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青森と盛岡に展開する中三が民事再生手続き申請 老舗百貨店、震災が影響

2011-03-31 05:18:13 | Weblog
中三が民事再生手続き申請 老舗百貨店、震災が影響 2011年3月30日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY201103300253.html
 青森市や盛岡市など北東北に3店舗を持つ老舗百貨店の「中三(なかさん)」(本社・青森市、向中野光秀社長)が30日、民事再生手続きの開始を青森地裁に申請した。消費の低迷で売上高の減少が続いていたが、11日の東日本大震災で、さらに売り上げが落ち込んだことが影響したという。
 中三は1896年創業で、従業員数は約210人。1997年に秋田店を開店するなど、一時は北東北で5店舗を展開した。しかし、帝国データバンクなどによると、消費の低迷やデフレが続き、08年には秋田店を閉店。2010年8月期の売上高は185億5400万円と5年前の約6割に落ち込んでいた。
 中三が30日、従業員向けに出した資料によると、経費の節減などで今期に入って利益の改善が見られたものの、11日の大震災以降、売り上げが急激に減少。さらに、死者1人を出した14日の盛岡店の爆発事故で、同店の閉店が続いていることが経営を大きく悪化させたという。
 同社は、顧客が加入する「中三友の会」についても破産法に基づく破産を申請。同会の「お買い物券」などが使えなくなるとしており、今後は混乱も予想される。




 う~ん。元々経営不振で苦しんでいたとはいえ、とうとう東日本巨大地震が追い打ちをかける形での大型倒産が発生してしまいました…(滝汗
 中三と言えば、1896年6月創業と115年の歴史のある老舗百貨店で、創業地は五所川原で、62年に弘前、74年に青森(81年本店を五所川原から青森に変更)、81年に二戸(83年閉店)と盛岡に進出、94年にはイオンとの共同出店となる秋田に進出するなど拡大路線を進めていたものの、06年頃から消費低迷による売り上げ減少に悩まされはじめ、06年1月に五所川原、08年10月に秋田を閉鎖(イオンとの資本関係解消は09年2月)し、必死にリストラを進めていたものの、11日に発生した東日本巨大地震の3日後の14日に盛岡店の地下1階の食料品売場で爆発事故が発生してしまい12人が負傷しうち1人は死亡するという大惨事が発生(この事故が原因で盛岡は営業を停止)。
 営業を続けていた青森・弘前の2店舗も、一部商品の供給遅れによる混乱が続いたことや、地元の消費自粛ムードによる売り上げ不振もあり、とうとう民事再生法の申請に追い込まれてしまいました。

 青森県には同じく青森市に本店があり、弘前・八戸と岩手県の北上市に店舗をもつさくら野百貨店もありますが、はたして中三にスポンサーは現れるのでしょうか…。
 仮に青森・弘前の2店舗に経営資源を集中するとしても、岩手県盛岡市に本店のある川徳が盛岡城をはさんで反対側にある中三盛岡店を買い取るか? と言われれば正直首を傾げざるを得ませんし、青森市のさくら野と中三は立地的にはほぼ互角、弘前は中三が中心市街地の中にある一方で、さくら野はやや郊外に大きな店舗を所有していますが、今は大手百貨店グループでさえも地方から相次いで撤退している時代。百貨店は地域の顔だけに、店舗がなくなると街の人の流れさえ変わってしまいかねないだけに、なるべく現状を維持する形で残ることが望ましいことは言うまでもありませんが、東北全体が窮地に陥っているだけに、他社に関わっている余裕のある企業は少なく、平時よりもより厳しく高いハードルをつきつけられる形での再建を目指すことを余儀なくされそうです。

 参考までに、福島県には中合(なかごう)という同じく東北地方と函館に拠点を持ち(福島市・山形県酒田市と山形市・青森県八戸市・北海道函館市に拠点があります)創業も1874年11月と似たような名前の老舗な百貨店も実はあって他の地域の人にとっては結構紛らわしかったり…(汗
 サービス業にとって風評被害程怖いものはありませんし、どうか東北地方以外の方は、この両社を混同しないようにくれぐれもお願いします。

造幣局「桜の通り抜け」を4時間短縮 被災者に配慮

2011-03-30 05:17:22 | Weblog
造幣局「桜の通り抜け」を4時間短縮 被災者に配慮 2011年3月29日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0329/OSK201103290003.html
 独立行政法人・造幣局(大阪市北区)は28日、春の恒例行事「桜の通り抜け」を4月14~20日に開催すると発表した。東日本大震災の被災者への配慮や東京電力の計画停電を踏まえ、ライトアップを中止。夜は例年より4時間短縮し、午後5時までとする。
 造幣局は中止を検討したものの、「多くの人に親しまれた行事」として開催を決定した。過去5年は期間中に平均約70万人が訪れたが、ライトアップ中止で見物客が2~3割減る可能性があるという。
 会場は大阪市北区天満1丁目の造幣局南門(天満橋側)から北門(桜宮橋側)への一方通行(約560メートル)。128品種352本で、今年は白色の花を咲かせる「伊豆最福寺枝垂(いずさいふくじしだれ)」が加わった。平日は午前10時~午後5時、土・日は午前9時~午後5時。問い合わせはハローダイヤル(050・5548・8686、午前8時~午後9時)。会場には、東日本大震災の被災者支援を目的とした募金箱が設置される。

京都御所、春季一般公開の展示や催事一部中止 2011年03月23日 京都
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20110323000156
 宮内庁京都事務所は23日、東日本大震災を受け、4月6日から始まる京都御所(京都市上京区)の春季一般公開の展示や催事の一部を中止すると発表した。1946年から始まった一般公開で初めて。中止するのは、人形を用いた「花宴(はなのえん)」や「朗詠」の再現展示のほか、9、10両日に予定していた雅楽や蹴鞠(けまり)など。



 う~ん。電力を大量に消費するテーマパークのアトラクション施設ではなく桜のライトアップですし、夜桜見物狙いの大阪府外からの観光客も多いことを考えると、電力を融通することが難しい以上は、むしろ自粛ムードが強化されることで、近隣の消費が落ち込むデメリットの方が大きいのではないか…という気もしなくもないのですが、京都御所の一般公開でさえ、(別に電力を消費するわけでもない)雅楽や蹴鞠行事などが中止されるなど自粛ムードが強まる中、この流れも避けられないのでしょうか…。
 まあ、自粛ムードが強まる傾向そのものは今の社会情勢では避けられない傾向としても、あまりこの動きが強まり過ぎるようだと、日本経済全体が自粛ムードが強まり過ぎるあまり観光業界全体の景気にまで影響しかねませんし、仮にライトアップそのものを中止するとしても、今の時期なら18時頃までは日中でも桜並木を楽しめそう…。
 ライトアップは無理でも、閉館時間だけでももう少し融通が利かないものかな…と思います。

来年度の法人税の切り下げはやめて頂いて結構

2011-03-29 05:06:02 | Weblog
来年度の法人税の切り下げはやめて頂いて結構 2011年03月29日 
ロイター http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20290120110328
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110328-OYT1T00852.htm
 日本経団連の米倉弘晶会長(住友化学会長)は28日の定例会見で、東日本大震災の復興財源を確保するため、2011年度の法人税引き下げ幅を圧縮する案が出ていることについて「個人的には(法人税の)切り下げはやめて頂いて結構だ。そのかわり復興に向けてほしい」と述べた。
 一方で、米倉会長は「法人税ばかりでなく、色々な税もやらければいけない」とも指摘した。その上で「高速道路無料化の廃止、子ども手当の一時休止、高校授業料の無償化一時休止などで、かなりの財源が出てくる」とも述べた。国債発行は「それで足りないもので考えるべき」とした。さらに「震災対策にかまけて税財政・社会保障の一体改革をずらすのはいけない」とも語った。 
 夏場にピークを迎える電力需要に対して供給が足りなくなる見通しだが、企業の需要抑制策については「知恵を絞りながら考えたい」と述べた。米倉会長は「産業サイドもできるだけ節電をすることだ」とした。夏休みの分散化やフレックスタイムなどの案が出ているが、米倉会長は、企業が自家発電の設備を活用するなど供給対策も講じるべきとの考えを示した。また、東日本と西日本の電力周波数が50ヘルツと60ヘルツに分かれていることについて「電力会社は不可能だと言っているが、(統一について)長期的に考えるべき」とした。
 東京電力の福島第1原子力発電所の事故で原子力政策の見直しの声が出ているが、米倉会長は「グリーンエネルギーには限度がある。将来、原子力発電は避けて通れない」と述べた。事故の原因究明が重要だとしたが「全体の原子力政策は変わる必要はない」と述べた。





 う~ん。経営者団体の長としては、まずは計画停電を中止してもらわなければ、いくら法人税が減税になったところで企業の生産計画さえままならず、今世間を敵に回すのは得策ではないという判断を下したに過ぎないのでしょうが、まさか日本経団連の長からこのような発言が出るとは吃驚ですね。
 子ども手当や高校授業料の無償化はともかく、高速道路の無料化などはまさに『本当に今やる必要があるのか』が議論されてもいいでしょうし、財源が限られるなか、どう東北地方などインフラが寸断された地域に効率よく財源を投入して復興を遂げていくかが今強く問われているように思います。

「地震よかった」議長辞職へ…無所属出馬を表明

2011-03-29 05:04:39 | Weblog
「地震よかった」議長辞職へ…無所属出馬を表明 2011年3月25日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/2011/news/20110324-OYT1T00892.htm
 東日本巨大地震について「大阪にとって天の恵み」と発言した大阪府議会の長田義明議長(76)が24日、大阪市内で記者会見し、「被災者をはじめ多くの方にご迷惑をかけた。深くおわびします」と謝罪した。
 近く府議会に議長職の辞職願を提出するという。既に自民党府連から公認を取り消された府議選(4月1日告示)については、無所属で立候補する。



 この輩の府議会議長辞職は、被災者の気持ちを傷つけたことから当然としても、無所属として出馬するということは、もし当選したらころあいを見て自民党に再び合流するということなんでしょうね…。
 今回の選挙は大阪府民のモラルも問われる大切な選挙になりそうです。

休業手当、計画停電の時間帯は支給不要 厚労省

2011-03-28 05:19:26 | Weblog
休業手当、計画停電の時間帯は支給不要 厚労省 2011年3月27日 日経
 厚生労働省は企業が自己都合で社員を休ませた場合に支払いを義務付ける休業手当について、計画停電の時間帯は原則として支払わなくてもよいとする見解をまとめた。電力が供給されないことを理由とする休業では企業の責任はないと判断した。
 休業手当は企業が自己都合で休業した場合に労働者の生活を保障する仕組みで、労働基準法で支払いが義務付けられている。生産調整や経営難、設備の故障などで企業が社員に自宅待機や一時帰休を命じた場合、過去3カ月の平均賃金の60%以上を休業期間に応じて日割りなどで支払う必要がある。
 ただ地震で工場が破壊されるなど企業の責任とはいえない理由で休業する場合は、休業手当を支払う必要はない。厚労省は計画停電の時間帯の休業についても手当の支払い義務がないことを明確化し、全国の都道府県労働局に通知した。
 停電していない時間帯の休業は原則として手当を支払う必要がある。ただ計画停電の実施日に、数時間の停電時間帯だけを休業にすることが経営上、著しく不適当な場合については、終日休業にしても手当を支払わなくてもよいとした。「著しく不適当な場合」の具体例は示しておらず、個別に判断することになる。
 また予定されていた計画停電が実施されなかった場合についても、変更の内容や停電中止の公表時期などを踏まえ、労働局が個別に判断することになるという。
 休業手当は企業全体が終日休業となる場合だけでなく、会社内の一部門が休業したり、1日のうち数時間の操業短縮なども対象となる。

計画停電 派遣社員が悲鳴 2011年3月26日 ゲンダイネット
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_job_work__20110326_4/story/26gendainet000140801/
 「オレたちを殺す気か!」――。先行きが見えない「計画停電」に対し、派遣社員がカンカンになっている。停電に伴う企業の突然の時短や休業で収入が激減している上、企業が賃金保障をしなくても「問題ナシ」と“お墨付き”を与える通知を厚労省が出したためだ。
 厚労省が通知を出したのは「計画停電」が始まった直後の15日。労働基準局監督課長名で「計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の取扱いについて」と題し、〈原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しない〉と書いてある。一体どういうことなのか。
「労基法26条は、企業側の『責めに帰すべき事由による』休業の場合、労働者に平均賃金の6割以上の手当を支払わなければならない、と定めています。つまり、厚労省の通知は『計画停電は企業側の責任じゃないからカネは払わなくてもいいよ』という内容なのです」(都内の社会保険労務士)
 厚労省労働基準監督課は「企業には、計画停電に便乗した不必要な休業など、労働者の不利益にならないよう求めています」と説明するが、こうした対応に怒り心頭なのが派遣社員たちだ。
 「派遣社員は時間単位で働いているのです。たとえ『計画停電』が3時間でも、収入に与える影響が大きい。しかも、このままだと秋、冬まで続くといわれているから状況は深刻。未曽有の大地震は理解できますが、計画停電が天災といえるのか」(都内の派遣社員)
 派遣ユニオン(東京)の担当者もこう言う。「仕事量が減って大変という声が続々寄せられており、26日にホットラインを設けて相談態勢を整える予定です。相互扶助を唱えながら、派遣社員らだけがその輪から外されるのはおかしいですよ」
 震災被害の影響が首都圏で深刻化するのはこれからである。




 う~ん。確かに、天災事変その他やむを得ない場合には、休業手当の不支給どころか解雇制限も例外扱いではありますが、だからといってわざわざ厚生労働省が見解まで出さなくても良さそうなものですし、操業を短縮して真っ先に雇用を打ち切られるのは派遣社員やパートなど身分が不安定な人達。
 100歩譲って休業手当の支給は無理でも、これまで蓄積した有給休暇を優先的に消化させるよう指導するとか(こちらは多少適用までに時間がかかるかもしれませんが)雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金の特別災害枠のようなものを作って支給期間の延長措置を取ることはできないものなのでしょうかねぇ…(溜息
 中小企業の中にはそういった配慮さえ取ることが難しいという企業もあるでしょうし、一律に企業に負荷をかけるのは難しいとしても、こういった計画停電を建前にした悪質な解雇や就業制限が起こらないように社会全体で監視して、悪質な場合は企業名を公表するなど、働き手を守る仕組みも大至急で構築していく必要があるように思います。

東京三社祭や富山チンドンコンクールが中止決定

2011-03-27 18:05:34 | Weblog
三社祭を全面中止 2011年3月21日 東京
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011032102000038.html
 東京最大規模の祭りとされる浅草・三社祭が、東日本大震災の影響を考慮して全面中止されることになった。浅草神社(台東区)と同神社奉賛会(鈴木秋雄会長)が二十日、決定した。三社祭では、三基の本社神輿が浅草を練り歩く「宮出し」を中止したことは過去にあるが、祭りそのものの取りやめは戦後初めてという。
 今年の三社祭は五月二十~二十二日に開催予定だった。二十日の大行列、計百基の神輿が勢ぞろいする二十一日の連合渡御(とぎょ)、最終日の本社神輿「宮出し」のいずれも中止する。神事の「例大祭式典」は、被災地の早期復興祈願の意味も込め、予定通り行う。
 同神社は大震災発生後の今月十八日に緊急総代会、二十日に氏子四十四町会代表者の会議を開き中止を決めた。同神社奉賛会事務局長の内田宗孝さん(62)は「未曽有の大惨事。被災者の方々、いまだ行方不明の方々の心中を考えたら、中止はやむを得ない」と話した。
 三社祭は過去に、本社神輿を修理した一九九五年と、担ぎ手の神輿乗り行為が問題化した二〇〇八年に最終日の「宮出し」だけを中止した例などがある。

チンドンコンクール中止決定 2011年03月24日 毎日
 来月8~10日に富山市内で開催予定だった「第57回全日本チンドンコンクール」の実行委員会は23日、ニュージーランド地震で富山外国語専門学校生が犠牲になったことや、東日本大震災の被災者への配慮から、今年のコンクールを中止すると決めた。中止は1955年の開始以来初めて。
 同コンクールは「富山大空襲から復興した富山市に平和と明るさを取り戻そう」と、市や商工会議所が中心になって始めた。桜の咲く時期に全国のチンドンマンが一堂に集い、「富山に春を呼ぶ祭り」として定着。近年は毎年20万人以上の観光客が訪れている。
 今年はプロ30組、素人32組が参加する予定だったが、震災後、計6組が出場を辞退。さらに市民からも「今年はやめるべきだ」という意見が寄せられていた。そのため、この日の臨時の実行委員会で開催の是非を検討。委員からは「楽しみにしている人も多く、残念だ」などの意見も上がったが、最終的に中止を決めた。参加者には今後、連絡する。
 上谷修・市観光振興課長は「4月にニュージーランド地震の追悼行事も予定されており、中止はやむを得ない」と説明している。





 甚大な被害になってしまった東日本巨大地震の被災者に配慮する意味もあり、各地で行われる予定だったイベントが相次いで中止に追い込まれています。
 まず5月20日~22日に開催予定だった東京最大規模とされる浅草・三社祭ですが、こちらは日本全国から観光客が集まるお祭りだけに、公共交通網の混乱を防ぐ意味では中止も致しかたなかったのかな…と思いますし、現在も計画停電が実施されている状況では、とても祭を開催する雰囲気にもなれなかったのかな…とも思います。
 そして、富山では(おわら風の盆程には県外の知名度は高くないものの)、地元ではかなり定着もし観客動員数も見込めたチンドンコンクールも中止決定。まあ、富山の場合は、東日本巨大地震での被害はそれ程大きくは受けなかったものの、その少し前に発生したニュージーランド地震で外国語専門学校生が多数巻き込まれて死亡してしまっただけに、こちらもとてもコンクールを実施する雰囲気になれなかったのかな…と思います。

 ただ、少し考えたいのは、何でもかんでも自粛すればいいのか? ということ。
 『今お祭りを実施するのは不謹慎』と理由をつけるのは簡単ですが、経済的観点から考えれば、地域の伝統的なイベントには観光客が集まり、外からの観光客が集まれば、当然ながら宿泊するホテルや近隣の飲食店・お土産屋などにはお金が落ちるわけで…。
 もし今後も伝統的なイベントが相次いで中止に追い込まれていくようだと、今度はホテルや旅館の稼働率が下がり、その影響で人員整理を余儀なくされる悪循環になる可能性も決して否定できませんし、例えばチンドンコンクールなどは、チャリティイベントとしてあえて実施して義捐金を集めた上で被災地に贈るとか、復興住宅が建設されて入居が進むなどある程度状況が落ち着いたところで、上位入賞者が被災者の気持ちを奮い立たせてもらう意味で慰問訪問する という選択肢もあったのではないかな…という気もしなくもありません。

 勿論被災地の方の気持ちを考えることは非常に大切ですし、今は東京近辺でもガソリン不足で外出どころではないという雰囲気なのでしょうが、お金が回らないと経済も回りませんし、既に観光業界ではゴールデンウィークの予約が取り消されたりするなど日本全体を覆う不況の波は拡大し続けているのが現実。
 この死者を悼む気持ちと経済を回していくことの必要性という、大きくかけ離れたギャップをどうすり合わせていくのか…。今後、私達日本人に強く突き付けられる重たい課題になりそうです。

JT、たばこ出荷一時停止 30日から全銘柄 震災で原材料調達滞る

2011-03-27 18:01:24 | Weblog
JT、たばこ出荷一時停止 30日から全銘柄 震災で原材料調達滞る 2011年3月25日 日経夕刊
 日本たばこ産業(JT)は25日、30日から4月10日まで全97銘柄のたばこの出荷を停止すると発表した。東日本大震災の影響で原材料の調達が滞っていることに加え、栃木県と福島県の工場の操業停止で安定供給が難しいと判断。銘柄を大幅に絞って生産し4月11日から出荷を再開する。店頭では今後、たばこが品不足になる可能性がある。
 震災の影響でたばこの葉を加工する茨城県の自社工場などが操業停止しているほか、フィルターや包装材などを生産するメーカーも被災した。最終製品を生産する国内6工場中、郡山工場(福島県郡山市)と北関東工場(宇都宮市)も操業停止中で生産能力は通常の7割弱にとどまっている。
 稼働中の東海工場(静岡県磐田市)など4工場では「マイルドセブン」など主力銘柄に絞り生産を続けるが、販売計画などを見直すため、出荷はいったん止めることにした。まず6~7銘柄の出荷を再開。5月中旬までに25銘柄まで増やす。JTが全銘柄の出荷を停止するのは初めて。通常時に戻るのは6月以降になる見通しだ。
 セブン―イレブン・ジャパンはたばこの出荷停止を受け、たばこを扱う加盟店1万1800店へ買い物客に購入制限を告知する表示を配った。制限するかどうかは加盟店の判断に任せるが、一部では25日から実施しているという。ローソンは「ある程度在庫があるため通常通りの販売を続ける」(同社)としている。

たばこ出荷一時停止で買い占め懸念 「生き残る」主要銘柄はコレたばこ出荷一時停止で買い占め懸念 「生き残る」主要銘柄はコレ  2011年3月25日 夕刊フジ
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_jt__20110326_5/story/26fujizak20110326018/
 日本たばこ産業(JT)が決めた30日から12日間にわたるたばこの一時出荷停止。4月11日からは数銘柄の出荷は順次再開されるが、愛煙家にとっては“オレのたばこ”の動向が気になるところ。一部ブランドをめぐっては、水道水危機のミネラルウオーターに次ぐ買い占め騒動も懸念されている。
 JTは、たばこ製造工場6工場のうち2工場が被災。製造能力は約3分の2に落ち込んでいる。タバコの葉の製造工場や包装材、フィルターなどの製造工場も影響を受け、資材の調達も難しくなった。このままでは、主要銘柄などで予期せぬ欠品が発生する可能性が出たことから一時出荷を停止し、供給体制を見直すことにした。
 30日から4月10日まで、全97銘柄のたばこの出荷が停止される。同11日以降は供給量を25%まで落とし、段階的に銘柄数を回復させる。5月中旬には「セブンスター」「ハイライト」など主要25銘柄に絞って出荷。ただ、「キャメル」や「ピアニッシモ」など残り72銘柄については、出荷再開のめどは立っていないという。
 たばこをめぐっては、昨年10月の増税を目前にしたまとめ買い騒動が記憶に新しい。ところが「これからまとめ買いする動機は昨年9月末時点の『節約』ではなく、『自分のたばこがなくなる』という危機感。ミネラルウオーターのような買い占めがたばこでも起きるのでは」(都内のたばこ店)と心配する声もある。
 極端な「奪い合い」を防ぐため、コンビニ最大手のセブン-イレブンでは、25日から一部店舗で購入制限を始めた。一方、ローソンではある程度の在庫があるため通常の販売を続けるという。現時点で各社の対応はまちまちだ。
 喫煙歴26年、さいたま市の40代の男性が嘆いた。
 「夜の計画停電中は何もできず、たばこをふかしてヒマをつぶしている。これから愛用のたばこが手に入らず、“計画禁煙”までせざるを得ないのだろうか」
 出荷停止の原因が工場の被災では、愛煙家も不満のぶつけどころに困る。愛用銘柄の変更や一時的な禁煙も、身近な復興支援のひとつと思うしかないか。




 う~ん…(汗
 タバコは吸わず、ビールならスーパードライでも一番搾りでも気にしない(たまに黒風味のビール系飲料が飲みたくなる程度の拘りしかない)私から見れば、『別にメントールタバコしか売らなくなるとか、今後一切取り扱わなくなる』というものでもないのだから、自分の吸っている銘柄が12日間くらい売り場からなくなっても、他の銘柄のを吸えばいいじゃん! などと思うのですが、愛煙家というのものは買い溜めしてまで好きな銘柄を吸いたいものなのでしょうかねぇ…(汗
 まあ、大幅値上げしてもそれでも吸い続けているくらいの愛煙家だからこそ『銘柄くらい拘らせてくれ!』という言い分もわからなくもないのですが、「夜の計画停電中は何もできず、たばこをふかしてヒマをつぶしている。」では(吸う本数が増えることで)ご自身の健康もますます害することになってしまいますし、もし職場でそれをやられると、今度は間接喫煙を余儀なくされる周囲の人にも迷惑をかけないだけに、ごくごく個人的な意見を述べるならば、喫煙以外の時間の潰し方というのも考えていく必要があるように思います。

ゆうちょ銀行:東電管内のATM稼働時間短縮 26日から

2011-03-27 17:58:00 | Weblog
ゆうちょ銀行:東電管内のATM稼働時間短縮 26日から 2011年03月25日 毎日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110325k0000m040035000c.html
 日本郵政グループのゆうちょ銀行は24日、節電に協力するため、東京電力管内の1都8県で現金自動受払機(ATM)の稼働時間を短縮すると発表した。平日は最長午後6時、土・日・祝日は同5時までとする。24時間稼働ATMも含め、朝7時まで全て停止する。26日から実施する。対象は、同行店舗や郵便局内の約1100カ所と、東京23区内の店舗外ATM約220カ所。





 東電管内のATMについては、りそな銀行と埼玉りそな銀行が『22日から当面の間(計画停電実施期間?)』という条件で、首都圏の無人店舗の現金自動出入機(ATM)の大半を止めると共に、最長で24時間稼働していた支店や出張所にあるATMについて28日以降、稼働時間を午前9時~午後6時に短縮することを発表済みですが、ゆうちょ銀行も26日(昨日)から節電協力目的で同様の措置を取り始めたようですね。
 まあ ゆうちょ銀行から見れば、『もしお客様がATMを利用中に、計画停電で処理がストップしてしてしまったら、後の修正処理やカード返却の一連の処理が面倒…』という本音部分もあるのだろうな…とは思いますが、夜間休日に引き出しても引き出し手数料のかからないゆうちょ銀行の場合、年輩の方を中心に一旦振り込まれたお給料をゆうちょ銀行に移して、必要な度に最小限度額を引き出すことを繰り返している方も少なくないと思われる(今でこそ、提携コンビニATMで簡単に引き出せるようになり、昼時に銀行ATMに並ぶ必要もなくなりましたが、長年の習慣というものは中々変わらないものですし、いつ引き出しても手数料がかからないというのはやはり有難いものです。)だけに、ゆうちょ銀行預け替え派の方は、必要な時や連休などにお金が下ろせない! などということにならないように、十分注意された方がいいかと思います。

浜松市長に鈴木氏再選 政令市初の無投票当選

2011-03-27 17:55:20 | Weblog
浜松市長に鈴木氏再選 政令市初の無投票当選 2011年3月28日 日経
 27日に告示された浜松市長選で、現職で無所属の鈴木康友氏以外に届け出がなく、同氏の無投票再選が決まった。政令指定都市の市長選での無投票当選は初めて。



 う~ん。浜松市と言えば 静岡県西部の人口約80万人の政令指定都市ですが、人口数万人の地方都市ならまだしも、まさか政令指定都市で現職1人しか出馬せずに無投票当選が決まるとは吃驚ですね…。
 普通このクラスの都市なら、たとえ勝ち目がなくても共産党あたりがライバル候補を立てそうなものですが、調整が上手くいかなかったのでしょうか…。
 4年前に鈴木氏に敗れた(当時の現職の)北脇保之氏が出馬しなかったのも意外でしたが、これだけの規模の都市で選択肢がないというのも少し考えさせられるものがあります。

東北沖地震の死者1万102人、不明1万7053人

2011-03-26 06:42:51 | Weblog
死者1万102人、不明1万7053人 2011年3月26日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0325/TKY201103250122.html
 警察庁によると、25日午後11時現在の死者数は12都道県で1万102人に上った。行方不明は6県で1万7053人。負傷者は18都道県で2777人。
 確認されている死者数は宮城6097人、岩手3092人、福島855人、茨城20人、千葉17人、東京7人、栃木と神奈川で各4人、青森3人、北海道、山形、群馬で各1人。行方不明となっているのは宮城6237人、福島5934人、岩手4878人、千葉2人、青森、茨城各1人。
 建物被害は全壊1万8783戸、流失1165戸、全半焼148戸など。道路被害は2035カ所に上る。
 また同日午前10時現在、死亡した人のうち身元が確認されたのは約6890人。このうち約6320人が遺族らに引き渡された。

被災2週間、復興めど立たず=死者・不明2万7000人-東日本大震災  2011年3月26日 時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011032500416
 東日本大震災は25日午後、発生から丸2週間を迎えた。死者は1万人を超え、行方不明者と合わせた人数は約2万7000人。津波により壊滅的な被害を受けた東北地方の太平洋沿岸部では復興のめどが全く立っていない。福島第1原発の事故は依然広範囲の市民生活に影響を与えており、戦後最悪の自然災害と原発事故が同時に起きた複合災害となった。
 警察庁の午後11時時点のまとめでは、死者は宮城が6097人、岩手が3092人、福島が855人など、12都道県で1万102人。警察に届け出があった行方不明者は宮城が6237人、福島が5934人、岩手が4878人など、6県で1万7053人。一家全員が津波に流された家族もおり、実際の行方不明者はさらに多いとみられる。
 建物被害は、全壊が岩手で約1万2600棟など、約1万8800棟。半壊や一部破損を含めると約13万8100棟に上る。
 こうした中、避難所で生活する人は17都県、2000カ所近くで約24万6200人に上る。うち宮城が約8万6900人、福島が約8万6300人、岩手が約4万3700人を占める。
 壊滅的な被害を受けた地域以外では、電気やガス、水道などライフラインが徐々に復旧。東北電力によると、延べ約486万戸に上った停電戸数は、20万戸を下回ったが、うち半数近くは道路や家屋流失により復旧が困難という。
 交通では、東北道、磐越道の通行規制が全面的に解除され、物資が被災地に届き始める一方、東北新幹線の全線復旧のめどが付くまでには1カ月程度かかる見通しだ。



 東北沖地震の死亡者数ですがとうとう1万人の大台を超えてしまいました。ただただやりきれない思いです。

金町浄水場の水の乳児の摂取制限は解除されたものの… 今度はミネラルウォーターの買い占め

2011-03-25 07:18:14 | Weblog
金町浄水場の水、乳児の摂取制限を解除 2011年03月24日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110324-OYT1T00588.htm
 東京都葛飾区の金町浄水場から、乳児向けの暫定規制値を超える放射性ヨウ素131が検出された問題で、都は24日、同日午前6時に採取した水の放射性ヨウ素は1キロ・グラム当たり79ベクレル(速報値)で、規制値を下回ったと発表した。
 都は「減少傾向にあり、水道水の安全性は確保された。乳児に水道水を飲ませることを控える必要はなくなった」としている。
 食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定規制値は100ベクレルで、22日の採水では210ベクレル、23日は190ベクレルだった。一般の人の規制値300ベクレルは超えていなかった。都は、同浄水場が水道水を供給している東京23区や武蔵野市、三鷹市、町田市、多摩市、稲城市では、乳児に水道水を飲ませないよう呼びかけていた。
 この日の検査結果を受けて、都は「継続して測定を続ける必要はある。希望者には25日も水のペットボトルを配布する」としている。

東京で飲料水の品切れ続出、乳児の水道水飲用規制受け 2011年03月24日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20228020110324
 東京都葛飾区の金町浄水場の水道水から乳児の摂取基準値を2倍上回る放射性ヨウ素が検出されたことを受け、都内では飲料水が売り切れとなるコンビニなどが続出している。
 同浄水場では22日、厚生労働省が定めた乳児向け飲用基準の暫定規制値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性ヨウ素210ベクレル、翌23日にも190ベクレルを検出。都は同浄水場から供給を受ける23区と町田市など5市に対して、乳児の水道水摂取を控えるよう要請していた。
 政府は住民に飲料水の買いだめはせず、パニックを起こさないよう呼び掛けているが、多くの店ではすぐに品切れとなった。1歳児の父親である男性は「長期化するなら心配だ」と話した。
 英ポーツマス大学のジム・スミス氏は、210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたからといってパニックになるべきではないと強調。「乳児への飲用規制はあくまでも予防措置であり、長期にわたってそのレベルの放射性ヨウ素が含まれる水道水を摂取しても安全なように、基準値は低く設定してあることを強調すべきだ」と指摘している。

高まるミネラルウォーター需要  山梨、群馬、長野でも売り切れ 2011年03月24日 J-CAST
http://www.j-cast.com/2011/03/24091264.html?p=
 東京都の浄水場の水道水から乳児の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたが、このあおりで2011年3月24日、都内では小売店からペットボトルの水が消える事態となった。関東のほか山梨や長野でも売り切れる店舗が出ている。
 「8時半に開店して10時には全てなくなってしまいました。ちょっと怖いくらいですね」
福岡でも2リットルペットが売り切れ
 東京都千代田区にあるドラッグストアの店員はこう話す。この店では「お1人様2点まで」の制限を設けていたが、それでもすぐなくなってしまったという。
 東京都内では、スーパーはもちろんコンビニまでミネラルウォーターがなくなる小売店が続出した。自販機で販売している500ミリリットルのペットボトルまで売り切れている。
 こうした現象は東京以外でも発生。J-CASニュースが24日午後に調べたところ、東京同様、規制値以上の放射性物質が検出されたと発表された千葉、埼玉はもちろん、栃木、神奈川、群馬のほか、長野、山梨でもミネラルウォーターが売り切れるスーパーがあった。静岡や岐阜では、2リットルのものが売り切れる店舗があったほか、大阪でも購入制限を設ける店舗があった。福岡でも2リットルのものが売り切れたという店舗があり、もはや全国的にミネラルウォーターが買い求められているようだ。

東京都では24日に規制値を下回る
 イトーヨーカドーを運営するセブン&アイ・ホールディングスによると、23日の報道を受け、24日はミネラルウォーターをいつもより多く店舗に供給していた。しかし、それを上回る需要があったといい、25日以降については「調整中」だとしている。
 また、別の大手スーパーの担当者は「広範囲で地震被害があったことで、物流スケジュールに狂いが生じ、定期的に商品を入れることができていなかったのは事実。道路も復旧してやっと安定供給ができそうになってきたところで、今回のことがあった」と話している。
 インターネットでは、楽天でミネラルウォーターが軒並み売り切れ。ヤフーオークションにも出品されており、1リットルのものが12本で7000円にまで高騰している。 
 東京都は24日、同日午前6時に採取した葛飾区・金町浄水場の水道水で、放射性ヨウ素が1キログラム当たり79ベクレルと、乳児の規制値を下回ったと発表した。ただ、ネットでは、「また雨が降ったら高くなるんだろ」という声もあり、ミネラルウォーターを求める人はまだ多そうだ


関西でも水品薄、メーカー増産したくてもできず 大阪の“水道水”に増産期待 2011年3月25日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110325/biz11032501580000-n1.htm
 東京都など関東の水道水から放射性物質が検出されたことを受け、関西の店頭でも「ミネラルウオーター」の品不足に拍車が掛かりそうだ。国は飲料水の増産をメーカーに求めているが、東日本大震災以降、すでに各社ともフル生産に入っており、増産余地は限られている。こうした中で大阪市水道局が、ペットボトル入り飲料水「ほんまや」の増産に乗り出し、注文が殺到しているという。
 ライフコーポレーションでは震災以降、飲料水の品薄状態が続いていたが、東京都の発表を受け、関西の店舗でも23日夕方から飲料水を買い求める客が急増。「東京にいる知人へ送りたい」とまとめ買いする人もおり、24日には一部の店舗で品切れになった。
 「まとめ買いはご遠慮ください」
 関西スーパーマーケットでは震災後、各店舗の売り場にこんな張り紙を掲げている。あえて購入制限はせず、来店客の自主判断に委ねているが、「飲料水は陳列が間に合わず、一時的に品切れになることもある」(担当者)と話す。
 同社によると、震災発生後、飲料水の売上高は例年の約3倍に跳ね上がった。だが、メーカー各社は被災地への供給を優先するケースもあり「なかなか発注通りに商品が集まらない」と嘆く。原発トラブルを受け、飲料水の品不足は加速しそうだ。
 この状況に対し、飲料水メーカー大手各社の急な増産は難しそうだ。
 サッポロ飲料は、委託工場で飲料水を生産しているが、すでに前年比で8割増産を行っている。ペットボトルやラベルをつくる取引企業も被災したため、さらなる増産は厳しいという。
 同様に日本コカ・コーラも全国7工場でフル生産に入った。しかし、山梨県の工場は計画停電の対象地域に入っており、「操業時間の短縮を余儀なくされ、思うように生産できない」(同社)という状態だ。また、サントリーホールディングスもすでにフル生産態勢に入っている。
 こうした中で、大阪市水道局は25日、水道水を加熱殺菌してペットボトルに入れた「ほんまや」(500ミリリットル100円)を委託工場で12万本増産に乗り出す。24日も問い合わせの電話が殺到し、同局総務課によると、「東京の方から『宅配してほしいという』という要望が多い」という。4月にも追加増産を検討する。
 通常の委託生産は年3回で22年度は23万本の予定だったが、増産により30万本を超えるのは確実という。

「振り回された」「数日分は備え」都内ペットボトル争奪戦 2011年3月25日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110324/dst11032422150076-n1.htm
 東京都の水道水から乳児の摂取制限値を超える放射性ヨウ素が23日に検出された問題で、東京都は24日、乳児のいる家庭にペットボトル1人当たり3本の配布を始めた。だが、24日の再調査では基準を下回り、一転して「摂取を控える必要性はなくなった」と修正した。情報に振り回された乳児を抱える母親らには、安堵と不安が交錯した。

■配布所
 「とりあえず安心できるけれど、数値に振り回されている感じ。本当に危険なときに教えてほしい、という気持ちがある」。24日午後、東京都台東区の台東保健所で550ミリリットル入りペットボトルの水3本を受け取った主婦、青山礼華さん(37)は困惑気味に話した。24日の都の調査で、放射性ヨウ素が基準値を下回ったことに、「情報の重要性が見えにくくなる」と不安そうに話す。
 7カ月の長男を育てる中沢つかささん(34)も、基準値を下回ったことに「よかった」と声を弾ませながらも、すぐに「またいつ必要になるか分からない。“保険”のためにも確保しないと」と話した。
 約1260人の対象者がいる台東区は区内2カ所で午後1時前には配布を開始。台東保健所には配布開始時間前からベビーカーを押した母親たちが母子手帳を携えて続々と訪れ、1時間半ほどの間で約80人が水を受け取った。前日夜から、スーパーを回ったものの、1、2本しか買えなかったという母親が多い。
 4カ月の長女を連れ、配布会場に来る道中でもスーパーと自動販売機に寄り、ペットボトル入りの水を6本買ってきた、という日野靖子さん(32)は「福島の原発がすぐに落ちつくとは思えない。離乳食も必要になるし、数日分は水を備えておかないと」と不安そうに話した。

■保育園
 乳児を預かる都内の保育園も対応に追われた。
 千代田区立麹(こうじ)町(まち)保育園には、放射性ヨウ素検出が発表された23日夕の段階で、区から備蓄用の500ミリリットル入りペットボトル120本が支給されていたが、24日にも144本が追加で届いた。摂取制限は解除されたが、「水道水を飲むと母乳に影響が出るのではないか」といった不安や、「飲料水やお茶は自宅から持参させたい」という要望は少なくないという。
 同園の大森千珠子園長は「この状態がどれぐらい続くのか…」と言葉少なだ。
 葛飾区の葛飾学園保育園も都の調査結果を注視しながら、その都度対応。山口千晴園長は4月1日に控える乳児12人の入園を心配する。「粉ミルクや離乳食にも影響する。早く事態が収拾に向かうのを待つだけ」と話した。

 母親たちの井戸端会議も水の話題で持ちきりだ。
 7歳、6歳、4歳の3児の母、倉又明巳さん(30)は、前日の夕飯を「うどん」から「焼きうどん」に変更した。「子供たちの口に入る(水の)量をなるべく減らしたい」と話す。2児を通園させる飲食店勤務の武士いずみさん(23)は前夜は子供を風呂に入れず、体をふくだけにとどめたといい、「正確な情報がなかなか入ってこない」と不安そうに話した。

■区も対応苦慮
 区の関係者も少ない情報に苦慮した。
 台東区に都が提供したペットボトル入りの水が届いたのは24日午前10時前。すぐに区の公式ホームページに配布場所を掲載し、広報車を区内全域に走らせた。担当者も「何しろ初めての事態。その上、準備時間がほとんどない」と話す。
 港区は都が配布したペットボトルとは別に、独自に備蓄している飲料水を配布した。区の担当者は「都の提供がいつになるか分からない。頼ってはいられない」と疲れた様子だったが、この日午後には「摂取を控える必要はない」状態に戻っていた。



水道水への対応、保育園も自治体も困惑 2011年03月24日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110324-OYT1T00632.htm
 東京都内に水道水を供給する金町浄水場(葛飾区)で乳児が飲む暫定規制値を超える放射性物質が検出されたのに続き、千葉県や埼玉県でも24日、規制値を上回る数値が発表された。
 東京、埼玉ではその後の調査で規制値以下の数字が出ているものの、住民の不安はすぐには解消されそうもない。保育園がペットボトルの水でミルクや食事を作ったり、自治体が備蓄したミネラルウオーターを市民に配布したりするなど、混乱は続いている。

◆保育園◆
 0歳児を含め25人が通う東京都江東区の「ひまわり保育室」では、区から水2リットル入りのペットボトル3本が支給され、24日午前中はそれを使ってミルクや離乳食を作った。しかし、同日中には使い切ってしまう見通し。水野きよみ施設長(48)は、「乳児の成長のためにミルクの量は絶対に減らせず、汁物を減らすなどして献立を変えても限界がある」と困惑する。
 北区の「めぐみ保育園」では当面、埼玉や千葉から通う職員3人が2リットルずつ水道水をくんで持参し、0歳児の給食などに使うことにした。
 代替のペットボトルの水などが足りず、区内の保育園で水道水の使用を継続するとしている豊島区。ただ、同区の「あゆみ保育園」では、心配した親が持参した水や、災害用に用意していたペットボトルの水を使っているといい、福井敏子園長は、「やはり子どもへの影響が心配で水道水は使えない。いつまで続くのか心配」と不安そうに語った。
 港区の「アスク汐留保育園」では、15リットル入りで5本分を備蓄。施設で使うほか、保護者にも「緊急の場合、1日1リットル程度ミルク作りのための水を自宅用に提供する」と通知した。

◆自治体など◆
 同浄水場を利用する23区と5市の1歳未満の乳児がいる家庭に対し550ミリ・リットル入り24万本を配布することを決めた東京都。今回の地震後、都が防災用にペットボトルの飲料水などを集めていた大田区内の物流会社の倉庫では、24日午前8時から都職員や運送会社の従業員らがフォークリフトを使い、24万本を30台のトラックに積み込んだ。各区・市役所に運ばれる。24日中にも、農水省を通じ、飲料メーカー各社に対してペットボトルの飲料水の増産を要請する。
 千代田区は23日夜から、相談のあった乳児のいる家庭に対し、飲料水の配布を独自に始めた。不安をあおりたくないとの理由で積極的な周知はしていなかったが、都による一斉配布の方針を受け、ホームページ上での告知を開始する。
 粉ミルクを製造する明治乳業(東京)には、「ミネラルウオーターで溶いてもいいのか」などの母親らからの問い合わせが急増。同社は粉ミルク製品のホームページ上で、安全な場合は水道水の利用を勧める一方、ミネラルウオーターを使う際の目安として、硬度は「60以下」などと説明している。


「お水までも…」子ども連れ、西へ西へ2011年3月25日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0324/OSK201103240140.html
 乳児の飲み水の基準を超える放射性ヨウ素が首都圏の一部の水道水から検出された問題で、JR新大阪駅では24日、幼い子どもを連れて東京などから新幹線で移動してきた人の姿が見られた。
 東京都葛飾区の主婦宇都(うと)歩さん(31)は、3カ月の長男を連れて大阪市内の夫の実家を頼ってやってきた。東京ではミネラルウオーターを使って料理をし、風呂には入らなかったという。「地震だけなら大丈夫だったけど、お水まで駄目とは。(放射性物質は)目に見えないものなので不安」とこぼした。
 1歳10カ月の長男と一緒に兵庫県尼崎市の実家に「避難」してきた東京都町田市の大谷伸子さん(34)は、ミネラルウオーターが手に入らず、備蓄していた水で米を炊いた。たび重なる余震や計画停電にも耐えてきたが、息子の健康に影響があるかもしれないと思うと居ても立ってもいられなかった。母親からも帰省を強く促された。「過敏になってはいけないと思うけど、念には念を入れたい」。1週間ほど様子を見て、東京に戻るか考えるという。
 東京都江戸川区の主婦中畠(なかはた)美穂子さん(37)は、6カ月の長女らとともに、しばらく奈良県生駒市の実家に滞在する予定だ。「長女には母乳を与えているが、本当に安全なのでしょうか。早く問題が落ち着いてほしい」と話していた。




 この東京での水騒動。当事者にとっては相当必死なのだとは思いますが、東北の被災地ではミネラルウォーターどころか、医療機関でさえも水が不足している現実を決して忘れて欲しくはありませんし、東北地方はこの騒動とは比べ物にならないほど大変な状況に追い込まれていることを、当ブログで改めて強く訴えたいと思います。
 騒動に巻き込まれている関東在住の当事者からはお叱りを受けることを十分承知の上でそれでも訴えたいと思いますが、『東北地方の被災者の方がこの騒動をどんな複雑な心境で見ているかを、今一度真剣に考えて欲しい!!!』と思いますし、どうかパニックに陥ったあげく、水の生産拠点工場に問い合わせるなど、生産工場にご迷惑をかけるといったことだけは本気で勘弁してもらいたいものだと思います。
*別に 私はミネラルウォーターの生産工場関係者ではありませんが、ミネラルウォーターの生産拠点は被災地に送る水の生産だけで手一杯で、水を梱包する段ボールも不足気味。とても東京の新規需要に応える余裕まではないところが大半というのが実情のようです。

 ちなみに、地元の新聞を見ていると、どうやら被災した東北の親族に水を送るケースに加えて、今度は東京に住む家族のために水を送る人が急増しているようで、私の住む家に近いスーパーでも、開店後わずか1時間でミネラルウォーターが売り切れたのだとか。
 乾電池の買い占めの次はミネラルウォーターの買い占め…。被災地の外にいる私に、本当に必要としている人の優先順位などつける資格もありませんが、もう少し国民全体が冷静な行動を取る必要があるように思えてなりません。

みずほトラブルいつまで 「念のための二重入金」1000件

2011-03-25 05:13:40 | Weblog
みずほトラブルいつまで 「念のための二重入金」1000件 2011年3月25日 J-CAST
http://www.j-cast.com/2011/03/24091266.html
 みずほ銀行で起こった大規模なシステム障害への不安が解消されない。2011年3月25日には200万件ともいわれる給与振込が集中する。みずほにとって、ここが正念場であることは間違いないが、3月末は企業の決算期末でもあるので、支払いなどで発生する決済処理がこの後も続くことは確実で予断を許さない。
 個人では、月末から月初にかけては電気やガス、水道などの公共料金の支払いや住宅ローンの返済、クレジットカードの支払い代金の引き落としが発生する。利用者は不安を募らせ、手元資金の遣り繰りに頭を痛めている。

「安全宣言」はまだ
 3月24日現在、みずほ銀行は「15日以降に発生した振り込み案件の積み残しはすべて処理しました」という。22日夜に判明した5万9417件、約333億円の未処理案件の処理を、23日に処理を完了するはずだったが1169件、46億円分が間に合わず持ち越しとなり、24日昼過ぎに作業を終えた。
 3連休中はすべてのATMを止めて作業を進めることで、連休明けの22日には「トラブルを解消したい」と語っていたが、滞っていた振り込みの処理だけで、結局10日もかかった。
 しかし、まだ「安全宣言」は出ない。積み残していた振り込み案件は処理したが、「細かな作業が残っている」という。
 まずは、「二重入金」だ。みずほによると、「入金漏れが発生すると企業にさらに迷惑がかかるので、自動処理と手作業の両方で、あえて二重に入金処理した件数が約1000件あります。これを元に戻す作業が残っています」と説明する。
 また、18日の給与振込で62万人が支障を来たしたことやATMを停止したことで、個人を対象に店頭で10万円まで預金の引き出しに応じる特例措置を実施。利用者は3日間で19万6000件にのぼり、このデータ入力もこれから手作業で行う。
 さらにインターネットバンキングや法人向けサービスの一部で処理を残している。

収まらない不安「給料入るのか」
 みずほ銀行は、給料日が集中する3月25日に向けて、「とくにシステムに問題があるわけではなく、懸念していることはない」と、期日どおりに入金できるとしている。
 とはいえ、利用者の不安はくすぶっている。
 あるIT系企業は社員の給与振込の手続きを終えたものの、「現状に不安があるので取り消したい」と申し出たところ、「処理してしまったのでできない」といわれた。しぶしぶ応じたが「間違いなく振り込まれるのか」、経理担当者はいまだに疑心暗鬼だ。
 それでなくても多くの人が震災や福島原発の事故で不安を抱えているなか、お金の遣り繰りの心配が加わったことで、「ATMも振り込みも止まって、この時期にかえって不安を煽っている」と、憤りの声は少なくない。
 また、銀行関係者からは「トラブルが発生した15日に店頭業務を止めてでもシステムの復旧作業に集中していれば、ここまで混乱は広がらなかった」との声が漏れるほか、事態を悪化させたのは「初動の判断の誤り」との指摘もある。
 いずれにしても、みずほの信用力は大きく失墜した。




 平時ならば『何をそんな余計な心配までしなくとも…』と一笑にふすところですが、3月25日というのは、それでなくとも25日にお給料日を設定している企業が多いこと(他に多いのは月末と15日でしょうか…)に加えて、年度末特有の企業の資金需要、そして記事でも書かれているように、月末から月初にかけては電気やガス、水道などの公共料金の支払いや住宅ローンの返済、クレジットカードの支払い代金の引き落としが続く と、絶対にトラブルが許されない時期だからこそ、ここまで心配されることなんですよね…(汗
 万が一にも、銀行のシステムトラブルが原因でお給料の遅配が発生するようなことになれば、その企業にとっても信用問題になりかねませんし、入金が遅れれば最悪その資金を充てに資金繰りをしていた会社に迷惑をかけることになる(大口入金の場合には、最悪資金繰り破綻が連鎖することにさえ追い込まれかねません)だけに、まさに今日が正念場であることは間違いないものと思われます。

経産省、中小の「緊急保証」延長 被災商店街の補修補助も

2011-03-25 05:11:34 | Weblog
経産省、中小の「緊急保証」延長 被災商店街の補修補助も 2011年3月24日 日経
 経済産業省は23日、東日本大震災の発生を受けて、中小企業に対する融資を政府が100%保証する「緊急保証制度」を延長すると発表した。3月末での打ち切りが決定していたが、震災に伴う計画停電や物流網の停滞などで全国の中小企業で事業に支障が出ているため、半年間延長する。被災した商店街の補修に対する補助制度も導入する。
 4月以降は100%保証の対象を48業種に絞り込む予定だったが、大震災の発生で変更した。保証枠は3月末時点で1兆~2兆円が残る見込みで、当面は新たな財源を手当てせずに対応できる。
 緊急保証制度は2008年秋のリーマン・ショックを受けて導入された。1社あたり2億8000万円を上限に、全国の保証協会が中小企業向け融資を全額保証し、企業が返済できなくなった場合は協会が肩代わりする。
 また、大震災で被災した商店街を対象に、損壊した施設の補修工事や、がれきや泥の除去にかかる費用を全額補助する制度も導入する。予算規模は4億円で、1件あたり30万円から500万円の範囲で補助する。




 経済産業省が実施している中小企業に対する融資を政府が100%保証する「緊急保証制度」ですが、4月以降は100%保証の対象を48業種に絞り込む予定だったものの、東日本の巨大地震の影響で広域にわたって被害が生じていること、工場の生産設備等の被害がそれ程大きくなかった関東地区でも計画停電の影響で工場を再開したくても思うように再開できない状態にあることから(半年延長そのものは変わらないものの)対象業種を48から82に拡大。引き続きほとんどの業種で利用できることになりました。
 まあ、今強引に対象業種を絞り込んだら、それこそ急速な貸し渋りが発生しかねませんし、東日本巨大地震による企業の売上高や生産設備の稼働への影響が全く読めない中では、措置の延長は至極妥当な判断ではないでしょうか…。
 

みずほシステム障害、全面復旧は24日以降か

2011-03-24 06:51:42 | Weblog
みずほシステム障害、全面復旧は24日以降か 2011年3月24日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110323-OYT1T00879.htm
 システム障害を起こしたみずほ銀行は23日、いったん処理を終えたとしながら、入金できていなかった数万件(数百億円)の振り込みの処理を完了できず、全面復旧は24日以降にずれ込む見通しになった。
 今回のトラブルで、中堅・中小企業を中心に顧客離れが進みかねない状況で、改めて経営責任を問う声が取引先などから上がりそうだ。
 22日夜、振り込んだはずの数万件の取引に未入金が発覚し、みずほ銀への不信感は一段と高まった。西堀利(さとる)頭取は記者会見で、「(障害の解決に)メドがついた」と明言していたからだ。
 実際、企業の給与振り込みが集中する25日を前に、振り込み業務を他行に移す企業も出ている。
 川崎重工業は、25日に確実に社員の口座に給与が振り込まれるように、緊急避難的に給与振り込みを他行に切り替えた。みずほ銀が企業側に他行へ振り込みを依頼するように要請したケースもある。都内の卸売業社長(73)も「25日の社員への給与振り込みは大丈夫と言っているが心配だ」と不安げだ。
 今後、ライバルの三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行に取引や口座を移す顧客が増えれば、みずほの収益基盤が揺らぐ可能性もある。




 みずほ銀行のシステムトラブルですが、23日に一旦処理を終えたとしながらも、実際には入金出来ていなかったケースが多数あったようです。
 う~ん。この調子で元々資金需要が多く、しかも今度は年度末の資金需要も重なる明日25日を本当に無事に迎えることができるのでしょうか…。
 みずほの取引先はヒヤヒヤものでしょうね…(溜息

東電、国有化の可能性も 巨額補償にどう対応

2011-03-24 05:23:54 | Weblog
東電、国有化の可能性も 巨額補償にどう対応 2011年3月23日 J-CAST
 福島第一原子力発電所の事故対応に追われている東京電力が、国有化される可能性が指摘されはじめた。
 東北関東大震災に伴う原発事故によって、放射能漏れの被害が拡大したことなど、東電に課せられる損害賠償が巨額になるのは明らか。すでに、地元の福島県や茨城県、栃木県、群馬県には、国からの指示でホウレンソウや牛乳に出荷制限がかかっていて、農家は風評被害を含めた損害の補償を求めている。
 その額は、一部で国の賠償総額が1兆円超になるとも報じられているが、「まだ予測がつかない」のが実情だ。東電がすべての賠償責任を負えるはずもないほど甚大で、国が肩代わりすることになるのは必至とみられている。

国による「肩代わり」国会審議の必要も
  茨城県は、2011年3月19日からホウレンソウの出荷を自粛。橋本昌県知事は「東京電力に補償する力がなければ、国としてやっていただきたい」と、21日の記者会見で述べた。 
  一方、放射能漏れによる農家への補償について、枝野幸男官房長官は21日の記者会見で「一義的には原子力災害に起因するものなので、当然、まず東京電力が責任をもっていただく」と突っぱねた。しかし、「それがもし十分に補償できない場合には、国においてしっかり担保する」とも話している。
 原発事故の被害者の補償に向けて、政府は原子力損害賠償法(原賠法)を適用する検討に入った。原賠法では大規模な天変地異やテロなどの社会的動乱の際に、国が原子力事業者(今回の場合は東電)に課せられた補償を肩代わりする例外措置を設けている。
 その内容は、政府の判断によって損害賠償の全額を免責する場合と、国と原子力事業者の双方が分担して補償する場合があって、今回は後者の適用されるもよう。ただし、適用の判断は政府に権限があるものの、「予算手当てが必要になれば、国会の審議が必要」(資源エネルギー庁)という。

国有化なら、上場廃止に
 過去、原賠法が適用されたのは1999年に起きた茨城県東海村の臨界事故で、半径350メートル以内に避難指示が出たとき。このときの損害賠償額は約150億円だった。今回の福島原発の事故では、現時点でも半径20キロ圏内で避難指示が出ている。農作物への被害状況や、避難の拡大や長期化が見込まれるだけでなく、風評被害の拡大も懸念されていて、国の補償額はさらに膨らむ可能性が高い。
 また東電は、計画停電では企業や一般家庭にも重大な負担をかけていることもある。電気という「社会資本」をまかなっているだけに、復興に向けて福島原発に代わる新たな発電所の必要性もあるから、相当な投資が必要になる。補償を含め、もはや一企業がまかなえる金額ではなくなるため、国が「支援」しようというわけだが、そうであれば、「東電は民間企業である必要がない」との声もある。
 さらに、福島原発はいまも予断を許さない状況にあるが、住民の避難指示が遅れる要因にもなった、不十分な説明や情報開示の遅れなどで政府との連携の悪さも露呈。政府内では「東電にはもう任せておけない」という空気もある。
 国有化となれば、当然、東電の経営陣への責任追及を厳しく行う必要がある。さらには日本航空の例も引くまでもなく、株式の上場廃止も免れまい。


東電が配当予想を60円から未定に、経営計画の公表も見合わせ 2011年03月23日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20203020110323
 東電は23日、2011年3月期の年間配当予想について、60円から「未定」に修正すると発表した。東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故が、業績に与える影響が不透明になったためと説明している。
 11年3月期の決算発表について東電は、現時点では予定通り行うとしているが「発表できるかどうかも含め今後検討する」としている。10年3月期の年間配当は60円だった。
 また、3月29日に公表予定だった経営計画についても、発表を見合わせることを明らかにした。経営計画とあわせて発表する予定だった電力の供給計画については、年度末までに公表するとしているが、「大地震を踏まえていない(数値となる)ため、影響を踏まえたうえであらためて公表する」とした。具体的な日程は現時点で未定。





 はぁ…(惑 どう考えても、国有化を議論する以前に、まずは配当打ち切り(無配転落)の議論の方が最優先されるべきだと思うのですが、なぜ無配転落のステージを通り越して、いきなり上場廃止の議論の方が先行しているんでしょうね???
 東電の減配はほぼ間逃れないと見るのが妥当としても、問題はこの減配あるいは配当打ち切りが他の電力会社やガス会社など高配当銘柄にも影響していくかどうか…。
 (電力会社はこれまでも横並び配当を継続していた代表的なセクターだけに)高配当株狙いの個人投資家は投資方針の大幅な見直しを余儀なくされそうです。