労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

ストレス一日決算主義

2018-06-14 | 書記長社労士 労務管理
ストレス一日決算主義 (生活人新書)
山本晴義

ストレスは、溜めない・逃げない・先送りにしない、「一日決算主義」で解消を。
ストレス→うつ病・生活習慣病の事態を避け、明るい職場・明るい家庭・明るい日本を実現するために今すぐ始めよう。
全国労働者の悩みを無料メール相談で引き受ける著者が提案する、「今」と「これから」の自分を変える
メンタルヘルスの手法を今すぐ実践。ストレスが溜まらなければ、元気が涌いて金も貯まる。
NHK出版

 社会保険労務士会の会報を整理していたら、今年の3月号で、横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長である山本晴義氏が寄稿された「仕事や職業生活におけるストレスとメンタル不調」。
その中で「ストレス一日決算主義」というのが記載されて、なるほど、ってなってマーカーして付箋を付けていたのを思い出した。
今さらながら、その部分だけ、メモをしておこう。

 健康的なライフスタイル(ストレス一日決算主義)

①「運動」 競技スポーツではなく、健康スポーツを
 一日15分でいい、仕事から離れて、いい汗をかく習慣を毎日持っていますか?
②「労働」 働き甲斐は生きがいの源
 日々の労働に生きがいを感じていますか?自分の存在意義を感じていますか?
③「睡眠」 寝つきがよい事、目覚めのよい事
 十分な睡眠は日中の活動レベルを上げる。早起き早寝の習慣を。
④「休養」 休養は心の潤滑油
 長時間労働を控えましょう。こまめに休む習慣を。
⑤「食事」 食事はエサではありません。
 食卓を囲む習慣を。朝食は一日の活動源。

※週単位の生活から、毎日を大切にする「一日決算主義」の生活へ
※毎日の生活に、上記の5要素をきちんととることが、健康的で幸せな生活につながります。


 なるほどなんですよ!
先生は「臨床経験から、心身の不調を訴える患者や労働者が月曜に多いことに気付いた。すなわち、ウィークディは、仕事と寝る時間のみに費やす生活、しかも十分な睡眠時間が確保できずに、結果的に寝だめするという生活。ところが、生き物にとって最も大切な基本的リズムは一日という単位であるはずで、一日一日を大切にした生き方が心身の健康につながると考えた」と書いておられる。
この基本は、ヒポクラテスの「健康の源は運動、労働、睡眠、健康、食事の5要素が、毎日の生活の中にバランスよくきちんと配分されることだ」という教えだそうだ。
ほんと、なるほどなんですよ!

    

 
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交運労協第24回交通運輸政策研究集会 第二講座は水町勇一郎東京大学教授の「働き方改革のポイントと対応」

2018-06-04 | 書記長社労士 労務管理

 前回の記事から少し日にちが経ったが、とにかく続きを。
この間、ハマキョウレックス事件と長澤運輸事件の最高裁判決があったが、この記事にはあまり影響がないので、そのままアップ。

 5月29日~30日、静岡県「熱海温泉 金城館」にて、交運労協第24回交通運輸政策研究集会。基調講演の第二講座は水町勇一郎東京大学教授の「働き方改革のポイントと対応」


 高プロが問題になっているが、今日のテーマとしては、皆さんにはあまり関係ないと思う。
みなさんにとって一番重要なのは、時間外労働の罰則付き上限規制と同一労働同一賃金、それらについて説明し、どう準備していかなくてはならないかを話したい。

 なぜ働き方改革なのか。高プロを除くと労働者保護のための改革だ。歴史上2番目に大きな改革、一番の改革は戦後に労働三法が出来たこと、それ以来の改革。

 なぜ労働組合が支持する政党がやらなくて、支持しない党がやるのか。第二次安倍政権が、働き方改革をやると言って、しかし同一労働同一賃金だけでは柱にならないので、高齢者の雇用継続と時間外労働の上限規制を付けてやろうかとなった。で、あとから高プロがひっついた。働き方改革は、社会問題であると同時に経済問題であると安倍総理はことあるごとに言っている。グローバル競争の結果、労働力を調整しやすくコストの安い非正規が増え、今では労働者の5分の2を占め、20%が年収250万円。これが、結婚の問題、教育問題、格差問題を再生産している、これが社会問題。

 同時に経済問題とは、アベノミクスで、「成長と分配の好循環を日本経済に呼び戻す、成長と分配の好循環を実現する」ことがアベノミクスのポイントとなっている。戦後の高度経済成長の時には成長と分配がちゃんとまわっていた。生産者でしかなかった貧乏な人が、賃金が上がると消費者になる。そうすると物が売れて生産が向上し、さらに賃金が上がる。それが止まったのが、1973年12月。オイルショックが世界中の成長と分配の好循環を止めてしまった。OPECの生産調整で石油が4倍にあがり、輸入費用が上がってしまって、そうすると貿易収支のバランスを取ろうとして自国の製品を輸出するようになった。それまでは日本でもインフレ20%でも賃上げ25%ってやってきた。しかしオイルショックで海外に自国の製品を売るためには物の値段を上げないようにしないといけなかったから、インフレを止めて、賃上げも止まった。デフレになって、賃金が上がらない、すると物が売れないから、賃金が下がる、デフレスパイラルになった。デフレスパイラルを世界中の国は克服するためには、インフレ基調にするのが世界の経済政策の共通の目標。日本でもこれをアベノミクスでやろうとしている。


 日本の今の状況は、経済成長が安定的に回せる状況になっている。その結果、人手不足の傾向になっている。安倍政権は特徴ある政策をとってきた。どちらがいいというわけでは無いが、民主党政権の時には借金を早く返して財政健全化をしようとしたが、安倍政権の経済政策については、借金返済を先送りにしておいて、市場にお金がまわるようにした政策。さらに金利政策としてはマイナス金利政策も同時に行って、経済成長してから借金を返せばいい、同時にインフレになれば借金が間接的に減るじゃないか、という政策。このまま行けば、戦後最長の経済成長になる。しかし皆さんの生活は良くなっているか、良くなっていない。経済成長して企業が儲かっても実質賃金が上がっていない。

 だから安倍政策の最大の課題は賃上げ。皆さんには迷惑が掛かっているかも知れないが、賃上げの介入をしている。連合は基本給を上げてくれ、経団連は臨時給で、いずれにしても政府が3%上がるように介入している。しかし大企業の賃金が3%上がっても、それでは中小など全部が上がらないので、同時に最低賃金を毎年3%を上げ続ける。全国の加重平均で1000円になるように(全国で1150~850円)なるまで、毎年3%上げていく。これで上を上げて下を上げる、しかしまだ3%にならない、なぜか、中間を占める非正規が上がらないから。今は安くても一生懸命働いてくれる非正規で仕事を回している。だから非正規の働きぶりに応じて、賃金を上げていって、非正規は便利だけどもう安くないんだとしていかなくてはならない。不安定雇用なのだから。だから安くない非正規にしていかなければならない。働きぶりに見合った賃上げをおこなっていき、成長と分配の好循環を実現させる、これが働き方改革。

 さらにこれは景気の良いときにしか出来ない、景気が悪くなるとこれは出来ない。日本の景気はいつまで続くか、おそらくオリンピックまで。その間に消費税があがるが、それで景気が冷え込まないように対策を取りつつ、2020年の夏までにやり遂げるというのが改革の柱にもなっている。

 衆議院で通ったら、参議院で会期末までに通す、会期が足らなかったら小幅な会期延長で必ず通すとしている。成立したら、企業規模に応じて施行日が決まる。ほとんどの改革は2019年4月から施行される。ただし、上限規制は、中小は1年猶予、同一労働同一賃金は準備がいろいろ必要で、余波がいろいろあるので、大企業は2020年4月、中小は2021年4月。心の準備をしておいてください。


 時間外労働の上限規制、今、上限に収まっているところも安心してはいけない、なぜなら特別条項がちゃんと守られていない実態が多いから。まず、年6回までがちゃんと守られていない、今まで監督署の監督でチェックされていない。監督に来ると「過去3ヶ月分持ってきて」ってなるので、過去1年はこれまでちゃんと調べていない。しかし東京と大阪で出来た「かとく」で調べたら、1年で見ると、半分以上が守られていないことがわかった。

 施行された以降は法律に明記されるので、監督の際は、過去1年分を調べることになるという。週休二日を完全にやっているところだと、通常月は上限45時間だから、一日では平均2時間しか残業出来ない職場となる。しかし繁忙期になると100時間近くまでできるといっても、それを1年の前の方で使ってしまうと、後で使えなくなる。繁忙期を意識して、月100時間、平均して80時間を守る体制を作るということが大切。業務の見直し、平準化、無駄はやめるということをやっていかなくてはならない。労働組合も現場で違法な状況にならないようにしていかなくてはならない。これが最低守らなくてはならないところ。


 勤務間インターバルについては、現在導入企業は3%とか5%と言われているが、これから導入事業場がどれほど増えていくかで、5年後に罰則付きで法制化出来るかが掛かっている。是非取り組んでもらいたい。


 これまで、基本給を上げると、ボーナスや退職金に影響するのでと、職務に関わらず職務給を作ったり、作業に関わらず作業手当を作ったりしてきたかも知れないが、施行を迎えるにあたって、よく点検して準備をして欲しい。諸手当については、ほぼ、有期に短時間に派遣にも同じように払わなければならないようになる。正社員にしか払っていない手当は、ほぼ対象となる。

 ボーナスについては、企業業績の貢献に対して、査定に応じて再分配しているとすれば、有期・短時間・派遣も、同期間貢献している。ならばちゃんと貢献に応じて支払ってくださいとなる。

 本丸中の本丸に残っているのは基本給。同一労働同一賃金であるが、今回の法案には職務給にしなさいとはどこにも書いていない。どの基本給制度にするかは労使の話し合いに任せますが、均衡にしてくださいねってことになっている。一番難しいのは、職能給が何級何号棒で決まっている場合。小売業界はすでに取り組んでいる。正社員と非正規に職能給を作り、次にそれぞれの職能給表を合体させるという方法。小売業界を参考にして、施行までのあいだに制度設計して、施行日に就業規則を改定して届け出る、そこから5年ほど掛けて変えていく、そこまでしておけば裁判所はやっていると判断するだろうと思う。施行日に検討委員会を立ち上げただけのような場合、やっていないと判断されるかも知れない。しかし、もし正社員の賃金制度が実態に合わしただけで変な物になっているのなら、そこに非正規を合わせるともっと変な物になるので、その場合、慎重な検討が必要。

 労使の心構えについて3つお願いしたい。

 非正規の組織化を最後のチャンスだと思って今回本格的に進めて欲しい。労働組合にとっては組合員が増えて組織強化になるからメリットがあるが、実は組織化に最もメリットがあるのは会社だ。制度を改定してもどうしてもいびつな物になるが、労働組合との協議は裁判所の判断では尊重されるだろう。しかし組織化していないと、組合と協議していても、その組合は非正規の声を反映していないとして、尊重されない。ユニオンショップ協定を改定して、非正規も対象とすることが重要な状況となっている。企業側から労働組合にその提案している事例がある意味を理解してほしい。

 「賃金原資一定の元、正規の賃金を下げる」というのはだめ、今回の改正の趣旨に反する。これは大臣答弁でも言及されている。労使交渉では、しばらく「賃金原資一定」という考え方は脇に置いといて、どうやって賃金原資を増やし、どうやって賃金配分していくか、今度の春闘から話し合って欲しい。

 そしてその賃金原資を増やすためには、生産性の向上、企業の内部留保(将来不安と自己資本比率の問題がこれまであった)を回す、そして価格転嫁(サービスの質を落としてでも業務を見直しさらに価格を上げる)をおこなう。2%インフレ3%賃上げで、成長と分配の好循環を実現させる。

     
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勤務間インターバル制度

2018-03-20 | 書記長社労士 労務管理
 厚生労働省が定める「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(バス・タクシー・トラック運転者が対象)では、休息期間(勤務と勤務の間の自由な時間)として原則として継続8時間以上と定めてあり、これはあくまでも大臣告示であって法律ではなく直接の罰則などが規定されているわけではないが、間接的に行政処分がなされるので、強制力を持っている。
そういった意味で、日本での「勤務間インターバル規制」はこれだけだ。

 バス・タクシー・トラックにおける「休息期間」の概念は、勤務と勤務の間にあって、休息期間直前における疲労の回復を図るとともに、睡眠時間を含む労働者の社会文化的な生活時間として、その処分は労働者の全く自由な判断にゆだねられる時間であって、休憩時間や仮眠時間とは本質的に異なるものであり、また、一週間の単位における疲労の回復と余暇の性格を持つ休日とも異なるものとされている。
また、改善基準における休息期間の役割は、勤務と勤務を区分するところにもその意味があり、勤務と次の勤務の間に一定の長さ以上の休息期間を置くことによって、前の勤務と後ろの勤務を切り離すことにしている。

 1993年に制定された「EU労働時間指令」では1日の休息時間として24時間につき最低連続11時間の休息時間を求めている。

 終業と始業の間の休息時間を決めるのが「勤務間インターバル制度」であるが、例えばEUのように「11時間」と定めた場合、一日の最大拘束時間は13時間となる(休憩時間も含める)。
朝の始業時間が9時ならば、その会社の場合、前日は遅くとも22時には終業しなくてはならない(22時までしか残業できない)。
11時間って長い時間に見えるけど、通勤時間も食事時間も含めたら、「何時間寝れるの?」って意味で十分とは思えないが、それでも決めないより決めた方が、少しでも長時間労働抑制には効果があるだろう。

 で、どうなるかどうか分かんなくなってきている状況ではあるが、今国会亭主予定の「働き方改革関連法案」にも、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の一部改正によって、勤務間インターバル制度について、努力義務ではあるが、以下のように追加される予定。
何時間かまでは具体的には書かれていないが。

「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の一部改正(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱より)
一「労働時間等の設定」の定義に、深夜業の回数及び終業から始業までの時間を追加すること。
二「事業主等の責務」に、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定を講ずるように努めなければならないことを追加すること。」



 こういった動きを受けて、自主的に導入している企業も増えてきている。

日立製作所、勤務間インターバル制度導入へ 労使で合意
 日立製作所は今春闘の労使交渉で、終業と始業の間に最低11時間の休息を確保する「勤務間インターバル制度」を全社的に導入することで合意した。全社員約3万5千人のうち、管理職などを除く一般社員に適用する方針。今春から労使で制度設計にとりかかり、10月にも導入する計画だ。
組合側は制度の導入に向け、2年ほど前から水面下で経営側と交渉していた。残業時間の抑制や年休消化の促進を優先し、要求提出のタイミングをはかっていたが、「長時間労働を是正する取り組みに一定の前進がみられ、働き方改革の機運が一層高まってきた」(幹部)として、今春闘で初めて要求。経営側も受け入れた。製造現場に加え、企画や総務などの事務部門の社員も対象になる。組合側はグループ企業への導入拡大も視野に入れている。
勤務を終えた後、次の勤務が始まるまでに最低11時間の休息を確保するには、たとえば午後11時まで残業すると、翌日の始業時間を午前10時以降に遅らせる必要がある。このように勤務時間を1日単位で管理する勤務間インターバル制度は、ワーク・ライフ・バランスの推進に効果的だとして、普及を期待する声は多い。
電機メーカーの労組でつくる電機連合は2014年の春闘から、傘下の労組に制度の導入を要求するよう呼びかけている。電機業界では、NECが12年、シャープが14年に導入したが、流通企業などに比べ、製造業では制度の普及は進んでいない。電機連合の関係者は、普及拡大に向けて「従業員数が多い日立の導入はインパクトが大きい」と歓迎している。
働き方改革を掲げる政府は、勤務間インターバル制度について、導入に向けた努力義務を企業に課すことにとどめる方針だ。厚生労働省の15年度の調査によると、国内で導入している企業は2・2%にとどまっている。(土屋亮)


 その他、「日本郵政、勤務間インターバル制導入へ グループ4社で」や、「大手ビールメーカーが、働き方改革として、終業から次の勤務まで一定時間を確保する「インターバル制度」を相次いで導入する。キリンビールは2月から、サッポロビールは4月から、それぞれ導入する。ビール会社の営業は夕方から開店する居酒屋などが相手のため、夜間の仕事が多くなりやすい。インターバルの導入で従業員の身体的負荷を軽くするとともに、スケジュール管理の徹底で業務効率向上につなげる。」という報道もあった。
また、厚生労働省が発行している「勤務間インターバル制度導入事例集」では、「ユニ・チャーム株式会社」「株式会社フレッセイ」「TBCグループ株式会社」「KDDI株式会社」「社会福祉法人聖隷福祉事業団」「総合病院 聖隷三方原病院」「AGS株式会社」「本田技研工業株式会社」の導入事例が紹介され、勤務間インターバル制度の実施状況、導入の経緯、期待される効果と課題が記載されている。
ぜひ、参考にしてもらいたい。
平成30年度予算がまだ決定していないけど、厚生労働省の「職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」も来年度もおそらく実施される。(平成30年度予算案では「勤務間インターバルを導入する中小企業への助成金の活用や好事例の周知等を通じて、勤務間インターバルの普及促進を図る。」として15億円が組まれている)

   

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過労により労働者が通勤時に起こした事故で雇用主の賠償責任

2018-02-14 | 書記長社労士 労務管理
地裁川崎支部 過労事故死 通勤時も会社に安全配慮義務
  商業施設への植物の装飾を手掛ける「グリーンディスプレイ」(東京都世田谷区)に勤務していた稲城市の渡辺航太さん=当時(24)=が二〇一四年、ミニバイクで帰宅途中に事故死したのは過重労働が原因として、両親が同社に約一億円の損害賠償を求めた訴訟は八日、横浜地裁川崎支部で和解が成立した。会社側が過労と睡眠不足が原因と認めて遺族に謝罪し、約七千六百万円を支払う。通勤時の事故で会社側が責任を認めて和解が成立するのは異例。
 母淳子さん(61)は厚生労働省で記者会見し、過労事故死を防ぐための会社の安全配慮義務の先例として「大きな意味がある」と評価した。和解勧告によると、渡辺さんは一三年十月、アルバイトとして同社で働き始め、一四年三月に正社員になった。翌四月二十四日午前、徹夜勤務を終えて仕事先の横浜市都筑区からミニバイクで帰宅途中、川崎市麻生区で電柱に衝突し死亡。事故当日の労働時間は、前日からの約二十二時間で事故前一カ月間の時間外労働は約九十時間だった。
 遺族側の代理人弁護士によると、会社側は訴訟で事故原因に関して渡辺さんの不注意と主張。橋本英史裁判長は和解勧告で、会社側が「適切な通勤方法を指示するなど、事故を回避すべき義務を怠った」と安全配慮義務違反を指摘した。
 和解条項には再発防止策として、勤務終了から次の勤務まで十一時間以上の間隔を空ける「勤務時間インターバル」やフレックス制の採用などに取り組むことも盛り込まれた。
 同社は「勧告を厳粛に受け止め、ご心配とご迷惑をお掛けしたことをおわび申し上げます」とのコメントを発表。一方、会社側の弁護団も声明を発表し、地裁支部の事実認定に「重要な点の証拠調べを行う前に、事故の原因を居眠り運転とし、会社の責任とする前例のない判断をした」と批判した。遺族は一五年四月に提訴。事故に関して通勤災害として認定されている。


 先日、このようなニュースがあった。
過労により労働者が通勤時に起こした事故で雇用主の賠償責任を認めるのは異例であり、大きなニュースとなった。
和解勧告では、渡辺さんが疲労蓄積と睡眠不足のため「居眠り状態に陥って運転を誤り、事故を起こした」と指摘した上で、「雇用主は、労働者の通勤に際し、過労で事故を起こさないよう注意する安全配慮義務を負う」と判断している。
その上で、「事故の危険を認識できたのに、公共交通機関を利用するよう指示しなかった」と義務違反を認めている。
以前にもこのブログで触れたが、「会社が、従業員の自動車やバイク、自転車などの通勤手段に関して、許可をしていたり黙認していたりした場合には、その通勤手段によって第三者に損害を与えた場合などには一定の使用者責任が発生する場合がある。」という事例はこれまでにはあったが。

 和解条項には、同社に対して、①休憩時間を確保する「勤務間インターバル」の導入、②仮眠室の設置、③深夜タクシーチケットの交付--などの再発防止策を実施することが盛り込まれたそうだ。


 この和解は2月8日に行われたのだが、ところで昨日、撮り溜めているテレビドラマを観ていたら、TBSの金曜ドラマ「アンナチュラル」の2月2日オンエアーの第4話「Unnatural Death #4 誰がために働く」が、まさに過労による通勤中のバイク事故を取り上げていて、そのタイムリーさに驚いた。

 ある日、ミコト(石原さとみ)の母であり、弁護士の夏代(薬師丸ひろ子)がUDIに解剖の依頼にやってきた。バイク事故によって、若くして亡くなった佐野(坪倉由幸)の死因を究明してほしいという。佐野には妻と子供が2人いたが、バイクの任意保険が切れていた上に生命保険にも加入していなかった。子供2人を抱えて途方に暮れる妻・可奈子(戸田菜穂)を助けるべく、夏代がUDIに連れてきたのだ。
佐野が事故を起こした原因として考えられるのは3つ。
①佐野が勤めていた工場の長時間労働による過労
②乗っていたバイクの修理ミス
③かかりつけ医師による病気の見落とし
死因次第で責任の所在が変わるため、死因究明は遺された家族にとっては重要な問題となる。また、疑いをかけられた勤め先の工場長、バイク屋の店長、病院の弁護士がUDIにやってきて、醜い責任の押し付け合いをし始める。中立公正な立場にあるミコトたちは解剖に取り掛かるが、佐野の意外な死因を発見してしまうことに…。果たして、UDIは遺された家族を救うことができるのか?!
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厚生労働省:賃金不払残業の是正結果と、自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導、送検等の状況

2017-08-22 | 書記長社労士 労務管理
 厚生労働省は、8月9日、平成28年度に時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正指導した結果を取りまとめて公表した。
平成28年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表
これは、全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、平成28年4月から平成29年3月までの期間に不払いだった割増賃金が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめたもの。


【平成28年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント (詳細別紙1、2) 】
(1) 是正企業数 1,349企業 (前年度比 1企業の増)
 うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、184企業
(2) 支払われた割増賃金合計額 127億2,327万円 (同 27億2,904万円の増)
(3) 対象労働者数 9万7,978人 (同 5,266人の増)
(4) 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり943万円、労働者1人当たり13万円


 厚生労働省は、同じく8月9日、全国の労働局や労働基準監督署が、平成28年にトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導、送検等の状況について取りまとめまて公表した。(別紙1参照)
自動車運転者を使用する事業場に対する平成28年の監督指導、送検等の状況を公表
厚生労働省では、引き続き、自動車運転者を使用する事業場に対し、労働基準関係法令などの周知・啓発に努め、労働基準関係法令違反の疑いがある事業場に対しては監督指導を実施するなど、自動車運転者の適正な労働条件の確保に取り組んでいき、また、度重なる指導にもかかわらず法令違反を是正しないなど重大・悪質な事案に対しては、送検を行うなど厳正に対応していくとしている。


 平成28年の監督指導・送検の概要
■  監督指導を実施した事業場は 4,381事業場。このうち、労働基準関係法令違反が認められたのは、 3,632事業場(82.9%)。また、改善基準告示違反が認められたのは、 2,699事業場(61.6%)。             
■ 主な労働基準関係法令違反事項は、(1)労働時間(55.6%)、(2)割増賃金の支払(21.8%)、 (3)休日(5.0%)。
■ 主な改善基準告示違反事項は、(1)最大拘束時間(45.8%)、(2)総拘束時間(38.4%)、 (3)休息期間(31.9%)。
■ 重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは 68件。


 気になるのが、平成26年から平成28年までの3年間における業種ごとの監督実施事業場数、労働基準関係法令違反事業場数及び改善基準告示違反事業場数。
昨今、貸切バスでの重大事故が多発したことから、交通運輸事業者の安全管理とコンプライアンスの強化が取り組まれているはずながら、監督実施事業場数における違反率が、トラック、バス、ハイヤー・タクシーの各モードとも、いっこうに改善していない。
各モードとも、運転者不足という大きな問題があるとはいえ、まだまだコンプライアンス意識が低い事業者が多数存在するといわざるをえない。

 ちなみに、それぞれの事業者数は、トラック57,497者(特債280+一般57,217)、バス6,648者(乗合2,171+貸切4,477、民営・公営合わせて)、ハイヤー・タクシー15,923者(個人タクシー除く)。
約8万の事業者、これは事業所数ではないので、事業所数でいうと膨大な数になるのだが、監督に入った事業所は毎年4,000程度。

 また、自動車運送事業に従事する自動車運転者の労働条件の改善を図るため、労働基準監督機関と地方運輸機関が、その監督等の結果(改善基準告示違反等)を相互に通報しているが、労働基準監督機関から通報した件数は867件、労働基準監督機関が通報を受けた件数は351件。
地方運輸機関との合同監督・監査は、トラック90件、バス130件、ハイヤー・タクシー52件。

労働基準監督官が監督指導した事例

 事例2(バス)学校から修学旅行などを受注する貸切バス会社に対して、監督指導を実施
〇運転者について、1日の拘束時間が最長18時間、休息期間が8時間未満や連続運転時間が4時間を超える者が複数認められる。
〇雇入時の健康診断や深夜業務に従事する労働者に対する健康診断が実施されておらず、また、定期健康診断の結果、所見があると診断された労働者について対応が
行われていない。
〇常時10人以上の労働者を雇用しているが、安全衛生推進者を選任しておらず、事業場内の安全衛生活動が組織的に行われていない状況が認められる。
【指導内容】
1 運転者の1日の拘束時間が16時間を超えていること、勤務終了後に連続8時間以上の休息期間を与えていないこと、また、連続運転時間が4時間を超えていること
について指導した。 改善基準告示違反(1日の拘束時間、休息期間、連続運転時間)
2 雇入時や深夜業務に従事する労働者に対して、法定の健康診断を実施していないこと、また、定期健康診断の結果、所見があると診断された労働者について、健康診断実施後3か月以内に、医師から就労に関する意見を聴取していないことについて是正勧告した。 労働安全衛生法第66条(健康診断)、同第66条の4(健康診断の結果についての医師等からの意見聴取)
3 安全衛生推進者を選任していないため是正勧告した。 労働安全衛生法第12条の2(安全衛生推進者)
【指導後の会社の取組】
〇労働時間管理を徹底することにより、拘束時間がもっとも長い運転者について1日16時間を下回り、また、休息期間も8時間以上確保され、さらに、パーキングエリア等での休憩を確実に取得するなどにより、連続運転時間も4時間以内となった。
〇健康診断が未実施となっていた労働者に、法定の健康診断を受診させるとともに、所見のあった労働者全員について、医師から意見を聴取した。
〇法定の講習を修了した労働者を安全衛生推進者に選任し、労働災害防止など貸切バスの特性に応じた安全衛生教育に組織的・計画的に取り組んだ。
(参考)バス運転者に係る改善基準告示
4週間を平均した1週間当たりの拘束時間:原則65時間以内(労使協定締結の場合、71.5時間以内)
1日の最大拘束時間:13時間以内を基本とし、延長する場合であっても16時間以内
連続運転時間:4時間以内
休日労働:2週間について1回以内
休息期間:継続8時間以上

 事例3(タクシー)累進歩合制度を導入しているタクシー会社に対して、監督指導を実施
〇運転者の賃金について、運賃収入に応じて段階的に支給割合が上がる、いわゆる「累進歩合給」により全額支払われている。
〇時間外労働、深夜労働及び休日労働に対する割増賃金が支払われていない。
〇支払われた賃金を労働時間で除した結果、地域別最低賃金を下回っている。
〇時間外労働時間数が、36協定の限度時間を超えている。
【指導内容】
1 いわゆる「累進歩合給」は、長時間労働等を極端に誘発するおそれがあることから、賃金制度の見直しを指導した。 累進歩合制度の廃止
2 時間外労働等に対する割増賃金を、法定の割増率(時間外労働・午後10時から午前5時までの深夜労働は25%、休日労働は35%)以上で計算して支払っていない
ため、また、適用される最低賃金額以上の賃金を支払っていないため是正勧告した。 労働基準法第37条(割増賃金の支払)、最低賃金法第4条(最低賃金額以上
の支払)
3 36協定の限度時間を超えて違法な時間外労働を行わせていたため、是正勧告した。 労働基準法第32条(労働時間)
【指導後の会社の取組】
〇労働組合と協議し、累進歩合制度を廃止した。
〇過重労働防止の観点から勤務シフトを見直し、車庫待ちを廃止するなどにより労働時間を削減した。また、労働時間を適正に算出したうえで、時間外労働時間数を36協定の範囲内とするよう労働時間管理を徹底した。
〇最低賃金に満たない賃金及び不払となっていた割増賃金等、総額約50万円が支払われた。
(参考)
○ 累進歩合制度の廃止について
 累進歩合制度とは、運賃収入等に応じて歩合給が定められている場合に、その歩合給の額が非連続的に増減するいわゆる「累進歩合給」などをいう(下図参照) 。累進歩合制度は、自動車運転者の長時間労働やスピード違反を極端に誘発するおそれがあり、交通事故の発生も懸念されることから、採用することは望ましくないとして、その廃止を指導している。
○ タクシー運転者に係る改善基準告示
1か月の総拘束時間:原則299時間以内(車庫待ち等の運転者については、労使協定締結の場合、322時間以内)
1日の最大拘束時間:13時間以内を基本とし、延長する場合であっても原則16時間以内
休息期間:継続8時間以上
休日労働:2週間について1回以内
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メンタルヘルス不調と「睡眠」の関係について

2017-06-13 | 書記長社労士 労務管理
 先日の交運労協の会議で、谷川武順天堂大学教授から「睡眠呼吸障害検診の意義について」の講演を受けたが、その際に、月間社労士の4月号の記事のことを思い出してた。
メンタルヘルス不調と「睡眠」の関係についての記事だったので、引っ張り出してきて、もう一度読み返したので、少しだけメモ。

 「睡眠は身体の健康と関係がありますが、うつ病などのメンタルヘルス不調とも深い関係があります」
「メンタルヘルス不調の疑われる社員に不安や憂鬱感があるかどうか、なかなか聴きにくいものですが、眠れているかどうかは確認しやすいのではないでしょうか」

 「不眠」とは「寝床に入る時間があるのに、よく眠れない状態」(寝付きが悪い「入眠困難」、途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、ぐっすり寝た気がしない「熟眠障害」)。
不眠症が1年間続いている人は、普通に眠れている人に比べて、約40倍もうつ病になる人が多い、一方で、うつ病患者の約9割に「不眠」がおこる。

 「睡眠不足」とは「寝床に入れば眠れるのに、寝る時間が足りない状態」、「睡眠不足症候群」とは「睡眠不足が慢性化し、生活に支障を来すようになった状態」
「世界の中でも、日本は韓国と並んで最も睡眠不足の国です。そして、この両国は自殺者の多い国として知られています。日本人は睡眠を削って働くことを美徳と感じる傾向がありますが、約100万人のうつ病患者と約3万人の自殺者が出ている現状を考えると、その代償は大きいといえるでしょう。」

 「夜型の生活」は体内時計を狂わせ、うつ病を起こしやすくする。
同じ6時間睡眠でも、「午前0時~6時の睡眠」と「午前2時~8時の睡眠」では後者の方がうつ病になりやすい。

 さらに5月号の記事では、
「長時間残業は『睡眠不足』の最大の原因の一つですが、残業にも損益分岐点があります。起床後13時間までは作業能力を維持できますが、それ以降は時間が経つほど作業能力は低下し、17時間後には飲酒していなくても酔っ払い並みに低下します。」とのこと…、え~っ!?


 ちなみに昨夜は、交運労協の会議後の懇親会後に、さらに同僚と二人で飲んだくれてしまって、酔っ払いは家に帰れず…。
職場での宿泊を余儀なくされ、たいへん質の悪い睡眠になったわけだが、その酔っ払いが昨夜、コンビニで朝ご飯に買ってたのが、この焼きそば…。
なんでやねんっ!しかたなく朝から食べたけど、むせる、むせる、げほげほっ!


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長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果

2017-01-19 | 書記長社労士 労務管理

 今日は私鉄岡山県協議会の学習会にて、「ライドシェア(白タク)合法化阻止」について講演。
写真は米子から岡山への移動の際、特急やくもの車窓からの、白銀のなかの朧気な朝日。

 厚生労働省が先日「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」を公表した。

 厚労省によると、これまでの監督指導は、残業が月100時間超の疑いがある事業所を対象としていたが、長時間労働の取り締まりを強化するため、28年4月から「過労死ライン」とされる目安の月80時間超の疑いがある事業所に対象を拡大した。
平成28年4月から9月の半年間、長時間労働が疑われる約1万の事業所に監督指導を実施した結果、43.9%に当たる4416カ所で労使協定を超えた違法な長時間労働が確認され、116カ所では残業が月200時間を超える労働者がいることも把握された。
また、違反労働の業種別では、製造業が1283カ所と最も多く、商業679カ所、運輸交通業651カ所が続いた。
最近、電通での入社1年目の社員の自殺で、より一層、厚生労働省は対策を強化しているが、取り締まりが厳しくなったからということではなく、過重労働によるリスク、デメリットをしかっり把握して、業務や人員配置の見直し、そもそもの社内風土を考えるなど、具体的に対策が必要ですよ。
労働組合との協議や、社会保険労務士への相談をお薦めします。

【平成28年4月から9月までに実施した監督指導結果のポイント】
⑴ 監督指導の実施事業場:10,059 事業場
このうち、6,659事業場(全体の66.2%)で労働基準法などの法令違反あり。

⑵ 主な違反内容 [⑴のうち、下記➀から➂の法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]
➀ 違法な時間外・休日労働があったもの:4,416事業場(43.9%)
 うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が1か月当たり80時間を超えるもの:3,450事業場 (78.1%)
1か月当たり100時間を超えるもの:2,419事業場 (54.8%)
1か月当たり150時間を超えるもの:489事業場 (11.1%)
1か月当たり200時間を超えるもの:116事業場 ( 2.6%)
➁ 賃金不払残業があったもの:637事業場( 6.3%)
 うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が1か月当たり80時間を超えるもの:400事業場 (62.8%)
➂ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの: 1,043 事業場(10.4%)

⑶ 主な健康障害防止に関する指導の状況 [⑴のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]
➀ 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの:8,683事業場(86.3%)
 うち、時間外労働を月80時間以内に削減するよう指導したもの:6,060事業場 (69.8%)
➁ 労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの: 1,189 事業場(11.8%)
 うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が1か月当たり80時間を超えるもの:566事業場 (47.6%)

※1 法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。
※2 脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね 100 時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね 80 時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため


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タクシー乗務員が泥酔者を放置して死亡 「保護責任者遺棄致死容疑」

2016-10-26 | 書記長社労士 労務管理
 本日、民進党タクシー政策議員連盟総会が開催されたが、その報告は後日に。

タクシー運転手、酔客を車道に放置容疑 後にひかれ死亡
  宮崎県都城市で8月、酒に酔って寝込んだ乗客の男性=当時(38)=を路上に放置し、交通事故で死亡させたとして、都城署は24日、保護責任者遺棄致死の疑いで都城市高崎町東霧島、タクシー運転手、川畑勝政容疑者(67)を逮捕した。
 逮捕容疑は、8月27日未明、同市高木町の自営業こも口大祐さんを繁華街で乗車させたが、車内で寝込み起きなかったため、市道の中央付近に放置して立ち去り、交通事故で死亡させた疑い。


 この事件、どういう罪になるのだろう、道路運送法?旅客自動車運送事業運輸規則?って職場で話題になり、報道では「保護責任者遺棄致死」ってなってることを知り、ますますそれがなぜタクシー運転者に適用されるのだろうと疑問に。
保護責任者遺棄を調べてみると…。

(遺棄)刑法第217条 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、1年以下の懲役に処する。
(保護責任者遺棄等)刑法第218条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。
(遺棄等致死傷)刑法第219条 前2条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。


 遺棄は「老年、幼年、身体障害者又は疾病のために扶助を必要とする者」、保護責任者廃棄は「老年者、幼年者、身体障害者又は病者」であり微妙に違うが、意義は同じであると解されているそうだ。
刑法218条の「保護する責任のある者」(保護責任者)にどのような範囲の人間が含まれるか問題になるが、保護義務は、その発生根拠が問題になるそうだ。
法令や契約などがこれに含まれるが、一定の行為(先行行為)を行った者についても事務管理や条理により保護義務が発生すると解されている。そのため本来保護義務を負っていなかったはずの者であっても、親切心で要保護者の保護を開始した(例、自室に引き取って看病した、病院へ連れて行くため車に乗せた)ために保護義務を負わされることもあるとのこと。
保護責任者遺棄の行為は、「遺棄」(移置に限られるとする説によれば、保護義務のない者が自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者がいることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかった者)及び「不保護」(その生存に必要な保護をしなかったとき)。
死傷の結果が生じた場合、結果的加重犯になり、219条によって処理されるが、結果に故意がある場合は、行為の態様によっては不作為による殺人罪(刑法199条)または傷害罪(刑法204条)が成立することもある。

 疑問が…。
泥水者は「疾病のために扶助を必要とする者」なのか?
運送契約により保護義務が発生したのだろうが、「寝込んでしまった」ことは契約に対し乗客は過失がないのか?
なんでこの運転者は、わざわざ道路の中央付近に放置したのかが疑問だが、もし安全な場所に放置していたなら、生存に必要な保護をしたことになったのか?
8月27日に発生した事件だが、逮捕までに1月半も掛かったのか?

 ちなみに、一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款(運輸省告示第372号昭和48年9月6日・最終改正 国土交通省告示第175号平成26年2月28日(4月1日施行))は、こうなっている。(抜粋)
第4条 当社は、次の各号のいずれかに該当する場合には、運送の引受け又は継続を拒絶することがあります。
(8)旅客が行先を明瞭に告げられないほど又は人の助けなくしては歩行が困難なほど泥酔しているとき。
第7条 当社は、当社の自動車の運行によって、旅客の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任じます。ただし、当社及び当社の係員が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、当該旅客又は当社の係員以外の第三者に故意又は過失のあったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでありません。
2 前項の場合において、当社の旅客に対する責任は、旅客の乗車のときに始まり、下車をもって終ります。
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倉重弁護士の「無期転換制度と均衡処遇の最新実務~最新判例を踏まえて~」②

2016-10-25 | 書記長社労士 労務管理

 先日の東京社労士会臨海統括支部港支部勤務等部会研修会での、倉重公太朗弁護士による「無期転換制度と均衡処遇の最新実務~最新判例を踏まえて~」という講演の後半は「いわゆる『20条裁判』を巡る、均衡処遇の最新議論と実務対応」について。

〇正規・非正規の賃金体系は異なる、という大原則が時代の変化と共に崩れつつある。
〇いわゆる「20条裁判」について動きが見られる。(長澤運輸事件、ハマキョウレックス事件高裁判決等)
〇これまで、企業があまり向き合ってこなかった問題に対応する必要が生じてきた。
〇問われていることは、非正規社員の存在意義。
〇逆に言えば、自社における「正社員」とは何なのか、を見つめ直すこと。
 →日本型雇用の変遷時期に差し掛かっている問題である。
として、労契法20条の効果、ニヤクコーポレーション事件・ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件について解説、非正規労働者に関する待遇面の留意点(正社員との差異は)では、
〇そもそも誰と比べるのか
「職務の内容、職務内容と配置の変更範囲、その他の事情に照らして同様の労働条件とされるべき有期契約労働者と無期契約労働者」(菅野p336)
〇正社員との違いを出すことを留意する際の視点は→①業務内容の差異、②責任と権限の範囲、③人材活用の仕組み、配置変更の範囲(←なぜ違うのか説明できれば良い)
〇従前、この問題について真剣に考える企業は少なかったが、近時の問題意識の高まりにより、本来の職務・責任においていかに差異を設けるかが重要となった。
〇最も重要な視点は、「正社員」とは何なのかを見つめ直すこと。
〇違いを設けること自体が問題なのではない、説明できないことが問題。

労働契約法(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
第二十条  有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。
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「労働政策フォーラム 介護離職ゼロをめざして」に参加してきた

2016-10-18 | 書記長社労士 労務管理

 10月12日に有楽町朝日ホールで開催された労働政策フォーラム「介護離職ゼロをめざして」-仕事と介護の両立-(労働政策研究・研修機構)に参加してきた。
基調講演は「増大する介護世代を企業としてどう支援すべきか」(佐藤中央大学大学院教授)、研究報告は「長期在宅介護に対応した両立支援~育児・介護休業法改正を踏まえて~」、事例報告では、「育児介護休業法の改正について」(厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業課程両立課)、「花王における仕事と介護の両立支援」(花王(株)人材開発部門D&I推進部長)、「社会と社員から選ばれる会社になるために」(ホシザキ東北(株)管理部総務課係長)、「仕事と遠距離介護を両立する」(NPO法人パオッコ理事長)。
その中で、気になった部分を列挙しておいて、メモとしておこうっと。

〇親の介護の課題を抱える社員、とりわけ団塊のジュニア世代で増大することが確実
 ←2025年を過ぎると団塊の世代が、要介護・要支援が増加しはじめる75歳以上に
 ←介護の課題を抱えた社員は、60歳代前半まで企業に雇用されることに
〇介護の課題を抱える社員の介護負荷が増大する条件の存在
 ←兄弟数の減少、共働き世帯の増加、未婚者の増加など
 ←要介護期間の伸長
〇仕事と介護の両立支援のための取り組み…事前の心構えや両立のための基本的な情報の提供
 40歳時点(介護保険制度の被保険者となる時点)、親が65歳になった時点(親に介護保険被保険者証が届く)、50歳時点(親が75歳くらい)
〇介護休業の利用方法に関する正しい理解の浸透を
 ←子育てのための育児休業と同様の制度と理解している社員が少なくない点に留意
〇介護休業期間は、主に仕事を続けるながら介護するための体制を構築巣期間である
 ←介護休業期間は介護に専念するための期間ではない
〇育児・介護休業法改正を効果的な仕事と介護の両立支援につなげるために
 ←「長期休業と短時間勤務が基本」という育児支援の発想を介護に適用しない=なるべく通常どおり勤務しながら柔軟に
 ←介護に対応できるようにすることが重要
   ・休暇・休業は長期1回より短期複数回、・長期在宅介護には勤務時間短縮より残業制限、・残業は労働者の裁量で週2回以内に
〇介護休業の終業規則上の名称を「介護休業・介護準備休業」と変更することも有益
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【メモ】労働基準法研究会報告 (労働基準法の「労働者」の判断基準について)

2016-09-26 | 書記長社労士 労務管理
第1 労働基準法の「労働者」の判断
1 労働基準法第9条は、その適用対象である「労働者」を「使用される者で、賃金を支払われる者をいう」と規定している。これによれば、「労働者」であるか否か、すなわち「労働者性」の有無は「使用される=指揮監督下の労働」という労務提供の形態及び「賃金支払」という報酬の労務に対する対償性、すなわち報酬が提供された労務に対するものであるかどうかということによって判断されることとなる。この二つの基準を総称して、「使用従属性」と呼ぶこととする。

2 しかしながら、現実には、指揮監督の程度及び態様の多様性、報酬の性格の不明確さ等から、具体的事例では、「指揮監督下の労働」であるか、「賃金支払」が行われているかということが明確性を欠き、これらの基準によって「労働者性」の判断をすることが困難な場合がある。
 このような限界的事例については、「使用従属性」の有無、すなわち「指揮監督下の労働」であるか、「報酬が賃金として支払われている」かどうかを判断するに当たり、「専属度」、「収入額」等の諸要素をも考慮して、総合判断することによって「労働者性」の有無を判断せざるを得ないものと考える。

3 なお、「労働者性」の有無を法律、制度等の目的、趣旨と相関させて、ケース・バイ・ケースで「労働者」であるか否かを判断する方法も考え得るが、少なくとも、労働基準関係法制については、使用従属の関係にある労働者の保護を共通の目的とするものであり、また、全国画一的な監督行政を運営していく上で、「労働者」となったり、ならなかったりすることは適当でなく、共通の判断によるべきものであろう。

第2 「労働者性」の判断基準
 以上のように「労働者性」の判断に当たっては、雇用契約、請負契約といった形式的な契約形式のいかんにかかわらず、実質的な使用従属性を、労務提供の形態や報酬の労務対償性及びこれらに関連する諸要素をも勘案して総合的に判断する必要がある場合があるので、その具体的判断基準を明確にしなければならない。
 この点については、現在の複雑な労働関係の実態のなかでは、普遍的な判断基準を明示することは、必ずしも容易ではないが、多数の学説、裁判例等が種々具体的判断基準を示しており、次のように考えるべきであろう。

1 「使用従属性」に関する判断基準
(1)「指揮監督下の労働」に関する判断基準
 労働が他人の指揮監督下において行われているかどうか、すなわち他人に従属して労務を提供しているかどうかに関する判断基準としては、種々の分類があり得るが、次のように整理することができよう。

イ 仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
 「使用者」の具体的な仕事の依頼、業務従事の指示等に対して諾否の自由を有していれば、他人に従属して労務を提供するとは言えず、対等な当事者間の関係となり、指揮監督関係を否定する重要な要素となる。
 これに対して、具体的な仕事の依頼、業務従事の指示等に対して拒否する自由を有しない場合は、一応、指揮監督関係を推認させる重要な要素となる。
 なお、当事者間の契約によっては、一定の包括的な仕事の依頼を受諾した以上、当該包括的な仕事の一部である個々具体的な仕事の依頼については拒否する自由が当然制限される場合があり、また、専属下請のように事実上、仕事の依頼を拒否することができないという場合もあり、このような場合には、直ちに指揮監督関係を肯定することはできず、その事実関係だけでなく、契約内容等も勘案する必要がある。

ロ 業務遂行上の指揮監督の有無
 (イ)業務の内容及び遂行方法に対する指揮命令の有無
 業務の内容及び遂行方法について「使用者」の具体的な指揮命令を受けていることは、指揮監督関係の基本的かつ重要な要素である。しかしながら、この点も指揮命令の程度が問題であり、通常注文者が行う程度の指示等に止まる場合には、指揮監督を受けているとは言えない。なお、管弦楽団員、バンドマンの場合のように、業務の性質上放送局等「使用者」の具体的な指揮命令になじまない業務については、それらの者が放送事業等当該事業の遂行上不可欠なものとして事業組織に組み入れられている点をもって、「使用者」の一般的な指揮監督を受けていると判断する裁判例があり、参考にすべきであろう。
 (ロ)その他
 そのほか、「使用者」の命令、依頼等により通常予定されている業務以外の業務に従事することがある場合には、「使用者」の一般的な指揮監督を受けているとの判断を補強する重要な要素となろう。

ハ 拘束性の有無
 勤務場所及び勤務時間が指定され、管理されていることは、一般的には、指揮監督関係の基本的な要素である。しかしながら、業務の性質上(例えば、演奏)、安全を確保する必要上(例えば、建設)等から必然的に勤務場所及び勤務時間が指定される場合があり、当該指定が業務の性質等によるものか、業務の遂行を指揮命令する必要によるものかを見極める必要がある。

ニ 代替性の有無 -指揮監督関係の判断を補強する要素-
 本人に代わって他の者が労務を提供することが認められているか否か、また、本人が自らの判断によって補助者を使うことが認められているか否か等労務提供に代替性が認められているか否かは、指揮監督関係そのものに関する基本的な判断基準ではないが、労務提供の代替性が認められている場合には、指揮監督関係を否定する要素のひとつとなる。

(2)報酬の労務対償性に関する判断基準
 労働基準法第11条は、「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」と規定している。すなわち、使用者が労働者に対して支払うものであって、労働の対償であれば、名称の如何を問わず「賃金」である。この場合の「労働の対償」とは、結局において「労働者が使用者の指揮監督の下で行う労働に対して支払うもの」と言うべきものであるから、報酬が「賃金」であるか否かによって逆に「使用従属性」を判断することはできない。
 しかしながら、報酬が時間給を基礎として計算される等労働の結果による較差が少ない、欠勤した場合には応分の報酬が控除され、いわゆる残業をした場合には通常の報酬とは別の手当が支給される等報酬の性格が使用者の指揮監督の下に一定時間労務を提供していることに対する対価と判断される場合には、「使用従属性」を補強することとなる。

2 「労働者性」の判断を補強する要素
 前述のとおり、「労働者性」が問題となる限界的事例については、「使用従属性」の判断が困難な場合があり、その場合には、以下の要素をも勘案して、総合判断する必要がある。

(1)事業者性の有無
 労働者は、機械、器具、原材料等の生産手段を有しないのが通例であるが、最近におけるいわゆる傭車運転手のように、相当高価なトラック等を所有して労務を提供する例がある。このような事例については、前記 1 の基準のみをもって「労働者性」を判断することが適当でなく、その者の「事業者性」の有無を併せて、総合判断することが適当な場合もある。

イ 機械、器具の負担関係
 本人が所有する機械、器具が安価な場合には問題はないが、著しく高価な場合には自らの計算と危険負担に基づいて事業経営を行う「事業者」としての性格が強く、「労働者性」を弱める要素となるものと考えられる。

ロ 報酬の額
 報酬の額が当該企業において同様の業務に従事している正規従業員に比して著しく高額である場合には、上記イと関連するが、一般的には、当該報酬は、労務提供に対する賃金ではなく、自らの計算と危険負担に基づいて事業経営を行う「事業者」に対する代金の支払と認められ、その結果、「労働者性」を弱める要素となるものと考えられる。

ハ その他
 以上のほか、裁判例においては、業務遂行上の損害に対する責任を負う、独自の商号使用が認められている等の点を「事業者」としての性格を補強する要素としているものがある。

(2)専属性の程度
 特定の企業に対する専属性の有無は、直接に「使用従属性」の有無を左右するものではなく、特に専属性がないことをもって労働者性を弱めることとはならないが、「労働者性」の有無に関する判断を補強する要素のひとつと考えられる。

イ 他社の業務に従事することが制度上制約され、また、時間的余裕がなく事実上困難である場合には、専属性の程度が高く、いわゆる経済的に当該企業に従属していると考えられ、「労働者性」を補強する要素のひとつと考えて差し支えないであろう。なお、専属下請のような場合については、上記1(1)イと同様留意する必要がある。

ロ 報酬に固定給部分がある、業務の配分等により事実上固定給となっている、その額も生計を維持しうる程度のものである等報酬に生活保障的な要素が強いと認められる場合には、上記イと同様、「労働者性」を補強するものと考えて差し支えないであろう。

(3)その他
 以上のほか、裁判例においては、①採用、委託等の際の選考過程が正規従業員の採用の場合とほとんど同様であること、②報酬について給与所得としての源泉徴収を行っていること、③労働保険の適用対象としていること、④服務規律を適用していること、⑤退職金制度、福利厚生を適用していること等「使用者」がその者を自らの労働者と認識していると推認される点を、「労働者性」を肯定する判断の補強事由とするものがある。
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運行管理者試験(旅客)、無事に合格してた~(*^^)v

2016-04-01 | 書記長社労士 労務管理

 エイプリルフールやないですよね~。
3月6日(日)に受験した平成27年度第2回運行管理者試験(旅客)、本日が合格発表だったが、自己採点の通り、自分の受験番号があり、無事に合格しておりました。
旅客の方は、試験実施県が46都道府県、受験者数は7,027人(貨物は29,520人!)、合格者数は2,269人、合格率32.3%(貨物は29.1%)とのこと。
昨年8月に実施された平成27年度第1回試験が17.5%、26年度の第2回35.1%、第1回21.0%、25年度第2回35.4%だから、年度の第2回試験の合格率が高くなるという傾向は今回も。
合格しやすい試験だったようだ~、30問中22問の正解だったけどね~危ね~…(笑)
経験値をあげるための受験、箔を付けるために合格を目指し、そしてできればうちの職員さんたちに後に続いて欲しいなと企んでの合格でした。

合格基準点は次の(1)及び(2)の得点を満たしていること。
(1)今回試験については、正解が30問中18問以上であること。
(2)次の①~④の出題分野ごとに正解が1問以上であり、⑤については正解が2問以上であること。
① 貨物は貨物自動車運送事業法 、旅客は道路運送法
② 道路運送車両法
③ 道路交通法
④ 労働基準法
⑤ その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力


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社員全員を取締役にしたら…、労基署が異例逮捕…、ガイアの夜明け…、時間外労働あれこれ

2016-03-31 | 書記長社労士 労務管理

社員全員を取締役にしたら残業代は払わなくてもよいのか?~「類塾」を営む株式会社類設計室のやり方(佐々木亮) - Y!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/sasakiryo/20160330-00056024/
 こんなニュースをネットで見て、興味津々、労働判例2016.4/1�1128を手に取り、52頁の「類設計室(取締役塾職員・残業代)事件【京都地判平27・7・31】」を読んでみた。
・当該業務従事者と会社との間に存する客観的な事情をもとに、当該業務従事者が会社の実質的な指導監督関係ないし従属関係に服していたか否かという観点に基づき判断すべきとされた例
・取締役就任の経緯、その法令上の業務執行権限の有無、取締役としての業務執行の有無、拘束性の有無・内容、提供する業務の内容、業務に対する対価の性質および額、その他の事情を総合考慮しつつ、当該業務従事者が会社の実質的な指導監督関係および従属関係に服していたか否かという観点か判断すべきとされた例
・Xの労働者性を否定する事情は見出しがたいというほかはなく、Xは、Y社の実質的な指揮監督関係ないしは従属関係に服していたものといわざるを得ず、紛れもなく労基法上の労働者であったと認められるべきとされた例
と、ごくごく当たり前の判断なのだが、この会社のやりかたをよ~く見てみると、「よくもまあ、こんなこと、考えるわ!」と、呆れる、笑える!

賃金未払い 労基署が異例逮捕 | 2016年3月22日(火) - Yahoo!ニュース http://news.yahoo.co.jp/pickup/6195348
 このニュースは少し前だけど、「労働基準監督署長や労働基準監督官って逮捕できるの?」と驚いている友人がいた。
出来るよ~、労働基準監督官は、法の施行のための行政取締や刑事処分にかかわり、事業場を臨検し、帳簿や書類の提出を求め、必要な尋問を行う権限や、労基法違反の罪に対する司法警察員としての権限(逮捕権、捜査権など)を持っていて、また、労働基準監督署長も、労働基準法のもとで臨検、尋問、許可、認定など様々な権限を持っている。
この他、労働基準監督署長や労働基準監督官は、必要があると認めるときには使用者や労働者に報告や出頭を命じることができる。
先日、2016年02月09日放送の「ガイアの夜明け」密着!会社と闘う者たち ~"長時間労働"をなくすために~で、かとく(加重労働撲滅特別対策班)のことが取り上げられていたが、労働組合の立場では、「厚生労働省がんばれ!」だ。

 ところで保育士の処遇改善が大いに議論になっていて、いいことだな~と自分は思っているけど、娘が保育士でありいろいろ話しを聞くが、まずは監督署が民間保育所の就労実態をしっかりと調査をし、不払い残業代があればきちんと支払わせるってことで、ずいぶんと賃金は増えるのではないかな~と思うが、どうだろう。
低賃金・激務がそれで解消されるわけではないし、逆に配置基準が充たせなくなったり、残業代が経営を圧迫し倒産する保育所が激増して、保育所不足に拍車を掛けてしまうかも知れないけど。

労働基準法
(労働基準主管局長等の権限)第99条  労働基準主管局長は、厚生労働大臣の指揮監督を受けて、都道府県労働局長を指揮監督し、労働基準に関する法令の制定改廃、労働基準監督官の任免教養、監督方法についての規程の制定及び調整、監督年報の作成並びに労働政策審議会及び労働基準監督官分限審議会に関する事項(労働政策審議会に関する事項については、労働条件及び労働者の保護に関するものに限る。)その他この法律の施行に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する。
2  都道府県労働局長は、労働基準主管局長の指揮監督を受けて、管内の労働基準監督署長を指揮監督し、監督方法の調整に関する事項その他この法律の施行に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する。
3  労働基準監督署長は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、この法律に基く臨検、尋問、許可、認定、審査、仲裁その他この法律の実施に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する。
4  労働基準主管局長及び都道府県労働局長は、下級官庁の権限を自ら行い、又は所属の労働基準監督官をして行わせることができる。

(労働基準監督官の権限)第101条  労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。
2  前項の場合において、労働基準監督官は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない。

第102条  労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法 に規定する司法警察官の職務を行う。

(報告等)第104条の2  行政官庁は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
2  労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。


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歩合給の算定に当たり割増賃金相当額を控除する旨の規定の有効性

2016-03-23 | 書記長社労士 労務管理

 タクシー事業者に多く採用されている賃金体系に、オール歩合賃金制度(完全歩合給賃金制度とかB型賃金とかとも言われる)があって、この賃金体系では、文字通り、売上げ×〇〇%として、すべて込み込みで賃金が支払われるという制度。
その「すべて込み込み」に、時間外や深夜の割増賃金を含む事業者も多く、その場合、割増賃金未払いとなり、違法性が問われるのだが、そのことを事業者はわかっているのかわかっていないのか…。
(高知観光事件【最小判平6・6・13】支給された歩合給の額が,時間外及び深夜の労働を行った場合においても増額されるものではなく,通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分とを判別することもできないものであったことからして,この歩合給の支給によって,時間外及び深夜の割増賃金が支払われたとすることは困難なものというべき)

 しかし東京社会保険労務士会の会報2016年3月号の隔月連載労働判例に取り上げられていた「歩合給の算定に当たり割増賃金相当額を控除する旨の規定の有効性」(国際自動車事件【東京地判平27・1・28労判1114号35頁】)は、オール歩合賃金制度とは違うタイプの争いだ。


 当該会社の賃金規則によれば
賃金は、基本給、服務手当、交通費、割増金(時間外、深夜、公出)、歩合給 からなっている。(公出とは公休出勤の略、一般的には休日出勤手当にあたる)
そして割増金と歩合給を計算するための対象額は(対象額Aという)
対象額A=((所定内揚高-所定内基礎控除額)×0.53)+((公出揚高-公出基礎控除額)×0.62) で算出。(揚高とは売上高(額)・水揚げ高(額)のこと、控除額とは基本給などの原資に充てる売上げ部分、足切り額などともいう)
時間外などの手当は、基本給と対象額Aそれぞれに時間外などの時間に応じて計算額を支払うとしているが、歩合給については
対象額A-(割増金(深夜手当、残業手当、公出手当の合計)+交通費) として計算するとされている。

 この賃金計算方法に関して原告は、「どれだけ時間外労働等をおこなっても支給額はまったく増加せず、割増賃金が支払われないのと同様の結果になる」として、このような規定は「労基法37条を潜脱するもので公序に反し無効である」と主張。

 判決の要旨は、
「割増金と交通費の合計額が対象額Aを上回る場合を別にして、揚高が同じである限り、時間外等の労働をしていた場合もしていなかった場合も乗務員に支払われる賃金はまったく同じになるのであるから、労基法37条の規制を潜脱するものといわざるを得ない。」
「本件規定のうち、歩合給の計算に当たり対象額Aから割増金に見合う額を控除している部分は、法37条の趣旨に反し、ひいては公序良俗に反するものとして、民法90条により無効であるべきである。」
「なお、本件の割増金の中には、法定外休日や公出が含まれ、また、法内残業に係る手当も含まれている可能性があるが、本規定はこれらを他と区別せずに一律に控除の対象としているから、これらを含めて割増金に見合う額の控除を規定する割増金の控除部分全体が無効になると解する。」
「本規定の下では、深夜労働については、深夜のほうが通常の時間よりも必ず揚高が揚がるという保証はないし、時間外労働についても、労働時間を延長したことによる賃金の増加額は、時間外労働による揚高の大小に依存し、割増賃金に相当するだけの賃金額が保証されるものではないのであって、この点でも、本件規定が法37条の要請を満たすということはできない。」

 そのほか、会社が「時間外労働を抑制し賃金の増加を抑えたいという狙いがある」と主張した点については、判決では、「乗務日報等の報告書やタコグラフ等の運行記録計器によって事後に勤務状況を把握し、問題があれば指導教育することができる」とし、本件規定を合理的と認めることはできないとし、
類似の制度がタクシー業界で一般的採用されていること、会社と多数派組合との間で協議を重ね協定を結んだ上で本件賃金規定を作成したという経緯について、判決は、「法37条が強行法規であり、その違反が刑事罰の対象とされていることを鑑みれば、いずれの事情についても、同条の趣旨に反する取扱いを正当化し得る事情であるということはできない」とした。
この3点の部分(残業抑制、業界の常識、労使自治)は、労働基準監督署では認容されて大目に見てくれそうな点であるが(自分の経験上、現に認容された事例を多数知っている)、今後の労基署の対応に変化があるかも知れないと、個人的には感想を持った(まだ下級審の判断だけど)。

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運行管理者試験(旅客)を受験した

2016-03-07 | 書記長社労士 労務管理

 11月に運行管理者の基礎講習を受講して(運行管理者基礎講習、3日間受講して無事に修了)、そして昨日、運行管理者(旅客)平成27年度第2回試験を受験してきた。
試験会場は、汐留にある日本通運の本社ビル、仕事の関わりで日通労組さんとは長らく親しくお付き合いさせて頂いているが、さすが日通さん、立派な本社ビル!
試験会場を自分は東京を選択したから汐留だったが、神奈川を選択していたらなんと平塚だったのに…ってのは後の祭り、だって神奈川も広いし、場所によったら東京より遠いしと思ってんな~。


 運行管理者試験(旅客)は、道路運送法関係8問、道路運送車両法関係4問、道路交通法関係5問、労働基準法関係6問、その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力7問の合計30問。
合格基準は、
① 原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上であること。
② 出題分野ごとに正解が1問以上であり、実務上の知識及び能力については正解が2問以上であること。
自分の受験対策としては、「運行管理者試験 問題と解説 旅客編 平成28年3月受験版」を購入したので、試験直近1週間くらいで、4年分(H24.8~H27.8)8回の過去問を3回くらい回して、間違った部分を徹底的に脳味噌に叩き込もうと思っていた。
しかしながら、試験2日前の金曜まで12泊13日出張とあいなっちまった…(__*)
一応、この過去問集は出張荷物に入れていったが、結局、1往復半の新幹線車内で開いたのみ。
試験前日の土曜に集中的に勉強したが、8回分の過去問は1回しか取り組めず、あとはテキストを2回、通して読めただけ。
むちゃくちゃ不安な気持ちで試験に臨むことになってしまった、最悪や。 


 今朝、試験センターのサイトで、正答発表があった。
採点結果は、道路運送法関係8問中5問正解、道路運送車両法関係4問中4問正解、道路交通法関係5問中3問正解、労働基準法関係6問4問正解、その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力7問中6問正解の合計30問中22問正解。
思った以上に間違ってた~、危ない危ない…( ̄。 ̄;)
ちなみに労働基準法関係で間違った2問って言うのは、バスの改善基準告示に関してで、バスの運転時間に関する問20で、4つの穴埋めのうちAの始業時刻とするところを乗務開始としてしまったのと、バスの休息期間の特例に関する問21。
また、その他運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力については、問29の貸切バスの交代運転手の配置基準に関する問題で、やはり運転時間に関する(2)を間違ってしまった。
試験結果の発表は4月1日、回答欄の記入間違いなどがありませんように。
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