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全日空、労働時間延長を提案 路線拡大のビジネスチャンス狙う

2010-02-18 07:08:38 | Weblog
全日空、労働時間延長を提案 路線拡大のビジネスチャンス狙う 2010年2月14日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100214/biz1002140139000-n1.htm
 全日本空輸が労働組合に対し、社員の基本労働時間を現行の週37時間から40時間に延長することを提案していることが13日、分かった。同社は首都圏空港の発着枠拡大や経営再建中の日本航空の路線縮小を「歴史的なビジネスチャンス」(幹部)ととらえ、人件費を抑えながら、国際線の拡充を軸にした成長路線を目指す考えだ。
 全日空は基本労働時間を昭和50年から週37時間としており、延長されれば今回が初めてとなる。延長の対象となるのは管理職を含めた約1万4千人。整備士や客室乗務員の夜間や早朝の勤務手当のほか、年末年始や祝日の勤務手当も減らす方針だ。
 全日空が労働時間を延長するのは、3月に成田空港、10月に羽田空港の発着枠がそれぞれ拡大されることに加え、会社更生手続きに入った日本航空が路線や便数の縮小を打ち出し、全日空に到来した路線拡大の商機をとらえるためだ。
 路線拡大に伴って業務量の拡大が見込まれるが、旅客需要の落ち込みが長引いて売り上げ増の見通しが立たないため、1人あたりの労働時間を延ばすことで業務量の拡大に対応する。
 ただ、基本労働時間の延長は残業代の削減につながることから、労組側の反発も予想される。
 全日空では、200人規模の早期退職者を今月上旬まで募集するなど一連の措置で平成24年度までに21年度比で年間200億円の人件費圧縮を図る計画だ。

ANA国内線普通席、無料お茶と水だけ 有料でスタバ 2010年2月15日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0214/TKY201002140300.html
 全日本空輸は4月から、国内線の普通席で無料提供する飲み物を、日本茶と水だけにする。無料だったコーヒーやジュース、スープは「スターバックスコーヒー」をはじめとする有名ブランドの製品に切り替えて、有料化する。機内サービス見直しでコストを削減するとともに、利用客の好みの多様化に対応する。
 有料で提供するのは、みかんジュース(税込み500円)、ダージリンティー(300円)、オニオングラタンスープ(500円)など。国際線ビジネス席で提供しているワイン(1千円)や日本酒(1千円)も普通席で出す。
 全日空は2010年3月期連結決算で7年ぶりの営業赤字になる見通し。機内サービスを有料化する手法は、格安航空会社を中心に海外で広がっている。



 う~ん。世間は労働時間短縮の流れだというのに、全日空の経営陣は労働時間の延長 それも週37時間から一気に3時間延長して法定労働時間の週40時間一杯まで延長を労組に提案ですか…(吃驚
 まあ、たとえ労働時間が延長されてもそれに伴いお給料も上がるというのならば話も変わってきますが、早期退職を募集しておいてお給料アップもないでしょうし、加えて残業代が3時間分も減るとなれば、常識的に考えるならば労組側はNO! を突き付けるのが妥当と思いますが、組合員はこの異例の提案をどう判断するのでしょうか…。
 ごくごく個人的な意見を述べるならば、ワークライフバランスに逆行するような一律の労働時間管理につながりかねない労働時間の延長にはどうしても賛成しかねますし、むしろ様々な雇用形態の方を組み合わせることで需要増加に対応して欲しいと思いますが、航空業界は人件費削減圧力も強いだけに、交渉は難航が予想されそうですね。

 一方、全日空は4月から国内線の普通席について、無料とするのはお茶と水だけにして、これまで無料だったコーヒーやジュース、スープなどは有料に…。
 まあ、国内線なら雲の上の時間は、ほとんどの区間は長くても1時間程度でしょうし、いろんな飲みモノを持ち込めばその分機体が重くなり燃料費がかかるため、会社の本音としては有料化による収益多角化もさながら、できれば用意する飲み物の種類そのものをなるべく減らしたいといったところにあるのではないでしょうか…。
 飛行機の移動で何よりも最優先されるべきは安全航行。少し寂しいかな…と思わなくもない半面、まあこの程度の我慢ならば利用者に課せられるのも許容範囲かな…と思います。