労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

タクシーの運賃改定が全国的に進んでおり、運転者の賃金の改善につながっている

2023-06-23 | 書記長社労士 公共交通

 タクシー運賃の改定が全国的に進んでいる。
2020年2月に、当時、全国で98ある運賃ブロックのうち48の運賃ブロックで運賃改定があったが、それ以降の大きな運賃値上げの動きだ。
2021年度以降で見ると、6月20日の時点で、現在、全国101ある運賃ブロックのうち、運賃改定実施または実施日・改定率が決定している地域が46地域(再度の運賃改定を申請している栃木県地区・宮城県B地区・福岡県A地区を含む)。
申請受付中・要否判定中・改定率審査中の地域が48地域(再度の運賃改定を申請している栃木県地区・宮城県B地区・福岡県A地区を含む、申請率が車輛数の7割に未達で手続きがストップした旭川A地区・北見B地区も含む)となっている。

 タクシー産業では、タクシーの運転者数は前年の240,494人よりも18,645人減少し221,849人(2022年・国交省調べ)となっている。
直近でもっとも多かった2005年の381,943人から16万人減少しており、感染症の3年間で4万人が業界から去っていったことが運転者不足に拍車を掛けた。
したがって、人材不足を補うために運転者の賃金や労働条件の向上が必要であり、また昨今の燃料費と車両や部品などの調達コストの高騰、キャッシュレス決済の導入などサービスの高度化などの費用もあって、運賃の改定が必須であるという背景がある。
すでに運賃改定が実施された地域では、運転者の賃金が大幅に上がっているという報告が多数寄せられている。(運転者不足によってタクシー車両の稼働不足があって、動いている車がすごく忙しくなっているということもあるが)


 昨年11月14日に14.24%の運賃改定をおこなった東京特別区・武蔵野三鷹地区では、今年4月のタクシー1両あたりの売上が63,187円(東京ハイヤータクシー協会集計)とのこと。
一昼夜通し勤務で月間12労働だとすると、月間営業収入は75万8244円。
多くの事業者が採用しているオール歩合賃金で、仮に55%の歩合率だとすると、支給総額は41万7000円となる。
この東タク協集計の売上は、稼働全車両の総売り上げを総稼働台数で単純に割ったものであり、実際の勤務形態で短時間勤務の人などの分も入った平均ということになるので、実際には1日10万円以上の売上を揚げてくる運転者も多くあり、東京ではタクシーで年収1千万円という人も多くなる状況になってきている。

 国土交通省もこの運賃改定には積極的に取り組んでいて、以前は一番最初に運賃改定申請会社が当該地区に出た場合、3か月の受付期間が到達しないと、次のステップ(運賃改定の要否判定)に進まなかったが、昨年12月に運賃料金の認可の処理方針を改定し、申請率が7割以上となった場合に、3ヶ月の期間の到来を待たずに直ちに運賃改定手続を開始することとした。
また、タクシー運転者を確保し、タクシー事業者が持続的かつ安定的な経営を行っていくため、引き続きスピード感のある運賃改定を進めていく。現在進行中の一連の運賃改定をやり遂げるとともに、運賃ブロックの統合により更なる運賃改定の迅速化、改定周期の短縮化を実現していく、とし、現在、検討が行われている。

 ちなみに未申請の地域は、札幌E地区(北海道余市町・ニセコ町など)、島しょ地区(東京都大島など)、小田原地区(神奈川県小田原市など)、山梨県A地区(甲府市など)、京都北部地区(綾部市・福知山市など)、島根県本土地区(隠岐地区除く全域)、島根県隠岐地区(隠岐郡)、高知県郡部地区(高知市域除く全域)、奄美地区(鹿児島県奄美市など)の9地区で、奄美は1993年10月以来、島しょ地区は1996年9月以来、運賃改定を行っていない。


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【メモ】私鉄総連交通政策フォーラム2023の基調講演 地域公共交通の「リ・デザイン」鶴田浩久国土交通省公共交通・物流政策審議官

2023-05-26 | 書記長社労士 公共交通

【26 💪4-25 LiFETiCK BenchPress70kg WideGripBenchPress50kg Dip DFry18kg SitUp】 2023年5月10日、交通政策フォーラム2023の基調講演「地域公共交通のリ・デザイン」について、鶴田浩久国土交通省公共交通・物流政策審議官は、改正地活化法の法案審議の際には森屋議員に鋭く前向きなご意見をいただいたことを紹介し、また徳島の交通事情と公共交通政策について紹介し講演に入った。
以下、かいつまんでの自分のメモを残しておく。



1.現在
 地域公共交通の現状 利用者数は30年で2割減ったり(鉄道)、5割減ったり(路線バス)は、何も手を講じないと、消滅してしまう。
さらにコロナによる輸送量の減少、地域公共交通はコロナ以前から赤字構造になりコロナ禍で一層の悪化。
一方で、トラックや製造業全体の収支率はコロナ前後で変動がなく、100%程度を保っている。
高齢者の運転による死亡事故件数の割合は増加し、運転免許の自主返納の件数も増加しており、これにも対応していかなくてはならない。
運転手不足の深刻化し、若年者が就業を敬遠している現状。



2.過去
 自動車保有台数の推移・高速道路の拡充・人口の全国的な移動(人口移動期・人口移動均衡期)、中心市街地の変化(ロードサイド型店舗の増加)
地域住民から見ると、若年層「趣味・娯楽など楽しめる場所がない」・高齢層「公共交通が減り自動車が運転できないと生活できない」➡明日は我が身?
来訪者から見ると「公共交通の便」が不満(観光視点等パラメータ調査(交通手段について)



3.未来(1)社会の視点
 人口の推移は急激な変化だが、人数は伸び盛りの時代(明治)と同じ
年齢構成の推移を見ると、これからの活力は非日常(通勤とか通学に応えると言うよりもそれ以外の活動)・退職後がカギとなる。
これからは人口の低密度かと偏在化が進む(規模の小さい市町村ほど減少が進む)➡サービスと雇用が消失していく。➡奥戸形成計画に向けた議論(このままでは30万人都市圏が消える松江市・米子市をネットワークにより30万人都市圏を維持。=コンパクト+ネットワーク)
地方における経済的豊かさ(三大都市圏以外の方が「可処分所得-基礎支出」は地方部は高く東京は低い、「基礎支出」も東京は高く地方部は低い、これに通勤時間を加味してみると東京は貧しくなる)



4.未来(2)交通の視点
 人口=利用者数ではない➡20代の移動回数は年々減少し70代と逆転、海外においても20代の移動回数は減少傾向
観光のポテンシャル➡消費額ベースの伸びしろ(定住人口の減少を観光で補える)
観光客の交通消費➡観光で動くことで交通費が使われる。
観光人口のポテンシャル、訪日外国人=観光7割・ビジネス1割強(英国は2割)・知人親戚訪問1割、日本人国内旅行6割・2割強・1割強(1200万人)
地域経済循環



5.地域公共交通の「リ・デザイン」
 法制度の変遷 戦後(増大する需要に対応した交通サービスの安定供給を確保、交通事業者の独占と内部補助)➡1980年代~(競争を通じた効率的・多様なサービスの提供を促進、国鉄などの国有企業の民営化と需給調整規制の廃止等)➡2000年代~(地域公共交通については地域交通法の制定・改正により各自治体を中心に「望ましい交通ネットワーク」を追求) ※地域公共交通活性化再生法を地域交通法と呼んでいきたい
令和5年 地域交通法の改正
◎地域の関係者の連携と協働の促進
◎ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設➡鉄道の維持・高度化、バス等への転換
◎バス・タクシー等の「エリア一括協定運航事業」の創設
◎バス・タクシー等の「交通DX・GX」を推進する事業の創設
◎鉄道・タクシーにおける協議運賃制度の創設
地域公共交通関係予算の推移 H25~R2平均365億円➡R3R4平均740億円➡R5=1284億円
「対応の方向性」
〇地域における協議会や計画の実効性強化が必要
〇交通を地域経営の一環として捉える視点が重要
〇採算性・利便性の向上に繋げる新技術が活用可能
 ⬇
地域公共交通を「共創」で「リ・デザイン」し、対症療法だけでない体質改善を進め、高齢化等に伴う地域課題を解決
 ⬇
〇社会における交通の価値等についての整理(夏までに)
〇アウトカム指標を検討(年内目途)
「さらなる課題」
〇交通不便地域における改善策(直ちに検討開始)➡ラストワンモビリティ
〇地域の公共サービスの一体的運営(規模・範囲の経済)
〇施策立案の前提をなるデータの収集・利用
〇公共交通の位置付け(ユニバーサルサービス等)
〇安定的財源の確保

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阿佐海岸鉄道のDMV!「世界初に乗ろう!」ってことで乗ってきた!

2023-05-16 | 書記長社労士 公共交通
 線路と道路の両方を走ることができる新しい乗り物「DMV」。
DMVとは「デュアル・モード・ビークル -Dual Mode Vehicle-」の略で、これまで世界中で(日本では特に北海道で)実証実験としては運行されてきたが、阿佐海岸鉄道(阿佐東線)において、2021年12月25日に世界初の本格的な営業運行ってことでデビュー。
阿佐海岸鉄道のDMVはマイクロバス(トヨタコースター)をベースに改造され、線路走行用の鉄車輪を装備しており、線路では列車に、道路ではバスへとわずか15秒ほどでモードチェンジを行うという。
ということで、往路は5月12日に仲間と一緒に、復路は一人で5月13日に、乗ってきた。



 往路は、JR四国の牟岐線の終着駅である阿波海南駅までは仲間の車で。
昔は、海部駅まで列車が運行していたが、現在は、海部駅寄りホーム先端直ぐの場所に車止めが設置され、阿佐東線の線路とは分断されていた。
鉄道路線としての阿佐東線は海南信号場が起点で、DMVは、阿波海南文化村 - 阿波海南駅はバスモード、阿波海南駅 - 甲浦駅(この間阿佐東線) は鉄道モードになるので、DMVの鉄道区間と道路走行区間の境界であり、「モードインターチェンジ」が設けられていDMVはここで一旦停車し、トランスフォームする(鉄車輪の出し入れ)。
自分らが到着した直後、11時10分の下りがここでトランスフォームしていった。
DMVの「阿波海南駅」バス停留所は、モードインターチェンジを抜けた道路上、牟岐線ホームに隣接する位置に設けられていて、乗客はここで乗降する。
線路はそうとう古くて、かなり凸凹している。



 自分も翌日に徳島駅まで乗る阿波海南駅12時08分発の徳島駅行きの列車は、単線の1000形気動車一両のみだ。
普通列車の運行形態はおおむね阿南駅で分かれており、2019年3月16日のダイヤ改正以降、日中は徳島駅 - 阿南駅間は30分間隔、阿南駅 - 阿波海南駅間は2時間間隔のパターンダイヤとなっているので、阿南海南駅から徳島駅へは、平日休日とも6時45分始発、20時29分終発の8本のみ。
阿南海南駅は無人駅なので駅舎はなく、代わりに海陽町海南駅前交流館があるが、ここではJRの券売機はないし、DMVについても時刻表があるだけだ。
DMVの乗車券は事前に「発車オ〜ライネット」で予約購入するか、空席がある場合には現金で乗車することもできる。
運行は、月木金が上り下りともに13便、火水が8便、土日祝が11便、土日祝は1便が室戸岬を経て海の駅とろむまで往復する。
月木金がなぜ便数が多く、火水が少ないことの理由は不明。
阿波海南駅~阿波海南文化村はバスモードになったDMVがこのゲートを出入りする(運転者が手動でリモコン操作)。


 上り12時04分のがやってきた!
「入線してきた」って言っていいのかどうかは不明。



 駅からずいぶん離れたところで一旦停止、そこから低速度でガイドウェイとなる「モードインターチェンジ」に進入し停車。
ここで鉄車輪を格納して、バスへモードチェンジ!
もうまんま普通のマイクロバスだ。


 収納されている状態の前の鉄車輪。
これがレールに降りてきているときは、バスタイヤは浮いている状態になる。


 収納されている状態の後ろの鉄車輪。
これがレールに降りてきているときは、バスの後輪(ダブルタイヤの内側)はレールに接地して駆動し、前後の鉄車輪は線路上を走行するためのガイド役であるとともに、後部タイヤ軸の駆動性能と後部鉄輪軸のレール追従性を最適に確保するため駆動するゴムタイヤへの圧力を調整する役割を担う。
後輪はかなり鉄粉まみれになっているなぁ。
しかしかなりの車重になっているだろうし、普通のバスのブレーキで止まれるのだろうかと心配になるし、ましてや鉄のレールの上で制動が効くのかどうかめっちゃ不安やけど(特に雨の時なんかどうなんだろう)、前のゴムタイヤは普通のラジアルだったが、後ろのゴムタイヤはブロックが大きいスタッドレスタイヤを使用しているようだったから、そういうことなのかな。



 いよいよ下り113便、12時22分発の青い車両に乗車。
運転席には、鉄道モード用のマスコンやブレーキがあるわけでなく、通常のバスと同様、アクセルペダル・ブレーキペダルで制御している。
従来の鉄道の軌道回路を使用した位置検知による閉塞やそれを介して制御される鉄道信号機、踏切警報機、自動列車停止装置が使用出来ないので、代わる保安装置として自動車用のメーターパネルの上に鉄道用の車上装置が設置されていて、鉄道モード時の速度もここに表示されていた。(55㎞は出ていたようだ)
その他、車内には、鉄車輪を上下させる制御装置、ワンマン運転用機器、整理券発行機などが設置されており、運転席の後ろのディスプレイでは観光情報やモードチェンジの状況が映し出される。(乗客はモードチェンジ時に車外に出れないため)
車体下部からせり出す方式の乗降用のステップは、駅ではホームの高さに合わせてある。
運転者さんの免許はバス運転用に「中型二種」、列車運転用に「甲種内燃車運転免許(内燃機関車と内燃動車)」と、Wライセンスが必要とのことで、こりゃ運転者さんの確保はハードルが高いぞ。
地域的には求人における年収は低いとは思われるが(地域別最低賃金では徳島が855円、高知は853円でこの853円は、愛媛・宮崎・熊本・佐賀・長崎・鹿児島・沖縄と同等で全国一低い。)、このWライセンスを追っている運転者さんにはいくらの賃金を払っているのだろうと、めっちゃ気になるのは自分の職業柄。
乗車定員18名で、自分が乗った上り下りの2便では空席があったし、予約状況を見ていても満員になっている便は多くはない。
令和3年度の決算告示での損益計算書を見ると、旅客運輸収入は11,073,714円で、一方、人件費は61,329,373円やねんけど…。
経常損失が81,397,362円、特別利益としての補助金収入はなんと1,524,482,821円、大丈夫か~。
いくらDMVを観光資源として活用するっていっても、経営もつのか~って余計な心配をしてしまうのだが。



 甲浦駅では高架線の終点のモードインターチェンジでバスへトランスフォームし、地上の道路に下りるスロープを通過し(特にこの下りはブレーキの効きを心配した)、一般道路を通って道の駅東洋町に到着、ここで自分たちは下車した。
左側のプレートがDMVのバス停、右側のプレートが一般バス路線のバス停。
DMVとの平行に走っているバス路線は、徳島バス南部の「牟岐線」牟岐~海の駅東洋町、DMVの阿波海南駅そばの海部高校前~海の駅東洋町の運賃は520円。
ってことで、DMVの700円より割安で、便数も同等で予約不要となると生活路線としてはこっちだ。
また、海の駅東洋町から室戸ジオパークセンターまでは、とさでん交通の地域分社化により、主に高知県東部を担当する会社として1998年に設立された高知東部交通が7便を運行している。
この高知東部交通で高知の方から、海の駅東洋町まで乗ってきたが、その系統が延着してしまって、乗り継ぎするはずだったDMVや徳島バス南部牟岐線に間に合わなくて困っている観光客が多数発生していて、業界人としてめっちゃ心を痛めてたってことは蛇足ながら。
ちなみに、青いDMV-1号「未来への波乗り」、緑色のDMV-2号「すだちの風」、赤いDMV-3号「阿佐海岸維新」の3両のうちの2両が日替わりで運行されているようで、自分は二日間で往復したから、すべての車両を見ることが出来た。
がんばれっ阿佐海岸鉄道❗


知人が撮ってくれた動画で、知人の指が入っていたり、白いTシャツの自分がウロウロしていてすみません💦
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辻󠄀元清美 私鉄総連準組織内国会議員が再度、タク議連会長に就任 ~タクシー政策議員連盟総会~

2023-04-28 | 書記長社労士 公共交通

 4月28 日(金)、旧民主党の議員(立憲民主党・国民民主党・無所属)による国会議員で組織する「タクシー政策議員連盟」は総会を開き、新会長に辻󠄀元清美参議院議員/私鉄総連準組織内国会議員(新)、幹事長に小宮山泰子衆議院議員(再)、事務局長には森屋隆参議院議員/私鉄総連組織内国会議員(再)などとする新役員体制を決めた。総会には、国会議員46 人(衆議院29 人・参議院17 人)、交運労協、ハイタクフォーラム(私鉄総連ハイタク協議会・全自交労連・交通労連)、全国ハイヤー・タクシー連合会など関係者が出席した(新役員体制は後掲)。


 辻󠄀元清美新会長は、「思い起こせば、増子さんが会長をしていた時に幹事長をしており、国土交通省、労働組合、事業者側の窓口をしてきた。推挙をいただいたので、しっかりがんばりたい」「私は、女性が働く職場として、タクシー業界に入っていけることがポイントだと思う。女性の立場からも業界の発展に努めていきたい。働く人たちの労働改善に努めてまいりたい」などと決意を述べた。


 総会は、「運転者の確保」「ライドシェア阻止」「タクシーで働く者の処遇改善」「女性の積極的な登用」「燃料高騰への対策」「空飛ぶタクシー」「自動運転」「配車アプリと運賃・サービス内容」などで意見を交わした。

タクシー政策議員連盟 新役員体制 2023年4月28日現在 (敬称略 50音順 ※下線は新規)
顧問 泉 健太 枝野 幸男 大塚 耕平 海江田万里 玉木雄一郎 中川 正春 長浜 博行 原口 一博 福山 哲郎 古川 元久 前原 誠司 近藤 昭一
会長 辻󠄀元 清美
副会長 逢坂 誠二 小川 淳也 榛葉賀津也 西村智奈美 伴野 豊 松 原 仁
幹事長 小宮山泰子
幹事長代行 森山 浩行
副幹事長 末松 義規 田嶋 要 野田 国義
幹 事 大河原雅子 小熊 慎司 城井 崇 後藤 祐一 斎藤 嘉隆 佐藤 公治 牧山ひろえ 森本 真治
事務局長 森屋 隆
事務局次長 田村 まみ 道下 大樹
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ハイタクフォーラム(私鉄総連・全自交労連・交通労連) 「厚生労働省・国土交通省への要請」「2023総決起集会」ヘ結集 「請願署名13万9,653筆(私鉄4万2,701筆)」を衆・参両院へ提出

2023-03-17 | 書記長社労士 公共交通
 ハイタクフォーラム(私鉄総連ハイタク協議会・全自交労連・交通労連ハイタク部会)は、3月9日に「厚生労働省・国土交通省への要請行動」を行い、10日には「適正な運賃改定と確実な賃金反映を求める総決起集会」を開き、その後「交通運輸産業における迅速な運賃改定と賃金・労働条件への確実な反映を求める請願署名」提出行動を実施、タクシー政策議員連盟を通じ、衆・参両院議長あてに提出した。


〇ハイタク運転者の労働問題に係る善処を厚労省へ要請
 ハイタクフォーラムは、参議院議員会館の講堂で、タクシー政策議員連盟とともに厚生労働省への要請を行い、梶原輝昭厚生労働省大臣官房審議官へ要請書を手渡した。要請には90人、私鉄からは19人が参加した。
要請内容は、「ハイヤー・タクシー運転者の労働問題に係る重点要請」として、①コロナ禍における雇用の維持と法令違反事業者の摘発、②感染症対策、③累進歩合制の完全排除(禁止)、④給与体系・労働条件・運転者負担等、⑤地域別最低賃金の遵守と労働時間管理の適正化、の5項目。


 要請行動は久松勇治私鉄総連ハイタク協議会事務局長の司会で始まり、小川敬二交通労連ハイタク部会長、近藤昭一タクシー政策議員連盟会長(衆議院議員)の挨拶の後、梶原審議官は、「エッセンシャルワーカーである自動車運転者の加重労働を防ぐことは、運転者自身の健康確保、利用者の安全・安心の観点から重要であり、令和6年4月からの時間外労働の上限規制と改正改善基準告示の適用へ向け、関係省庁と連携し制度の周知に務め、自動車運転者の労働条件改善に努めていく。違法な長時間労働の疑いがある事業者には、労働基準監督署による監督指導を実施し、法違反が認められた場合は是正を指導するとともに、重大かつ悪質な場合は送検を行うなど、厳正な対応を徹底していく」などとあいさつし、要請に対する回答を示した。
 参加者からは、「最低賃金違反・監査」「労働条件の不利益変更」「コロナ5類変更に伴う労災認定の継続」などで質疑が出された。
私鉄からは、吉永順一シンセツタクシー労組書記長が「累進歩合制は賞与だと許されるのか」と質した。
これに対して厚労省は、「賞与について、禁止されている累進歩合にあたるかどうかの判断は難しいが、問題として認識している。専門委員会でも意見として伺っているので、改正改善基準告示適用から3年を目途に調査をしていく」などと応えた。
また、堀内隆彦阪急タクシー労組副委員長は「視野が狭くなる緑内障は、初期段階だと自覚症状がほぼなく、事故に繋がりかねない。健康診断の必須項目に眼底検査を入れ、費用の助成制度を検討いただきたい」などと要望した。これに対し厚労省は、「労働安全衛生法には、緑内障発見のような検査は含まれていない。ただ9月の健康診断強化月間で、事業者団体に労災防止の観点で眼底検査が有効であると推奨してきた。引き続き事業者へ、呼びかけていきたい」などと応えた。


〇タクシー関連法・附帯決議の厳格運用、ライドシェア合法化反対を国交省へ要請
 続いて国土交通省への要請を行い、森哲也国土交通省自動車局旅客課長へ要請書を手渡した。
要請では、森屋隆タクシー政策議員連盟事務局長/私鉄総連組織内国会議員が「ぜひ23春闘を機に、私たちの産業を元気にしていただきたい」「コロナ禍を、エッセンシャルワーカーが支えてくれたから、移動ができるようになってきた。国交省には、真摯な回答と協力をお願いしたい」などとあいさつした。
また、辻󠄀元清美私鉄総連準組織内国会議員は「ハイタクは、普段の生活だけでなく、いざという時も絶対に必要である。だから、ハイタクを日頃から守り支援していくことが重要だ」などと、ハイタク政策の重要性を訴えた。
要請内容は、「タクシー関連法ならびにその附帯決議の厳格な運用および白タク(ライドシェア)合法化反対の要請」として、①長引くコロナ禍からタクシー事業の維持・再興をはかるために、②タクシー事業における適正化、③ライドシェアと称する白タク合法化問題、④タクシー事業の活性化、⑤タクシー運賃など5項目。


 国土交通省からは、岡野まさ子自動車局審議官、森哲也自動車局旅客課長ほか15人が出席した。
岡野審議官は、「タクシーは、ドア・ツー・ドアの、きめ細かな公共交通輸送機関であり、地域住民の足になっている。災害時も緊急輸送手段として、生活のあらゆる面で活躍いただいている」「コロナ禍でもエッセンシャルサービスとして、公共交通機関としての役割を果たしていただいた」「タクシー業界は、引き続き厳しい状況にある。運賃改定について、多くの地域から申請が出されているが、地域の足を確保するために適正な運賃を収受して、運転者が賃上げを早期に実現することが重要である。運賃改定の申請には、できるだけ迅速に審査し、適切に対応していく」「忌憚のない意見を伺い議論し、今後の対応に活かしたい」などと応じ、要請に対する回答を示した。
 回答後、参加者からは「実車時の行灯消灯について」「タクシー事業活性化への補助」「UDタクシーでの車いす対応」「訪日外国人旅行者への白タク行為」「タコメータ設置義務の拡大」「UDタクシーと介護タクシーの区別」「運賃改定後の賃金改善フォローアップの厳正な対応」「賃金の不利益変更への指導強化」「最低賃金違反の厳正な処分」などで質疑が出された。
私鉄からは、①吉永順一シンセツタクシー労組書記長が「ドライブレコーダーの運用でのプライバシー保護についての国交省見解」、②田中滋修私鉄ハイタク協副議長/関西ハイタク労連委員長が「日報改ざんの話を聞く。自動日報を義務化してほしい。監査も早くなる。貸切バス同様、更新制も導入すれば、優良事業に早く到達できる」、③堀内隆彦阪急タクシー労組副委員長が「乗務員の健康診断で脳疾患、心臓疾患について、『早期の発見が必要』などと回答しているが、全体の事故のなかで、32%が健康に起因している。最終的には『スクリーニング検査が必要』『定期健康診断が義務』としているが、ほとんどが外見上の兆候や所見がない人が事故を起こしている。本来は、自覚症状や所見のない人がフォローされるべきなのに、そこは『推奨される』との回答である。推奨は義務ではない。事業者は、金がかかるから曖昧にする。疾患による事故は減らない形になる。だから私たちは、スクリーニング検査に対する費用補助を要請している。早急な対応を再度、要請する」などと迫った。
 これに対して国交省は、①ドラレコを運行管理に活用しているが、プライバシー保護の配慮は必要だ」、②「監査は、現在の定員では全ての事業者に入りきれないが、違反の疑いがある事業者に絞り、重点的に監査している。監査体制は、着実に強化しているので、監査官の研修を通じて、改ざんを見破る技術の向上を措置し、厳格に対応していく」、③「事業者に運転者の健康状態の把握等は、法令上義務付けている。健康状態の悪化を分かっていながら乗務させていたとなれば、監査の時に罰則を受けることを事業者には伝えている。スクリーニング検査は、どういう方へ優先的に受けていただくか。モデル事業を通じ、ハイリスク者を検証しながら事例を事業者に周知していく。マニュアルを事業者に、いかに使っていただくかが重要。いかに、ハイリスク者が確実に受診し、健康起因の事故防止に繋げるかに取り組んでまいりたい」などと応じた。


〇3.10適正な運賃改定と確実な賃金反映を求める総決起集会~23春闘勝利!ライドシェア反対!~


 ハイタクフォーラムは3月10日、東京都内の「全電通労働会館」で、適正な運賃改定と確実な賃金反映を求める総決起集会を開き、全体で200人、私鉄からは49人が参加した。集会冒頭、「ライドシェア問題を考える市民会議」で大変お世話になったが、2月5日に逝去された宮里邦雄弁護士に黙とうをささげた。
溝上泰央代表運営幹事は、「感染リスクにさらされながら、国民の移動の権利を守ってきた。ワクチン接種でもタクシーが活躍した。タクシーが最後の砦となり、地域の足を支えている」「ハイタク労働者は、社会の維持に欠かせない公共交通を支える存在であることを社会に認知してもらう必要がある」「全国101ブロック中、80ブロックで運賃改定の波が起きている。われわれハイタク労働者にとって、ようやく反転攻勢の機会が訪れた」「23春闘は、待遇を変える貴重な場であり労働組合の真価が問われる。粘り強く経営者と交渉を続け、賃金・労働条件向上を勝ち取ろう」などとあいさつした。


 続いて、久松勇治私鉄総連ハイタク協議会事務局長が厚生労働省、本田有(たもつ)全自交労連書記次長が国土交通省の要請報告を行った。
連帯あいさつは、清水秀行連合事務局長、住野敏彦交運労協議長、近藤昭一タク議連会長、逢坂誠二立憲民主党代表代行、古川元久国民民主党国対委員長、坂本克己全国ハイタク連合会会長 
最高顧問、浦田誠国際運輸労連政策部長から、それぞれいただいた。

 また、齋藤貴子私鉄関東ハイタク協日の丸自動車労組書記長による「いますぐ魅力ある産業にし、新たな仲間を増やすとともに去っていった仲間を呼び戻し、持続可能な公共交通を実現しなければならない」「そしてなによりも運賃改定が、確実に私たちの賃金改善に反映されることが重要であり、まずは賃金の改善こそ、最優先されるべきだ」などとした集会アピール提案を満場の拍手で採択した。
集会は、団結がんばろうで締めくくった。


〇「交通運輸産業における迅速な運賃改定と賃金・労働条件への確実な反映を求める請願署名」提出行動・タクシー政策議員連盟との意見交換
 ハイタクフォーラムは総決起集会終了後、衆議院第一議員会館大会議室で、衆参両院議長へ提出する「交通運輸産業における迅速な運賃改定と賃金・労働条件への確実な反映を求める請願署名」をタクシー政策議員連盟(以降、タク議連)へ託し、タク議連と意見を交わした。行動には、全体112人、私鉄から32人が参加した。


 司会は、道下大樹タク議連事務局次長が務めた。
溝上代表運営幹事は、「ハイタク産業は、厳しい状況が続いている。運賃改定が一筋の光明であることは間違いないが、これをバネにハイタク労働者としても利用者利便向上に、よりいっそうの努力を惜しまず持続可能な産業を構築していく」「改正タクシー特措法から9年が経過したが、いまだ活性化・適正化にも十分な成果が見えない」「全国の仲間が集めた請願署名を、議連の皆さんに託し、まじめに頑張っている事業者と労働者が報われる制度・政策をお願いしたい」などとあいさつした。
出席議員の紹介後、近藤タク議連会長は、「コロナ禍の3年間、リスクを負いながら現場で頑張っていただいている。バス路線が減少しているなか、最後の砦は、やはりタクシー・ハイヤー。現場を支えていただいている皆さんの、厳しい、切なる声を受けとめたい。働きやすい環境を作り、みんなが行きたいところへ、行きたい時間に行ける社会を、みんなで支え合っていくために、現場のみなさんとともに頑張る」などとあいさつした。
 また泉健太タク議連顧問/立憲民主党代表は、「働くみなさんの環境は傷を負っている状況。物価が上がるのに実入りがない状況を政治や行政が直視し、改善していかなければならない局面」「賃上げに対する支援が弱い」「エッセンシャルワーカーであるみなさんを守れずして交通弱者は守れない」「請願署名を重く受けとめ、政府へ要望を続けていく」などとあいさつした。
その後、衆参両院議長へ提出するため、13万9,653筆の請願署名を、タク議連へ託した。
 地方情勢は、全自交富山地連、交通労連関西地方総支部が富山と大阪の状況を、私鉄は酒井博私鉄関東ハイタク協議会事務局長が、東京の運賃改定後の稼働や営業収入、春闘労使交渉状況などとともに、「お客さまに感動と満足を与えられるようなタクシーとなるよう活動を展開していく」などと報告した。

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伊丹空港駅⇒武庫川団地前駅、直線距離は約11.7kmを私鉄🚋で移動したら乗り換え5回で、6路線に乗車、なんか妙に楽しかった、楽しすぎた~😀

2023-03-08 | 書記長社労士 公共交通
 今日、大阪国際空港から武庫川団地駅を経て、仕事先に行ったのだけど、この地点間の直線距離は約11.7km。
予定では空港リムジンバスで阪神甲子園まで行って、目的地までタクシーで行こうと思ったら、バスの時間に合わずで、それなからと鉄道路線で移動してみたら…。


【大阪モノレール】大阪空港11:03⇒蛍池11:06


【阪急宝塚本線急行】蛍池11:10⇒十三11:20


【阪急神戸本線特急】十三11:23⇒西宮北口11:32


【阪急今津線】西宮北口11:35⇒今津11:38


【阪神本線】今津11:42⇒武庫川11:48


【阪神武庫川線】武庫川11:55⇒武庫川団地前12:00

 ってなわけで、12kmの直線距離を私鉄で移動するのに、乗り換え5回で、6路線に乗車して、移動距離は30.8km、運賃は合計670円、58分間の旅だった。
なんか妙に楽しかった、楽しすぎた~😀


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23春闘・交通政策要求実現中央行動 ②「業種別(鉄軌・バス・ハイタク)」

2023-02-14 | 書記長社労士 公共交通

23春闘・交通政策要求実現中央行動 ①「全体会」からの続き
【鉄軌道要請】
 鉄軌道要請は、森屋隆組織内国会議員、自治体議員団からは根岸操副議長、草野勝義副議長、宮内一夫事務局長が随行し、木村敬一中央執行委員長、樋口和司企画調査局長、内山貴政治政策局長と8地連・沖縄県連、総勢 42 人が出席した。
 冒頭、国交省から鉄軌道 20 項目の要請に対して回答がされた。運賃制度については、「今日的な検証を行うことを目的に 2022 年7月に学識経験者などを含め、今後の鉄道運賃・料金制度の在り方等について、中間とりまとめをいただいた。ここでは、総括原価の算定方式の見直しとして、原価に算入する費目、算定方法などを検証し、安全・安心、環境といった今日的課題に対応するコストや投資を適切に総括原価に反映する手法などについて検討するように盛り込まれた」「運賃改定が行われてこなかったと指摘を受け
たが、感染症拡大の経営状況をふまえ、地方鉄道を含めた複数の運賃改正の申請を受けている。事業者からの相談などにも適切に対応していきたい」などと回答した。さらに、鉄道駅バリアフリー料金制度については、「予算確保などで支援している。事業者に対しては、整備計画、実績の公表などを求め、全国の鉄道駅に反映させていきたい。地方部における支援措置の重点化では、補助率を3分の1から最大2分の1まで拡充している」と回答した。
 参加者からの意見・要望では、「電力を含めた燃料費高騰が家庭と同様に企業経営を圧迫している。春闘を目前に控え、経費負担により労働者の待遇改善に回らない恐れがあり国からの支援が必要。運賃値上げも必要だが、航空運賃のようにサーチャージ料金のような制度も必要と考える」との質問に対し、「明確にお答えできる状況にはないが、電気代の値上げは、運賃改正の動力費として見込んだうえでの算定となる。サーチャージのような収受については、内部で話があることも事実ではあり、どのように反映していけるのか内部でも検討していきたい。鉄道でも航空のように短期で定期的にシステム変更が可能かどうかの確認・検討が必要である」と回答を受けた。
 「バリアフリー補助が3分の1から2分の1になった、と回答があったが事業者負担はどうなるのか」との質問に対しては、「鉄道駅総合改善事業では、エレベーター、スロープなどについては、自治体と一体となって整備する。自治体との協調要件があるので、国は地方負担分を超えられない。ホームドアの場合(鉄道施設総合安全対策事業)は、協調要件はなく、自治体の補助率は任意である」と回答。さらに、電気料金の値上げに対する支援を求める意見・要望があった。
 最後に森屋隆組織内国会議員より、災害復旧支援への対応、近年、悪質・凶悪化している第三者暴力行為の撲滅に向けた積極対応、無人駅の在り方、などについて質疑を交わした。


【バス要請】
 バス要請は、吉川はじめ国会議員懇副会長、道下大樹代表幹事、中谷一馬衆議院議員、自治体議員団から、安井勉議長、仁部順行幹事、大亀泰彦幹事、森山義治幹事が随行し、池之谷潤中央副執行委員長、志摩卓哉交通政策局長、小松俊裕組織教宣局長と9地連・沖縄県連、総勢 103 人が出席した。
 要請に対する回答では、バス運転士確保対策に対して、「国土交通省としても人材の確保が喫緊の課題と認識している。そのうえで『必要な運賃改定は積極的に申請してください』ということを申し上げている。申請手続きについても、早期の審査ができるよう見直しを行いながら進めていく。今後、『物価の状況、人件費の状況によって、2~3年に1回、運賃改定していかなければならないのではないか』と事業者に伝えている。また、補正予算で二種免許取得支援のメニューを創設した。普通免許所持者を雇用し、二種免許を取得させる際に費用の半分を支援するものであり、この事業を活用して、バス会社が就職先のひとつであることを、周知・宣伝するとともに事業者の負担も減らす形で、人材確保に繋げたい。」と回答を受けた。
 参加者からは、①幹線系統補助におけるブロックエリアの見直し、②運賃改定における手続きの簡素化、③有事における公共交通確保のための事業存続、④貸切バス運賃・料金ワーキンググループ・フォローアップ会議の早期再開、⑤抜本的な運賃補助の在り方の見直し、⑥補助金の利用者への見える化、⑦公共交通に携わる人材育成、などの質問・意見が出された。
 最後に池之谷副委員長は、「2021 年に一般乗合旅客自動車運送事業の運賃及び料金の上限の認可に関する処理方針が出された。先ほど運賃改定とあわせて生産性向上を求めるとの話があったが、処理方針の変更は、労働環境の改善を目的としていたはずだ。運賃改定が労働者に還元されているのかを確認できる仕組みを構築していただきたい」と真に労働条件改善に資する施策を求めた。


【ハイタク要請】
 ハイタク要請には、近藤昭一国会議員懇副会長、辻󠄀元清美準組織内国会議員、福田英樹書記長、有川基樹組織拡大・中小対策局長、久松勇治私鉄ハイタク協議会事務局長と4地連・沖縄県連・関東ハイタク協・関西ハイタク労連の総勢 35 名が出席した。
 国交省は、全 10 項目のハイタク要請に対して「アプリ手数料の運転者負担は、『やめなさい』『改善しなさい』との指導を行う」などの前向きな回答が示された。特に、衆参附帯決議の履行による運転者の労働条件改善については「賃金制度に関することは、基本的に労使間で定める事項である前提のうえで、賃金制度等の改善に資する運賃改定への指導は、自社やタクシー協会のフォローアップ調査の結果として、報告内容に虚偽があるかどうかが分からないので、労組からも確認と情報提供をお願いしたい」などと協力を求められた。加えて、「運賃改定前に賃下げした会社があること」「深夜割増運賃の廃止」「大手会社の反対で運賃改定の申請すら出せない状況」「附帯決議の労使認識の違い」「特定地域指定要件についての合意形成の評決」などで、活発な意見を交わした。
 福田書記長は「今後もタクシー労働者の労働条件改善には、運賃改定が必要で、理解と協力を引き続きお願いしたい。一方で運賃改定は、日常的にタクシーが必要な方々にとっては負担が増えることからも、事業者や自治体のみならず、社会全体で支えていただくため、国として補助の検討も求めたい」などと要請した。辻󠄀元清美準組織内議員は「災害時、非常時に 1 台のタクシーが生命を救う。コロナのなかで維持してきた意味を再認識しよう」と呼びかけ、近藤国会議員懇副会長は「附帯決議のなかに込められた主旨を汲み取り、忌憚のない情報交換と、現実に即し、現場労働者を守ってほしい」などと要請した。

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23春闘・交通政策要求実現中央行動 ①「全体会」

2023-02-13 | 書記長社労士 公共交通

 私鉄総連は、2月1日、23春闘・交通政策要求実現中央行動を展開した。中央行動には、政策推進私鉄国会議員懇談会(以下、国会議員懇)8人(後掲)、私鉄自治体議員団会議(以下、自治体議員団)9人(後掲)、総・地連・沖縄県連・ハイタクから 97 単組 166 人、総勢 183 人が衆議院第一議員会館へ集結した。第1部の全体会では、鉄軌道・バス・ハイタク共通項目として 33 項目、第2部の業種別では、鉄軌道 20 項目・バス 22 項目・ハイタク 10 項目を国土交通省へ要請した。
 全体会冒頭、木村敬一私鉄総連中央執行委員長は、「昨年から約2か月にわたり、春闘職場討議案について全国オルグを展開してきたなかで、長期化する感染症の影響から、雇用、生活不安を抱えながら日々の業務に当たっているという声が非常に多かった」また、「将来不安から、大手・中小を問わず、離職者が増加し、コロナ以前から課題となっていた要員不足に拍車がかかっているため、要員の確保に向けて、賃金や労働条件の改善が喫緊の課題。さらに、改正交通政策基本法・国土強靱化基本法の政策反映、第2次交通政策基本計画の着実な実行と地域公共交通ネットワークの再構築が急務」など、職場からの声と私鉄・バス・ハイタクの抱える課題を訴えた。
 続いて、近藤昭一国会議員懇副会長は、「最近、電車・バスに乗客が戻ってきたと感じるが、コロナ以前ほどは戻っていない。地域の公共交通を守るため、現場の皆さんの声をしっかり聞き、課題解決に向けて私たちは国会で法律を作り、予算を確保し、政策をきめ細かく実現していく」などと述べた。
 森屋隆組織内国会議員は、「毎年のように発生する自然災害、そして、長引く感染症によって公共交通は、本当に大きなダメージを受けている。全産業より2割長く働いて、2割賃金が低い私たちの産業の抱える課題・要求に対して真摯な答弁をいただきたい。今通常国会の国土交通委員会では、地域公共交通を再生するための法案が審議される。今日の中央行動での職場意見をしっかり反映できるようにしていく」と国会での中央行動の要求反映を誓った。
 さらに、安井勉私鉄自治体議員団議長は、「中央行動での政策要求を各地域に持ち帰り、各議会の予算審議で反映していくことが、私たち議員団の役目である。交付金についても公共交通に対する支援に活用されるよう各議会で取り組んでいく」などと決意を述べた。
 これに対し、木村典央総合政策局官房審議官(公共交通・物流政策担当)は「公共交通は、人口減少に加え、感染症の影響で大変厳しい状況にあることを認識している。交通政策審議会の議論をふまえ、予算、税、法律を駆使し、地域公共交通を利便性・持続可能性・生産性を向上させ、再構築することをめざす。地域公共交通の維持・存続には、官民一体の取り組みが必要である。皆さんのご協力を、ぜひお願いしたい」などと応えた。続いて鶴田浩久公共交通・物流政策審議官は、「このコロナ禍で、当たり前のようにある公共交通の存在が、非常に重要で大切なものだと再認識した。国土交通省として公共交通に公共事業の予算を活用できるようになったのは、今後の公共交通を守っていくという現れである」と述べ、要請書を受け取った。


 その後、全体会では、コロナ禍から事業の維持・存続に向けた支援、改正交通政策基本法・国土強靭化基本法の政策反映、地域公共交通ネットワークの再構築、要員確保対策、適正運賃・料金の実現、燃料油脂費の高騰対策、テロおよび防犯対策、など鉄軌道・バス・ハイタク共通項目に対して回答を受けた。
 回答では、①地方創生臨時交付金の公共交通への積極的な活用について、「臨時交付金は、確認している範囲で 1,400 の自治体、4,600 の事業で、地方路線維持への支援、燃料費への支援、ICカード導入への支援などに活用されている。また、交付金のコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分は地域公共交通の経営支援として重点項目となっている。今後も交付金を活用するよう、しっかり自治体に働きかけていく」との回答を得た。②脳MRIを含む、各種スクリーニング検査受診の助成措置の早期実施に対する要請には、「2022 年度脳・血管疾患のスクリーニング検査のバス事業者受診割合は、437 者の回答で 49%であった。事業者団体とも連携し、検査の状況、事業者負担などをふまえ、助成やさらに必要となる措置を検討し、健康起因事故防止に努める」、③貸切バス関連では、全国旅行支援予算の 20%を団体旅行枠として確保していること、そして、バスガイドの活躍に繋がる施策については、「バスガイドの皆様は、修学旅行を含む団体旅行で大変重要な役割を果たしていただいている。補正予算では観光事業者との連携による新たな取り組みの支援を盛り込んでいる。バスガイドの活躍の場である団体旅行への支援・促進に取り組んでいく」との回答を得た。
 参加者からは、「全国各地で激甚災害が起こっており、防災・減災対策が必須であるとともに、被災した場合には、1 日でも早く復旧することが、その後の収益改善に大きく影響する。国土強靭化に鑑み、被災した公共交通に対する復旧・復興の支援は、今まで以上に拡充すべきだ」との意見や「台風 15 号で被災した大井川鐡道は昨年 12 月に一部開通したものの、それ以外については、地域・行政機関と協議のうえ、計画を策定するとしており、現在復旧作業は行われていない。組合員は、いつ復旧作業が始まるかも分からないなか、退職する者も出ている。地元地域からは早期復旧を求める声もあり、組合もこの過去にない災害を何とか乗り越えようと必死に頑張っている。我々だけではどうすることもできないので国土交通省のいっそうの支援をお願いしたい」と被災した当該労組から切実な意見が出された。
 担当官からは、「自然災害により営業所等が傷んでいることは承知している。今後も災害が発生した際には、関係省庁と連携し、速やかに事業が再開できるように推進していきたいと考えている」「大井川鐡道は地域の足としても、観光にとっても大変重要な路線である。一部区間の運転再開はしているが、残りの区間に関しても、今まさに関係者が復旧に向けた協議を行っていることから、国交省としても引き続き、関係者と調整をしていきたい」との回答がされた。

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12月6日、タクシー政策議連役員会での国交省による説明

2022-12-14 | 書記長社労士 公共交通

 国土交通省の堀内丈太郎自動車局長は、12月6日に開催された野党系のタクシー政策議員連盟役員会で、①補正予算等におけるコロナ禍のハイヤー・タクシー支援策について、②運賃改定進捗状況、③AIオンデマンド交通(特にmobi)について、を報告した。

 補正予算等におけるコロナ禍のハイヤー・タクシー支援策についてでは、「今後、ポストコロナ時代の急速な社会構造の変化に対応して、「交通DX」、「交通GX」、官民・事業者間・他分野との「3つの共創」により経営効率化・経営力強化を図る取組や、観光と連携した取組等に対して支援を行い、利便性・持続可能性・生産性が向上する形で地域交通の再構築を図る。」とし、令和4年度補正予算では806憶6千万円を計上(令和3年度補正予算4 6 ,8 9 1百万円)。
総合政策局計上分(415億円)では、1. 地域交通再構築関係として「交通DX・GXによる経営改善支援」では、地域交通事業者によるDX・GX等による経営効率化の取組や、旅客運送事業者の人材の確保に対して支援として、マイナンバーカード連携によるMaaS実装の推進、自動運転の社会実装に向けた実証事業、EVバス・タクシー導入等に加えて、旅客運送事業者への二種免許取得支援を紹介。
「事業再構築支援」では、有識者検討会提言などを踏まえ、ローカル鉄道の再構築協議会設置・実証事業等、鉄道からバスへの転換、タクシーの利便性向上、の取組を支援するとした。
2. 既存の地域交通支援に対する追加的な支援等では、生産性向上に取り組む地域の交通事業者に対する運行支援、新たなバリアフリーの取組など公共交通におけるバリアフリー整備加速化、地域鉄道における安全対策の推進等を支援するとし、UDタクシー導入1両当たり60万円の補助を盛り込んだなどとした。
3. タクシー燃料価格の激変緩和対策では、令和4年度第2次補正で165億円を確保、燃料価格高騰の負担軽減のため、LPガス(タクシー燃料)の価格の激変緩和対策を、令和5年1月以降も継続的に実施する、令和5年1月以降の補助上限のあり方については、原油価格等の動向や、経済産業省の事業の動向等を踏まえて判断し、 申請については、簡便な手続き等となるよう調整すると説明した。
 また、観光庁計上分(363億円)では、4. 交通による観光地の高付加価値化・インバウンド受入環境整備で、交通事業者が、観光事業者と連携して、地域交通を活用した観光地の魅力向上・高付加価値化を図る取組や、公共交通におけるインバウンドの受入環境整備を図る取組に対して支援するとし、ラッピング列車など地域交通を活用した観光イベントの開催、新規ツアー商品造成、多言語対応のデジタルサイネージ、キャッシュレス決済設備導入等の支援を説明された。

 ②運賃改定進捗状況では、令和2年の大改定(全国98の運賃ブロック(当時)のうち48ブロックが運賃改定を行った)以降における運賃改定の状況を説明。
令和2年大改定以降、14ブロックで運賃改定が実施され、現在(令和4年12月2日時点)審査中が11地域、現在申請受付中が31地域ありすべて新方針(令和4年7月29日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえたタクシーの運賃改定の取扱い」)による申請だと説明された。


 ③AIオンデマンド交通(特にmobi)についての説明では
〇Community Mobility社(WILLER社とKDDI社の合弁会社)は、以下に掲げる地域において、自社作成の配車アプリ(mobi)を活用し、タクシー事業者と連携して、約2km圏内において仮想のバス停で乗降できるサービスの実証運行※を実施している。
※タクシー事業者は、道路運送法第21条第2号の実証実験の許可を受けて運行する。
〇今後、本格運行を行うに当たっては、近距離移動の需要を喚起できたのか、といった観点から実証実験の結果の検証を進めていくことになる。
〇なお、タクシー事業者が道路運送法第4条の乗合許可を受けてこうしたサービスを本格運行する場合には、許可に当たり既存の路線定期運行バス事業との整合性を求めることになる。

としているが、「実証運行地域は全国で10地域ほどある。特に渋谷区で運行されていたものについては色々と議論を呼んでいるものと理解している」などと述べ、「渋谷区では道路運送法21条許可による実証結果の評価を巡り色々と議論を呼んだ」との認識を示すとともに、今後のmobi運行案件については「実際に近距離移動の需要喚起ができたのか、運賃料金の収受はしっかり収支が合うようにできたのか、運行エリア内の乗合バス、タクシーなどの既存交通事業者に影響を与えないか否か確認していきたい」との考えを示した。


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12月6日、タクシー政策議連(立件民主党・国民民主党・無所属で構成)は役員会を開催した

2022-12-13 | 書記長社労士 公共交通

 12月6日、タクシー政策議員連盟(立件民主党・国民民主党・無所属で構成)は衆議院第二議員会館で役員会を開催。
森屋隆事務局長(参議院議員)の司会で始まり、冒頭、近藤昭一会長(衆議院議員)は「タクシー業界はそもそも厳しい状況であったがそこにコロナが追い打ちをかけた。社会の根幹を支えているのがタクシー産業で、その社会の支えていただいている皆さんを議連はしっかりと支えていかなくてはならない」と挨拶。
 続いて、全タク連の川鍋一朗会長は、タクシー業界の全国共通課題に乗務員不足の解消があるとし、しかし全国で取り組まれている運賃改定が賃金の改善につながることを強調、「東京都特別区・武三地区の運賃改定でも改定増収率以上の増収が実現しているとし、乗務員の賃金にも直ちに跳ね返るのが歩合給制度の良いところだ。5日には名古屋で新運賃が実施されたし、その他の地域でも続々と運賃改定申請・要請が続いている」とし、理解と支援を求めた。また、これまでのLPガス高騰への事業者に対する直接支援、2種免許取得費用への助成の決定などについては「国交省が頑張ってくれている」と謝意を表明した。また、タクシー業界では2割程度の乗務員がコロナ禍の時期に減少したことを踏まえ、人員の回復には数年かかると指摘。この間に時間帯や場所によって車両不足から「タクシーが捕まらない」との声があがるだろうが、「だからライドシェアを解禁せよ」というような声に政界は耳を傾けてはいけないと強く主張した。川鍋会長はウーバーの本家米国でも車両は慢性的に不足しており、労働者不足になっていると指摘、ニューヨーク市では約23%の運賃値上げが年末までに実施される見通しだと説明した上で、「東京では14 %だが、世界ではそんな水準ではない」と強調した。


 ハイタクフォーラム(全自交労連、交通労連ハイタク部会、私鉄ハイタク協議会)代表幹事の溝上康央全自交委員長は、「運賃改定によって営業収入が上昇し、環境の改善傾向がみられるとの話もあるが、しかしそれは基本的には大都市部の話であって、地方部では倒産、廃業が止まらない状態が続いている。そんな中、運賃改定手続きの迅速化や増収率の算定などについて情勢の厳しさに配慮をしていただいている国交省には感謝したい。今後も持続可能な産業としてハイヤー・タクシーが発展できるよう支援をお願いしたい。」と挨拶。
 続いて国土交通省の堀内丈太郎自動車局長が①補正予算等におけるコロナ禍のハイヤー・タクシー支援策について、②運賃改定進捗状況、③AIオンデマンド交通(特にmobi)について、を報告。また、厚生労働省からは小宅栄作職業安定局雇用開発企画課長が雇用調整助成金の現状と今後について、余語卓人社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室長補佐が、新型コロナウイルス感染症に伴う生活福祉資金の特例貸付の実施状況などについてそれぞれ説明した。


 意見交換の中では、ハイタクフォーラム側から本田全自交書記次長が、①運賃改定による増収分の確実な賃金への反映について②燃料価格激変緩和対策事業の拡充・継続について③生活福祉資金(緊急小口資金、総合生活資金)の返済免除及び返済開始時期のさらなる延長—の3項目についての要請。
 さらに、補足意見として久松私鉄総連ハイタク協議会事務局長が「運賃改定を機に下限割れ事業者に転じた東京のロイヤルリムジンGについてコロナ禍の初期段階において雇用調整助成金よりも失業保険の給付を受ける方が早いとして従業員らを大量に解雇した事業者だ」と指摘。国交省に対しては運賃変更命令を含む厳格な対応を強く求めた。
 また、久松事務局長は、「タクシーが足りないという話が皆さんから出ているが、それは大都市部や、コロナ禍による入国制限の緩和と全国旅行支援で観光客が集まっている地域に限られる。そういった観光局が届いていない地域では依然として厳しい状況が続いているし、雇用調整助成金特例措置が命綱になっている。休業規模要件・残業相殺・給付日数の上限緩和など支給要件の緩和策は継続してほしい。」と要請した。
 辻元清美参議院議員(議連前会長)からは、無利子無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」についてのタクシー業界の状況について質問され、武井全タク連副会長が答えた。最後に全タク連の坂本克己・最高顧問が、国民民主党が与党入りかとの一部報道などに触れ、野党系タク議連が立憲、国民で分裂しないよう要望した。閉会のあいさつは榛葉加津也副会長(参議院議員)が述べ、役員会を終了した。


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【11月19日】くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2022(第11回)初日「ショートメッセージ」鶴田浩久国土交通省公共交通・物流政策審議官

2022-11-29 | 書記長社労士 公共交通

 くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2022(第11回)初日の鶴田 浩久国土交通省公共交通・物流政策審議官によるショートメッセージは「地域公共交通の再構築に向けて」。



①地域モビリティの現状
〇地域モビリティは、地域の社会経済活動に不可欠。高齢化や免許返納の増加等により、自家用車を運転できない人も増加。
〇しかし、人口減少等による長期的な利用者数の減少や、運転の担い手不足に加え、コロナ禍の直撃により、存続が深刻に懸念される状況
〇路線廃止の状況
・一般路線バス(平成20年度→平成29年度)13,249 ㎞の路線が廃止。
・鉄軌道(平成12年度→令和4年度)1,158 ㎞・45路線が廃止。

②公共交通政策の変遷
 法律面から
〇高度経済成長期
1948年日本国有鉄道法制定
1949年海上運送法制定
1951年道路運送法制定
1952年航空法・日本航空株式会社法制定
 それぞれのモードの領域を定め、棲み分けを行ってきた。
1970/1972年航空の「45/47体制」(1972年(昭和47年)7月に発動された、航空会社の事業割当を決めた日本の産業保護政策の通称。 「45/47体制」と呼ばれた理由は1970年(昭和45年)に閣議で了解され、1972年(昭和47年)に運輸大臣通達が出されたことに由来する。)
〇民営化・規制緩和 参入の自由化(世界の流れ)
1986年国鉄改革・鉄道事業法制定
1987年JAL民営化
2000年貸切バス・鉄道・海運・航空の需給調整廃止
2002年乗合バス・タクシーの需給調整廃止
〇成長の鈍化、活性化・再生へ
2007年地域公共交通の活性化及び再生に関する法律制定(モード横断・地域連携)
…を強化しながら現在に至る
2013年交通政策基本法制定
2014年地域公共交通活性化再生法改正(コンパクト・プラス・ネットワーク)
2020年地域公共交通活性化再生法改正(輸送手段の最大限活用)独占禁止法特例法制定

③地域公共交通に関する2つの提言
 2~30年後の状況が目の前に現れてきた
〇鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会 令和4年7月
地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言~地域戦略の中でどう活かし、どう刷新するか~
〇アフターコロナに向けた地域交通の「リ・デザイン」有識者検討会 令和4年8月26日
アフターコロナに向けた地域交通の「リ・デザイン」に関する提言 ― 官と民、交通事業者間、他分野との共創によるくらしのための交通の実現へ ―




④政府方針における位置づけ
〇経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針) (令和4年6月7日閣議決定)
 デジタル田園都市国家構想の実現に資する持続可能で多彩な地域生活圏の形成のため、交通事業者と地域との官民共創等による持続可能性と利便性の高い地域公共交通ネットワークへの再構築に当たっては、法整備等を通じ、国が中心となって交通事業者と自治体が参画する新たな協議の場を設けるほか、規制見直しや従来とは異なる実効性ある支援等を実施する。
〇新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(令和4年6月7日閣議決定)
 アフターコロナに向けて住民の豊かな暮らしの実現を目指し、MaaSや自動運転などの最新技術の実装を進めつつ、交通事業者の経営の改善を図り、官と民で、交通事業者相互間で、他分野とも連携する共創を推進し、地域交通ネットワークを持続可能な形でリデザインする。そのため、公的主体と交通事業者が適切なインセンティブ設定のもとで能動的に関わり、一定エリアにおける地域交通体系の全体最適化と長期的な交通サービスの安定化を実現する秘仕組みの検討を進める。
〇デジタル田園都市国家構想基本方針(令和4年6月7日閣議決定)
• 買い物や通院などに利用するための十分な移動手段やこれを支えるインフラが確保されていることも地方に求められる大きな条件である。MaaS(Mobility as a Service)の活用や自動運転の活用場面の更なる拡大など公共交通分野にかかるデジタル化や先進技術の活用を一層進めるとともに、官民や交通事業者間、他分野との垣根を越えた「共創」で地域交通をリ・デザインし、自家用車を持たない高齢者をはじめとする地域住民の移動手段を確保することを可能とする。(略)このように、地域住民の生活に不可欠なサービスをデジタル技術の活用により維持・確保し、利便性の高い暮らしの実現、地域の生活水準の向上を目指す。
• 最新技術の実装を進めつつ、地方公共団体がバス等のサービス水準を設定した上で、交通事業者に対して、エリア一括して複数年にわたり運行委託する場合に、事業者の収支改善インセンティブを引き出すため、複数年にわたる長期安定的な支援に向け、実効性ある支援等を実施する。


⑤来年度予算・法改正を検討中

「ちょっと下品なスライドになってしまいましたが…(苦笑)」
今年は何か手を打たなければならない年、予算の確保、法案の整備、さらにどういう石を積めるのか、非線形な変化を起こしていきたい。

⑥「人口減少」とは

⑦「高齢化」とは




⑧人口≠利用者数①
20代の移動回数は年々減少し、70代と逆転
海外においても、20代の移動回数は減少傾向
(移動回数の定義が各国で異なるため、各国間での数値の大小の比較はできない点に留意)

⑨人口≠利用者数②
コロナ前(2019年)のデータを読み解くと、
〇訪日外国人3,188万人の観光・レジャー目的の交通費(観光庁「訪日外国人の消費動向」より)
 県間2,100億円(6,600円/訪日外国人1人)
 県内(三大都市圏) 400億円(1,900円/訪日外国人1人)
 県内(それ以外) 300億円(900円/訪日外国人1人)
〇日本人国内旅行1億2,617万人の観光・レクリエーション目的の交通費(観光庁「旅行・観光消費動向調査」より)
 県間1兆2,800億円(10,000円/日本人1人)
 県内(三大都市圏) 7,800億円(6,200円/日本人1人)
 県内(それ以外) 1兆3,700億円(11,000円/日本人1人)
※ 全国の鉄道利用は6兆3,300億円(51,000円/日本人1人)、乗合バス利用は9,700億円 (7,700円/日本人1人)

⑩地域公共交通の収支(他産業との比較)
〇 地域公共交通は、コロナ以前から赤字構造にあり、コロナ禍で一層の悪化。
〇一方、トラックや製造業全体の収支率はコロナ前後で変動がなく、100%程度を保っている。

⑪考えるヒント
・地域公共交通は基礎的なインフラである(中略)地方交通の消滅は、「地方消滅の第一歩」となることを認識すべきだ。
・Competition in the Market(中略)Competition for the Market(中略)「公共」を突き詰めて考えることは、その裏腹にある商業的活動の可能性を真剣に考えることでもある。
・「日本初」という触れ込みは、私が知る限りほとんどが誤りである。(中略)地域公共交通において本質的に大事なのは「適材適所」である。
・「出かけたくなる」「集まりたくなる」地域を創っていくことが(中略)地域社会のゴールの一つであろう。
・交通インフラは(中略)移動需要そのものを作り出す役割(中略)移動需要をあえて集中させるのも(中略)輸送の効率化(中略)賑わいの創出という点でも重要だろう。
・今の経営危機的な状況は、CX/DXと集約化を産業レベルで進めるチャンスともなり得る。
※地域モビリティの再構築(監修:家田仁/小嶋光信、2021)より

〇民間/ 公共
 民間=事業としてのサービス提供、公共=サービスの調達
〇費用負担: 利用者(創出・集約)=運賃として / 受益者/ 住民・国民=税金での負担/ その他(事業ポートフォリオ拡大)=兼業することでの副収入(例:大手私鉄)⇒この発想を活かせないか。兼ねる・束ねる⇒交通だけでない地方の形成
〇費用構造: 供給集約/ 省人化=自動運転などの要素
利用者がずっと減ってきている⇒この流れを変えていきたい。


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【11月19日】くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2022(第11回)に初日だけ行ってきた🚌

2022-11-28 | 書記長社労士 公共交通

 今年も(リアルは3年ぶりながら)「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2022」が11月19日(土)・20日(日)に、東京⼤学(本郷キャンパス)⼯学部2号館 213号⼤講堂で開催されて、自分は初日だけ参加してきた。


 初日は、
セッション① パネルディスカッション(14:00-15:40)
「みんな」で拡げよう お出かけの和ー「競争から協調、そして共創へ」みんなでつくる新たなモビリティサービスとは? ー
地域交通を⽀える「みんな」が拡がっている。他分野・異業種から新たに地域公共交通を担おうとするチャレンジャーたちが急増。真に住⺠が求める新たなモビリティサービスとは何かを考える。
「サブスクのmobiの現状と今後目指すもの」村瀬 茂⾼ ⽒(WILLER株式会社 代表取締役)
「デマンド交通「チョイソコ」による地域との向き合い方」加藤 博⺒ ⽒(株式会社アイシン ビジネスプロモーション部 部⻑)
「元システム屋がタクシーの「タク放題」にチャレンジした理由」清野 吉光 ⽒(⼀般社団法⼈静岡TaaS 代表理事)
セッション② デジタルポスターセッション(15:40-17:00)


二日目は、
基調講演(9:40-10:10)「バスによる幹線輸送の魅力と可能性」中村 ⽂彦 ⽒ ( 東京⼤学⼤学院新領域創成科学研究科 特任教授 )
話題提供(10:10-10:40)鈴⽊ ⽂彦 ⽒(交通ジャーナリスト)児⽟ 健 ⽒(神⼾市交通局 副局⻑)
パネルディスカッション(10:40-12:20)
幹線としての路線バスにできることはもうないのか?地域交通の「幹」である路線バスが危機に瀕している。しかし、路線バスのポテンシャルはもっとあるはず。路線バスにできることはもうないのか? 「幹線としての機能を⾼める努⼒は⼗分に払われてきたのか?事業者、⾏政、市⺠など 「みんな」が何をなすべきかについて議論する。



 今回、そして初日のセッションでは、地域交通を⽀える「お出かけの和」ということではそうなんやけど、持続的に「地域公共交通を担おう」という意識が根底にあるのかないのか、その意識が伝わらないプレゼンが続いていて、なんかモヤモヤしたのはなんでやろ。
新しことをすることを評価するのではなくて、もっと地に足を着くことを根底においた事例を求めていたんやけどなあ、ってな意味で。
WILLERの村瀬社長はプレゼンの中で、デマンド交通の導入で目指していること(やりたいこと)について、「地方でも都会より便利で快適な自分らしい生活ができる」「持続可能なモデルを創る(SDGS/デマンドと路線バスの組合わせ)などと言っていたが、それなら渋谷や池袋では要らんやろっ💢って思わずツッコんでしまったし…。
ま、2日目のセッションは聴けていないが、そっちはそのへんのモヤモヤ感は解消された感じだったとうちの参加者の弁、そっか、よかった。


 セッション② デジタルポスターセッションで気になったのは以下の4つ。
№1「ー子どもから高齢者までー 松江市交通局の全世代に向けた利用促進の取り組み」
押しポイントは、①公民館でもゲートボール場にも!?どこでも伺います!高齢者対象(icカードを使った)乗り方教室の実施、②他モードを巻き込んで公共交通利用促進!小学生以下無料乗車イベントの実施⏪3年前開催時の既に4倍!、③コロナに負けるな!「バス祭りin松江」3年ぶりに開催!⏪3年前開催時の2倍!

№2「飯能地区における地域旅客運送サービス継続事業 路線バス事業者自らが受け皿となるケース」
押しポイントは、後継事業者がなかった事例において、バス事業者(国際興業(株))自らが受け皿となり地域旅客運送サービス継続事業を行った点



№3 LINEを活用した空港バスのスマート決済(大分交通)
推しポイントは、令和4年3月より、大分交通リムジンバスのキャッシュレス決済を開始しました。券売機や窓口に並ぶことなくLINEを通じてチケットが買え、スマホに表示されるQRコードをバスの読み取り機にかざすだけでスムーズに乗車できます。このためLINEの友達登録者数が急増し(現在24,000件)他路線への拡大を検討しています。(予約制ではない、「回数券って人にあげるよね」って発想から買ったチケットをLINEの友達にプレゼントできる)

№6 もっと自由に行きたい所に行く方法(車いすと意識しない電動車いす)の普及((株)NOAA)
押しポイントは、国交省認定ハンドル型電動車いす、誰もが乗りたくなる福祉・介護的イメージを払拭したデザイン、航空機級のアルミ材使用による高剛性、軽量車体で折り畳んで航空機・電車・バス搭載可能、宅急便配送可能、旅行先・商業施設等での楽々移動が可能、最小の収納スペース。⏪観光バスやタクシーに搭載し、スムースな現地移動や新しい観光スタイルを提案し利用者増を達成。


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【2022.9.27】第9回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会での、私の発言だけ抜粋

2022-11-17 | 書記長社労士 公共交通

日時:令和4年9月27日(火)18時00分~19時19分
場所:厚生労働省 省議室(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 9階)

出席委員
公益代表委員
東京医科大学公衆衛生学分野講師 小田切優子
筑波大学ビジネスサイエンス系教授 川田琢之
立教大学経済学部教授 首藤若菜
東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授 寺田一薫
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授 藤村博之
慶應義塾大学法務研究科教授 両角道代
労働者代表委員
日本私鉄労働組合総連合会中央副執行委員長 池之谷潤
全国交通運輸労働組合総連合軌道・バス部会事務局長 鎌田佳伸
全国交通運輸労働組合総連合トラック部会事務局長 貫正和
日本私鉄労働組合総連合会社会保障対策局長 久松勇治
全国自動車交通労働組合連合会書記長 松永次央
全日本運輸産業労働組合連合会中央副執行委員長 世永正伸
使用者代表委員
日本通運株式会社取締役執行役員 加藤憲治
東武バスウエスト株式会社取締役社長 金井応季
京成バス株式会社代表取締役社長 齋藤隆
西新井相互自動車株式会社代表取締役社長 清水始
昭栄自動車株式会社代表取締役 武居利春
公益社団法人全日本トラック協会副会長、松浦通運株式会社代表取締役 馬渡雅敏

議題
(1)改善基準告示の見直しについて
(2)その他

【次第】第9回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会
【資料1-1】改善基準告示の見直しの方向性について(トラック)
【資料1-2】貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の在り方について(報告)(トラック)
【資料2】自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の在り方について(とりまとめ案)
【参考資料1】「改善基準告示」見直しのポイント
【参考資料2-1】改善基準告示の見直しの方向性について(ハイヤー・タクシー)
【参考資料2-2】一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の在り方について(報告)(ハイヤー・タクシー)
【参考資料3-1】改善基準告示の見直しの方向性について(バス)
【参考資料3-2】一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の在り方について(報告)(バス)
【参考資料4】とりまとめ後のスケジュール


○藤村委員長 どうもありがとうございました。それでは、ただいま読み上げていただいた最終とりまとめの報告案について、各委員から御発言を頂きたいと思います。労働者側委員、使用者側委員、公益委員の順番で発言をお願いいたします。まず、タクシーの労働者側委員、どうぞお願いいたします。
○久松委員 3月の中間とりまとめの際と重複する内容もありますが、本日は最終のとりまとめとなりますので、改めて発言をさせていただきたいと思います。
 タクシーに限らず、日勤の休息期間が11時間とならなかったことについては、非常に残念に思っているところです。私たち労働者側委員としては、脳・心臓疾患に係る労災認定基準の令和3年改正で、勤務間インターバルが11時間より短い勤務は評価対象に加えられたことを重く受け止め、休息期間については11時間を主張してきました。タクシー業界においては、運転者が大幅に不足している状況であり、利用者のニーズにいかに応えていくか、また生産性の向上というものも考えていかなければいけないという使用者側委員の御意見についても、もちろんよく認識はしているつもりですが、労災認定基準の改正を踏まえての主張でしたから、労働者側委員の主張は妥当であるということを、改めてこの場で申し述べておきたいと思います。さりとて、これまで公労使で議論を重ねた結果ですし、1か月の拘束時間の上限と相まって、実務的には例外の部分の15時間の拘束時間、9時間の休息期間がフルに使われるわけではないことも踏まえ、総拘束時間の短縮になるだろうと思っていますし、そうでなければならないとも思っています。
 一方で隔日勤務の休息期間については、一昼夜が逆転するという不規則な隔日勤務が、いかに過酷な勤務であるかということを踏まえ、改善が必要であるという私ども労働者側委員の主張について、使用者側委員におかれましては一定の譲歩を頂いたことについて、改めて感謝を申し上げておきます。改善基準告示は、労働時間等の上限を定めてあるものでしかなく、タクシー事業者の皆さんにおかれましては実際の労務管理について、日勤の拘束時間は13時間、休息期間は11時間、隔日勤務の休息期間は24時間を基本とした上で、長時間労働や健康被害を防止し、運転者のみならず利用者の安全・安心も担保できるよう、改正されるまでの間、周知していただき、全ての事業者にしっかり理解していただき、推進していただきますようお願いしておきます。
 現在、タクシー運賃の改定が、全国の多くの地域で進められております。例えば東京特別区・武三地区においても、11月改定に向けて手続がなされていますが、運賃改定には、地域によって積極的な事業者、消極的な事業者と、温度差があるように感じています。この運賃改定は、改善基準告示改正に向けて賃金等の労働条件の維持改善に必要な原資とされるべきであり、全国全ての地域で運賃改定が申請されますよう、また利用者の御理解を得られる運賃改定となるよう、事業者の皆さんには取組を強化されますようお願いしておきます。
 最終とりまとめに関する発言はこれまでですが、もう1点だけ。先ほど参考資料で、「改善基準告示」見直しのポイントというものが配布されました。ハイヤー・タクシーの見直しのポイントの休息期間の欄が、日勤のみの記載となっておりますが、できればここは隔日勤務の休息期間についても、表示されますようお願いします。

○藤村委員長 ありがとうございました。隔日勤務についての記載というのは、事務局、いかがでしょうか。
○監督課長 事務局です。今の御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。
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11月17日開催「院内集会 ロビイストが歪める交通政策~Uberファイルに見る欧州市場参入戦略」 交通の安全と労働を考える市民会議​ ―「ライドシェア」問題を考える―

2022-11-14 | 書記長社労士 公共交通

院内集会「ロビイストが歪める交通政策~Uberファイルに見る欧州市場参入戦略」

 交通の安全と労働を考える市民会議(市民会議)は、いわゆるライドシェアが導入された場合に、交通の安全と労働にどのような影響があるかを調査・研究するとともに、公共交通のあり方について考え、発信・提言することを目的とする団体です。2016年の発足以来、ライドシェア、地域公共交通、ギグエコノミー等をテーマに全国各地で集会等のイベントを開催し、ライドシェアや公共交通について啓発・問題提起をして参りました。
 さてこのたび、以下の日時にて、市民会議主催の院内集会「ロビイストが歪める交通政策~Uberファイルに見る欧州市場参入戦略~」を開催いたします。

■日時 11月17日(木)午後5時半~7時
■場所 衆議院第2議員会館多目的会議室(1階)
■方式 ハイブリッド(会場+Zoomウェビナー)

 本年7月、全世界でライドシェアを推進するUber社内部にて2013年から2017年にかけて作成・やり取りされた電子メール、メッセージ、資料等約12万4000点が流出したことが報道されました。これらの文書と、これらに関して行われた調査はUberファイルと呼ばれ、Uberがその事業活動において、各国市場における規制緩和・撤廃に向けて行ったロビー活動ほかの問題などを明らかにしました。
 Uber社は、2017年以降、会社として変わっており、Uberファイルが示唆する問題ある活動はもはやないと言います。Uber社の2017年以降の活動に照らして、果たしてそのように言えるでしょうか。現在Uber社は日本においてアプリを展開し、「全国に広がるUber Taxi、ますます移動が便利に」と謳います。Uber社の事業活動あり方や、市場参入戦略は、日本の公共交通のあり方にも関わるものであることから、Uberファイルとその後のUber社の活動、それが日本の公共交通に及ぼしうる影響について学習し、考えるために、本院内集会を開催するものです。
 最初のスピーカーとして、Corporate Europe Observatory研究員であるVicky Cann氏を招き、Uberファイルについてお話しいただきます。Coporate Europe Observatoryは、EUにおける政策決定における企業とそのロビー団体の影響について研究し、問題提起を行う研究団体・運動体であり、Cann氏はUberファイルと、Uber社がEUにおける政策決定に及ぼしていた影響力について調査をしてきました。
 続いて、Uber社をはじめとする世界のプラットフォームビジネスとその動きに精通する国際運輸労連(ITF)政策部長の浦田誠氏から、プラットフォーム企業がいかに規制を弱めようと動いているかなど、世界における動向についてお話しいただきます。
 最後に、関連する動きとして、日本におけるUber Eatsユニオンの東京都労働委員会への不当労働行為救済命令申立事件の状況、そして組織化が進むアマゾンの配達ドライバーの動向について、これらにかかわる労働弁護士から報告をいたします。
 是非ご参加くださいますようよろしくお願いいたします。

お申し込みは、以下のリンクからお願いいたします。
https://forms.office.com/r/6rBMFsWQ1i
※ 会場参加の場合、衆議院第二議員会館1階ロビーにて入館証をお渡しします(開会時間までにお越しください)
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静岡TaaS「タク放題」試乗と遠隔点呼の視察したときのメモ

2022-09-30 | 書記長社労士 公共交通

 9月15日のことで、かなり日が経ってしまったが、交運労協ハイタク部会で、静岡市に静岡TaaS「タク放題」試乗と遠隔点呼の視察に行ってきた。
まずは静岡駅から「一般社団法人 静岡TaaS」(代表理事:清野吉光さん)https://www.shizuoka-taas.com/が手掛けるいわゆる定額乗り放題タクシーである「タク放題」の試乗。
TaaSとは、Taxi as a Serviceで、MaaSをもじったもので、「タク放題」は静岡市街地北西部の別に定められたエリア内の定額タクシー乗り放題サービスだ。


 サービスの提供は月曜から金曜日(祝日含む)までの平日で、午前10:00~午後5時までの時間帯におこなっており、このサービス提供時間内なら、65歳以上は月額8,000円(税込)、65歳未満は月額1万円(税込)で(クレジットカードによる前払い)で、エリア内の乗降が何度でも可能となる。
予約は、専用アプリか予約センターへの電話でおこなう。
これは「募集型企画旅行」という制度を使っておこなっわれており、現在は2022年7月1日~12月30日までの「6か月間限定の実証実験」となっている。


 試乗後、共同配車センター運営サービスを行っている事務所に訪問させてもらって、清野代表から詳しく説明を伺った。
現在はなかなか登録者数が伸び悩んでおり、説明会イベントを積極的に開催しPRに努めていること。
補助金無しの自立的な運営で行っていて、採算をどう取っていくか、会員数と運用車両数の最適化が課題だとのこと。


ご説明を聞いて自分が思ったことは、
①平日昼間の限定的なサービス時間で自家用車から切り替える気になって貰えるか
②現在は期間限定の実証実験中で、やはり自家用車から切り替える気になって貰えるか
③高齢者がメインターゲットになると思うがクレジットカード決済に抵抗がある人が多いのではないか
④タクシーとの競合を避けるためにエリアを限定しているとのことだが、そこは悩ましい
⑤タクシー借り上げであるが、貸切料金6500円に対し、システム使用料・販促料として3900円、タクシー会社(運転者)の売り上げとなる2600円は妥当なのか
などなど、いろいろあるが、しかし高齢者の運転免許返納を支えるということも含めて、自家用車から公共交通へシフトして貰う取り組みとして良い試みだと思うので、ぜひ頑張って欲しい。

①②については、これから長期的にやっていければ解決しそうだ。
その上で、エリア外やサービス提供時間外には、タクシーや他の公共交通機関を利用と組み合わせて利用してもらったとしても、ユーザー側には、自家用車の購入費用や維持費と比較して、充分にお釣りが来ると思うので、その辺の具体的なアピールも重要だと思う。
③については、他の決済方法の検討や、遠方に住んでいる子供から親への「仕送り」的な利用を仕組んでいくという方法もあるかと思う、茨城県水戸市の取り組みのように「ふるさと納税」に絡ますのもありかも。
④については、既存の公共交通であるバス・タクシーとの教護を避けると言うことは重要な要素ではあるが、その間隙を補うエリア内輸送という超近距離輸送に特化は重要。
その上で、このエリアを複数設定して利用者は各々のエリア内利用に限り、運行するタクシーは複数エリアを網羅する形で運行するってのはどうだろうか。
⑤については、採算性も含めての持続可能性と効率性の関係があるが、解決できると思う。

 「補助金無しの自立的な運営」を目指していると言うが、運行タクシーによる「見守りサービス」であったり、繰り返すが免許返納や車を使えない学生や高齢者の移動サービスの確保などの社会政策・自治政策・福祉政策的役割にも有効であって、クロスセクター効果も含めて、行政や地域住民、他の公共交通関係者も含めて地域で議論して欲しい。


 さらに、遠隔点呼の視察。
実証実験を経て、4月1日より、使用する機器・システムの要件等を満たすことで、バス・タクシー事業者において、遠隔拠点間での点呼が可能となったのだが、タクシー会社として承認された2社のうちの1社である(株)駿河交通さん(https://www.suruga-taxi.com/)の遠隔点呼システム(東海電子(株)がセットアップしたもの)と、本社と営業所間でのデモを見学させてもらった。
遠隔点呼については、「遠隔点呼に使用する機器・システムが満たすべき要件」「遠隔点呼を実施する場所が満たすべき施設・環境要件」「運用上の遵守事項」といろいろハードルが高く、また設備投資もそれなりに必要なのだが、運転者不足、運行管理者不足、長時間労働の是正、人件費を含めた経営費用の削減などを考えると、今後、活用が進むと思っている。
初期の設備投資費用について、国土交通省からの補助金の新設拡充を、労働組合としても求めていく。
東海電子の遠隔点呼特設サイト https://lpfo.tokai-denshi.co.jp/enkakutenko

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