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トヨタのプリウス とうとうブレーキを無償回収へ…。

2010-02-06 06:04:15 | Weblog
トヨタ、「プリウス」日米でリコール ブレーキ無償改修 2010年2月5日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100205ATDD040DO04022010.html
 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」のブレーキに不具合が発生した問題で、同社は日米でリコール(回収・無償修理)を実施する方針を決めた。対象台数は日米で27万台規模となり、近く国土交通省と米運輸省に届け出る。プリウスを巡っては特定の条件下でブレーキが利きにくくなるとして多くの苦情が寄せられており、原因となった制御ソフトを修正する。同社はプリウス以外のハイブリッド車に不具合が発生していないかを調査中で、対象が広がる可能性もある。
 トヨタの豊田章男社長は4日、ラフード米運輸長官と電話協議した。同長官は「安全対策を最優先する」という確約を得たという。トヨタはブレーキ不具合は構造上の欠陥ではないとの姿勢だったが、品質問題への対応が後手に回っていると日米で批判が強まっていた。同日には米運輸省がブレーキ不具合で正式な調査に入ると発表。問題が長期化した場合の業績や企業イメージへの影響などを総合的に判断し、リコールに踏み切る。
 
トヨタ、新型プリウス全車を無償改修へ 欠陥は認めず 2010年2月5日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/business/update/0205/NGY201002050003.html
 トヨタ自動車のハイブリッド車、新型「プリウス」のブレーキが瞬間的に利かなくなる問題で、同社は5日、国内外で販売した30万台余りについて、車の欠陥を認めないものの、すべて無償で改修する方針を固めた。米国ではリコールし、日本では欠陥の有無に関係なく無償改修する「サービスキャンペーン(自主改修)」制度を使う見通し。品質問題への対応が遅いとの批判が強まってきたため、早期に対策を示して信頼回復を目指すことにした。
 対象は昨年5月以降に販売した3代目プリウス。今年1月から生産した車は、すでに改修を施しているため、台数は日本で18万台前後、米国で10万台前後となる。日米以外でも、オーストラリアなど苦情が出ている国では、その国の制度に従って対応する方針だ。
 プリウスのブレーキ問題では、トヨタや日米の当局に200件以上の苦情が寄せられた。
 多くは、滑りやすい路面を低速で走行中、1秒前後、ブレーキが利かなくなるというもので、トヨタの調査では、車輪がロックしてハンドル操作が不能にならないようにするアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の制御ソフトの問題という。
 このため改修は、この制御ソフトを変更する形で実施する。トヨタは先にアクセル部で延べ1千万台超のリコールを発表。これには約1千億円の費用がかかるとしているが、今回のプリウスの改修は台数が少なく、部品の交換を伴わないため、費用は少なくて済むとみられる。ただし、新車販売への影響は出るとみられる。
 トヨタはプリウスのブレーキ問題について、「ブレーキを強く踏めば車は止まる。フィーリング(運転感覚)の問題だ」(佐々木真一副社長)とし、あくまで欠陥ではないと主張している。
 このため、欠陥を認める認めないにかかわらず安全対策にはリコール制度が適用される米国ではリコールし、日本ではサービスキャンペーンとする方針。
 ただ、「運転感覚の問題」との説明は、理解しにくい部分がある。ブレーキが1秒前後利かない事態は、恒常的に起きるわけでなく、いつ起きるかわからないからだ。
 トヨタ車の品質問題については、ラフッド米運輸長官は3日夜、トヨタの豊田章男社長に電話会談で安全への取り組み強化を要請。鳩山由紀夫首相は4日夜、直嶋正行経済産業相に問題の報告を求め、首相は「迅速に対応してもらい、早く信頼を回復して欲しい」と話したという。消費者の不信感の高まりようによっては、欠陥認定に追い込まれ、日本でもリコールすることになる可能性がある。
 プリウスとブレーキ構造が似ているハイブリッド車トヨタ「SAI」やレクサス「HS250h」について、対応する必要があるか否かは調査中という。

トヨタ、昨秋からプリウスに苦情 自主改修検討、クレーム隠し否定 2010年2月5日 共同
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/150578
 トヨタ自動車の横山裕行常務役員(品質保証担当)らは4日、東京都内で記者会見し、昨年5月に発売した新型「プリウス」のブレーキに不具合があるとの苦情が、昨秋から販売店を通じて寄せられていたことを明らかにした。
 トヨタは急ブレーキをかけた時にスリップを防ぐ「アンチロックブレーキシステム(ABS)」の電子制御に苦情の原因があると判断。今年1月末になって、制御ソフトの設計を変更し、生産段階から改善した。苦情や改善内容は公表しなかった。横山氏は「日々の品質改善の一環だった。クレーム隠しではない」としている。
 トヨタは販売済みのプリウスを対象に、法的強制力はないが無料で修理する自主改修を検討。国土交通省と協議に入る。海外での大規模リコールに続くプリウス問題は、トヨタの品質管理や安全対策にあらためて疑問を投げかける形になった。
 プリウス以外の車種で起きた海外での大規模リコールや改修は、2010年3月期連結決算の営業利益を1700億~1800億円程度減少させる見込み。プリウス問題の影響はまだ試算していない。
 横山氏は記者会見で「システムの設定によってブレーキが一瞬利かない時間が生じ、運転者が違和感を感じている」と指摘。ドライバーの「感覚の問題」であり、ブレーキをやや強めに踏めば問題はないという。

トヨタ社長が一連のリコール問題で初の会見、改善に向けた特別委員会設置へ 2010年02月6日
ロイター http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK036065320100205
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100205ATDD0507505022010.html
 トヨタ自動車の豊田章男社長は5日、ハイブリッド車「プリウス」のブレーキの不具合や、他車種のアクセルペダルの不具合などに関するリコール問題でトップとして初の記者会見を開いた。豊田社長は、改善に向けた取り組みを担当する特別委員会を立ち上げる方針を明らかにした。
 豊田社長は会見の冒頭で「複数の地域やモデルでリコールが発生し、迷惑と心配を掛けたことを心からお詫びする」と陳謝。プリウスのブレーキで問題が発生していることについて「できるだけ早く対応する」と述べたものの、リコールを行なうかどうかなどの今後の具体的な対応方針は明らかにしなかった。世界規模でのリコール問題については「対応は米国で順次進めており、日を追うごとに信頼が戻ると思っている」と述べた。
 ブレーキの苦情が相次いでいる新型プリウスの対象規模は、国内外で合計約30万台。さらに、プリウスと同じ仕組みのハイブリッド車2車種、2万台に対しても対策が必要かどうかの検討を進める。
 同社は4日の決算発表で、リコール問題が今期業績に及ぼす影響について、営業利益に対し品質費用で1000億円、販売面で700億─800億円それぞれ減少させる要因になると説明。販売台数は、生産停止や販売面での影響からグローバルで10万台程度のマイナス影響を見通しているとした。しかし、プリウスの不具合については織り込んでいない。
 新たに設置する委員会の名称は「グローバル品質特別委員会」とし、トップには豊田社長自身が就任する。会見に同席した佐々木眞一副社長は「委員会を通じて社内を総点検し、第三者の権威ある方々の意見を素直に聞き、襟を正したい」と述べた。同委員会では、1)リコールに至った経緯を設計・製造・販売・サービスの各過程で検証、2)各地域の情報収集の充実、3)世界の主要地域での品質強化に向けた人材育成、4)各地域当局とのコミュニケーション強化――などを検討するとした。
 佐々木副社長は、米国で深刻化しているリコール問題について、米運輸長官の忠告が後押しになったと説明し「リコールに踏み切らなければ、信頼回復は遅れダメージも大きくなった」と述べた。

トヨタ販売現場に動揺 「プリウス」リコール方針 2010年2月5日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20100205ATDD0500405022010.html
 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」のブレーキに不具合が発生した問題で、同社が日米でリコール(回収・無償修理)を実施する方針を決めたことに国内の販売現場に動揺が広がっている。顧客からの相次ぐ問い合わせに対し、「説明資料や対応マニュアルなどの整備が急務だ」(愛知県内の販売店)とトヨタに迅速な対応を求める声が上がっている。
 「自分が乗っている車は大丈夫か」。都内の系列販売会社には朝から、プリウスを購入した客からこんな問い合わせが寄せられた。トヨタから具体的な対応方法が通知されておらず、営業担当者は「詳細が決まり次第、すぐにご案内します」と説明に追われた。

プリウス、リコールか自主改修と聞いている 2010年02月5日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK036060520100205
 前原誠司国土交通相は5日夕の閣議後会見で、トヨタのハイブリッド車、プリウスの問題について、リコールかサービスキャンペーン(自主改修)どちらかの対応をすると事務方から聞いていると語った。
 また、トヨタは顧客への配慮が欠如しているように思う、との見解を示した。
 前原国土交通相はプリウスの問題について「私が事務方から聞いているのは、リコールもしくはサービスキャンペーンをやるということ。海外にも輸出されているので、そういうものも含めて対策を取るのではないか」と語った。
 また、トヨタのこれまでの対応に関して「会社側の説明としては、設定の問題であり、大きな問題ではないとのことだった。しかし、使う側が決める話であって、会社側が設定の問題だということで終わる話ではない」と指摘。「使う側が不具合を感じて、それが原因かわからないが事故も起きている。そういう意味で、トヨタの対応は顧客の視点がいささか欠如しているという思いがある」との考えを示した。




 トヨタ自動車のハイブリッド車、新型「プリウス」のブレーキが瞬間的に利かなくなる問題ですが、アメリカではリコールし、日本では欠陥の有無に関係なく無償改修することになり、5日の夜には、この一連のリコール問題を巡って、社長に就任して間もない若きプリンスの豊田章男社長が謝罪に追い込まれました。
 ただ、欠陥を認めたというわけではなく、4日の会見では品質保証担当の横山裕行常務役員が『システムの設定によってブレーキが一瞬利かない時間が生じ、運転者が違和感を感じていると指摘し、ドライバーの「感覚の問題」であり、ブレーキをやや強めに踏めば問題はない』などとのたまい、佐々木真一副社長も『ブレーキを強く踏めば車は止まる。フィーリング(運転感覚)の問題だ』と 実際にブレーキが利かずに恐怖体験をした顧客に向かって、まるで『俺達の作った車を理解しないお前らがおかしい』と言わんばかりの、顧客の気持ちを逆撫でする発言を連発…(怒!
 まあ、下手に欠陥を認めることで損害賠償費用が膨大になるリスクを避けようと予防線を張る発言だったのだろうな…とは思いますが、どうもこの両役員の発言は上から目線もいいところですし、せっかくトヨタの若社長が頭を下げても、これでは(特に米国など国外での)トヨタ離れは一向に収まらないのでは…という危惧感をどうしても感じてしまいます。

 GMに生産台数で再び追い抜かれるのは時間の問題だとしても、そこで(世界NO2の座に)踏みとどまりいずれは再び世界NO1の座を狙う位置に留まることができるのか、それともそのままズルズル転落して、つい数年前の日産と同じような経営危機に追い込まれてしまうのか…。どうも今の経営陣の態度を見ていると、どうしても後者の最悪のシナリオを軽く笑い流すような気にもなれず、不安になってきてしまいます。
 会社経営において何よりも怖いのは、『驕り高ぶり我を忘れること』ですが、今のトヨタは終戦直後の経営危機の時に命がけで学び取ったはずの大切な教訓を忘れ去ってしまったのかもしれませんね…(溜息