岳~横岳間のコマクサの群生地です。




この道の両側、基本的にコマクサ群生地帯です。


コマクサは群落を作りがちな花ですが、これほどの大群落は始めて見ました。北アルプスの蓮華岳も凄かったけど、こっちの方が上じゃないかな。


この他にもタカネニガナやチシマギキョウ、それに名前を特定できない白い花が咲いていました。


この白い花、とても気になります。なぜ名前が特定できないのか不明。こんな大株で葉の形も花の形もハッキリ分かっているのに。


で、トコトコ歩いているうちに硫黄岳山荘に到着。2016年の初夏に、ツクモグサを見るために宿泊したことがあります。硫黄岳山荘グループの山荘では夏沢鉱泉にも積雪期に泊ったことがありますが、いずれの山小屋もスタッフがとても丁寧親切で、食事もボリュームがあり美味しく、利用価値が高いという印象があります。ちなみに、硫黄岳山荘は稜線にあるにも拘わらず、水洗トイレやシャワー施設まである山小屋です。


今回は時間的にも9:20くらいで昼食には早いし、ソフトドリンクを購入するだけでした。それでもベンチがあるのでしばらく休憩。10時少し前に硫黄岳に向けて出発です。
この硫黄岳への道は結構好きですね。山頂の広い硫黄岳ですが、山頂直下も緩めの斜度の道がビクトリーロードっぽくて好きです。ガスが出た時には迷いやすいので、大型のケルンが一定間隔で置かれています。




西側から夏雲が上がり始めましたね。10時過ぎですからね。まあ、青空に真っ白い大きな雲は夏らしくていい景色です。


山頂近くから赤岳方面を振り返る。


そして、10時18分頃に硫黄岳登頂。人が多く、山頂標識のところで写真を撮るのは渋滞。そこでまずは爆裂火口を。夏雲が少しずつ上がってきていました。






これは積雪期の写真。まあ、迫力は同じだが趣が異なる。


硫黄岳山頂からの赤岳~阿弥陀岳の図は定番ですね。


ちなみに、積雪期のシーンはこんな感じ。


赤岳拡大。


これくらい引いてみた方が格好いいかも。


権現岳にもズーム。だいぶ遠くなった。


硫黄岳山頂の祠のような人工物の後ろに夏雲。絵になる。


天狗岳方面は雲が上がってきていて、蓼科山などは既に見えず。


山頂にはコゴメグサが結構ありました。


10分くらい山頂で遊んだら、夏沢峠に向けて高度を下げていきます。冬に登った時は風が強くて大変だったイメージですが、この日は穏やかでした。途中で爆裂火口を覗けるところがあります。


緑濃い風景だ。


進行方向。基本的に緩やかな道です。


で、11:10くらいに夏沢峠到着。少数ですが登山者がいて、時間的に皆さん軽く昼食・行動食を取られていました。私もザックを下ろして菓子パンを食べて最後の栄養補給。




これは積雪期の夏沢峠。静まり返っている。


少し休んだらオーレン小屋まで最後の20分ほどの下りです。樹林帯で針葉樹香りが強く、八ヶ岳らしい気持ちのよい原生林の中を行きます。




そしてオーレン小屋到着。テント泊でもお風呂も500円払えば入れます。トイレも屋内。八ヶ岳の山小屋は親切設計・運営です。


小屋の脇には沢が流れていて、キンキンの冷たい水が流れています。ここでシャツと手拭いを洗い、顔と体を拭く。付近には可愛いお花も。




この日は日曜日だったので、テント場もまばら。週末は混みあうようですが、月曜も山歩きの人は少ない模様。


雲が結構上がってきていましたが、この日は雷雨はありませんでした。


で、登山中としては遅めの昼食をアルファ米の山菜おこわとイワシの缶詰で取って、後はゆっくり。5時半ごろに代わり映えのしないパスタの夕食を取って就寝です。
2日目はキレット~赤岳にテント泊装備の荷物を担いで挑むという、3か月ぶりの山行としては若干無謀な挑戦でしたが、お天気にも恵まれて安全山行で楽しむことができました。やはり八ヶ岳とは相性がいい。山に感謝です。
翌日は最終日。根石岳、天狗岳を越えて白駒池に出て、最後は麦草峠でフィニッシュの予定です。
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八ヶ岳テント泊縦断 その1

2019-09-15 00:39:15 | 旅行
2019年8月3日から5日にかけて、観音平から麦草峠まで八ヶ岳を縦断しました。今年はGW以降はお天気も悪くて全然お山に行っていなかったので体力的にはかなり不安なものがありましたが、この時期どこかの高山に行かないとひと夏無駄にしてしまうので、混雑必至でロングコースのアルプスを避けて八ヶ岳にしました。赤岳より南の方はまだ歩いていなかったし。
結果的にはお天気にもかなり恵まれ、充実した山行でした。八ヶ岳はいつ行ってもお天気がよくて、愛されている感じがします。そして、樹林帯の香りや小鳥の声、数多くの高山植物の花々など、岩々しく格好いい稜線美だけでないたくさんの魅力にいつも癒されますね。かなり贔屓の山域です。
いつも通り、まずは山行のまとめ的な写真を数枚アップ。






















八ヶ岳を(ほぼ)全山縦走しようとすると、まずは観音平から網笠山を目指すのが一般的と思います。私もそうしたのですが、公共交通機関利用の場合小淵沢駅から登山口までのアプローチは基本的にタクシーになるので、困りもの。そこで、8,000円と安くはないのですが毎日アルペン号を利用しました。これなら夜明け前の朝4時から登山を開始できるというメリットもあるので。まあ、毎回のように寝にくい、あまり快適ではない車内ですが。


午前3時半頃には観音平の駐車場に到着し、眠いのに下ろされます。さっさと準備をして登山開始。丁度4時ごろでした。


初日は観音平から網笠山と権現岳を登頂し、権現岳と赤岳の間のキレット(八ヶ岳の一般ルートではかなりの難所)に立つキレット小屋のテント場に宿泊予定です。コースタイムこそ6時間15分となっていますが、斜度や岩場を考えると3か月ぶりの山行にしては厳しいルートだし、累積標高差も1,400mを超えるのでそれなりの覚悟は必要です。

出発から最初の20分くらいはヘッドランプの明かりが必要でしたが、夜明け前でも日の光で直ぐに明るくなりはじめ、特に問題なくコースタイム通りに最初のチェックポイントである雲海というところに到着。ベンチがあるので水を飲んでヘッドランプを外す。




周囲は八ヶ岳らしい針葉樹林。


この辺りまでは結構快調で、3か月ぶりの登山かつ今夏初めてのテント泊装備という不安を払拭させるような体調でしたが、この後しばらくすると体力減退というか、体が山慣れしていないために苦行を強いられました。
お花は地味で、トリアシショウマとかヤマホタルブクロが散見される程度。あまり癒しにならない。




網笠山、結構森深い感じ。針葉樹の香りはいいんですけどね。


この日は夜明けから暫くは好天で、それはいいんだけど真夏はやはり暑い。汗が噴き出て苦しい。登山道もこんな感じになってきて、滑りがちな大きな石はテント泊装備だとペース落ちるし。写真もブレている。既に集中力が減退。


大きな石の道は、登りも下りも日帰りや小屋泊装備なら効率よく進めると思うんですよね。一歩一歩が大きくて、ピョンピョン行ける感じで。これがテント泊装備だと重い荷物のせいで転びやすいから足の置き所探すのにも苦労して、全然ペースが上がらない。
そんな中、シャクナゲが結構咲いていたのは嬉しかった。


で、次のチェックポイントである押手川にはコースタイムより5分ほど遅れて到着。大した流れではなく、濁っているので水場にもならないところですが、なぜか名前がついていてチェックポイントになっている不思議なところ。




この後も地味ながら楽ではない道が続く。


木漏れ日が美しかったり、針葉樹に交じって白樺が出てきたりとそれなりに森歩きも楽しいのですが、汗まみれで苦行感が強い。この日はあとから来た小屋泊装備の人達に抜かれまくりました。と言うか、テント泊装備の人は少なかったですね。




シャクナゲだけは癒し。ハクサンシャクナゲですかね。まだ蕾のものもありました。


押手川から40分ほど歩いて、やっと少し展望が得られる場所に。


ここでタカネバラ。至仏山と白馬岳でしか見た記憶がない。しかも、こんな大きな木は初めてかも。網笠山の意外な実力を認識。




シャクナゲは相変わらずキレイ。


この他にもアキノキリンソウやオトギリソウが出てきて、徐々にお花が増えて嬉しい道に。そして、岩々しい感じで視界が開けたので山頂が近づいた感。ザックを下ろせるという期待が膨らむ。


振り返るとやや霞んだ空の下に小淵沢方面。


網笠山山頂直下の岩場は、オトギリソウが多く咲いていました。


そして何とミネウスユキソウも登場。可愛い。網笠山のお花の実力、侮り難い。


で、苦労しながらもコースタイムより5分ほど遅れただけでなんとか登頂。


これから向かう権現岳方面。まだひたっすら遠い感じ。阿弥陀岳も見えています。赤岳には雲がかかり始めています。南八ヶ岳山々は荒々しくて格好いいですね。この時はまだあれらの山々の厳しさを実感していませんでした・


権現岳拡大。山頂は右側。左側はギボシと呼ばれるピークでしょう。


山頂では菓子パンなどで栄養補給し、しばし休憩。これまではテント泊装備でも、休憩時間を入れてもコースタイムより遅れることは少なかったのですが、この日は流石に久しぶりの山行のせいか遅れ気味でした。それでもまあ、晴れていて展望もいいので山頂は気持ちいい。


まあ、正午くらいまでにキレット小屋に着けばいいと思っていたので、それほど気にしていませんでした。この時点では。だって4時に出発でコースタイム6時間15分なら、正午までには着かないとは思わないでしょう。着かなかったら、それは無茶苦茶バテているか、事故があったか、そういうレベルでしょう。
で、10分くらい休憩して出発。コースタイムで20分下って青年小屋を目指します。そして、ここからがこの日の誤算の始まり。2019年の8月前半は、7月終わりまで続いた長梅雨が明け、猛暑の到来と共に大気は不安定なことが多く、午後は雷雨の日が多かったのです。この前日もそんな感じで、網笠山の樹林帯も道が濡れていました。そして、山頂直下は大きな石で滑りやすく、テント泊装備だと緊張感を強いられます。何でもないルートのはずがコースタイムの倍以上の45分かかりました。写真を撮る余裕もなし。ゴゼンタチバナのピントのずれた写真が2枚あるだけ。
そして、山頂直下の樹林帯を抜けると、今度は火山性の大きな岩の道。これ、小屋泊装備だとピョンピョン跳びながら走って下りられる楽しいところなんだけど、テント泊装備だと転ばないように慎重になるから遅くなるという道の典型。これも45分かかった理由の1つです。


高山蝶に癒しを求めるが、日帰り装備の女性に簡単に抜かれていく。


で、やっと青年小屋。美味しいと評判の水を汲もうかとも思いましたが、遅れが出始めているのでソイジョイで栄養補給して息を整えて直ぐに出発。


権現岳に向けて出発して5分ほどで振り返った図。網笠山の山容はまさに笠ですが、あの何でもなく見える山頂からの道にあれほど苦戦するとは。


そして、ここからも苦戦。権現岳までの道は、ハッキリ言って普通の道です。時々片側が切れ落ちた道で斜度的にも楽ではないですが、ガレもザレも斜度も際立ったものではなく、お花も多いので普通なら楽しんで登れる道でしょう。まずはミヤマセンキュウ。


しかし、この日はこの時点で既にバテ気味。ここからコースタイムに対して遅れが目立ち始めました。40分ほど歩いたところで、チシマギキョウがきれいで少し開けたところがあったので、ザックを下ろして少し休憩。いつもならお花の写真撮ったりしながら立ったまま5秒も休めば回復するのに、この日は心拍も息切れも回復しない。


見えているのはギボシかな。格好いいんだけど、この辺りから徐々にガスが湧いてきました。時刻は9時に近づいていて、夏山ではそろそろ雲が上がってくる時間なのでしょうがない。


何とか再び歩き始める。ダイナミックな景色は見ごたえがあります。体力的に余裕あれば楽しいルートでしょう。


お花もとても豊富でした。イブキジャコウソウは多かった。




イワオオギも多かった。




タカネナデシコは少なかった。


ミヤマダイコンソウは終盤で残念。黄色の花は可愛いのに。


シコタンハコベがあったのは嬉しい。赤いオシベが目立たなくてちょっと残念だけど。


コゴメグサも多かった。今年は、ほかの山域でも多くのコゴメグサを見ました。当たり年だったのかな。小さくて地味な花ですが、よく見ると複雑な色合いで、黄色と紫が芸術的な花だと思います。


そして、この山行で一番目立っていたのは青紫のチシマギキョウ。




あとは、初めて見た花としてはミヤマオトコヨモギがたくさん咲いていました。ただし、ピントが合わせづらくて、バテ気味でお花のお写真を撮るためにかがむのも一苦労のこの時は上手く撮影できず。
ミエウスユキソウもあります。いやはや、白、黄色、青、赤、紫、全ての花がある。八ヶ岳って本当に花の名山だと思う。




お花を愛でるのは私の山行の最大の目的と言っていいので、それは楽しい。しかし、やはり背景に青空があった方がいいですね。この日はそれが残念でした。そして、ガスが行く手を遮り始めます。


風景的には絶景稜線は望めなくなりましたが、お花はどんどん出てきます。タカネニガナ。


可愛いミヤママンネングサ。




そしてイワツメクサ。イワツメクサが出てくると高山のイメージ。ライチョウさんの好物だし。


ミヤマオトコヨモギをやっと少しまともに撮影。この絵にあるように、実際には多くの花々が寄り添い合って咲いています。






シコタンハコベも再び登場。可愛い。


で、ヤマレコレポートにもよく出てくる切れ落ちた岩場の道に。ホント、高山植物ってこういうところに多いから不思議だよな。


この日、一番ピントが合わなかったのが何故かヨツバシオガマ。それなりに多く咲いていましたが。


ウサギギク三連星。


そして、コースタイムより30分ほど遅れてやっとのことで権現岳直下の権現小屋に到着。遅れていることもあり、ここでは休まずに山頂を目指します。


小屋近くにもミネウスユキソウやミヤマダイコンソウ、ミヤマダイモンジソウなどが可愛く咲いていました。権現岳は花の種類が多くて素晴らしいと思います。






で、コースタイム1時間30分のところを2時間かけてやっと登頂。権現岳2,715m、この日の最高地点。


山頂の剣も一応触っておく。


網笠山を振り返る。いやー、この道に何でこれほど苦労したのか。青年小屋から権現岳山頂までは400mくらいの標高差ですから、調子がよければ1時間ちょっとで登れると思います。それが2時間かかるとは。


気を取り直してキレット小屋のテント場を目指します。疲れたからと言って休んでいては何時までたっても安全地帯にたどり着かないというのが登山の不都合な真実。まあ、相変わらずお花は綺麗だし。チシマギキョウやタカネニガナに加え、ムカゴトラノオも出てきました。相変わらず色とりどり。






そして、ヤマレコレポートでもよく目にする長い梯子の登場です。


ガスが出て微妙に濡れていることもあり、いつもは緊張しない梯子もこの日は少し緊張しましたね。でも、ゆっくり慎重にいけば大丈夫だと思います。梯子の転落って意外と少ないんじゃないかな。ちょっとした岩場の方が、滑ったりすると掴まる場所がなかったりして危ない気がしますね。
梯子を下りたところ。片側切れ落ちた道です。まだキレットと呼ばれるエリアではないかもしれませんが、この辺りからはずっと険しい道でした。


このお花は何ていうのかな。可愛いけど名前が分からない。


振り返ると権現岳。ガスのかかり方が悪役的。


この辺りからの道は、斜度はそれほどではなくても岩で足の置き所が限られる感じの道が続きます。特にそういう道で下りの場合、テント泊装備だとホントに気を使うからどうしてもペースが遅くなります。権現岳からキレット小屋までのコースタイムは1時間10分ですが、1時間半はかかるだろうと思いました。10時20分ごろに権現岳を出発だったので、ちょうど正午頃に着くかなと。

この後、極端に写真が減ります。理由は、ガスで景色が見えない。そしてお花も減った。そして道が険しい。何より不快だったのは、大きなアブ。ハッカ油もあまり利かず(と言うか、汗で直ぐに効果が切れた)、スポーツタイツの上からでもどんどんかみついてきます。最初のうちは払いのける余力もありましたが、そのうち険しい道をスリップしないようにする方に集中せざるを得ず、結構噛まれました。噛み後は、その後1か月たってもまだかゆいという悲惨さ。恐ろしい。

キレット小屋までは300mほど下るのですが、スリップしないように行くのがホントにたいへん。そして、結構アップダウンもあって、バテ気味の体にこたえる。


この先とか、少しのアップダウンも気がなえる。


ツルネという小ピークはコマクサの名所のようです。確かに綺麗な形のものが結構咲いていました。ただ、数では翌日以降にもっと凄い群生地を通りましたが。




そそて、ハイマツ帯から樹林帯に降りるとそろそろやっとのことでキレット小屋が近付きます。グンナイフウロも登場。


で、何と到着は12:20.権現岳から2時間かかりました。コースタイムの約2倍ですよ。まさかの正午越えでした。


小屋の近くにはコマクサも。


キレット小屋は小さくて渋い山小屋。とても趣があります。小屋番さんも山の男って感じ。でも親切でした。幕営領料550円。水場はちょっと下ったところですが、やや急坂でちょっと危険なところにあります。テント場はあまり広くないですが、私は3人目だったのでいい場所に張れました。
この日も午後は雷雨の恐れがあったので、速攻でテントを張りました。そして、予想通りに石で四隅を固定する直前に大粒の雨が降り始めました。時刻は丁度1時。雷もすごい。いやー、ギリギリ間に合ってラッキーでした。神に感謝。この夏は雷に打たれて亡くなった登山者もいるようで、雷雨は怖いですからね。
で、2時半ごろに雨が上がってから水場で汗まみれのシャツを洗ったりして、少し落ち着く。


樹林帯の中の静かなテント場。とても感じがいい。南アルプスの熊ノ平のようだ。小じんまりして木の香りのよいこういうテント場は好きです。


テント場からは赤岳方面も見えるはずですが、この時点ではガスガス。


で、17:00頃に雲がだいぶ降りて行って、顔を出してくれた赤岳。うーん、相当な悪役ボスキャラだ。






これは大天狗、子天狗と言われる岩のようです。赤岳は槍ヶ岳的な岩峰であることを思い出させますね。


赤岳山頂付近アップ。いやはや、明日のキレット後半戦はかなり辛そうだ。


逆側は緑濃い山で、テント場が山深いところにあるのを思い知らせてくれる雰囲気。この雰囲気好き。


6時前に夕食。いつものパスタとキノコスープ。疲労感あったので、もっとタンパク質を持ってくればよかったと後悔。


夕食後はさらに雲が下がり、赤岳がよりハッキリ見えました。


あのルンゼを行くのか。ほとんど垂直に見えますな。ちょっと不安。テント泊装備は失敗だった説。まあ、終わってみれば達成感かも。


ということで、筋肉痛にならないようにストレッチをしっかりして就寝です。夜中にちょっと起きて外を見ると、星空が綺麗でした。雷雨はあったものの、翌日の天気はよさそう。これまで赤岳には2回、硫黄岳には積雪期含め3回登っていますが、いずれもピーカンでした。明日も八ヶ岳の神様に愛してもらえるような気がします。
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尾瀬も暑かった その4 見晴~アヤメ平~鳩待峠

2018-11-15 22:04:21 | 旅行
海の日の連休に行った尾瀬の記録。1日目は燧ケ岳に登頂して尾瀬沼に下山、見晴のテント場に移動してテント泊。2日目は早朝に三条の滝を楽しんだらテント場に戻り、撤収してアヤメ平を通って帰ります。これまでは2回、鳩待峠からアヤメ平を通って見晴に来たことはあるのですが、今回は逆ルート。長沢新道という樹林帯の急登を500mほど登るのがキツそうです。この気温では。

さて、9時前に出発すると進行方向は至仏山が見えます。お天気がいいと楽園感の高い尾瀬ヶ原。しかし、実際には暑いです。まだ木道の平坦な道ですが、テント泊装備を担いで歩いていると汗が吹き出します。


振り返ると見晴の山小屋群の向こうに燧ケ岳。今日も山頂はジリジリと照らされている模様。


尾瀬ヶ原にはノアザミやコバギボウシ、ネジバナに加え、モウセンゴケの紫がかった白くて小さいお花も咲いています。が、ネジバナやモウセンゴケはピントが合わせにくい花の筆頭クラスで、ろくな写真がありません。可愛いんですけどね。
竜宮の十字路手前の川には魚が群れていました。いつも見かけますが種類は分からず。イワナなんでしょうか。


竜宮の十字路のベンチで一瞬休んで水分補給。これから長沢新道方面に行くとベンチなんかないし、汗だくになるのは分かっているので。ここでも近くにノアザミが綺麗に咲いています。


これから向かう方向。


と、樹林帯に入る手前、尾瀬ヶ原の切れ目の辺りで、昨日も遭遇したトキソウがあります。ここもかなりの群落。そして、嬉しいことにこの日は何故かピントが合う。やはり上品な色が素晴らしい。形もちょっと不思議で、湿原の花というよりは稜線の高山植物っぽい。






トキソウに感動していましたが、近くにはケナツノタムラソウも。湿原のこの辺りは森林が近いから栄養分が多いんですかね。以前からいろんな花を見かけるように思います。


そして、いよいよ長沢新道に入っていくと、直ぐに巨樹の森。








ここからは写真少な目。急な坂をテント泊装備で、しかも酷暑の中登っていくのはまさに修行。階段になっていればなっているでキツイし、岩やぬかるみは当然いやらしい。


こういう道ではギンリョウソウをよく見かけるような気がする。


木々の様子を見ているだけで暑さが思い出される。ギラギラ感のある尾瀬。




木道が出てきてからも自分の記憶と違って結構距離があって、暑さにかなり体力を削られました。2日目ということで体は多少は慣れているようで、1日目に燧ケ岳に登った時と比べると筋肉的なバテ感はあまりなかったです。脱水症状になるかと思ったものの、時間的にはコースタイムよりだいぶ巻いて1時間40分ほどで富士見田代という湿原に到着。きつい登りは終了です。


ここは池塘があり、その向こうに燧ケ岳が見えてなかなかの絶景ポイントなのです。富士見と言うのは実は燧ケ岳を見ているのだと思います。お花もタテヤマリンドウやワタスゲが多くてパラダイス。




ベンチもあるので少し休み、富士見峠の方に向かいます。それにしても、富士見峠方面に向かう道も灼熱感が出ている。




最新情報をちゃんとチェックしていなかったので誤解していたのですが、廃業された富士見小屋が営業していると思っていたのでそこで冷たい飲み物を補給したかったのです。実際には廃業されていたので、仕方なくその周辺で簡単にアルファ米の昼食。


まったく、尾瀬は涼しいイメージがあるのに。期待を見事に裏切ってくれます。お天気がいいので景色を楽しんでいるし、安全山行なので贅沢は言えないんですけどね。それでも、木道とワタスゲのコラボには癒される。


さて、富士見小屋からいよいよアヤメ平方面に向かいます。この道は好きな道で、南側が開けて奥日光方面の深い森や山が見渡せるのが気持ちよいのです。


奥白根山(日光白根山)も姿を見せてくれます。


振り返って燧ケ岳。いや、快晴である。時刻は丁度正午くらい。


進行方向はこんな感じ。


ちょっと視線をずらすと、稜線と言うより上部は湿原で平らなのが分かります。


進行方向左手は深い森。暑いのですが、景色だけでなく森の香りとか気持ちがよい。




日光白根山拡大。


そしていよいよアヤメ平へ。


キンコウカの時期であれば湿原が黄色く染まるのですが、今回は快晴の青空の下で緑の湿原。夏って感じ。暑いし。


燧ケ岳方面。


アヤメ平の看板。一度は踏み荒らされて荒廃したものの、東京電力などの努力でかなり回復してきたのが今の姿。原発問題以降、印象があまりよくない会社の代表のようになっている感がありますが、尾瀬での貢献は認めなくてはならない。


至仏山方面に目をやると、その奥にも大きな山が見えますね。平ヶ岳なのかなあ。


至仏山拡大。貫禄ありますね。


平ヶ岳と思われる山も拡大。まだ雪が残っているところが上越国境らしい。


アヤメ平の湿原越しに、この方角に見える山々の感じはいつ見ても好きである。


お約束の池塘。そしてその奥に見える山々。




湿原にはタテヤマリンドウやキンコウカ、ワタスゲの残りなどがあるので、実は緑だけでなく結構色とりどりです。写真だと伝わりにくいですが。


キンコウカはこんな感じで、時期にはやや早い。


アヤメ平を過ぎて、チェックポイントの中原山も過ぎてどんどん行きます。基本的に平坦で歩きやすい木道で、快晴なので当然気持ちいいです。テント泊装備とはいえ、樹林帯の急な登りではなく湿原を中心とした開けた道なので、余裕もあります。こうなるととても楽しい。
これはどっちの方角だったかな。7月のことなのでよく覚えていないのですが、悪くない風景だと思います。


休憩ポイントがありますね。


ワタスゲは所々で結構いい感じに残っていました。




背景が決まるといい感じ。


笹の多いゾーン。元々北関東の山には笹が多いと思います。


更に進みます。進行方向には至仏山。


コバイケイソウが単体で頑張っていました。


平ヶ岳と思われる山の方もだいぶ大きく見えるように。時間的に余裕があるのと、快晴で景色がいいので写真撮りまくっています。


タテヤマリンドウ。


ワタスゲと木道。


至仏山。いい景色。今になって写真を見ても楽園感があって癒される。


ニッコウキスゲ。


キンコウカで黄色く染まりつつある湿原。ホントに、この花がいっぱい咲いている湿原は楽園なんです。


拡大するとまだまだ満開ではないことが分かる。


池塘。夏の尾瀬。


最後のチェックポイント。横田代。


コバイケイソウ。


ゴゼンタチバナ。


ここからは鳩待峠まで緩やかな下りになって、樹林帯に入っていきます。




そして、2時ごろに鳩待峠に到着。いやー、暑いし人が多い。あまりの暑さに飲み物はすべて売り切れ。新たに補給されているものはまだ冷えていなくて、飲む気になりません。ここは素直に撤退です。尾瀬戸倉のバス停まで乗り合いバスで運ばれていきます。


戸倉からは関越交通の路線バスとJRを乗り継いで東京に戻ります。その待ち時間で、土地の名産品である花豆を使ったアイスクリームを食べました。鳩待峠では花豆ソフトクリームが売っているけど、お客の列も長いし高いからこっちの方がいいと思います。


夏の尾瀬、暑かった。でも、今年の夏では唯一の山行。とても個人的にこの思い出は大事です。晴れると流石に絶景満載の尾瀬。そしていろんなお花で楽しませてくれます。何だかんだ言って、日本の山岳風景としては最高級の1つでしょう。アルプスや八ヶ岳の岩稜だけが日本の山ではないのです。
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尾瀬も暑かった その3 三条の滝への早朝散歩

2018-11-03 18:45:17 | 旅行
だいぶ時間が経ってしまったものの、何とか書いている海の日の連休時に尾瀬に行った時の記録です。見晴のテント場にてテント泊して翌日、まずは早朝に三条の滝に向かいました。
三条の滝は落差100mを一気に落ち、幅も30mになるという日本最大級の滝です。雪解け後の初夏が流量が多くて一番でしょうけど、真夏でも十分の迫力が約束されています。尾瀬ヶ原から集まった水が只見川として新潟県と福島県の境を流れ落ちるわけですが、尾瀬を歩いていると透明度の高い川の魅力にも気付かされますね。
夜明けの朝靄を楽しんだらテントに戻ってインスタントコーヒーと甘めのパンで朝食を済ませ、5時半ごろに三条の滝に向けて出発です。見晴のテント場からは1時間10分くらい歩くことになります。
5時半時点ではまだ少し朝靄がかかっていて涼しく、いい雰囲気の尾瀬ヶ原。




オタカラコウかな。


これは始めて見た。ミズチドリ。とても上品な花ですね。






木道を行くのが気持ちよい。






しばらく行くと、赤田代という2件の温泉付の山小屋があるところに着きます。ここには休憩所も水場もあるので、フル装備で歩いている場合は一休みしてもいいところです。が、この日はアタックザックに水と地図くらいしか入れてきていない軽装なので、スルーして先を急ぎます。赤田代を過ぎると山道になり、巨木も出現です。


山深いところを行く道なので、山頂を目指す道ではないですから特に傾斜が強い訳でもないのですが、やはりしっかりした装備で来ないと危険だと思います。濡れた岩やぬかるんだ道なども多いので。
この黄色い花はよく見たけれど名前が不明。




この白いお花も。


途中は多少のアップダウンがあり、沢が流れていたりしてコースとしても山歩きを楽しめるものです。そして、軽装にも関わらずほぼコースタイムどおりで三条の滝に到達。もちろん轟音。この迫力は残念ながら写真だと伝わらないタイプのものですね。




滝の上部。


中部。


下部。


暫く楽しんだら来た道を戻ります。行きではすれ違った人・追い抜いた人はほぼいませんでしたが、帰りは10名以上の人とすれ違いました。いつも思うが外国人の旅行者はスニーカーに軽装でよくズッコケないものだ。
で、行きでは無視した展望ポイントにも寄ってみます。これは赤田代から歩きだして10分ほどのところにあるポイントで、滑滝のようになっている只見川を展望できます。山深い感じの景色が開けるところ。


視線を落とすとこのようなシーン。只見川、上流域でもかなり川幅があって大きいですね。








再び巨木のところに戻ってきました。




足元には黄色い花。オトギリソウっぽい。


さて、山道を抜けて赤田代に戻ってきました。尾瀬ヶ原は木道があり、歩きやすいです。太陽が上がって既に気温も上昇中。空気は結構澄んでいたのか、至仏山方面はよく見えました。


山頂に向けて道が見える。こうやってみてもわかりませんが、高山植物の多い道なのです。


木道沿いの花々も綺麗。キンコウカ。


コバギボウシ。


ノアザミには蝶が群がっていました。


8:10くらいにテント場に戻り、撤収作業。あとはアヤメ平を通って鳩待峠までの道を行き、尾瀬を後にすることになります。しかしながら、暑い。尾瀬なのに。と言うか、尾瀬ヶ原の標高は1,400mほどですからそれほど高いという訳ではなく、東京が猛暑日状態なら25度くらいにはなってもおかしくありません。それでテント泊装備で山歩きというのは過酷。アヤメ平との標高差は500m以上あると思うので、それなりに厳しいでしょう。
ちょっと短めのエントリですが、切りがいいのでここで区切ります。
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尾瀬も暑かった その2 燧ケ岳下山、尾瀬沼から見晴テント場

2018-10-28 19:18:37 | 旅行
海の日の連休に尾瀬を歩いた時の記録の続きです。1日目は福島県の御池から入山し、燧ケ岳に登頂しました。この日は見晴のテント場でテント泊の予定なので、まだまだ長距離を歩かなくてはなりません。お天気に恵まれて山頂からの絶景を楽しんだら、時間に追われるように下山です。まずは尾瀬沼を目指し、そこからニッコウキスゲが見頃を迎えている大江湿原を訪れる予定です。
さて、燧ケ岳山頂から見える美しい尾瀬沼。まずはこれを目指します。


ちょっと滑りやすい感じの道を下山していきます。体力的に充実している時なら足元も安定しているのですが、この日は2か月ぶりの山行ということでパワー不足。スリップしないようにへっぴり腰で進む有り様でした。
下山中もお花は綺麗。コケモモかな。ツガザクラもありましたけど、写真がいまいちなのでボツ。


ハナニガナでしょうか。タカネニガナかな。見分けづらい。


ウメバチソウかと思うけど、ちょっと時期的に早すぎるように思う。


オオバミゾホオズキかな。


オトギリソウ。


この小さな白いお花は名前がどうにも分からない。一昨年も分からなかったように思う。


シャクナゲがたくさん。美しい。


御池岳というところでしょうか。開けたところに出ました。尾瀬沼が正面に見える絶好の展望台。


奥に日光白根山などの日光山塊が見えます。


振り返ると山頂。俎嵓でしょう。それにしても、早朝のガスが嘘のように晴れました。こうなると暑い暑い。


景色を楽しんだら下山継続。少し行くと、コバイケイソウがたくさん咲いているパラダイスゾーンがありました。これは嬉しい。大きくて華のある高山植物。でも、実際には小さい花が集まって大きな花になっていて、それぞれが可愛い。






その後は樹林帯の急な下りとなり、マイヅルソウやゴゼンタチバナなど樹林帯に多く咲く花を愛でながらほぼコースタイム通りに下山しましたが、長英新道というこのコースは急坂が終わってからが長い。地図にも書いてあるのですが延々とほぼフラットな道が続き、ある意味退屈です。これと言って珍しいお花もないので立ち止まるチャンスもないのですが、長く歩いているとさすがに少しは休みたくなるものです。お天気がよくて気持ちがいいのはよいのですが、下山して標高が下がってくると暑いし。


それでも12:45頃には尾瀬沼の周囲、目印となる三本カラマツの辺りまでやって来ました。




左手の大江湿原方面を見ると、ニッコウキスゲが咲いています。本当の見頃はあと少し先だったかもしれませんが、十分迫力ありました。写真にすると今一つ目立たないですけどね。










ビジターセンター方面に向かう途中から見える燧ケ岳。やはり山歩きは晴れると楽しい。


いったんビジターセンター周辺の山小屋でアイスを買って食べたりして休憩し、その後再び大江湿原に足を延ばしてニッコウキスゲを楽しみました。尾瀬沼を回って見晴方面に出なければならないのですが、どうせなら晴れた空の下で咲き誇るニッコウキスゲを楽しまない手はないですからね。そして、ニッコウキスゲ以外にもお花はあります。代表的なのはノアザミ。


尾瀬のノアザミは赤紫が濃くて綺麗なのですが、本当は固有種のオゼヌマアザミを見つけたいんですよね。これまで3回ほど時期的に悪くないタイミングで来ているのですが、いずれの時もオゼヌマアザミには出会っていません。残念。他に出てきてくれたのは、白花のハナニガナ。


アヤメが残っていてくれました。


この黄色い小さい花はいつも名前が分からない。


周囲を歩いていると、時々樹間から尾瀬沼が見えます。すっかり夏モードの景色。


そして、ここで予想外の嬉しいお花との遭遇。トキソウです。朱鷺色というか、薄いピンクのとても上品な花で、尾瀬で見られる花の中でもその気品から一度は見たいと思っていたものです。個体数が多くないし時期も限られるということで、これまでは見られていなかったのですが、こんかいは群生しているのを見つけました。が、とにかくカメラのピントが合わない。小さい花だし色が薄すぎてデジカメが認識しない。




10枚くらい撮ったけど内容的にはほぼ全滅。残念ですが、肉眼でよく見られたので良しとしましょう。取りあえずテント場に向かわないといけないし。で、尾瀬沼をぐるっと回って沼尻の休憩所のところに来ました。時刻は2時半くらい。昨年は火災のために取り壊されていてブルーシートに覆われた建材があるだけだったけど、今年はきれいな休憩所ができていました。まあ、この時は疲れていなかったのでスルーしてしまいましたが。


沼尻屋や手前から見上げる燧ケ岳。


山頂ギラギラ照らされて暑そう。


その辺りに咲いていたサワラン。サワランも綺麗なんだけど、トキソウを見た後だと感動が鈍る。




沼尻から10分くらいで白砂田代という湿原に出ます。ここの湿原は小さいけど池塘も趣があって好きなところです。でも、その前にまずは沼尻川を横切ります。相変わらずの透明度。




付近にはコバイケイソウやサワランが咲いていて、パラダイスモード。




で、白砂田代です。緑が濃いなあ。今まで来た中で一番緑が濃い。白い木道が映える。


お約束の池塘と、その周囲のキンコウカ。キンコウカは好きな花です。








池塘に雲が映っていて夏らしい。


モウセンゴケもいっぱいあって、とっても小さいけど可愛い紫がかった白い花も咲いていました。でも、相変わらずピントが合わずに写真はボツ。
白砂田代で写真を撮りながら少し休んだら、樹林帯の道を見晴に向けて進みます。尾瀬沼から見晴のテント場のある尾瀬ヶ原へは約250mの下りになるので、全体的には楽なのですが、所々ぬかるんだ道や岩、濡れて滑る木道があるので注意が必要です。
まあ、真夏でとても樹の匂いがよい。






葉の感じなど新緑のようだ。


森深い道は楽しい。尾瀬ヶ原や尾瀬沼だけでなく、樹林帯を楽しんでこその尾瀬だと思う。


広葉樹も針葉樹も巨木がいくつもあります。








4時半少し前に見晴のテント場に到着。燧小屋で受付を済ませますが、あまりに多くのテントが張られているようで、既に番号札はなくなっていました。大混雑で、普通に平坦なところに張る場所はほぼありません。それでも何とか小さいスペースを見つけ、周囲の人に挨拶して自分のテントを張らせてもらいました。いやはや、ある程度予想していたとはいえ、すごい混雑だよ。


日が長いので急ぐ必要はないのですが、テントを張って荷物を整理したら5時半くらいにはご飯にしました。代り映えしないレトルトパスタソースと卵スープですが。


そして、6時半過ぎには夕日を見るために尾瀬ヶ原に出陣。テント泊の利点は夕暮れと夜明けを見ることができることですからね。すると、木道脇にはコバギボウシ。


正面には至仏山が見えます。2年前に登りました。高山植物の宝庫ですね。




この時期は、太陽はかなり北側に沈んでいきます。


振り返ると燧ケ岳。夕日に照らされている。




夕焼けという感じにはならず、少し残念。でも北西方向の山に日が沈み、独特の景色を堪能。


テント場は大混雑だったのですが、皆さん羽目を外したりしないで結構おとなしく就寝されたようです。私も久しぶりの山行で疲れていたし、いつもの耳栓のおかげで雑音に邪魔されることもなく熟睡でした。
さて翌朝、尾瀬ヶ原の夜明けと言えば朝靄の中での幻想的な世界。4:20くらいから尾瀬ヶ原に繰り出して鑑賞します。








燧ケ岳は笠をかぶっている。


なかなか日の出にならないが、朝靄の幻想的な風景は素晴らしい。












ノアザミやアキノキンリソウが露をまとって美しい。




結局、日の出は見ることができませんでした。時期的に、かなり北寄りの北東方面からの日の出となると思うのですが、山の影になってしまって太陽がはっきり見えるのは日の出の時刻よりだいぶ後になるようです。太陽は見えないままに辺りがどんどん明るくなるので、日の出を見ようと早朝から出てきていた人たちも徐々に山小屋やテント場に帰っていきました。








さて、私も甘いパンとコーヒーの朝食を取りにテントに戻り、今日の行動の準備です。テントをたたむ前に尾瀬の名瀑である、三条の滝を見に行く予定。それからいったんテント場に戻ってきて、好きなルートであるアヤメ平を通って鳩待峠に出る予定です。
写真が多くなってきたのでこの日の記録は次回に回します。
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尾瀬も暑かった その1 御池から燧ケ岳

2018-10-24 18:47:03 | 旅行
6月に転職先が決まってCFOとして働き始めたばかりで、今年の夏は仕事に集中せざるを得ませんでした。ブログも放置状態で、まったく酷いもんです。一方、少なくとも7月まではアルプスでは近年まれに見る好天の夏を迎えていたようです。私は5月を最後にお山を歩いていない状態でしたし、急にテント泊装備でアルプス歩くのは体力的に至難です。この年だと。
で、海の日の連休くらい1泊ならなんとかなるということで、これまで何故か登っていなかった燧ケ岳に登ってきました。暑かったです。既に秋になってしまいましたが、一応山行記録を残したいと思って書き始めました。
まずは1日目の山行のまとめ的な写真をいくつか。










今回は東武の尾瀬夜行というサービスを利用しました。いつもの群馬県側の鳩待峠からではなく、福島県側の御池から尾瀬に入ります。公共交通機関で御池にアクセスするには、一番効率のいい方法です。本当は、檜枝岐村という山奥の秘境的な村を観光したいと思うのですが、今回は燧ケ岳を登った後は尾瀬沼に下りて尾瀬ヶ原方面に行く予定なので、檜枝岐村の観光は次の機会になります。
この尾瀬夜行、昨年まではリクライニングシートのない普通車両だったようですが、今年から写真にあるリバティという特別車両になったので夜行とはいってもそれなりに快適でした。まあ、11:55発で3:50くらいには起こされるので大して眠れませんけどね。


で、会津高原尾瀬駅。4時20分にここからバスが出ます。トイレは電車の中にはもちろん、駅にも2か所あるので済ませておくことをお勧めします。


予定より少し遅れて6:10くらいに御池の登山口に到着です。早速、持ってきたおにぎりなどを食べて準備開始。2か月ぶりの山行は緊張する。


登山口。よく整備されています。尾瀬らしく、木道から始まります。




サンカヨウの実。花の時期は早くも終わっていました。白くて、雨に濡れると透明になる上品な花なのですが。


カラマツソウやカニコウモリ、ゴゼンタチバナなどの樹林帯の花が見られます。この時点では天気は曇りで、蒸暑かったです。序盤から汗が滝のよう。






ギンリョウソウも。やはり湿度が高いのか。


そして、登山道は北関東らしい(福島県側から登っているので東北だが)ぬかるみと岩の樹林帯。これ、結構滑るんですよね。地味に体力を削られる道です。


尾瀬は湿原が有名ですが、実は山間部の森は大木が多いです。針葉樹はクロベと呼ばれる種類のものが多いようです。


出発して45分くらいで湿原に出ました。少し息がつけます。広沢田代という湿原でしょう。


ワタスゲは全体的に盛りを過ぎていましたが、やはり尾瀬の湿原風景と言えば木道と一緒にこのワタスゲでしょう。








キンコウカには少し早いタイミング。ワタスゲとキンコウカの両方を見られると喜ぶべきか、両方時期が合っていないと悲しむべきか。






サワランです。今回の山行ではよく見かけました。赤紫が美しいですが、ピントを合わせづらい花です。




モウセンゴケも健在です。たまに、気の早いやつが花を咲かせていました。モウセンゴケの花はほんのりと紫がかった白い小さなお花で、とても可憐です。これまた写真ではピントが合わず、今回はどれもボツ・


チングルマは花が終わって穂になっていました。今年は可愛いチングルマのお花は見られないのか。


なお、周囲は結構ガスが濃くなっています。まあ、この日の天気は晴れ予報で、天気図的にも晴れを確信していたので、徐々に雲は下がっていくと思っていましが。


この広沢田代を過ぎてしばらくしてから、急に足が重くなってペースが落ちました。シャリバテではなかったので、明らかに運動不足で体がなまっていたのでしょう。やはり、2か月ぶりの山行でテント泊装備はキツイ。
オオカメノキはまだ花には早い感じ。


こういう道が延々と。滑るのがキツイ。ホント、久しぶりの山でテントだと、足元が悪いのが一番きつい。


そして、約40分かかって次の熊沢田代へ。この時点ではまだガスが結構濃い。


ネバリノギランがありました。


ポワポワのワタスゲ君も健在。まあ、本当は青空を背景にしたい。


ヒメシャクナゲも所々にあるのですが、小さくてピントが合わせにくいのが難点。


向かう方向には燧ケ岳の山頂に向けての雄姿があると思われるものの、ガスっています。


その手前には池塘がありそうですね。人が休憩している模様。




池塘に着きました。青空がないと、水面も今一つ美しくないですね。ちょっと残念。


お花はいろんな種類があって、サワランやキンコウカだけでなくタテヤマリンドウもたくさん。さすがは尾瀬の湿原ですね。ただ、ピントがなかなか合わなくて群落の写真はどれもピンボケでボツ。








ここから更に木道で比較的厳しい登りが始まります。きつくなるとチングルマやワタスゲの写真を撮って30秒ほど休憩。






コバイケイソウは数が少なく、残っているものも明らかに盛りを過ぎていて残念。


おっと、ここでアカモノが出現。贔屓の花です。初夏のイメージなので、残っていてくれて嬉しい。


オトギリソウも登場。何だかんだ言って花が多い。


木道もなくなり、滑りやすい急な斜面です。いやホント、2か月ぶりの山行でテント泊装備は無理だ。しかし、良いことも。気が付くと雲が徐々に下に降りて行って、周囲が晴れてきました。振り返ると、先ほどの池塘のあった湿原が綺麗。






更に少し登ると景色もよい。


シャクナゲやイワカガミも出てきて、これらの花に元気をもらいながら山頂直下の最後の道を必死で登る。まさか燧ケ岳でこれほどバテるとは。






9:36、やっとの思いで双耳峰の低い方である俎嵓(2,346m)に登頂。御池登山口から850m程度の標高差でアップダウンも少ないですが、この日の体力ではヘロヘロでした。時間こそほぼコースタイム通りとはいえ、GWに雲取・飛龍を縦走したり、昨年の夏に白馬岳や北岳、薬師岳から立山、あるいは表銀座をテント泊装備で縦走したパワーは完全に失われていた。


俎嵓から見た柴安嵓。こっちの方が高いので、本当の山頂です。こっちに行かなくてはならない。もちろんザックは置いていきますけど。


ちなみに、俎嵓からの方が尾瀬沼は綺麗に見えます。先にこっちの景色は楽しでおかないと。


で、20分弱のアップダウンで柴安嵓を目指します。途中、シャクナゲやコバイケイソウ、タテヤマリンドウなどが美しく咲いていました。










で、10時過ぎにやっとのことで柴安嵓に到着。一応自撮り。


柴安嵓からは、尾瀬ヶ原がバーっと見渡せて、それはそれは壮観です。




尾瀬沼方面はちょっと隠れてしまうのですが、背景に日光方面の山々が見えるのがよい。


疲れていたので景色を楽しむ余裕もあまりなかったのですが、休憩を兼ねて10分くらい山頂に滞在です。この日は、非常に混みあっている見晴のテント場まで歩かなければならないので、時間的にはあまり遅くなるのは避けたかったという事情があります。そうでなければもう少しゆっくりしてもよかったんですけどね。
長くなってきたので、燧ケ岳からの下山と尾瀬沼から見晴までの道程は次回に譲り、今回はここでいったん切ります。
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ボスニア・ヘルツェゴビナ

2018-05-19 18:40:39 | 社会
サッカーが好きな人はボスニア・ヘルツェゴビナという国があることは知っているかもしれませんが、多くの日本人にとってはあまりなじみのない国でしょうね。私も実際に訪れたことはありません。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争やそれに関連するスレブレニツァ虐殺事件サラエボ包囲、人物としてカラジッチムラディッチ、民族を表す言葉としてチェトニクボシュニャクは知っていても、実際に訪れていないと感覚的に分からないことが多いのです。実際に旅行したことのある他の東ヨーロッパ諸国などとは違い、私にとっても本や映画からの情報に基づいた知識に頼っている国です。

で、思い返すと結構多くの映画を見ました。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争関連、あるいはコソボ紛争関連で。今回はその中から2つご紹介。実は以前に別の作品を1つご紹介していますけどね。最近「サラエヴォの銃声」を見て思うことがあったので。


サラエヴォの銃声

大まかなストーリーはGoogle先生やAmazon先生にお聞きすると簡単に分かるので、ここではちょっと感想めいたことを。物語の中盤で、レポーターと大セルビア主義の男性がやりあうシーンがあったけど、その瞬間に映画に引き込まれました。一般的にPolitically correctなのはレポーターの主張であって、セルビア側は虐殺者として糾弾される側だったのがあの紛争。その歴史観に従うとしても、例えばこれを太平洋戦争の日本に置き換えたとして、多くの日本人はどう思うんでしょうね。当時の世界情勢からすれば中国や東南アジアに戦線を広げていったことは必然であり、そう仕組まれたんだと主張する自称愛国者もいるかもしれないし、そうは言わなくても東京裁判に正義はないと言う人は結構いるような気がするし、日本人だって戦争の被害者だったと思う人は多数派として存在しているような気がする。ボスニア・ヘルツェゴビナは民族的にはスラブ系が大半なんだけど、その中で大雑把に言うと宗教的にイスラム教徒のボシュニャク、正教会派のセルビア人系、カトリック派のクロアチア人系が分かれていて、それぞれ良かれと思って旧ユーゴスラビアから独立すべきとかすべきじゃないとかやり合って、そんな中で不信感から民族浄化合戦になって、終わってみても何が正義だったかは国連やアメリカ・EUあたりから押し付けられた感も残っていて、それぞれの言い分を腹割って言い合ったら今でも絶対的に平行線。そこで直接関係ないからと言って日本人の私が「客観的な」目で評価しようとしても無理~無理~と言うか空しいな感じで、だいたいサラエヴォ包囲は4年も続いて人口の3分の1が死んだとか言われている訳で、もう深く考えずに単に戦争はダメよとかいうレベルで合意できればいいのにくらいにしか感じられなくなっている自分の知性の貧困さに呆れる始末。
そんな複雑さを感じながら見ると深い映画だと思います。そんな複雑さがあるのに、偉いEUさん達はそんな話はともかくヨーロッパを哲学的に論じたり歴史イベントをやることに忙しくて、市井の人は日々の暮らしが経済的にも恋愛的にも家族的にもたいへんで、経営者も銀行もやくざも警察もそれぞれ自分の仕事に忙しくて、そんな中ちょっとした弾みに銃声が響くと背景にあった複雑さに点火して世界大戦になったりするんでしょうね。



サラエボの花

これはかなり前に見た映画。その時は正直言ってそこまで心に残った感じがしなかったのだけど、最近上記の「サラエヴォの銃声」を見て思い出して、今では両方一緒にして心に残った感じになっている。国家って(あるいは民族って)幻想よね。ベネディクト・アンダーソンを持ち出すまでもなく。あえて言えば、国家は制度なんでしょうね。民族の定義はさらにかなり難しい。そういう曖昧なものについて真剣に殺しあったりレイプしたりした結果の悲劇と、それを乗り越える話。そして、悲劇の側面よりもそれを乗り越える方に見る人も本当は焦点を当てるべきなのかもしれないのだけど、私としては悲劇の側面の喜劇性のようなものに気が向いてしまう。ここでも、直接関係ない日本人の私が「客観的に」見ようとしても無理なものが巨大にそびえていて、もう深く考えずに「何でそんなことになってるのよおかしいでしょこれ」とかいうレベルで終わらせたい気がしてしまう自分の根性のなさに呆れる始末。
真面目に見ると悲劇の大きさ(主人公達だけではなくて紛争全体の悲劇を想像するとなおさら)に圧倒されるので、そんな悲劇性と表裏一体のような喜劇性を感じながら見ると深い映画だと思います。そんな喜劇的悲劇の世の中なのに、食べていくための経済的環境についてはレベルの差こそあってもどこの国も似たような苦しさで、学校では子供達はどこの国でも似たような言い合いをしていて、悲劇のトラウマに苦しむ人はどこの国でも似たようなセラピーを受けいて、そんな中ちょっとした弾みに子供の喧嘩が本気モードになったりすると良かれと思ってついた嘘が破綻する時がやって来るんでしょうね。

日本、この70年は平和なんだと思いますよ。いろいろあっても世界レベルで比較すると平和と言わないと罰が当たる。それを認識した上で現実的な安全保障を考えるべきなんだろうけど、日本には日本の複雑さや喜劇的悲劇性があって、市井の人はやっぱり日々の暮らしに忙しくて、そもそもジャーナリストでも英語すらまともに使いこなせる人が少ないから国民全体的に国際感覚がヘロヘロで、そんな中にちょっとした弾みにアメリカの大統領がジコチュー決め込んだりするとにっちもさっちも行かないで国際的な発言力失うことになるんでしょうね。
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新緑の川苔山、蕎麦粒山

2018-05-14 21:40:33 | 息抜き
GWに長沢背稜を経て雲取山、飛龍山まで縦走しましたが、その長沢背稜でまだ歩いていない部分の稜線を5月12日の土曜日に踏破しました。川苔山へのアプローチとして最も魅力的な川乗林道の通行止が解除され、百尋ノ滝にも行けるようになったので、川苔山に登るついでに蕎麦粒山も登って一杯水の避難小屋まで一回りしてきたのです。
結論。この道(蕎麦粒山~一杯水避難小屋)素晴らしい。奥多摩でも指折りの広葉樹林で、新緑や紅葉の時期は絶対行くべき道。今回は行かなかったけど、ハナド岩で小川谷を眺めるのと合わせると、奥多摩の山深さと広葉樹林の美しさを完全に堪能できると思います。

週末の奥多摩駅名物トイレダッシュを横目に7時27分発の東日原行のバスの列に並びましたが、この日は晴れ予報&日曜は雨予報だったので人出が多くてバスでは座れませんでした。まあ、15分くらいなので平気ですが。半分くらいの人が川乗橋バス停で下車し、川苔山を目指すようでした。奥多摩にはよく行く私ですが、なぜか川苔山は初めてです。メジャーな山なのですけどね。それはともかく、林道脇には川乗谷の沢が流れており、とても清涼感があります。朝は気温も低いので、気持ちのよいスタート。


沢沿いなので、この時期はウツギ系の木の花が目立ちます。マルバウツギだと思う。ヒメウツギかもしれない。


ガクウツギも多かったです。白いウツギの花は沢の流れる音と合わせて清涼感を強化。


この辺りのガクウツギの生息状況はかなり楽観的になれるものがあります。すごい数だった。


そして新緑も綺麗。ブナ系、カエデ系ともに多かった。


藤も綺麗。今年はお花が早いので、藤の季節もほぼ終了っぽかったですが。


40分ほどで林道の終点まで来て、登山道に入ります。なお、バイオトイレは故障中なのか、使えませんでした。


この登山道、お勧めです。沢沿いでとても涼しいし、沢の音が癒しになる。とても気持ちのいい道です。


新緑のトンネルである。


ヤマツツジがありました。今年はヤマツツジも早くも終盤っぽいけど。


とにかく、清涼感という言葉が合う登山道である。




水の透明度も素晴らしい。アルプス行かないでも、奥多摩で十分美しい。




新緑も言うことなしである。


と、楽しくハイキングして有名な百尋ノ滝への分岐に到着。当然ここは滝の見物に寄ります。落差約40mの滝は迫力十分で、周囲の新緑と合わさってとても綺麗でした。滝つぼ近くまで行けるので、写真が好きな人は凝った写真を撮りそうですね。




さて、この日は先が長いので、あまり長居しないでサクサク行きます。百尋ノ滝を後にしてしばらく、比較的急な道を進んだら沢を横切るところに出ました。ここで小鳥さんが登場。声は聞こえてもほとんど姿を見せることはないし、見えても高い樹上でズームしてやっと、そしてフォーカスすると直ぐに飛び去るのが常ですが、この小鳥さんは沢に下りてきて比較的近い距離にいました。他の登山者が気付かずに近づいてしまったのですぐに飛び去ってしまったのが残念ですが、なんとか後姿を撮りました。いや、ホント、野鳥の写真はめったに撮れないよ。ミソサザイかな、と思いますが確信はありません。


相変わらず、沢沿いの道を行きます。ヒメレンゲも咲いていました。




しばらく行くとついに沢の音が聞こえなくなり、小鳥の声がよく聞こえるようになります。あと一頑張りで山頂でしょうか。


山頂に続く尾根道に出ました。防火帯なのか道幅が広く、解放感のある道です。




そして、川乗橋のバス停から約2時間半で山頂に到着。コースタイムとあまり変わりませんが、百尋ノ滝に寄ったりしているから実際には余裕がある感じ。テント泊装備でない山行、余裕があって安心だと思う。


山頂からは西側が開けていて眺望があります。左の尖がりは鷹ノ巣山でしょうね。中央の一番高くて奥にあるのが雲取山。


視線をずらして右側を見ると、三ツドッケこと天目山が見えますね。今日は直下の一杯水の避難小屋までは行くけれど、天目山の山頂は行かない予定。2週間前にに行ったし。いずれにしても、あそこまで歩くのかと思うとちょっと気が滅入る。まあ、テント泊装備じゃないし、大丈夫だろう。


で、ここでもパンを一つ食べたら直ぐに出発です。まだまだ先が長いから。川苔山の山頂付近には、ツルキンバイが群生していました。奥多摩では珍しくない花ですが、白いお花の多い時期に黄色いお花はなんとなくホンワカしていいものです。




そして、ここから稜線上でたくさん出てきたのはミツバツツジとシロヤシオ。ミツバツツジは時期的にもっと前のイメージですが、標高が高めのせいか、結構残っていました。シロヤシオは全体的にはまだ5分咲きですかね。赤紫色と白のツツジの競演は見ごたえありです。














川苔山山頂付近は道が入り組んでいますが、今回は蕎麦粒山方面を目指して西に進路を取ります。日向沢の峰(ひなたざわのうら)は途中にある小ピークです。


やはり防火帯なのか、広い道が続きます。正面に目指す蕎麦粒山をとらえています。


この白いお花、多かったけど終盤っぽかった。名前が不明。


時々樹間から富士山が見えますが、限りなく薄い。


相変わらずの登山道。なだらかに見えますが、意外とアップダウンがあります。特に、川苔山から一気に200mくらい下るイメージなので、その後の登りを気にすると下り坂が憂鬱になります。


ここでサラサドウダンの花が登場です。昨年は奥秩父の甲武信ケ岳で見ています。






川苔山の山頂から40分ほどで分岐に出ました。巻き道は崩壊しているところがあるらしく、通行止めです。私は奥多摩ビジターセンターのウェブサイトで情報を仕入れていたのですが、この標識で薄めに消されているのを見て危険に気付く人がいるのだろうか。


川苔山を振り返る。山頂直下までは結構急坂もありますが、山頂は丸い感じで優しいイメージの山容ですね。


稜線上でもミツバツツジとシロヤシオの競演。


ツツジは、5枚の花弁の上のやつの内側に見える点々が綺麗だと思っている。シロヤシオは黄緑の点々。


三ツドッケも蕎麦粒山もまだ遠いなあ。


11:20頃、川苔山の山頂から約一時間で日向沢の峰に到着。この辺りからアップダウンが結構キツイ。つーか、アップがキツイ。


お天気的には薄めながら雲が出てきてしまい、青空は隠れてしまいました。まあ、広葉樹が綺麗だし、時々樹間から見える景色も山深い感じでなかなか趣があります。






そして、蕎麦粒山への急登。いったん少し下ってから登り返すのがえげつない。


11:55に蕎麦粒山の山頂に到着。川苔山から1時間40分弱で着きました。最後にかなりコースタイムを巻いた。登り返しのところでコースタイムが緩めに設定されていたようですが、この日は日帰り装備で軽装だったので、お花の写真などで時間を取られなければサクサク登っていました。まあ、全体的に言って、奥多摩のアップダウンの中では普通レベルだと思います。大岳山から御前山に縦走したり、奥多摩駅から石尾根で六石山、鷹ノ巣山と行くよりはずっと楽です。


狭い山頂には10名程度の人がいて、かなり混んでいたイメージです。この山ってそんなに人気がないと思うんですが、やはり季節がいいからでしょうか。また、明らかにベテランと思われる方は、川乗橋から直の破線ルートである鳥屋戸尾根を登ってきたようです。登りなら私も何とか行けるかもしれませんが、下りに使うと道に迷うんだろうな。奥多摩の深いところは、森は魅力的ですが道迷いが怖いです。写真は、登ってきた川苔山方面を振り返った図。こちら以外は眺望がありません。


ここでもちょっとパンを食べつつ短めの休憩を取ったらすぐ出発。時間的にはだいぶ余裕ができていましたが、何となくあまりゆっくり休みたくなかった。で、ここから一杯水の避難小屋までの道は本当に素晴らしい広葉樹林です。道自体は長沢背稜らしいフラットでよく整備された道です。


とにかくブナ(カエデも少々)の大木が多くて、行ったことないけど白神山地かと思いました。






















大きな木はそれだけで圧倒的な存在感があって素敵ですが、新緑に日光が当たってキラキラしてとても綺麗でした。都内でこの景色が楽しめるとは。とにかく、奥多摩の他の山域よりも絶対的に木が大きい。森の香りがよい。ただ足早に歩くだけではもったいないですよ、この道は。
そして、やはり足元の春のお花は終盤でスミレがちらほら程度の感じだったのですが、少ないながらもヒゲネワチガイソウが残っていました。これは嬉しい。






ヒゲネワチガイソウは、ツルキンバイの群落の中に交じって咲いていました。




楽しい広葉樹林歩きもいよいよ終盤。一杯水の水場まで来ました。GW後に雨が降ったせいか、水量は多かったです。せっかくなのでここで水分補給。


水場から避難小屋へは5分もかかりません。この日は三ツドッケには登らないで、小屋前のベンチで持ってきたおにぎりなどを食べて少し休憩。GWには咲いていなかったツツジが綺麗です。人が多かったです。時間的にはまだ下山も余裕でできますが、中には泊まる人もいたのかもしれません。


下山は、GWにはテント泊装備を担ぎ上げたヨコスズ尾根を使います。あの時はまだまだ標高の高いところでは木々の芽は出ていなくて、ほとんど冬の様相でした。今回は新緑シーズン真っただ中という感じで、とても気持ちのよい下山になりました。尾根とは違って、ミズナラとカエデ、たぶんイタヤカエデと呼ばれる種類のものが結構多かったです。ブナもありますが、ミズナラやカエデの方が目立っていました。














最後は、杉の植林帯の急坂を下って東日原のバス停付近に下山です。


日原川を通りから眺めると、その透明度の高さを認識できます。




いつもの「もえぎの湯」で汗を流して終了でしたが、満員で30分くらい待たされたのがちょっと想定外でした。まあ、時間的には余裕あったので問題なかったです。
日原方面は奥多摩でも山深いエリアで、これまではあまり来ていませんでしたが、これからは贔屓のエリアとして春や秋を中心に来ることになりそうです。
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