気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

京都国立近代美術館「茶碗の中の宇宙」展・内覧会へ

2016-12-17 19:33:23 | 美術館・博物館
昨日夕方から冷え込む京都岡崎にある京都国立近代美術館へ
「茶碗の中の宇宙-楽家一子相伝の芸術-」展の内覧会の
お誘い頂けました。

HPでは、一服の茶を点てることで、削ぎ落された茶碗の中に
宇宙と呼ぶべき無限の世界が広がる・・・、
今から450年前、長次郎という人物によって創造された樂茶碗は、
一子相伝という形態で現在まで続いています。
一子相伝とは、技芸や学問などの秘伝や奥義を、
自分の子の一人だけに伝えて他には秘密にして漏らさないことであり
一子は、文字通り実子でなくても代を継ぐ一人の子であり、
相伝とは代々伝えることです。
でも内覧会で登壇された楽家一五代は、先代から教えて頂くことなく
一代一代それぞれが高みに向け切磋琢磨し、新しい形を創造される
ことにより、相伝されていくのだそうです。
思い出せば2006年旧心斎橋そごう美術館、2007年佐川美術館や
2009年国立民族学博物館等で拝見した十五代の作品の斬新さを
思い起こさせながら、進化の過程を観てみましょう。

会期は2016年12月17日(土)~ 2017年2月12日(日)
重要文化財(以後重文と)12点を含む159点から成る展覧会で、
パンフによると、十五代楽吉左衛門さんが述べられております。
「私が生きている間に、これほどの展覧会は二度とできない」
入り口直ぐに
千利休像(春屋宗園賛,長谷川等伯筆1595年表千家不審菴)重文
に迎えられました。

初代 長次郎は19作で、二彩獅子、17碗と三彩瓜文平鉢が、
利休の依頼で制作し始め、千利休居士がお持ちだった作品で
素朴な作風ですね。
黒樂茶碗 銘「大黒」16世紀 個人蔵 重文
赤樂茶碗 銘「太郎坊」16世紀 裏千家今日庵 重文
なお赤樂の「次郎坊」も展示されておりました。
黒樂茶碗 銘「大黒」
赤樂茶碗 銘「太郎坊」

田中宗慶4作、
二代 常慶5作、
三代 道入9作
黒樂茶碗 銘「青山」三代 道入 17世紀 樂美術館 重文
極めて斬新、モダンな作品で革新的な世界観です。
黒樂茶碗 銘 青山

本阿弥光悦6作
赤樂茶碗 銘「乙御前」本阿弥光悦 17世紀
銘は上から見た形が「おかめ」に似ているところから。

四代 一入3作、五代 宗入4作、六代 左入2作、
七代 長入1作、八代 得入1作、九代 了入3作、
十代 旦入2作、十一代 慶入3作、十二代 弘入2作、
十三代 惺入3作
十四代 覚入7作
敏感な感性が、変化にとんだ表現になっています。
色釉流水文赤樂平茶碗 銘「綵衣」 1963年 樂美術館
色釉薬を用いて水の流れを表現したモダンな平茶碗
色釉流水文赤樂平茶碗 銘「綵衣」

十五代 樂吉左衞門 64作
長次郎の素朴さと比べ、金彩銀彩も使っての究極の加飾に
挑戦されたり、フランス焼締も。
シリーズ 夜の航海、シリーズ 盌
涔雲に浮かんでⅠ、Ⅱ、Ⅲ
巌上に濡洸ありⅠ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ
焼貫黒樂茶碗 銘「砕動風鬼」1990年樂美術館
焼貫黒樂茶碗 銘「砕動風鬼」
焼貫黒樂茶碗 銘「吹馬」1993年 樂美術館
焼貫黒樂茶碗 銘「吹馬」
巌上に濡洸ありⅢから
焼貫黒樂茶碗 銘「巌裂は苔の露路 老いの根を嚙み」2004年
巌裂は苔の露路
頭の整理がつきません・・・・・。
もう一度寄せていただくことにしましょう。
なお3月14日から5月21日まで東京近代美術館に巡回です。