働かないアリ 過労死するアリ~ヒト社会が幸せになるヒント~ (扶桑社新書) 新書 – 2024/3/1
村上 貴弘 (著)
アリの世界で起こっていることで人間の世界でも起こっていないことは無いと言ってもいいくらい社会性のある昆虫であるアリの世界へいざなってくれる本です。筆者の専門はキノコアリと呼ばれる菌食のアリで代表的な種の一つであるハキリアリはなんと食料にするためにキノコを育てるという農業を営むアリです。集団での協力した社会、農業の営みは人間よりはるかに前からスタートしていたわけでまさに先輩です。女王アリが産んだ卵をみんなで子育てすることや集団で食料を集めたりというのは当然ながら知っていましたが逆に幼虫に食べ物をもらったり、アリもしゃべっていたり、アリの中でも寿命をすり減らして働いたり、逆に全く働かなかったりという多様性があることに驚きました。(ちなみにQRコードついていてアリの声も聞けます) 筆者将来t系にはアリとの関係を気付いて一歩踏み込んだWin-Winとなる共生を考えているとのこと。これこそ人間としてまさにいま考えるべきことなのかもしれません。我々はしばしば「進化」という意味をはき違えてしまうことがありますが最も重要なのはその環境を受け入れ、適応し、柔軟に対処するそして社会を継続させることなのだとこの本を読んで改めて思わされました。
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