『ぶらり橋巡り』その119。横浜市元町近くを流れる中村川に架かる橋を巡ってみた。

中村川は大岡川から分かれ、山下橋の下流で横浜港に注ぐ河川でその上に首都高神奈川3号狩場線が通っており、日のあまり差し込まない部分が多い川である。


石川町駅を降りて元町商店街と反対の左側に歩く。まず出てくるのは石川町駅前歩道橋、歩道橋というと下に道路が通っているものが多いが、この歩道橋の下は川が流れている。

中村川は人工的に作られた運河であり、江戸時代には他にも多くあったが、この川だけが残った。かつては下流の山下橋付近に船上生活者が多くいたが、今は最後のパージ船も撤去されている。


亀の橋(亀之橋)は橋の脇に『鶴屋呉服店』(現、銀座松屋)の発祥の地がある。立派な親柱、欄干には亀の模様が施されている。

また、地蔵坂の麓には坂の名前の由来となった地蔵菩薩立像が坂の中腹から移設されている。

上を見上げると高速道路が幾重にも走り、あまり美しくない。ちょうど神奈川3号狩場線と神奈川1号横羽線が合流する地点だからやむを得ないのではあるが。


さらに行くと今は使われなくなったと思われる小型のクレーン(?)が打ち捨てられいた。かつては船から荷下ろしをするのに使ったのであろうか。



翁橋の親柱も一見シンプルだが、近寄ると複雑な形状をしている。竣工は1987年7月とあった。車は通るが人は少ないと思いきや、親柱の写メを撮ろうとしたら横におじさんが寝ていて驚いた。


車橋の親柱も独特、綺麗に緑青が出て渋い雰囲気となっている。竣工は1989年1月、古い絵葉書には明治6年架設の赤い鋼橋が描かれているものがある。

すぐ横には元禄地蔵尊、橋の袂にお地蔵様の多い川である。

その先の石川小学校下の交差点から坂巡りに切り替えて散歩を続けることにした。それにしても親柱が特徴的な川であった。