「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス) 林(高木)朗子
脳のCTを撮った時、脳の萎縮で精神疾患がわかるという話を聞いた記憶があります。ただうつ病やADHDなどは明らかな変化は見極めるのが難しいということで正確な診断や治療を難しくしている一因となっているようです。またまだまだこれらの心の病気は原理が解明されておらずどうしても対処療法が中心となっているわけですがその根本要因に迫る研究の状況を各分野の研究者が解説した本。要因としてはシナプスレベルでの信号伝達(情報統合)の不具合、環境などの要因による遺伝子異常、脳神経回路としての動作不具合が挙げられています。 特に興味深かったのは自閉症の子供に対するロボットを使ったアプローチや精神疾患の前触れに対するアプローチ技術でした。ただ難しいのはまだ総合的にどう対処すべきかというのはミクロからマクロな視点で一貫した見解というのは完全には得られていないようでまだまだ難しい部分となっていることはうかがい知れます。研究としてどこまで来ているかという観点で理解を深めるために良い本だと思います。
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