日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

貫井徳郎著「転生」

2010-06-03 | 読書
先週大きな書店で5冊のまとめ買いをしてきた。
目の前に読みたい本があると、家事やテレビはそっちのけで読書三昧になる。

今日の1冊は貫井徳郎の「転生」幻冬社文庫’99年発行を7年前に文庫本化し
今や10版にもなっている。



心臓移植が成功して楽になった身体で今までに無い嗜好に気付き、
思い当たる節の無いリアルな夢を見るようになる。
ドナーの記憶に違いないと、調べに入る男子大学生
タブーなはずのドナーの特定と家族への面会。
交通事故死をした女性に違和感を覚え
突き詰めると、そこには心臓移植に関する秘密結社・・

育ちが良くて素直で、誰にでも好かれる男子大学生
秘密を知り、幸せな結末にすすむ・・こんな筋書きだが
物語上手、心理描写を手玉に取り(表現悪いが)一気読みをしてしまう。

移植手術を受けた人が今までと違う感覚を持つ事は知っていたし
他人の死を前提とした自分の「生」に後ろめたさを覚える事も想像出来る。
死後の臓器移植提供意思表示カード」も免許証ケースに入れているが、
「心停止後移植の提供」の2欄にしている。

改めて眺めてみると眼球は老眼で近視だし
肺は近頃咳き込んで自信なし、肝臓は目下治療中となると
心拍数60台の毛の生えた心臓と腎臓、膵臓くらいしか使えそうも無い。
それも年齢が高くなって大丈夫だろうか?

車に乗らない・血圧は低い・家族に癌の人はいないでは
元気なうちに死ぬのは難しそうだ・・

なんて、変な事を考えてしまったが、
土曜の夜に乃南アサの「いつか陽のあたる場所で」を読み
日曜日に「転生」を読んでいて目はシバシバ
これでは「眼球」の提供も無理かもしれない。

ともあれ、お薦めの1册です。
コメント
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