hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

日本シリーズ2015を見終わって

2015-10-31 05:00:56 | 日記

2015年のプロ野球も日本シリーズをソフトバンクが2連覇して全ての日程が終了、その強さを如何なく発揮して他の11球団とは一味違う実力を感じさせる結果となった。

今回の日本シリーズの予想はソフトバンクの4勝1敗で終わるという小生の予想が見事に的中し、また、クライマックス1stステージからの勝利チームも当たった訳だが、ポストシーズンの独特な雰囲気が今年も現れたが、その中味をデータで検証してみたい。

日本シリーズは全部で5戦あった訳だが、勝利チームは常に先制点を挙げたチーム、また、ヤクルトの1勝を除き同点や逆転を作れたことは一度もなく、如何に先制点が重要だったかがわかる。その重要な先制点にもかかわらず、ヤクルトが1つ落とした第2戦でソフトバンク先発のバンデンバーグの調子が良いことを知りながら1回表先頭の上田がヒットで出た後に1球目に走り、2塁で刺されたのはこのシリーズのヤクルトの敗退を決めたような気がした。

それは2番の川端がバントをしなかったことを指すのではなく、あれだけの好打者の初球に走り、何の作戦も取れなかったのがミスだということである。結果、先発小川には援護がなく、ホームラン2本で試合が決まってしまった。

もう一つは全ての試合でソフトバンクはホームランを放ち、さらに4点以上挙げたことである。今の野球は1点は全くセイフティリードではなく、2点もランナー1人出せばわからない、しかし、4点は相手が1~2点も取ってもまだ投手に余裕があるし、投手交代も考える余裕がある。それをほぼ勝ちゲームでは全て行い、逆に負け試合では最後まで追い詰めようとした(8回まではだが、)ところがソフトバンクの強みである。

最後に直前でソフトバンクはキャプテン内川選手の骨折が判明し、出場が叶わなかったが、その代役の福田と川島、特に福田の活躍が目を引いた。さらにベンチをみても本多、吉村、長谷川あたりを残した上で試合ができるその層の厚さには恐れ入る。

今のセリーグには残念ながらこれほどバランスが良いチームは見当たらず、まだまだソフトバンクの時代が続く、その序曲のような日本シリーズであったような気がした。

枯れ朴葉自作チャレンジ

2015-10-30 05:00:06 | 日記

朴葉味噌は飛騨高山の名産だが、これは牛肉や厚揚げ、キノコ、長ネギなどを刻み、朴の枯葉の上に乗せ、甘い味噌をかけて炭火で焼きながら食べる料理で甘めの味噌が焼ける香ばしさが酒にもご飯にもよく合う。

朴葉味噌はホウノキの枯れた葉を使うが、これは10枚で400円程度する。今年も朴葉味噌をしようと朴葉を探すと乾燥しすぎて粉々になってしまっている。これは買わなければと思いながら散歩をしていると偶然ホウノキを発見、特にケチるつもりもないが、思い切って枯れ朴葉を自作することにした。

まずは適当な朴葉を取り、水で洗う。このまま自然乾燥させてもいいが、丸まってしまうので押し花の要領で新聞紙に挟み、重しを載せて待つ。
約1ヶ月経過したので取り出すが、まだ、緑が残っている。しかし、見た目は十分乾燥しており、最後に天日干しをして料理をしてみた。

我が家では冒頭に挙げた材料(牛肉、椎茸、長ネギ、厚揚げ)をホットプレート、クッキングシート、水で戻した葉の上に載せて熱し、上から味噌と酒をかけながら調理する。

しかし、いつもなら葉が焦げていい香りがするが、残念ながらかなり香りが青臭い。やはり、乾燥不足なのか、もう少し乾燥させてから、再挑戦することにして今回は断念。残りの肉は単にクッキングシートの上で調理したが、それはうまかった。やはり、気長に葉が茶色になるまで枯れさせてから焼かないとあの香ばしさは出ないようだ。まあ、冬が楽しみである。

かに福~日本橋ランチグルメ

2015-10-29 05:00:43 | グルメ

日本橋のいつも行くクリニックの近くにポツリとあるかに料理店。入口にはメニューがあり、『御かにめし』『カニクリームコロッケ』の2種類だけ。前から行こうと思っていたが、たまたま昼時に近くを通ったため、入店してみた。

外も落ち着いた店であたかもスタンドアロンに見える作り。中も静かにゆったりと席が配置されている。

カニクリームコロッケも美味そうだが、ここはオーソドックスに『御かにめし』普通サイズ(1500円)を注文。待つこと約7分程度。

お盆に御重、茶碗、漬物、出しの入った急須、しゃもじが乗っている。食べ方はまずはそのままで1杯、次に出汁を注いで1杯、さらにカニ味噌を溶いて1杯と食べるように教えてもらう。

御重を開けるとカニ身がたっぷり乗った御飯、彩りにオレンジのトビコと緑の枝豆が散らしてある。

指示通り、1杯はそのままで食べるが、やさしい味付け、ぎっしり入ったカニの身が美味い。2杯目は出汁を掛けて食べるが、出汁もあっさりしていて二日酔いでも食べれそうである。カニ味噌を舐めるが、味付けがいい。カニ味噌を少し伸ばして味付けしてある。これは出汁でとくよりそのまま御飯に乗せた方が良いと判断。3杯目にカニ味噌を載せて食べるが、いやこれは絶品、付いている生姜の千切りとネギも一緒に食べるが、あっと言う間に完食。席に置かれているゴマと山椒を混ぜたものを少し掛けるとアクセントになる。

隣の席の人がカニクリームコロッケ(1400円)を食べていたが、これも美味そうである。初めは空いた席もあったが、12時を過ぎるとほぼ満席、女性に人気のある店はやはり混雑する。夜は少し酒のあても増えて落ち着いた雰囲気が楽しめそうである。


かに福
中央区日本橋1ー2ー2
0332318686

日本橋人形町1丁目(2)

2015-10-28 05:00:28 | 日記

日本橋町巡りシリーズ その21。前回に引き続き日本橋人形町1丁目。


この町内は高層マンションもあれば昭和初期に盛んに行われた看板建築の特に緑青が目立つ建物も多い。それがまだまだ現役だからこの町は面白い。


豆腐屋さんの建物は孤独のグルメで紹介された黒天丼の中山の並び。その辺りにはゲンコツのように牡蠣を纏めてフライにする三友も混んでいる。こうしたしもたやの食堂も多い。


和食は人形町の代表格である玉ひで、行列が短いと何かあったのかと思うほど昼時の親子丼の行列はすごい。

そのそばには魚の西京漬で有名な魚久の本店。2階は食堂となっており、サービスランチは1000円以内のはず。



洋食は老舗の小春軒や来福亭、牛カツで有名なそよいちのメンチはランチのみ限定だが、とにかく美味い。

さらにパリのビストロを人形町に持ってきたようなアンドレはキッシュやグラタンが美味い気楽な洋食店。フランス人のマダムは日本語も堪能である。


先ほどの魚久は朝開店前に切り落としを求める長い列ができるが、日中は1日3回シュークリームが焼ける頃に列ができるシュークレール、芸能人がレポートをしているのをよく見かける。

さらに、オムライスを売る屋台もランチどきには列が出来ている。全て食に関わる行列ができる街でもある。


街のシンボルはカラクリ時計、そしてコミニュティバス。やはり浅草に次ぐ観光地だけのことはある。土日だけでなく、平日の昼間にきても人形町1丁目には楽しめる街である。

銀杏

2015-10-27 05:00:54 | 日記

秋に入るとうまいものが色々と登場する。代表は秋刀魚や松茸、栗、きのこ、鮭などだが、つまみとして忘れられないのが銀杏である。銀杏はイチョウの実で公園や街路樹として植えてあるのを拾うこともできるが、あの独特な臭い匂いのする黄色い実の中にあり、土に埋めたりしなければならないため、小生は必ず乾かした白い実だけを購入し、その途中の行程を行った人に対価を払うことにしている。

ちょうど、長野県豊丘村と杉並区久我山が姉妹都市の縁で第10回豊丘祭と評して豊丘村の物産展が久我山駅前で行われていたが、そこで銀杏を発見、37粒で200円と格安のため、即購入し、それをつまみにすべく殻を剥くことにした。

まずは専用の殻を割るペンチのような道具で一つ一つ殻を割る。専用の道具がないときはペンチで代用できるが力加減が難しく、殻をぺちゃんこにしてしまうリスクがともなう。

これをすべて行い、使い古しの紙製の封筒に入れて2~3回折りまげる。これを電子レンジで60~90秒かける。

熱々を封筒から取り出し、一つ一つ殻を剥き、さらに甘皮を取る。殻を剥くのは簡単だが、甘皮を取るのが面倒である。熱ければ熱いほど剥きやすいため、我慢して剥く。甘皮が取れない場合は両手の掌で実を軽く挟み、円を描くように動かすとかなり取ることができる。これを一つずつやるのだから、かなり根気がいる作業である。


すべて出来たら今度は熱湯に実を入れてゆっくりお玉杓子のそこで回すと徐々に甘皮も取れ、完成である。

あとは食べる直前にアルミホイルで容器を作り、塩を振ってオーブントースターで温めれば一品完成である。子供には美味くなかった銀杏も今では晩酌には欠かせな一品。冷凍もできる為、ぜひおためしあれ。

日本橋人形町1丁目(1)

2015-10-26 05:00:17 | 日記


日本橋町巡りシリーズ その20。今回は日本橋人形町1丁目を歩く。なにしろこの街に2年半ほど勤めていたため、さすがに熟知している。

日本橋人形町1丁目は旧人形町と芳町、蛎殻町の一部が合併して1980年に成立した街であり、今も町内会は芳人会と言っている。また、駅も地下鉄日比谷線・都営浅草線人形町駅と半蔵門線水天宮前駅の2つがあり、近接はしているが、一度地上に出なければ乗り換えられない。さらに面白いのは人形町駅水天宮寄りの入口からは都営浅草線には乗れない構造になっており、よく迷っている人を見かける。

人形町1丁目にはほぼ真ん中に日本橋小学校があるが、元は東華小学校と言い、十思小学校を1990年に統合した。

現在では小学校のほか、幼稚園、区の関連施設などもあり、立派な9階建のビルである。この辺りは姫路藩の下屋敷跡で明治4年から2年間西郷隆盛の屋敷があった場所である。



また、近くには谷崎潤一郎生誕の地もある。谷崎潤一郎は明治19年生まれで祖父が始めた活版印刷所があったが、経営不振のため潤一郎が3歳の時に売られ、その後少年期は南茅場町を始め周辺を転々とした。その後、関東大震災後には大阪に移った。

神社は日本橋七福神めぐりの1つである茶ノ木稲荷がある。これはブログでも2年ほど前に取り上げたが、下総佐倉藩の堀田家の中屋敷にあった守護神として祀られていた神社で社の周りの茶の木が見事であったため、この名前になった。火伏せの神として崇められ、また、七福神では布袋尊として信仰を集める。


ビルの谷間にある小さな無人の社であるが、いつも綺麗に掃除がされている。(以下次回)

中村屋渋谷店~渋谷グルメ

2015-10-25 05:00:19 | グルメ

中村屋のカレー(カリー)を食べに行く。昔、あまりレストランというものが多くなく、もちろんファミレスなど全くなかった子供時代には新宿駅近くにあった中村屋のレストランには西荻窪のこけし屋同様に親に連れられ行く機会もあったが、味付けが本格的すぎて子供の口には合わなかった思い出がある。当時はカレーといえば黄色く小麦粉でつないだドロドロしたものしかなく、サラサラしたカレーなど初めて、しかも甘くないから無理もなかった。

それから時間も経ち、今ではナンでカレーを食べることもある。中村屋はインドカレーは昔ながらの骨つきチキンカリー、ビーフカレーは欧風、と相場が決まっている。他にもえびとホタテの海鮮カレー、薄切り牛肉と玉ねぎを煮込んだハヤシライスなど魅力的なメニューに悩む。



今日はビーフカレーにして見る。まずは生ビールで乾杯、カレーや薬味は良いつまみになる。少ししてカレー登場。黒っぽいはルーの中には大きな牛肉が2切れ、2山という方がいいかも。これを台地のようにうまく平たく丸く積まれたライスにかける。そしてルーとライスを一口、複雑だが、しっかり辛みもあり、香ばしいカレーが口に広がる。

次に肉を1つ取り、スプーンで解体、しっかりして脂身がない肉を少し砕いてライスとルーにあわせる。肉の繊維がしっかりしていて食べ応えがある。同じ作業をして食べ進め半分まであっと言う間に食べ終わる。このあたりから、薬味も食べる。

定番のらっきょう、酒悦製だろうと思われる福神漬、さらに玉ねぎのマリネに唐辛子かキムチ風味にしたもの、と3種が供せられるが、これはお代わり自由。酒悦の福神漬には甘口、辛口、オールドファッションなど幾つか種類があるが、これはオールドファッション(昔ながらの味)かな?これを食べつつ、残りのルーを慎重にライスにかける。

ルーが少し多いくらいあるのでルーだけ食べてビールをゴクリ。いやあ、美味い。食べるスピードをややゆっくりするように自らに言い聞かせてよく噛んで味わう。よく煮込んだルーは中々複雑な風味だが、急ぐスプーンを意図的にゆっくりさせて、完食。久しぶりだが、やはり美味かった。次回はインドカリーをナンで食べてみようかな。


中村屋渋谷店
渋谷東急東横店9階
0334774816

日本シリーズ2015展望

2015-10-24 05:00:55 | 日記

いよいよ、今年のプロ野球の総決算である日本シリーズが24日から福岡ヤフオクドームで開催される。しかし、今週もドラフト、セリーグ3球団の監督交代、さらには野球賭博に関する中間発表で巨人2選手の関与が発覚するなどいろいろなニュースが駆け巡り、あたかももうストーブリーグのようになってしまった。

これはCSのファイナルシリーズがワンサイドとなってしまい、盛り上がりに欠いたこと、さらに時間も空いてしまったことにもよる。

小生は10月9日のブログでCSの戦力分析並びに予想をしたが、勝利チームは1st ステージのロッテと巨人、ファイナルシリーズのヤクルトとソフトバンクは見事当たった訳だが、特にセリーグが巨人が1勝しかできないとは思わなかった。

それでは小生の日本シリーズの予想だが、ズバリ4勝1敗でソフトバンクが勝つのではないかと思う。CSファイナルシリーズはハンデがあるため、予想は比較的易しいが、日本シリーズはホーム&アウェーで戦うため比較的条件が同じである。ただ、比較的といったのはやはり開幕がヤフオクドームで出来る有利さがソフトバンクには大きい。また、いつものことだが、ポストシーズンは打線はあまりあてにならない。やはり、投手力がものを言う。

では投手力を比較するとヤクルトは先発で期待できるのは石川と小川の2人で規定投球回には彼らしか達していない。6勝を挙げた館山の老獪な投球も素晴らしいが、中々長いイニングは投げられない。後には石山、古野、杉浦などいるが、シーズンを通し活躍できず、さらに移籍で期待された成瀬、新垣は2軍暮らし、由規、村中は投球していないととにかく先発投手陣の層が薄い。

一方、ソフトバンクは13勝の武田、10勝のスタンリッジ、攝津、9勝の中田、バンデンバーグ、さらに大隣、寺原も先発できる。

抑えは両チームとも勝利の方程式があり、あまり差はないが、先発投手の差は如何ともしがたい。
打線はヤクルトは2番川端、3番山田、4番畠山、5番雄平、6番バレンティンと切れ目がないが、これはソフトバンクも3番柳田、4番内川、5番李のクリーンアップ、そのあとの6番松田、さらに前後を打つ明石や長谷川、今宮などその破壊力では引けをとらない。
この戦力を総合的に分析からすると最初の2試合で1勝1敗、あとはソフトバンクが連勝するのではないかと考えてしまう。

小生はあまりどちらの球団にも思い入れはないが、初めの2戦をヤクルトが取らない限り、接戦にならないような気がする。まあ、あくまで素人の予想ではあるが。楽しみな日本シリーズである。

とりを~下北沢グルメ

2015-10-23 05:00:00 | グルメ

下北沢にはなぜか博多風焼き鳥店が多い。駅南口にある『和楽互尊』、本多劇場近くの『陣太鼓(ずんでこ)』いずれも老舗である。しかし、最近は南口から歩いて5.6分のところにある『とりを』がお気に入り。

この店はTV番組で俳優の西岡徳馬(だったと思う)が紹介していたらしく、それを妻から聞いて初めて行ったが、すっかり気に入ってしまった。焼き鳥も美味いが、博多の居酒屋で食べて感動した料理がいろいろあるのが嬉しい。

店には6時少し前に到着、まだ先客は1組、まずは生ビールをお願いする。焼き鳥がズリ、バラ、カワと博多風、それにレバー、つくね、さがりの味噌を注文。さらに酢モツ、ゴマ鯖は定番である。

まずはお通し、枝豆の醤油漬け、ニンニクと鷹の爪が程よく効いている。そして、酢モツ、冷たくよく酢がきいていてついている柚子胡椒を添えると味が引き立つ。

焼き鳥は酢キャベツに乗ってさがりとつくね、タレ焼きから登場。さがりは味噌が程よく焦げて香ばしい。

ついでバラとカワ。バラは屋台の定番で、この店は幅は狭く、やや厚みがあるが脂肪が甘い。カワは裏の脂を刮げてあり、カリカリ、タレとの相性もいい。

すると程なくゴマ鯖が登場。1200円とやや高めだが、九州独特の甘目の醤油で和えた新鮮な鯖の刺身にゴマとミョウガ、大根のツマ、大葉、海苔が掛かり、わさびが添えられているが、これをよくかき混ぜて食べる。鯖は脂がよく乗り、生臭さなど微塵もなく、とにかくこれは美味い、焼酎のロック(赤霧島)をお願いするが、酒が進み過ぎる。また、焼酎も料理の器も小石原焼、焼酎の器は中が青く海のようだ。



その後、焼き鳥、焼酎を重ね、締めは五島うどん、透明なアゴダシに細めのうどん、かまぼこ、椎茸、揚げ玉、青ネギのシンプルなものだが、出汁が美味い。気がつくとほぼ満席、下北沢はややピークが遅いようである。



とりを下北沢店
世田谷区北沢2ー15ー4 B1
0357796649

東京の紛らわしい2通りの地名

2015-10-22 05:00:05 | 日記


東京だけではないかもしれないが、紛らわしい地名は数多くある。それらがよく気になって調べてみたくなる。
(1)千束と洗足
品川区、目黒区の地図を見ると不思議な位置関係に『千束』と『洗足』がある。南から行くと東急池上線の旗の台から2つ目の駅は『洗足池』。

そのほぼ真北に位置する東急大井町線の旗の台の次の駅は『北千束』、さらにその真北にある東急目黒線の駅は『洗足』と『せんぞく』の表記は入り乱れている。日蓮上人が味を洗った伝説が残る『洗足池』は『南千束』にある。なぜこんなに複雑なのか。

これは元あった地名は千束だが、江戸時代の頃より景勝地だった池に伝説を被せて『洗足池』の名前にしたことが真実なようで伝説をうまく取り入れて名前を売り出したため、2つの表記があるようだ。
一方、大田区南千束、北千束に対し、目黒区洗足は由来はどうなのか。1924年設立の平塚裁縫女学校が1926年にこの地に移転し、創設者の敬虔なるクリスチャンである前田若尾はイエスキリストが弟子の足を洗ったことにちなみ『洗足高等女学校』としたと学校側は説明している。(洗足池とは由来が異なる)

しかし、実際には東急が沿線開発の一環で洗足田園都市という名前で宅地販売を開始、そのため、駅の名前は『洗足』駅にしたようである。つまり、この洗足は少し離れているが、洗足池から付けられたものらしい。(学校説が正しいならば足を洗った人がキリストと日蓮上人の2つあることになるのだが。)

(2)多摩川と玉川
奥多摩を水源に最後は東京都と神奈川県の境を作り、東京湾に流れ込む多摩川だが、玉川と表記することもある。

例えばかつて東急が運行していた路面電車は玉川線、通称玉電が走っていたり、その通りは玉川通りだったり、現在は二子玉川となっているが、かつては二子玉川園という遊園地もあった。(同じ東急も東横線沿線にあった遊園地は多摩川園であった)

また、田園調布も世田谷区部分は玉川田園調布という地名である。

実は多摩川と玉川は両方が江戸時代からある呼び名であり、元々は上流の丹波川(たんばがわ)が転じて多摩川になったと言われる。その美称として『玉川』が使われ、江戸の飲料水を供給するため、開削された上水を『玉川上水』と命名した。

玉川を冠する地名は現在の世田谷区南部に多く見られるが、これは明治時代には『玉川村』があったことによる。つまり、二子玉川もまさにここに起源がある。

さらにややこしいのは『多磨霊園』の多磨である。これな府中市の一角はかつて『多磨村』があったことによるもので既に使われていた多摩と混同されないため、多磨の字を使っていたが、その多磨村も1954年には府中市に合併され、自治体としての多磨村は消滅している。

(3)神代と深大寺
府中市の隣、調布市にある深大寺は東京では浅草寺に次ぐ歴史を持つ古刹である。しかし、行ってみるとわかるが、近くにある都立の植物園は『神代』植物園である。なぜ、わざわざ違う字を使うのか、実は、ここも歴史的な地名の変遷が絡んでいる。

江戸時代はこの周辺の地名は『深大寺村』であった。しかし、1889年に周囲の旧佐須村、柴崎村と合併する際に『深大』を使うのでは不公平という周りの村の意見もあり、『神代村』となった。そして、大戦前夜の1940年に防火緑地(26万平米)がこの地に作られ、当時の行政区の名前から『神代緑地』と名付けられた。戦後、一部の土地は収用した農地に返されたが、残った土地で1963年東京都により『神代植物公園』が作られた。つまり神代緑地の名を残したものなのである。

一方、1955年に調布市と神代町は合併しており、この時点神代の地名はなくなっていたのだが。こうした経緯からお寺は深大寺、植物園は神代植物園としてその名を残しているのである。
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とこうして調べてみるとその経緯は面白いことがわかる。地名は変遷し、さらに自治体の名前としては消えても駅名や学校、公園、池の名前などとしては残るため、なぜ2通りの書き方があるのかが、分からなくなってしまうもののようだ。地名は調べてみると面白い発見がある。