「Y」の悲劇 男たちが直面するY染色体消滅の真実 単行本 – 2024/5/20 黒岩 麻里 (著)
人間においては男性を特徴づけるY染色体。その消滅が運命づけられているとしたら…男は居なくなってしまうのか?という疑問を中心に人間だけでない性差についてわかりやすく解説された本です。Y染色体が小さくなってしまったのはそもそもの染色体を引き継ぐ対合と乗り換えが有する有害遺伝子の排除機構が背景にあります。男性を特徴づけるY遺伝子に蓄積された有害配列の欠乏に加え子の欠乏を染色体の乗り換えの際に発生する逆位(ひっくり返った形で引き継がれること:最終亭には意味をなさなくなるので排除される)が発生しているというのがあるようです。小さくなることで有害配列を排除してきたわけなの適者適存tも言えるわけでまあそういう運命にあるのかもしれません。いくらかの消失モデルはありますが今のところ数百年という単位ではなくなっていく運命にありそうです。他の生物に目を向けてみると2つの性を持つようになったとのは比較的最近であり、単性の生物の方が先祖でした。そして群れの中の状況によって性転換するカクレクマノミのような性質を持つもののあれば生物的に4つの性を持つのドジロシトドのような生き物もいます。だが我々はYを失って男性もいなくなるのか?? と思いたくなりますが筆者の研究するトゲネズミはなんとY染色体を持たないオスで繁栄を続けているようです。どうやら男性遺伝子がX遺伝子の一部にコピーされて生き残ったのではということなのでY染色体が無くなっても何とかなるという証拠が哺乳類で得られているのは心強い限りです。Xのみで性が紡がれるとするとこれこそまさにX-Menの到来と思ってしまいました。
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