気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
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唐衣をお出しするのはどうして

2015-05-28 07:49:26 | 日記

沢に咲く燕子花に事寄せて、都に残してきた恋人を偲ぶ和歌を詠み従者が涙する場面
昨年の茶事に、この伊勢物語八橋図(岡田為恭:大和文華館)の色紙をだしており、

   
”いずれ文目(あやめ)か杜若(かきつばた)”と称されるように、
今回は、かきつばたを連想される”唐衣”を主菓子としました。

米粉にて外郎(ういろう)地を作り、この生を紫色に染めて、五ミリの厚さにのばし、
そして四角に切って中央にはあんを置き、折り畳んで仕上げています。

茶事が終わり、”かきつばた”が、
伊勢物語9段、東下りに(在原業平)
からころも きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ
枕詞で伊勢物語第八話の和歌を引きださせ、三河の八ツ橋の「かきつばた」を連想させる
句頭が、か、き、つ、は、た、
という由来は知っておりましたが、
この機会に中国服を意味する「唐衣」なの?

枕  詞 :唐衣(「きつつ」の「着」を引き出す)
  *伊勢物語第八話の和歌を引きださせ、三河の八ツ橋の「かきつばた」を連想するそうです。
  *または身ごろを深くあわせて着る「唐衣」の着方と茶菓子の意匠が似ているそうです

 そのほかに、この歌には
序  詞 :「唐衣~なれにし」が「つま(しあれば)」を引き出す
掛詞(4つ) :「き」が「着」と「来」、
      「なれにし」が「馴(慣)れ」と「萎(褻)れ」
      「つま」が「褄」と「妻」、
      「きぬる」が「着ぬる」と「来ぬる」
縁  語 :「唐衣」「き(つつ)」「なれ」「つま」「き(ぬる)」
折り句  :初句「唐衣」の「」、
      二句「きつつ」の「」、
      三句「つま」の「」、
      四句「はるばる」の「」、
      五句「旅」の「
か・き・つ・は・た」(かきつばた/杜若)がそれぞれの句頭に折り込まれています。
和歌は奥深いですね。