hokutoのきまぐれ散歩

ブログも11年目、遂に3900日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

『幼気ない』を読めますか?

2022-10-31 05:00:00 | 日記
『改めて日本語を考える』その38。まずは冒頭の質問わかりましたか?これで『いたいけない』と読みます。意味はなんとなく分かると思いますが、今回注目したのは最後の2文字、『ない』というところ。普通に聴くとそれならば『いたいけ』が『ない』という意味となってしまいそうですが、実はそうではありません。

◯◯ないという形容詞が結構ある。例えば『いたいけない』『せつない』『あどけない』『こよない』『しがない』『はしたない』『せわしない』などである。しかし、これらの形容詞は『ない』=『無い』とは違う。

一方で『いくじない』『かぎりない』『あじけない』『そっけない』などは漢字にすると『無い』と書けるものもある。後者は漢字で書くと『意気地無い』『限り無い』『味気無い』『素っ気無い』となり、『意気地が無い』も間に『が』を入れると意味がはっきりする。

(意気地が無い)

つまり、前者の『ない』は強調する場合の『ない』であり、後者のような有る無しの『ない』とは異なる。

『いたいけ』は子供など痛々しく、いじらしい様を表すものだが、次の使われ方のうちどれが正しい使い方なのかご存じであろうか。①『いたいけない』②『いたいけ』③『いたいけな』の3つである。
答えを明かすと実はこのいずれもが今は正しい使い方。漢字で書いた場合は『幼気』となり、『いたいけ』は正しい。また、先ほどの『ない』の使い方は否定ではなく強調であるため、『いたいけない』はさらに強調した表現となる。『いたいけな』は形容詞の活用で連体形(だろ、だつ、で、に、だ、だ、ならと活用する)だから問題ないのである。散見されるが、『いたいけない』を『いたいけ』でない、つまり可愛くないという意味で使うのは誤りであることは言うまでもない。

ただ、これは『いたいけ』に限った使い方であり、他の『せつない』『あどけない』などを同様に使うことはないのである。法則があるようでない、こうした点が日本語をより難しくしているようであり、面白い点でもある。やはり日本語は難しい。

魚新〜日本橋ランチグルメ

2022-10-30 05:00:00 | グルメ
日本橋でランチとなることが増えた。穴場や名店も行き尽くした上に12時を過ぎたことから中々思い浮かばない。やむなくCOREDO日本橋4階の食堂街にある平田牧場でトンカツでもと行くが、やはり列ができている。時間もないので諦めると向かい側の天ぷら屋には列がない。

少し高いのは承知で中に入る。カウンターに案内され、メニューを見ると天丼は1320円、目の前で板前さんが揚げてくれるのならやむなしとお願いする。一方で天ぷら定食もうまそうだが、1760円は予算オーバーと諦めた。

よく見るとカウンターと向こうにある水槽では車海老が泳いでいる。どうもちゃんとした店のようだ。



私と同じような人が多いみたいで、1番安い天丼が人気がある。さらに幾つも同時に作るから意外に早く到着。タネは海老が2本、野菜は玉ねぎ、かぼちゃ、茄子。
まずはかぼちゃ、薄く切ってあり、カリッと揚がっている。全体に丼ツユは少なめだが、あまり濃い味でもないためか、追いがけできるように別の容器に入って出てくるのが嬉しい。

次はやはり海老、揚げたての海老天。特に天ぷら屋の海老は身が甘く、美味い。もちろん尻尾まで美味しく頂く。

玉ねぎは貧乏性なのかもしれないが、私はかき揚げの方が好きである。横に切った厚めの玉ねぎはやや生っぽい感じがしてしまう。茄子は大好きな野菜、油との相性はサツマイモと並んでベストである。



添えられているしじみの味噌汁が嬉しい。子供の頃の癖なのか、貝類の味噌汁はどうしても身を食べないと気が済まない。

さらに漬物の水菜と昆布の佃煮も美味しくいただきました。ご馳走さまです。
魚新
COREDO日本橋4階
05055897063

昭和43年10月号時刻表(復刻版)を眺めて④

2022-10-29 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その173。昭和43年10月号の時刻表④。暇に任せて時刻表を見比べると色々面白いものを発見する。

当時1番短い路線であったのは徳島県の小松島線(中田〜小松島〜小松島港仮乗降場)である。元は地元の船舶会社が敷設した軽便鉄道で1913年に国有化された。全体では2.2kmだが、小松島〜小松島港は仮駅のため、規則上営業距離に入れず計算するため1.8kmしかない。

このため、例えば高松〜小松島港まで行く場合も小松島までの距離計算で運賃は計算した。そこで気になるのが小松島〜小松島港を乗車した時の運賃、これは未だに謎のままである。

後ろのページには全国の私鉄が乗っているが、全て網羅されているわけではなく、まだ残っていた北海道の植民鉄道もなぜか歌登町営鉄道のみが掲載されていた。多分、幌延町営鉄道、標茶町営鉄道、浜中町営鉄道、別海村営鉄道は走っていたはずなのだが。

掲載されていた小頓別〜歌登〜志美宇丹だけではなく、小頓別〜枝幸、歌登〜志美宇丹、歌登〜本幌別が運行されていた。



さらに面白いのは歌登〜志美宇丹は12.8kmしかないのにこれを4時間50分もかけて走っていること、つまり時速2.7km/hと人が歩くより遅いのである。こんなのんびりしたてかは本当にあったのだろうか。
こんな幻のような鉄道も使われたディーゼル車は歌登町営うたのぼり健康回復村に残されている。



もう少しゴージャスな臨時列車を一つ。最近の新婚旅行は海外、例えばハワイなどに行くのが定番だろうが、昭和43年当時は九州、宮崎に行くというのがステイタスだった。このブームにあやかったような臨時列車が京都1937発宮崎行き急行ことぶきである。10月の大安の日に運行、全車一等、2等寝台車かつ全車指定。翌日1430に宮崎に到着する。編成は臨時列車のため記載がないが、食堂車も併結しており、特別な列車だったのであろう。

その後は食堂車はなくなったのだが、昭和48年秋までは運転された模様。なお、ベッド🛌の下にBと書かれたマークは全国発売ではなく、始発駅と主な停車駅、交通公社等が発売する指定券の意味である。当時はことぶき周遊券もあり、新婚旅行の主役も鉄道だったのだろう。入場券10枚付きと言うことは駅までみんなで送りに行ったのかもしれない。






鶏と海と食堂〜日本橋ランチグルメ

2022-10-28 05:00:00 | グルメ
ランチの穴場を日頃から探しているが、中々見つけられない。穴場の定義という程ではないが、①比較的空いていて12時過ぎでも席が確保できる、②料理の味がいい、③店の雰囲気がいい、④値段がリーズナブル、⑤便利な立地である、と言った条件が整ったお店ならば穴場と言ってもいい。

中央通りを三越本店からCOREDO室町テラスに向かって歩くと野村コンファレンスの2つ先のビルに地下に降りていく階段が現れる。店の名前は『鶏や海と食堂』とどこで区切ればよいか分からない名前。店に置いてある名刺を見ると『海と(カイト)食堂』とある。

ランチのメニューは鶏(山形さくらんぼ地鶏)の唐揚げ・照り焼き・油淋鶏、トンカツ、豚の生姜焼き、天丼(蕎麦付き)は800円、海鮮丼のみ1200円と比較的リーズナブルである。

通されたのが白木のカウンター、中には板前さんもいる。すぐにお茶とおしぼりを仲居さんが持って来てくれる。注文は悩んだが、さくらんぼ地鶏に惹かれて『鶏唐揚げ定食』にする。
同じカウンターには先客が1名、私と同じ鶏唐揚げを食べているようだ。まさに割烹のカウンター、面白いのは注文は奥の厨房に伝え、板さんは手持ち無沙汰のようでしきりにうろうろしている。

7、8分待つと注文の品が到着。お盆の上に乗っていたのは鶏の唐揚げ、大きめの肉片が5つ、ごはん、お味噌汁、小鉢は茄子の煮物、冷たい茶碗蒸し、漬物と揃っている。
鶏の唐揚げにはちゃんとマヨネーズも付いていて見るからにカリッと揚がっている。

一つ齧ると中からジュワっと肉汁、さくらんぼ地鶏は美味い。しかも5つあってもマヨネーズなどを付けると味変して食が進んでいけない。外はカリッと、中はふんわりがやはり一番旨い。



冷たい茶碗蒸しは具はないけどしっかりと出汁を感じる味つけ。茄子の煮付けもいい。

漬物は大根の味噌漬、一品ごとに味が工夫されている。味噌汁はワカメであった。
夜は懐石もできるという。落ち着いて人と話をしながら飯を食うにもいい。鶏が名物ですかと聞くと店の人はお魚も得意なんです。海鮮丼も美味しいですよと言われてしまった。一等地でこの価格、この量、この雰囲気、この味と揃った名店である。ご馳走さまでした。

鶏と海と食堂
中央区日本橋室町3ー3ー3
0332417339

久我山歳時記⑰〜キンモクセイとギンモクセイ

2022-10-27 05:00:00 | 日記
私が通勤路で香りに気がつく花は春はジャスミン、秋はキンモクセイであろう。2014年の秋に書いたブログには駅までの道すがらキンモクセイの木が8本と書いたのだが、新しく立った住宅や老健施設などの外構には常にキンモクセイが植えられたようで倍増している。まだまだ幼木ながら、一人前に黄色い花をみることができる。

これだけ多いのであれば、どの木が最も香るのかを比較してみると花の咲き方は木により早いもの、遅いもの、一度散らしたが2度目に咲くものと色々ある。木自体は5mほどにもなり、その表皮が動物の犀の肌に似ているため、『金木犀』の中に犀という字が入っているのだが、花の咲くときにしか気に留めないため、幹を見た記憶がない。



幼木の花はほんの少ししか咲いていないため、側に寄って香りを嗅がない限り匂わないが、大きな木の場合は近くを通ると風の悪戯か甘い良い香りがする。この香りで秋を感じるのだが、実は『四季咲き』『春秋咲き』もあるので意外な季節に香りを楽しむこともできる。

日本人お得意の三大〇〇の中に3大香木というのがあるが、金木犀のほかは沈丁花(ジンチョウゲ)、梔子(クチナシ)なのだそうだ。ということは秋に香るのは金木犀のみということになる。



キンモクセイの原種とも言われているのが『ギンモクセイ』である。高さは同じ位だが、花が咲く時期は少し遅く、花の色は白色。香りは金木犀ほどは強くない。また、葉はヒイラギのように棘がある。通勤路のキンモクセイのお隣に植えてあるギンモクセイもようやく花を付けたが、花の位置が高すぎて香りが確かめられないのが残念なところ。

(手前がキンモクセイ、向かう側がギンモクセイ)




また、通勤路ではないが、事務所の隣にある公園には大きな金木犀の木があり、今ほぼ満開。木が大きいだけではなく、付く花の数も多い。近くのベンチに座っていると甘い香りに包まれ、気分を落ち着ける場所なのである。




千吉〜小伝馬町ランチグルメ

2022-10-26 05:00:00 | グルメ
カレーうどんのチェーン店『千吉』の前を通ったらカレーチャンポンを季節限定でやっているポスターが貼ってあった。私はカレー麺はうどん派ではなく、蕎麦派のため最近はとんとカレーうどんは食べていない。しかし、『チャンポン』と付くと全くちがう。あまり気にもせず入店した。

大して混雑もしてないだろうと高を括っていたが、中に入ると沢山のお客様。ようやくカウンターに一つ空いていた席に座る。いちおうメニューを見るが、やはりカレーチャンポンうどん(890円)が良さそうである。

ただ、派生系として『辛吉チャンポンカレーうどん』(990円)、『イタリアンチャンポンカレーうどん』(990円)もある。ただ、辛味は一味があるし、トマト風味は好みではないのでデフォルトにした。
ここで聞かれたのが、麺の種類。『全粒粉麺』にも変更可能とのこと。全粒粉の方が色は浅黒いが細く、柔らかいとのこと。あまり考えもせず、普通の麺にした。

注文した後もお客様は絶えずやってきてすぐに満席、それでも店の外に列を成して待っているのである。

紙エプロンをした時にカレーチャンポンうどんが到着。中々のボリューム、確かにキャベツ、ニンジン、玉ねぎ、もやしなど野菜がたっぷり。豚バラ肉、イカ、海老に混じって長崎名物のピンクの蒲鉾も入っていた。まずはスープ、カレーが勝った味付け、胡麻油の香りがいい。

次に麺、腰のある太めのうどん、喉越しはいいが何か違う。普段からチャンポンを食べつけているので麺に味が滲みているのだが、今日はソレガナイ。やはり、コシは強すぎるし、物足りない。



ただ、メニューをよく見ると『カレーチャンポンうどん』、つまりうどんメニューなのである。ただ、全粒粉にしておけば少し結果は違ったかもしれないが。野菜がシャキシャキしていて食べ応えはあるし、肉や蒲鉾もたっぷり入って申し分なし。

途中で一味を2匙、味が締まり、この味変も正解。それなりに美味しくいただきました。次はチャンポン専門店のカレー風味を食べてみたいものである。ご馳走さまでした。

千吉 小伝馬町店
中央区日本橋小伝馬町2ー5
0362062993

昭和43年10月号時刻表(復刻版)を眺めて③〜国鉄航路

2022-10-25 05:00:00 | 鉄道
『鉄道シリーズ』その172。昭和43年10月号の時刻表③。国鉄バスを取り上げたならば国鉄航路にも触れておきたくなる。現在もJRが経営している航路は広島県の宮島口〜宮島のJR西日本航路1つのみであるが、当時は数多くの航路があった。

北から青函連絡船(青森〜函館)、宇高連絡船(宇野〜高松)、大島連絡船(大島〜小松港)、宮島連絡船、仁堀連絡船(仁方〜堀江)の5つである。

青函連絡船は石川さゆりの『津軽海峡冬景色』にも出てくる有名な航路。1954年9月に発生した洞爺丸事故で1155人もの人命が失われて、その後の青函トンネル建設に繋がったことは有名である。

函館〜青森を4時間余りで結んでいたが、青函トンネルが開通すると廃止された。

宇高連絡船も宇野〜高松を結んでおり、甲板で味わう讃岐うどんが美味いのでも有名だったが、こちらも瀬戸大橋開通により廃止され、代わりに瀬戸大橋線が開通した。
大島連絡船は広島県西部にある周防大島と本土を結ぶ県営連絡船を国鉄が引き継いだものであり、周防大島橋開通と共に廃止されたのである。

これらは有名だが、あまり知られていない中ひっそりとなくなったのが仁方〜堀江を結んでいた仁堀航路である。宇高連絡船の陰で場所的には松山〜呉を結んでいた西側の本四連絡の手段であった。私が大学3年生(1981年)の時に四国周遊券を使って旅行をした時も行きは宇高連絡船で四国に渡った。高松、琴平、松山、宇和島、大洲、内子などを旅行して本州に戻る際に仁堀航路を利用した。当時の時刻表を見ても宇野〜高松が片道15便、大島航路が36便、宮島航路が37便ある中で仁堀航路は片道僅か3便しかなかった。

さらに仁方は呉線で呉から3駅岡山寄り(但し、急行は停車)、堀江は予算本線で松山より3つ今治寄り、こちらは各駅停車しか停まらない小さな駅である。



当時、私は大洲から各駅停車を使い、堀江駅で下車した。既に堀江駅は無人駅であり、聞く駅員とおらず、波止場の場所がよく分からないためか10分以上は歩いた気がする。波止場では周遊券を見せて連絡船に乗ったのだが、船の覚えはスタンプがなかったことだけ。確かに小さな船ではあったが。(たぶん1975年に新造された瀬戸丸399t。)

1時間40分の船の旅は楽しかったが、対岸の本州も同じように寂れていた。仁方桟橋から仁方駅まではかなり遠く、重い荷物を担ぎながら何とか辿り着いたのである。ただ、不便ということは認識していたようで呉線坂駅近くにあった坂町YHに宿泊したことは間違いない。坂町駅を降りた後も坂町という位で長い坂道を歩かされたからである。

実はその1年後の1982年7月に仁堀航路はあまり取り上げられることもなく、廃止されてしまった。今はない4航路のうち橋の完成などではなく、赤字で廃止されたのは仁堀航路のみである。

しかし、この航路がなければ1979年10月に出版された宮脇俊三氏の名著『最長片道切符の旅』で四国には入れなかったはずである。

生駒軒(再訪)〜人形町ランチグルメ

2022-10-24 05:00:00 | グルメ
今日は朝から昼飯はチャーハンを食べることは決めていた。しかし、ガッツリ系の油の多いチャーハンはよる年波か、あまり食指が動かない。例えば人形町の町中華の代表格である『六さん』や『菊水軒』のチャーハンでは脂っこい。そこで色々と考え、甘酒横丁にある『生駒軒』を思い出した。

この店は中々ユニークなお店でグルメサイトを見ると営業時間は1145〜1530と書いてあるが、12時5分過ぎまで必ず『準備中』の札が下がっている。時には開店前に列ができていることすらある。



この日は少し遅く1時前に店に入るが、各テーブルには4人掛けに1〜2人、2人掛けには1人は座っている。それでも1つ空いた席を見つけて席に付き、お姉さんが水を持って来てくれると『チャーハン』(800円)をお願いする。

注文を待っているのは私と向かい側にあるボックス席に座る2人のみ。すぐに中華鍋を振る音が聞こえてきた。するとその2人(男女1名)のところにまずはラーメンが運ばれて『ラーメンセットのラーメンです』と置く。すぐに男が食べ始めるが、次にチャーハンが2つ、1つは大盛、1つは半チャーハン。大盛は男の前、半チャーハンは女性の前でこれにも手を付けている。次いで私のチャーハンも到着。

まず、チャーハンを見ると色は濃くない。具材は玉子、ネギ、カニ、チャーシュー、海老などである。パラパラとしていて口の中でほろりと解けていく。

しかし、脂っこさはあまり感じられない。いわゆる街中華とは思えないサラリとしたチャーハンの完成度の高さを感じる。海老とカニは最後に載せてあり、これを崩しながら頂く。



添えられたスープはいわゆるラーメンスープだが、これが熱い。スープは至って普通の味だが、チャーハンの合間に頂くとちょうど良い濃さであった。
ところで先ほどのカップルはさらに中華丼が一皿、これは2人で別皿に盛り、分けていた。いや、よく食べる人だなあと感心した。

さすがに生駒軒の総本山、美味しいチャーハンでした。ご馳走さまです。
生駒軒
中央区日本橋人形町2ー3ー4
0336661633

昭和43年10月号時刻表(復刻版)を眺めて②

2022-10-23 05:00:00 | バス
『鉄道シリーズ』その171。この企画の3回前同様、先日購入した復刻版の時刻表昭和43年10月号に関する第2弾。今回は鉄道ではなく、国鉄バスに触れてみる。国鉄バスは日本国有鉄道自動車局が運営していた旅客並びに貨物輸送のことを指す。目的は①鉄道予定線の先行、②鉄道線の代行、③鉄道線の培養、④鉄道線の短絡である。但し、昭和62年4月に行われた国鉄分割民営化により、新設された各新会社に引き継がれた。

近年、TV東京を中心に『路線バスの旅』のような番組が増えてきた。その中でよく話題になるのが、バスの長距離路線の廃止、特に県境を挟む場合には縮小されたり、廃止されたりしている。

しかし、まだ当時(昭和43年10月)にはとても考えられないような長距離、しかも県境を越える路線は国鉄バスがその役割を担っていた。
今の時刻表にもバス路線は掲載されているが、この時代は『ー』は民間バス、『=』は国鉄バスと区別されていた。

まずは省営バスとして昭和5年に岡崎・多治見間に登場した岡多線から。その後、岡崎〜新豊田が国鉄岡多線として開業、1988年に愛知環状鉄道に移管され、新豊田〜高蔵寺を延長開業している。このため、その後徐々に廃止され、2021年には完全に瀬戸市からJR東海バスはなくなっている。昭和43年当時はまだ岡多線も開業しておらず、岡崎〜瀬戸追分、多治見〜瀬戸追分〜高蔵寺などのルートの営業が行われていた。

調べると名古屋〜明知(国鉄明知線終着駅)や浜松〜岡崎、名古屋〜多治見など長い路線が多数確認できる。



他にも中国地方では岩益線(広島〜岩国〜益田)防長線(防府〜東萩、防府〜秋芳洞〜厚狭)。

四国地方では北四国急行線(高知〜川之江〜松山)松山・高知急行線(松山〜高知)、関東地方では水郡東西線(水戸〜宇都宮)、南筑波線(土浦〜古河)、北海道地方では日勝線(様似〜帯広、様似〜広尾)空知線(札幌〜美唄)など長大路線、県境跨ぎの路線が数多くあった。



ただ、全てが廃止された訳ではない。今もあるのは東北地方の平庭高原線(盛岡〜久慈駅)当時は4時間28分・680円だったが、現在は2時間42分・2920円と変わってはいるが。他にも盛岡〜岩泉(現在は龍泉洞)、白棚線(白河〜棚倉)などはかろうじて残されているが。



鉄道も過疎化などで大幅に廃止されてしまったが、国鉄バスも国鉄民営化後、大幅に縮小されてしまったのである。




RAGOUT(ラグー)〜人形町ランチグルメ

2022-10-22 05:00:00 | グルメ
新たにまた一軒、人形町の洋食屋を発掘、早速ランチを食べに行く。場所は水天宮の裏、首都高速の浜町出口に上がるアプローチ道路が目の前に見えるところにある。

お店の名前は『RAGOUT』、フランス語で煮込み料理、シチューのことである。比較的広い店でランチは人気がある。目の前の窓際の席には品の良い老婦人と紳士、ナイフとフォークがよく似合う。



メニューはカレーやピラフ、定番のハンバーグやエビフライ、オムライス、スパゲッティミートソース、これらの組み合わせなど主なメニューは全てある。ややリーズナブルなのは日替わり定食、この日は豚の竜田揚であった。悩んだが、先ほどの老婦人が選択していた『ハンバーグとカニクリームコロッケの定食』(1300円)にしてみる。というのは大きめのカニクリームコロッケから蟹の爪が突き出していたからである。


すぐにミニサラダとカップスープが登場。ドレッシングはフレンチとサウザンがテーブルにある。私はサウザンにするが酸っぱさがあまりなく、まろやかで食べやすい。

カップスープはオニオンスープ、黒胡椒を挽いて頂くが、まずは温度が高くて驚いた。しかし、まったりした味付けは中々いい。

少し待つと料理が到着。ハンバーグにはドミグラ、カニクリームコロッケにはトマトソース、さらにスパゲティが付け合わせに付いている。まずはハンバーグをナイフで切って一口。焼きたてで熱いがしっかりと煮込んだドミグラソースが肉肉しいハンバーグとよくマッチしている。

次にスパゲティを頂くが、玉ねぎだけと炒めたもの。微かに香る洋酒の香り、もちろんドミグラにも付けて頂く。

お待ちかねのカニクリームコロッケ、真ん中には大きな蟹爪が入っていてまずはこれからガブリと齧り付く。蟹爪を食べるのも久しぶり、周りのベシャメルと控えめな味付けのトマトソースがよく合っていてうまい。

町の洋食屋さんというより、はるかにちゃんとしたレストランであった。ただ、12時を過ぎると続々と常連さんたちがやってきて日替わり定食と決めているようで、ライスにはちゃんと箸をもらって食べていた。
こうしたほのぼのとしたところもまたいい。ご馳走さまでした。



RAGOUT
中央区日本橋蛎殻町2ー16ー9
0336636740