蟻取物語

蟻の採集や飼育に関する研究成果を、写真等を活用して公開する。

15 蟻研講演録ナンバー3「ケブカケース内ペアリング」

2006年11月30日 12時27分22秒 | Weblog
採集したケブカクロオオアリの多量の幼虫、蛹を、
ワーカーと共に新品の人工蟻巣に移しました。
人工蟻巣は木材と石膏で作ったもので、巣部は木をくりぬいてあります。
巣内の様子を観察できるよう、両面をガラスで覆ってあります。
サイズは横400㎜、高さ200、奥行き30です。

8月中に、次から次と蛹が羽化していきましたが、
一向に羽蟻が増えません。
よく観察してみると、
羽蟻が羽化すると、体色が白いうちにワーカーが食べてしまうのです。
今までの努力が、水の泡になりかねない。

焦りました。  

食料が不足していると判断し、
ゼリーと虫を、大量に与えました。
これが功を奏したのか、巣内に羽蟻が見られるようになりました。
  参照「羽蟻羽化」             
11月まで、餌をやり続け、
12月にはコロニー全体が越冬に入りました。

ほっと一安心。