今回は中央線荻窪駅で降りて西荻窪方面に向かう。青梅街道が走っているが、今回は中央線伝いに歩く。荻窪駅西口はやや寂れていて小さな商店が並ぶ。やはりラーメン屋が多いが、中には温浴施設なども。
環状8号線に出る手前から右に荻窪白山神社の細い参道が通っている。鳥居のところに由緒があるが、創建は文明年間(1469年〜1486年)に関東管領上杉顕定の家来中田加賀守が屋敷内に五社権現社を創ったことによる。
面白いエピソードとしては中田加賀守の弟が歯痛に悩まされていた時に『神社の前に生えている萩で箸を作り、それで食事をすれば治る。疑ってらならない』と御告げを聞き、その通りにしたところ完治した、というものがある。住民も真似をして神社に生えている萩で同じように箸を作ったためか、かつては沢山生えていた荻も神社の裏にしかなくなったらしい。(ややこしいが『荻』ではなく『萩(はぎ)』である。)
細い参道を進むと『奉納山林315坪』と言った石碑が並び、鳥居もあり、これをくぐると立派な本殿が現れる。
拝観をした後境内を歩くと小さな末社が3つあり、奥から三峰神社、田森稲荷神社、正一位稲荷神社と並んでいる。いずれも平成16年に建て直したもので綺麗な祠である。
境内を歩き終え、少し歩くと環状8号線の立体交差があり、反対側に渡ると線路際に真言宗豊山派の光明院がある。
このお寺が荻窪の由来と言われ、『萩寺』の別名を持つ。ただ、残念ながら改装工事中で回り道を歩き、ようやく本堂と鐘を見ることができた。立派なホールもあり、大きな葬式もできるようである。(以下、次回)