原発・放射能を考える。5年先の絵が描く。その絵具を国に要求しよう

2014-06-09 21:53:20 | 日記

原発・放射能を考える。5年先の絵が描く。その絵具を国に要求しよう

       家族で・住民間で共有の絵画教室を開けないか

福島からの報告となれば原発・放射能の問題であろう。

毎日500トンが流れ込むと言われている地下水をポンプで汲み上げ、海に流す工法が関係者の了解が得られ実施している。そして梅雨を迎え雨水対策である。基地内にひしめくタンクに外側に「堰」をつくり、タンクにそそぐ雨水が外に流れ出ないようにしている。しかし、管理の不十分もあるが、予想以上の降雨により水が堰からあふれ出す。何故か、その水に高レベルの放射能物質が含まれている。「タンクに傘をさせば」と冗談を語っていたら、現場は本気になって考えていることが報じられた。また究極の対策と言われた「多核種除去設備アルプス」は未だに試運転の域を出ないでいる。そして、今回実施されるのが「凍土遮水壁工法」である。原発4基を囲み汚染水が外に漏れないようにしようとする。これとて、これほどの大掛かりの工法は未知の分野である。「本当に効果があるのか。これ以上悪い方向に動かないよう祈るしかない」という声も上がっている。さてこの工法であるが、地下に差し込む凍結管は合計で1550本、一本設置するのに5日は要するという。そして来年3月に完了、この算術をどのようにして解くのだろうか。いずれにしても、手探りの対策であることは間違いのない。

我が国の最高責任者が、国外で「コントロールされています。ご安心を」と語った。しかし、今なお、その訂正はない。

今、県内各地で徐せんが進められている。その廃棄物の処分であるが、袋に入れたまま、住宅の敷地などにおかれているのが5万カ所。残り3千カ所は学校や公園などに集められている。(福島民報6・7)いわゆる「仮置き場」が決まらないからである。また、あってもそこから持ち出さなければならない。そこで「中間貯蔵施設」の建設となるのだが、今回、候補地の住民向け説明会が実施された。しかし、その結論は出ていない。提案説明の不十分もあるが、根っこには「おらがところに作るのは反対だ」、「その補償を具体的に示せ、最終処分場にならないか。不安だ」というところにあることは間違いない。いわゆる「先が見えないのである」。

また、現在示されている「設置期間30年」という数字がある。これはその地権者のほとんどが、この世にはいない期間である。また、働いている現役も、退職をしていることを意味する期間である。生き方も環境もがらりと変わる。とても先を見通せるものではない。ならば、国は、せめて5年先の将来を考えられる材料を示す責任があのではないか。また示すことができるだろうと考える。それが住民の判断を可能とする物差しではないかと思うがどうだろう。

「当事者でない者が何を言うのか」という批判の声が聞こえそうである。当事者をどうとらえるかはあるが、私の居住地も低線量とはいえ、被ばくの心配、不安が無いと言えば嘘になる。そこであえて述べたい。

人生いろいろではないが、望まない事態に直面するのも人生である。考えてもいなかった環境にも直面する。70代の人生である。私自身もそのような場面に直面もした、また幾つも見てきた。何も福島県民、あるいは双葉地区住民だけが特別ではないということである。大変であり、難しいことではあるが、5年先の人生計画であれば描くことができるのではないか。その絵画教室が、家族間、住民間での話し合いの場ではないかと考えたい。

100人いれば100通りあっても良い。その中から、新しい人生計画を描く「キャンパスと筆と絵具」を国に、自治体に、そして東電に要求したら良い。

そのような場面づくりが「中間貯蔵施設」の討論から生まれればと考えるが、いかがだろうか。