冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

闇の列車、光の旅

2012-02-12 18:43:17 | 息抜き
今住んでいるところは、ほぼあらゆる意味で便利ですが、DVDレンタル店が近くにないのがちょっと不便。
で、Tsutaya Discasのサービスを使い始めた。
このサービス、実は使い勝手はそんなによくない。
必要以上にDVDを見る羽目になるし、借りたいと思うものが意外と借りられない(用意されているDVDの枚数が足りないで、いつも貸し出し状態になっている)など、文句を言い出したらきりがない。
しかし、2年ほど続けて使ってみて、意外といい面もあるなあと最近は思っている。

私は1ヶ月に4枚借りられるコースなのだが、これは、このサービスの1ヶ月あたりの枚数としては最低ライン。
それでも、実質的に週末しかDVDを見ないとなると、4枚見るのはやっと。でも、2ヶ月以上はこの枚数を繰り越せないので、セコイ私はできるだけ見るように努力する。
そして、次に見るべき映画をいろいろ探して予約する。
こういう一種の追い立てられるような状況は、明らかにTsutayaの戦略にはまっているものの、一方でこんな風に追い立てられなければ決して見なかったと思われる映画も見ることができている。いろいろ探して予約するので。

そんな中、最近見たのがこれ。

闇の列車、光の旅 [DVD]

私はメキシコに2週間弱旅行したことがありますが、特にパレンケの遺跡とその周辺、グアテマラ国境のあたりは自然も遺跡も人の営みも心に残っています。もう一つ、サパティスタの故郷と言えるサンクリストバル・デ・ラスカサスも、その町の美しさと少数民族の暮らし、そしてサパティスタが出てきた理由が嗅ぎ取れる空気(さらにはなぜかこの高原の田舎町にある素晴らしいフランス料理店とその店の偏屈シェフ)も印象深いものでした。
この両方とも、メキシコで最も貧しい地域です。

この映画からは、その空気を感じることができます。
海外旅行のいいのは、圧倒的な非日常感に出会うこと。
行くまでは想像もできない世界があり、その一部に過ぎないかもしれないけれども実際に見、嗅ぎ取り、味わうことができる。
ホンジュラスからメキシコを越えてアメリカを目指す不法移民とメキシコの若者ギャング団が背負っていると思われるものは、現地の空気を感じだことがあると相当に真に迫ってくる。
自分が生まれ育った環境の運のよさとか、人生ってなるようにしかならないとか、だから面白いのかもしれないとか、まあいろいろ思う。
社会派の映画だけれど、どのくらいこの映像にシンクロできるかどうかは、その人のこれまでのいろんな経験に左右されると思う。
特に日本くらいメキシコやホンジュラスから離れていると。
だから、人間的に魅力的な先人の多くが若いうちに旅をしたほうがよいと言っているのだと思う。
私はメキシコの経験があってラッキーだった。この映画も楽しめるし、旅しなければ得られなかった視点をもつことができたから。

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冷たい風のような火を燃やすものたち