2009年11月19日、このようなシンポジウムが開催されました。
今日発行された幸福実現ニュース第3号で大きく採り上げられています。
Axel Klein; ドイツ日本研究所・チューリッヒ大学東アジア研究学科 シンポジウム
幸せをめぐる政治・日本の宗教団体とその政治活動
Religious Organizations and the Politics of Happiness
<趣旨>
宗教団体と政治には共通点がある。 共によりよい人生を約束している。
両者が用いる言葉や概念はそれぞれ異なるものの、共通点が多い。
日本における政治家と政党のマニフェスト (政権公約) には通常3つの点が含まれている。
安心、安全、安定だ。
宗教団体は、たいてい専門用語でより複雑に表現していることが多いが、
彼らの教えも、また聖域(安全)、安定、心の平和(安心 について言及している。
宗教と政治の両面において、よりよい人生への約束は、基本的な人間本来の欲望からきていると言えよう。
宗教と政治の決定的な違いはというと、宗教は別世界について言及しているということだ。
精神的な救済の約束が、宗教の教えの不可欠な要素である。
よって、宗教および宗教団体は、政治とは異なるという印象が強く、
それが両者とも人間社会と現世における機関であるという簡単な事実を覆い隠してきた。
当の宗教団体を見れば明らかだ。
宗教団体は、自分たちの信条を、社会をよくするための道具として普及活動を行っているのだ。宗教団体は日本をより住みやすい国にするために、政治に参入していると言っていいだろう。
このシンポジウムでは、 日本における宗教団体とその政治活動の形態に焦点をあてる。
(ドイツ-日本研究所「幸せをめぐる政治・日本の宗教団体とその政治活動」より)
※ドイツ-日本研究所 公式HP
日本社会における幸福の所在―その継続と変容
経済発展、技術進歩、医療サービス、教育水準、寿命といった側面を見れば、日本はかなりの成功を収めてきた社会であるといえよう。それは人間開発指数(Human Development Index)による国際比較において20年以上、上位10カ国の一つであり続けていることにも垣間見ることができる。しかしながらこうした「成 功」はその社会の構成員である個人にとってどのような意味を持っているであろうか。さまざまな統計データが示すように、経済的繁栄が人間を幸せにするとは必ずしも断言できない。たとえば日本は自殺率の国際比較においても上位にある。日本社会において「幸せ」とは何を意味するのであろうか。何をもって「幸せ」ということができるのだろうか。
これまで「幸せ」であるとみなされてきた生き方というものが、現在の日本において完全に意味を失ってしまったわけではない。しかしそれも、社会が不安定化し多様化する中、変わりつつある。と同時に、近代の社会統合メカニズムは機能不全に陥りつつあるように見える。人口動態の変化や均質社会的意識の変化といった社会変化は主観的な幸福感や満足感の変容とどう関わり合っているのだろうか。 当研究所は、これまでの研究重点「人口動態変化」に引き続き、こうした社会変化に学際的に取り組んでいる。
今日発行された幸福実現ニュース第3号で大きく採り上げられています。
Axel Klein; ドイツ日本研究所・チューリッヒ大学東アジア研究学科 シンポジウム
幸せをめぐる政治・日本の宗教団体とその政治活動
Religious Organizations and the Politics of Happiness
<趣旨>
宗教団体と政治には共通点がある。 共によりよい人生を約束している。
両者が用いる言葉や概念はそれぞれ異なるものの、共通点が多い。
日本における政治家と政党のマニフェスト (政権公約) には通常3つの点が含まれている。
安心、安全、安定だ。
宗教団体は、たいてい専門用語でより複雑に表現していることが多いが、
彼らの教えも、また聖域(安全)、安定、心の平和(安心 について言及している。
宗教と政治の両面において、よりよい人生への約束は、基本的な人間本来の欲望からきていると言えよう。
宗教と政治の決定的な違いはというと、宗教は別世界について言及しているということだ。
精神的な救済の約束が、宗教の教えの不可欠な要素である。
よって、宗教および宗教団体は、政治とは異なるという印象が強く、
それが両者とも人間社会と現世における機関であるという簡単な事実を覆い隠してきた。
当の宗教団体を見れば明らかだ。
宗教団体は、自分たちの信条を、社会をよくするための道具として普及活動を行っているのだ。宗教団体は日本をより住みやすい国にするために、政治に参入していると言っていいだろう。
このシンポジウムでは、 日本における宗教団体とその政治活動の形態に焦点をあてる。
(ドイツ-日本研究所「幸せをめぐる政治・日本の宗教団体とその政治活動」より)
※ドイツ-日本研究所 公式HP
日本社会における幸福の所在―その継続と変容
経済発展、技術進歩、医療サービス、教育水準、寿命といった側面を見れば、日本はかなりの成功を収めてきた社会であるといえよう。それは人間開発指数(Human Development Index)による国際比較において20年以上、上位10カ国の一つであり続けていることにも垣間見ることができる。しかしながらこうした「成 功」はその社会の構成員である個人にとってどのような意味を持っているであろうか。さまざまな統計データが示すように、経済的繁栄が人間を幸せにするとは必ずしも断言できない。たとえば日本は自殺率の国際比較においても上位にある。日本社会において「幸せ」とは何を意味するのであろうか。何をもって「幸せ」ということができるのだろうか。
これまで「幸せ」であるとみなされてきた生き方というものが、現在の日本において完全に意味を失ってしまったわけではない。しかしそれも、社会が不安定化し多様化する中、変わりつつある。と同時に、近代の社会統合メカニズムは機能不全に陥りつつあるように見える。人口動態の変化や均質社会的意識の変化といった社会変化は主観的な幸福感や満足感の変容とどう関わり合っているのだろうか。 当研究所は、これまでの研究重点「人口動態変化」に引き続き、こうした社会変化に学際的に取り組んでいる。