皇帝ダリアは和名をキダチダリアと言って背の高いものは8mほどにもなるダリアの仲間の多年草である。竹状の茎を持ち、極めて早く成長し、花は11月中旬頃から12月にかけて開花、薄紫の美しい花を付けるが、この花を私は気に入っている。
ただし、この時期に花を付ける植物にしては霜に弱く、霜が降りるとき枯れてしまう。繁殖はもちろん種子からも行えるが、通常は茎の2節くらいを土に入れておけば成長するのである。
私がいつも鑑賞するのは我が家から5分ほど歩いた家と三鷹市立農業公園であるが、今年は夏から秋にかけて台風の襲来、特に風台風が多かったため、いずれの皇帝ダリアも折れてしまい、花を付けることが叶わなかった。そこで近所とは言えないが、皇帝ダリアで有名な小金井公園まで遠征する羽目になった。
小金井公園は江戸東京たてもの園を併設するなど広大な広さを誇り、春には梅園や桜などて多数の人で混み合うのだが、紅葉が美しいとはいえ、それほどではない。公園の正面から入ると駐車場があるが、その小屋の裏あたりの花壇に3カ所に分けて皇帝ダリアは咲いている。
皇帝ダリアは一本の茎が上に向かってまっすぐ伸び、ところどころに節がある。そして、木によっては5mほど、低いのは1mほどのところに花をたくさん付ける。その名前の通り気品があり、美しいラベンダー色、また花も大きい。この時期は周りはイチョウの黄色、モミジの赤など紅葉に包まれている中、花を咲かせている植物はサザンカくらいしかない。そのためか、 広い公園の中でも際立っていた。来年はもう少し近場で見たいものである。