4月1日は年度はじめ、企業に取ってはお正月と同じように大切な一日である。その出鼻を挫くような電車のトラブルが起きた。確かに新入社員が入り、通勤する人が増えることもあるが、退社すぐに乗った地下鉄半蔵門線も遅れていた。前の駅で停車位置の確認をしたとかで水天宮前駅に到着した時から遅れていた。

普段に比べ途中駅から乗車する人も増え、渋谷駅で降りるのも一苦労。しかし、ホームはあふれんばかりの人、嫌な予感がした。
井の頭線ホームに入ると人が群れになっているが、急行の到着する2番ホームには電車がいないかと思った。しかし、ホームを前の方に歩くと何とホームの半分くらい行った所にピンク色の電車が停止している。30年以上この路線は使っているが、こんな風景は初めてである。

5分くらいしてこのピンクの電車がやっとホームを離れて出発した。3分くらい経過、1番線から普通電車が発車する。次の電車が2番ホームに入ったが、乗降が済んで2分くらいで私の乗った急行も発車、時計を見ると1830であった。この段階で前が各停ならばこの急行もほぼ一駅毎に止まるだろうと思ったが、やはりその通り、下北沢駅到着までに2回も長く停車、それでも動いているだけマシだった。
急行は下北沢駅の次に明大前駅に停まるのだが、中間の東松原駅手前で再びつかえて停車、ところがこれが動かない。

車掌は比較的丁寧に状況を説明してくれるのだが、『2台前(の電車が)明大前駅を出て、前を走る各停が出発するとこの電車は明大前駅に入ることができます。もう少々お待ちください。』と説明。しかし、そのアナウンスから15分くらい停車しても一向に動かない。

後になって分かるのだが、明大前駅を出たピンクの急行電車は再び不具合が起きて止まってしまっていたのである。
停車している間に満員の電車の中で長時間立っていた女性が貧血になり、座り込む騒ぎ。私の前に座っていた男性が席を替わるも女性は真っ白な顔で目を閉じていた。

この辺りで車内換気のため窓を開けるように車掌から連絡があるが、空調を上手くコントロールできないのか、今度は室温が下がり、かなり寒くなってしまう。
ようやく壊れたピンクの急行電車が永福町駅に到着したとの知らせ。ここまで乗車してからちょうど1時間もかかった。さすがに急行運転を断念し、全て各停にするとのアナウンス、『遅いよ!対応が!』

と言うのは井の頭線には追い抜きホームがあるのは永福町駅のみ、それ以外には検車区のある富士見ヶ丘駅まで動かして留置線に入れることしかない。だから永福町駅の1番線に壊れた電車を停めておくしかないのである。それでも今回は自力で明大前駅から永福町駅まで動けたので何とかなったが、他の駅で同じ事態が起きていたらどうするつもりだったのだろう。

永福町駅に到着すると反対側のホームにはピンクの電車が回送になり停まっていた。永福町駅で各停吉祥寺駅行となり、比較的普通に動き始めた。ただ、久我山駅に到着したのが1944、通常ならば17分で到着するはずが、渋谷駅で乗車してから1時間14分。京王の危機管理に疑問を持つ対応だった。
個人的には予めちゃんとトイレに行っていたため、特に困らなかったが、もし、途中でもよおしたら、えらいことになるところだった。それにしても混んだ車両で長時間缶詰になっても誰も騒がす、静かに辛抱強く待つ国民性にも頭が下がる。
後から聞いた話だが、ピンクの急行は乗客を全て明大前駅で下ろし、永福町駅に向かったのだが、その途中で動かなくなったらしい。さらにこの件に関しては京王より正式なお詫びのコメントはHP上では全く為されていない。