かぎろひ
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今日は友達の話を~
彼女いわく
「いけない」と思いつつ
彼の携帯メールを見てしまった
彼がもっとも頻繁に
やり取りをしている相手は
彼女のもっとも親しい友だった
頭にカァ~と血が上り
彼の送ったメールを見たら
なんと
彼女のための
サプライズバースデーの
打ち合わせだった
・・・・
「ごめんなさい・・・」
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この話を聞いて・・
なんとも
むなしい気がしてしまった
感動を与えるのも受けるのも
自然が一番だね
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果てしなく受け継ぐ感動
~東(ひんがし)の 野にかぎろひの 立つ見えて
かへりみすれば 月西渡(かたぶ)きぬ~
万葉集(柿本人麻呂)
かぎろひは
二ので一時間前に見られる
最初の陽光といわれ
よく晴れた寒さの厳しい日にしか
見られない現象だそうです
陽炎(かげろう)の語源とも言われるかぎろひですが
もとは かぎる火
つまり
ちらちら光る火という意味です
柿本人麻呂が詠んだかぎろひは
やはり
日の出前の光のほうがふさわしいですね
毎年
この歌が詠まれた
旧暦11月17日に
この歌が詠まれた「阿騎野(あきの)の丘」で
「かぎろひを見る会」が催されるそうです
千三百年以上前の歌
風景 そして感動を今なお
受け継いでいるなんて
何と壮大なロマンなのでしょう
いつまでも伝えて生きたい宝物ですね
(山下景子著「美しい日本語」より)