日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

角田光代著「月と雷」

2015-06-15 | 読書
このところ読みたい本が無く、
やりたい事が多かったので、久し振りに読んだ1冊

角田光代著「月と雷」中公文庫刊



「まっとうな家族が作れるのだろうか
  そんなものを知らずに育った私たち」

そこそこもてていた若者
付き合っていた彼女とそろそろ結婚しようか?
口にだすと皆に逃げれる。
自分に足りないものは?

きちんと朝起きてきちんと栄養の偏らないご飯を食べて
チャンとした時間にお風呂に入り、普通の時間に寝る・・
そんなまっとうな暮らしが出来ない、した事が無い、と気付く

母親と放浪生活を送り、幾つかの家庭を渡り歩いた中
気持ちよく居候生活を過ごし、同じ年頃の女の子と遊んだ家を尋ねる。

女の子は大人になり、父親を無くして一人で住んでいた。
結婚を目前に控えていた女は、
ずるずるとまっとうでない暮らしの男を避ける事無く追い出さない。

大人になった女は考える、
このまっとうでな暮らしが身に付かなかった男が心地よいのは原因は何か?

居候男の母親に原因があった。

母親は色々な男に拾われ、家事も出来ず同じ場所に座り続け
窮屈になるとオン出て、すぐに別の男に拾われる。
何の取り柄も色気もないおばあさんが何故か?

死ぬ間際のハッキリした時の言葉
 先きに何を望んでいるかなんて考えた事も無い
 今日が無事に過ごせればそれでいい・・と

そんなバカな!
一日経つと、次第に「それもありか?」

努力して目標を立てても叶う事は少ない(?)
どうせ産まれて死ぬからには全てがアワ
ジッと座っているだけで死ぬのに問題は無い

日々目覚めて「今日はこれをしよう」「明日は・・になるだろう」
子供の頃から身に付いた(身につけさせられた?)無駄な努力
ジッと座っていたい・・・

・・と思えど、座りつづける事は出来ない・・サガ

この本に寄添うと、良いと思われて習性が全て虚しくなる。
あ・あ~~

と考えつつ、これから元気に仕事をしにいくぞ~~
なんて私です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする