その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

年満月(としみつづき)

2007年12月05日 | Weblog

 

待ちきれぬほどに愛して散る銀杏

(まちきれぬほどにあいしてちるいちょう)

 

雨音のリズムがかはり銀杏散る

(あまおとのりずむがかはりいちょうちる)

 

 

年満月(としみつづき)

 

***

 

散歩の途中で

 

急に雨が降ってきた

 

大降りではないけれど

 

濡れてしまうくらいの雨ですから

 

走って帰ることに

 

走ることの苦手なきみは

 

なかなか走ってくれない

 

そうだ・・こういうときは

 

おだてるに限る

 

ねぇえ~~

 

将来の先生!

 

すると きみは

 

怪訝な顔をする

 

きみの口癖は

 

パパと同じ

 

お医者さんになると・・

 

頼もしい限り~~

 

十二月はね・・ぇ

 

師走といって

 

師(先生)も走るんだよ・・

 

走り回るほど忙しいから

 

そう言う様になったんだって・・

 

だから将来の先生も

 

いまから走る練習しなくっちゃぁあね

 

それ走れっ・・走れっ・・

 

やったぁあ・・きみは全速力

 

やっぱりきみは素敵な先生になれるぞっ

 

・・・・

 

***

 

満ちてゆくこの一年

みなさんご存知のように

十二月になると

師(お坊さん)も走り回るから「師走」

でもこれは

江戸時代にこじつけられた俗説のようです

「師走」という漢字は当て字で

万葉の時代から「十二月」とかいて

「しはす」と読ませていたそうです

その語源はさまざまな説があって

「し」の方は

仕事 為す事 年 四季など

「はす」の方は

ほとんど「果つる」と解釈しているようです

走るにしても 果つるにしても

あわただしいことには変わりありません

十二月の異称の中に

年満月(としみつづき)というのがあります

年が終わるのではなく

さまざまな思いであなたの一年が

満ちてゆくと思ってみてはいかがでしょう

一年の締めくくりの月を

満ち足りた思いで過ごせますように

山下景子著「美人の日本語」より