労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

【令和4年度額】国民年金・厚生年金保険の各年金額のメモ

2022-03-27 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 22春闘の対応で絶賛休日出勤中、今夜は徹夜かな。


品川の桜はほぼ満開だ!
平塚はまだまだやのに、平塚の方が暖かいイメージながら。


〇「物価変動率」▲0.2%
〇「名目手取り賃金変動率」▲0.4%
〇「マクロ経済スライドによるスライド調整率」▲0.3%

*年金額の改定については、名目手取り賃金変動率がマイナスで、名目手取り賃金変動率が物価変動率を下回る場合には、年金を受給し始める際の年金額(新規裁定年金)、受給中の年金額(既裁定年金)ともに名目手取り賃金変動率を用いることとなっています。

令和4年度の年金額の改定は、名目手取り賃金変動率がマイナス(▲0.4%)で、名目手取り賃金変動率(▲0.4%)が物価変動率(▲0.2%)を下回るため、新規裁定年金・既裁定年金ともに名目手取り賃金変動率(▲0.4%)が用いられます。

マクロ経済スライドによる「スライド調整率」▲0.3%
「マクロ経済スライド」とは、賃金や物価の上昇ほどは年金額を上昇させないように、改定率を調整し年金の給付水準を調整する仕組みです。
これにより、将来世代の年金の給付水準を確保することにつながります。
公的年金被保険者数の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率が設定され、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除されるというものです。

・マクロ経済スライドによる「スライド調整率」▲0.3%=▲0.1%(令和3年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率の繰り越し分)+▲0.2%(令和4年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率)*

公的年金被保険者数の変動率(平成30~令和2年度の平均)0.1%+平均余命の伸び率(定率)▲0.3%
ただし、賃金や物価による改定率がマイナスの場合には、マクロ経済スライドによる調整は行われないこととされているため、令和4年度の年金額改定では、マクロ経済スライドによる調整は行われず、マクロ経済スライドの未調整分(▲0.3%)は、翌年度以降に繰り越されることとなります。

令和4年度(2022年度)の年金額は令和3年度(2021年度)に比べて0.4%引き下げとなる。
なお、令和4年度の満額の老齢基礎年金(月額)は、64,816円となる。(令和3年度は65,075円だったので、259円マイナス。)


1.国民年金
・老齢基礎年金(満額)
(令和3年度額)780,900円 ➡ (令和4年度額)777,800円

・障害基礎年金(1級)
(令和3年度額)976,125円 ➡ (令和4年度額)972,250円
・障害基礎年金(2級)
(令和3年度額)780,900円 ➡ (令和4年度額)777,800円

・遺族基礎年金(基本部分)
(令和3年度額)780,900円 ➡ (令和4年度額)777,800円

・子の加算
(令和3年度額)224,700円 ➡ (令和4年度額)223,800円
・子の加算(3人目以降)
(令和3年度額)74,900円 ➡ (令和4年度額)74,600円

・遺族基礎年金(配偶者+子一人)
(令和3年度額)1,005,600円 ➡ (令和4年度額)1,001,600円

・国民年金保険料
(令和3年度額)月額16,610円 ➡ (令和4年度額)月額16,590円 ➡ (令和5年度額)月額16,520円

2.厚生年金保険
・加給年金額(配偶者、子)
(令和3年度額)224,700円 ➡ (令和4年度額)223,800円
・加給年金額(子・2人目以降)
(令和3年度額)74,900円 ➡ (令和4年度額)74,600円

・老齢厚生年金に加算される配偶者加給年金額(老齢厚生年金受給権者が昭和18年4月2日以後生まれの場合)
(令和3年度額)390,500円 ➡ (令和4年度額)388,900円

・老齢厚生年金(経過的加算部分)の計算式
(令和3年度)
1,628円×厚生年金保険加入期間の月数(上限480月)-老齢基礎年金の満額780,900円×(昭和36年4月2日以降の)20歳以上60歳未満の厚生年金保険の加入期間の月数÷480月
 ⬇ 
(令和4年度)
1,621円×厚生年金保険加入期間の月数(上限480月)-老齢基礎年金の満額777,800円×(昭和36年4月2日以降の)20歳以上60歳未満の厚生年金保険の加入期間の月数÷480月

・障害厚生年金(3級・最低保障額)
(令和3年度額)585,700円 ➡ (令和4年度額)583,400円

・障害手当金(最低保障額)
(令和3年度額)1,171,400円 ➡ (令和4年度額)1,166,800円

・在職老齢年金支給停止額計算における基準額(65歳到達月分まで)
(令和3年度額)28万円 ➡ (令和4年度額)47万円

・在職老齢年金支給停止額計算における基準額(65歳到達月の翌月分から)
(令和3年度額)47万円 ➡ (令和4年度額)47万円(変更なし)

・老齢年金生活者支援給付金
(令和3年度額)月額5,030円 ➡ (令和4年度額)月額5,020円

・障害年金生活者支援給付金(1級)
(令和3年度額)月額6,288円 ➡ (令和4年度額)月額6,275円
・障害年金生活者支援給付金(2級)
(令和3年度額)月額5,030円 ➡ (令和4年度額)月額5,020円

・遺族年金生活者支援給付金
(令和3年度額)月額5,030円 ➡ (令和4年度額)月額5,020円


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【自分用のメモ】第172回、第173回の労働政策審議会職業安定分科会について

2022-02-09 | 書記長社労士 法改正 社会保険
第172回(2022)年1月22日
 労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会で、令和3年9月8日から令和4年1月7日まで、 雇用保険制度の見直しについて検討を行ってきその結果が取りまとめられたので報告を受けた。
1月7日、労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会は、「雇用保険部会報告」を大筋で取りまとめた。失業等給付にかかる国庫負担割合については、雇用情勢および雇用保険の財政状況が悪化している場合にのみ本則と同じ1/4とし、それ以外の場合には1/40とする 見直しが示された。

 「報告」の主な内容は、( 1 )基本手当の暫定措置と教育訓練支援給付金の3年間継続、(2)求職者支援制度にかかる特例措置の次年度継続、(3)休業支援金の次年度継続、(4)国庫負担割合の見直し、(5)求職者支援制度にかかる国庫負担割合の時限的引き下げの終了など。


 労働側委員からの発言
<審議会運営、国庫負担割合>
【冨髙委員】
〇雇用保険部会において、財政運営に関するきわめて重要な議論が時間的余裕のない中で拙速に進められたことや、雇用保険料率と国庫負担割合について合意する前に2022年度当初予算の閣議決定がなされたことは遺憾である。
〇国庫負担割合については、「本則の1/4に戻すべきである」という労使の意見や、「1/40とすることの根拠が示されていない」という労働者側・公益側の指摘が繰り返されてきた。このような経緯がある中で報告書が決定されることは大変遺憾であり、雇用政策の担い手としての政府の責任を果たす内容とは言えないことについて、労働者側委員として改めて言及したい。
〇雇用保険の財源などに関する議論はこれで終わりではなく、雇用・経済情勢、感染拡大状況などを踏まえた議論が継続されることから、今後は、より丁寧な部会運営と当分科会との連携に努めていただきたい。
【久松委員】
<雇用調整助成金の特例措置、休業支援金>
〇前回の分科会で1~3 月の措置内容を審議した際には、「原則的な措置の取り扱いについても、今後、雇用情勢が悪化した場合には、それに応じて措置内容を機動的に変更できるようにすることが大前提である」と労働者側より申し上げていた。
〇感染拡大の第六波が全国的に広がる懸念が強まっていることから、足元の雇用情勢の状況や兆候を見極めながら、給付水準も含めて、今後の措置について迅速に審議できるようにしておく必要がある。

議事次第
【資料1】雇用保険部会報告書
【参考資料1-1】給付関係
【参考資料1ー2】財政運営関係

第173 回(2022)年1月14日
 前回報告を受けた「雇用保険部会報告」について 、
○一般会計から労働保険特別会計雇用勘定に対して2.16兆円の繰入額を令和3年度中の支出に充てた後に残る令和3年度末の積立金は約1.3兆円となる見込みであるが、令和4年度においても多額の雇用調整助成金の支出が想定される等、雇用保険財政は引き続き厳しい状況にあり、 雇用保険料率及び国庫負担の暫定的な引下げ措置並びに雇用保険臨時特例法により設けられた財政運営上の特例措置が令和3年度末で終了することも踏まえ、国による雇用政策への責任がしっ かりと果たされる形で、 令和4年度以降の安定的な財政運営に向けた施策を検討する必要がある。
○また、雇止めによる離職者及び雇用情勢の厳しい地域の求職者に対する延長給付並びに教育訓練支援給付金といった給付面の暫定措置についても令和3年度末で期限を迎えることとなっており、これらの措置の取扱いについても検討する必要がある。
とされたことから、「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱について(諮問)」を審議した。

①雇用保険法の一部改正
❶受講指示の対象となる職業訓練の追加 、❷事業を開始した受給資格者等に係る受給期間の特例、❸能力開発事業の改正、❹国庫負担の改正、❺基本手当の支給に関する暫定措置の改正、❻地域延長給付の改正、❼教育訓練支援給付金の改正、❽返還命令等の対象追加
②職業安定法の一部改正
❶募集情報等提供の定義の拡大 など
③職業能力開発促進法の一部改正
❶キャリアコンサルティングの機会の確保 など
④労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正
雇用保険率の改正
現行 9 /1000(使用者6/1000、労働者3/1000)
令和4年(2022年)4月1日~9月30日 9.5 /1000(使用者6.5/1000、労働者3/1000)
令和4年(2022年)10月1日~令和5年(2023年)3月31日 13.5/1000(使用者8.5/1000、労働者5/1000)
⑤特別会計に関する法律の一部改正
❶一般会計から雇用勘定への繰り入れの特例、❷雇用勘定の積立金の特例等
⑥新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律の一部改正
❶給付基礎日数の延長に関する特例の改正 など

 労働側委員の発言
【冨髙委員】
<雇用保険法>
〇昨日の雇用保険部会において、資料1-2のとおり、今後の丁寧な部会審議についての公労使意見が付されたことは異例の対応である。このような対応とならざるを得ない状況であったことを重く受けとめ、育児休業給付を雇用保険会計以外で実施することも含め、山積している課題に対する検討を早期かつ確実に開始するよう求める。
〇失業等給付に係る国庫負担割合については、改正法等において、雇用保険部会報告において「現行制度の原則的な負担割合である1/4に戻すべきである」という労使意見が付されたことを十分に尊重した規定をすべきである。

議事次第
【資料1-1】雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱
【資料1-2】第167回 雇用保険部会報告文
【参考資料1-1】雇用保険部会報告
【参考資料1-2】雇用仲介事業に関する制度の改正ついて(建議)


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健康保険の「傷病手当金」支給期間が通算化される!これはほんとうにいい改正やねん!!(2022年1月から)

2021-11-26 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 治療と仕事の両立の観点から、より柔軟な所得保障ができるよう、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和3年法律第66号)」により健康保険法等が改正されました。
この改正により令和4年1月1日から、傷病手当金の支給期間が通算化されます。


 健康保険の「傷病手当金」とは、病気やケガで休業中であっても給料の(正確には「標準報酬日額」の)3分の2が支給される制度。
療養のために働けなかった日の4日目から支給されることになり、1日単位で計算、支給される。

【要件】
〇業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
〇労務不能(仕事に就くことが出来ない)であること
〇継続する3日間の待期期間を満たしていること
〇給与の支払いがないこと

【待期期間】
起算日は、原則労務不能となった日
年次有給休暇で処理する事も可能
待機期間は同一の傷病等について1回のみ
公休日などで元々勤務日でなくても待期期間に含む


【改正のポイント】
〇傷病手当金の支給期間が、支給開始日から「通算して1年6か月」になります。
・同一のケガや病気に関する傷病手当金の支給期間が、支給開始日から通算して1年6か月に達する日まで対象となります。
・支給期間中に途中で就労するなど、傷病手当金が支給されない期間がある場合には、支給開始日から起算して1年6か月を超えても、繰り越して支給可能になります。
〇この改正は、令和4年1月1日から施行されます。
・令和3年12月31日時点で、支給開始日から起算して1年6か月を経過していない傷病手当金(令和2年7月2日以降に支給が開始された傷病手当金)が対象です。


 現在、傷病手当の支給期間は、同一の傷病等に関し、支給開始日から起算して1年6ヶ月を限度とされている。(暦で数えた日数)
この支給期間は実際に傷病手当金が支給されていたかどうかは関係なく、 職場復帰して支給されない期間があったとしても、1年6ヶ月経過すればその後は支給されなくなる。(職場復帰した後に「再発」や「増悪」した場合など)
今回の法改正(2022年1月)から、「歴の通算」から「実際に傷病手当金が支給されていた期間の通算が最長で1年6か月」となる。
以前より補償が手厚くなることになるが、会社は対象社員(2020年7月2日以降に支給が開始された傷病手当金)の通算日数などを正確に把握する事が重要となるんやけど…。
しかし、今まで、現場でほんまに気の毒で辛い思いをしてきたから、そんなのは苦にならないって、みんなで思いを確認したい!

【周知用リーフレット】
 この度の制度改正について、以下のとおりリーフレットを作成いたしました。関係各位におかれましては適宜ご活用いただき、ご周知を図られますようよろしくお願いいたします。
 『令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます』


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「DV被害者に係る遺族年金等の生計同一認定要件の判断について」が改正

2021-10-05 | 書記長社労士 法改正 社会保険
 請求人が厚生労働大臣に遺族厚生年金の請求をしたところ、死亡した配偶者と住民票上の住所が異なっており、その住民票上の住所が異なっていることについては、亡夫のDVが原因で請求人が家を出たとされており、亡夫から請求人に対する経済的援助、及び、音信・訪問はなかったということで、生計維持関係が認められないとして遺族厚生年金を不支給とする処分がなされたことの不服申し立てが多い。

 夫と妻が別居しており、住民票上の住所が別の事例について、生計維持関係が認められるには、次の(ア)、(イ)のいずれかに該当する必要があるとされている。
(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(イ) 単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき
 (a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
 (b) 定期的に音信、訪問が行われていること

 DVからの保護を受けるために、婦人保護施設、母子生活支援施設等に入所していて、その間、当然、音信や訪問はないわけで、そうすると、「生計維持関係が認められない」ということになってしまう。

 しかし、「配偶者が死亡した時点という一点を捉えて、その時点において他方配偶者の生計が支えられていないとして生計維持関係を認めないとすることが著しく合理性を欠く場合、たとえば、一方配偶者の死亡時点において、別居のため一体の生計が営まれておらず、また、仕送り等経済上の援助がない場合であっても、それが配偶者の一方又は双方の疾病、老齢、老人保健施設入所その他やむを得ない事情によるものであって、双方に婚姻関係解消の意思が認められず、いわば常態から逸脱した状況が長期間続いているわけでなく、上記やむを得ない事情が解消すれば速やかに夫婦の共同生活が再開されることが期待されるような場合には、生計維持関係が失われたか否かの判断は、その間の事情を、実態に即して総合的に考慮してなされるべきものであり、認定基準においても、前述のとおり、『これにより生計維持関係の認定を行うことが実態と著しく懸け離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなる場合には、この限りでない。』としているところである。」とされており、そういった観点から、DV被害が原因での別居については、生計維持関係を否定することは、実態と著しく懸け離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くといわなければならないと判断され、請求が認められるケースがある。
しかし、それは審査請求、再審査請求を行ってからの判断となり、そこに至らずに、年金事務所による不支給決定で諦めてしまっている人も多数いるはずで、なんとかなんないか、ってずっと思ってきた。
しかし、今回、DV被害者に係る遺族年金等の生計同一認定要件の判断について生計同一に関する認定要件が、以下のように改正されたことによって、最初の受付段階で、請求者に寄り添った判断がされることになる❗
ひじょうにいいことだ❗❗
ただ、家庭内暴力から逃れるために別居していても、①公的機関などの支援を受けないと、DV被害者であることの証明ができないという点、また、②配偶者が死亡した場合にも、自動的に通知が届くわけではないから、定期的に確認する必要があるという点には留意が必要だ。
この2点について、より使いやすい制度となるよう、運動していきたい❗❗❗

DV被害者に係る遺族年金等の生計同一認定要件の判断について
年管管発0901第1号 令和3年9月1日

 DV被害者に係る遺族年金等の生計同一認定要件の判断について生計同一に関する認定要件(以下「生計同一認定要件」という。)については、「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」(平成 23 年3月 23 日年発 0323第1号。以下「平成 23 年通知」という。)により取り扱われている。
 また、配偶者からの暴力(以下「DV」という。)の被害者の場合、DVを避けるために一時的な別居が必要になる場合があることから、裁判例を踏まえつつ、DV被害者に係る遺族年金等の生計同一認定要件の判断に当たっての留意事項について、「DV被害者に係る遺族年金等の生計同一認定要件の判断について」( 令和元年 10 月3日厚生労働省年金局事業管理課長事務連絡。以下「令和元年 10 月事務連絡」という。)のとおり、示したところである。
 今般、令和元年10 月事務連絡の内容に基づくとともに、令和元年 10 月事務連絡後の裁判例及び認定事例を踏まえつつ、平成 23 年通知1⑴ただし書及び3⑴①ウ(イ)に則り、下記のとおり、DV被害者に係る遺族年金等の生計同一認定要件の判断に当たっての留意事項を定め、令和3年 10 月1日から適用することとしたので通知する。なお、本通知の適用に伴い、令和元年10 月事務連絡は、令和3年9月 30 日をも って廃止する。


1 被保険者等の死亡時において以下の①から⑤までのいずれかに該当 するために被保険者等と住民票上の住所を異にしている者については、DV被害者であるという事情を勘案して、被保険者等の死亡時という一時点の事情のみならず、別居期間の長短、別居の原因やその解消の可能性、経済的な援助の有無や定期的な音信・訪問の有無等を総合的に考慮して、平成 23 年通知3⑴①ウ(イ)に該当するかどうかを判断する。
① 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成 13 年法律第31 号。以下「DV防止法」という。)に基づき裁判所が行う保護命令に係るDV被害者であること。
② 婦人相談所、民間シェルター、母子生活支援施設等において一時保護されているDV被害者であること。
③ DVからの保護を受けるために、婦人保護施設、母子生活支援施設等に入所しているDV被害者であること。
④ DVを契機として、秘密保持のために基礎年金番号が変更されているDV被害者であること。
⑤ 公的機関その他これに準ずる支援機関が発行する証明書等を通じて、①から④までの者に準ずると認められるDV被害者であること。

2 1の①、②、③及び⑤に該当するかどうかについては、裁判所が発行する保護命令に係る証明書、配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書(「配偶者からの暴力を受けた者に係る国民年金、厚生年金保険及び船員保険における秘密の保持の配慮について」(平成19 年2月21 日庁保険発第0221001 号)の別紙1をいう。)、住民基本台帳事務における支援措置申出書(相談機関等の意見等によってDV被害者であることが証明されているものに限る。)の写し又は公的機関その他これに準ずる支援機関が発行する証明書を通じて、確認を行う。なお、1の④に該当する場合は、証明書を通じた確認は不要とする。

3 DV被害に関わり得る場合であっても、一時的な別居状態を超えて、消費生活上の家計を異にする状態(経済的な援助も、音信も訪問もない状態)が長期間(おおむね5年を超える期間)継続し固定化しているような場合については、原則として、平成23 年通知3⑴①ウ(イ)に該当していないものとして取り扱う。ただし、長期間(おおむね5年を超える期間)となった別居期間において、経済的な援助又は音信や訪問が行われている状態に準ずる状態であると認められる場合には、この限りではない。

4 1から3までの規定により生計同一認定要件の判断を行うことが実態と著しく懸け離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなる場合にあっては、1から3までの規定にかかわらず、当該個別事案における個別の事情を総合的に考慮して、被保険者等の死亡の当時その者と生計を同じくしていたかどうかを個別に判断する。


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健康保険法等の一部を改正する法律案②(任意継続被保険者制度、育休中の社会保険料免除、その他)

2021-04-05 | 書記長社労士 法改正 社会保険
今国会に政府が提出した「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」。
「健康保険法等の一部を改正する法律案①(後期高齢者窓口負担、傷病手当金)」からの続き】

(3)任意継続被保険者制度の見直し 【健康保険法、船員保険法】
任意継続被保険者の保険料の算定基礎の見直しや、被保険者からの申請による資格喪失を可能とする。



 現行、保険料について、①従前の標準報酬月額、又は②当該保険者の全被保険者の平均の標準報酬月額のうち、いずれか低い額に保険料率を乗じた額を負担とされている。
退職前に高額の給与が支払われていた者について、「退職前と同等の応能負担を課すことが適当な場合もあると考えられることから、健康保険組合の実状に応じて柔軟な制度設計が可能となるよう⾒直しを⾏う」として、保険料の算定基礎を「①当該退職者の従前の標準報酬月額又は②当該保険者の全被保険者の平均の標準報酬月額のうち、いずれか低い額」から「健保組合の規約により、従前の標準報酬月額」とすることも可能とするというもの。
また、任意継続被保険者となった日から起算して2年が被保険者期間となっているが、被保険者の生活実態に応じた加入期間の短縮化を支援する観点から、被保険者の任意脱退を認めるというもの。
退職する場合、健康保険については、この①従前の健康保険制度の任意継続被保険者制度に加入、②国民健康保険に加入、③家族の健康保険制度の扶養家族になる、の3つの選択肢がある。
退職前の報酬が高額であっても、任意継続被保険者の標準報酬月額は30万円が上限とされていることから(令和2年度の場合)、退職前の報酬が高額であった人が国民健康保険に加入するよりも保険料が安くなるので、任意継続を選択する人が多い。
しかし、今回の改正で健保組合によっては、国保の方が保険料が安くなるケースも出てくるから、よく考えて(資格喪失日から20日以内に)どちらを選ぶか決定しないといけなくなる。
一方、退職してから1年以上後、退職後の収入が低かった場合、国保の方が保険料が安くなっているかも知れないけど、任意継続被保険者は2年間脱退が出来ないので、国保に切り替えることは出来ない。(裏技はあるが…もちろん合法的な)
改正後は、2年以内であっても、保険制度の選択がやりやすくなるという点で、助かる人も増えてくるかも。
施⾏時期は令和4年1⽉。

2.子ども・子育て支援の拡充
(1)育児休業中の保険料の免除要件の見直し 【健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法 等】
短期の育児休業の取得に対応して、月内に2週間以上の育児休業を取得した場合には当該月の保険料を免除するとともに、賞与に係る保険料については1月を超える育児休業を取得している場合に限り、免除の対象とすることとする。



 「育休中の社会保険料免除については、月末時点で育休を取得している場合に、当⽉の保険料が免除される仕組み。
したがって、短期間の育休について、月末をまたぐか否かで保険料が免除されるか否かが決まるという不公平が発⽣する。
よって、育休開始日の属する月については、その月の末日が育休期間中である場合に加えて、その月中に2週間以上育休を取得した場
合にも保険料を免除するということ。
そして、賞与月の月末時点で育休を取得していると、賞与の支払を受けている場合であっても、賞与保険料が免除されるため、賞与月
に育休の取得が多いとの指摘があるので、短期間の育休取得であるほど、賞与保険料の免除を目的として育休月を選択する誘因が働きやすいため、1ヶ月超の育休取得者に限り、賞与保険料の免除対象とするというもの。
このほか、男性の育休取得促進のため、出産直後の時期について、現⾏育休よりも柔軟に取得可能な『新たな枠組み』が導⼊⾒込みであり、現⾏の育休と同様に社会保険料免除の対象とする予定。」
施⾏時期は令和4年10⽉。

(2)子どもに係る国民健康保険料等の均等割額の減額措置の導入 【国民健康保険法、地方税法】
 国民健康保険の保険料(税)について、子ども(未就学児)に係る被保険者均等割額を減額し、その減額相当額を公費で支援する制度を創設する。
3.生涯現役で活躍できる社会づくりの推進(予防・健康づくりの強化)
○保健事業における健診情報等の活用促進 【健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律 等】
① 労働安全衛生法等による健診の情報を保険者が保健事業で活用できるよう、事業者に対し被保険者等の健診情報を求めることを可能とする。
② 健康保険組合等が保存する特定健診等の情報を後期高齢者医療広域連合へ引き継ぐこと等を可能とする。
4.その他
(1)国民健康保険の財政安定化基金を、都道府県が国民健康保険事業費納付金の著しい上昇抑制等のために充てることを可能とする。【国民健康保険法】
(2)都道府県国民健康保険運営方針について、保険料の水準の平準化や財政の均衡に関して記載事項に位置付ける。【国民健康保険法】
(3)医療扶助においてオンライン資格確認を導入する。 【生活保護法、社会保険診療報酬支払基金法、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律】 等


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健康保険法等の一部を改正する法律案①(後期高齢者窓口負担、傷病手当金)

2021-04-01 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 今国会に政府が提出した「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」。

1.全ての世代の安心を構築するための給付と負担の見直し
(1)後期高齢者医療における窓口負担割合の見直し 【高齢者の医療の確保に関する法律】
 後期高齢者医療の被保険者のうち、現役並み所得者以外の被保険者であって、一定所得以上(※)であるものについて、窓口負担割合を2割とする。
※課税所得が28万円以上かつ年収200万円以上(単身世帯の場合。複数世帯の場合は後期高齢者の年収合計が320万円以上)。政令で規定。
※長期頻回受診患者等への配慮措置として、外来受診において、施行後3年間、1ヶ月の負担増を最大でも3,000円とする措置については、政令で規定。


 「令和4年度(2022年度)以降、団塊の世代が後期⾼齢者となり始めることで、後期⾼齢者⽀援⾦の急増が⾒込まれる中で、若い世代は貯蓄も少なく住居費・教育費等の他の⽀出の負担も⼤きいという事情に鑑みると、負担能⼒のある⽅に可能な範囲でご負担いただくことにより、後期⾼齢者⽀援⾦の負担を軽減し、若い世代の保険料負担の上昇を少しでも減らしていくことが、今、最も重
要な課題である。その場合でも、何よりも優先すべきは、有病率の⾼い⾼齢者に必要な医療が確保されることであり、他の世代と⽐べて、⾼い医療費、低い収入といった後期高齢者の生活実態を踏まえつつ、窓⼝負担割合の⾒直しにより必要な受診が抑制されるといった事態が⽣じないようにすることが不可⽋である。」というのが、今回、改正理由と背景としている。
収入の低い高齢者と、例えばデビー夫人が、同じでいいのか、払える裕福な人には応分に払って貰う方が、いいのではないか、そうすることによって、現役世代の保険料負担の増加を少しでも軽減出来るではないか、と思う観点もあるのでこれは仕方が無いか。
施⾏⽇は、「施⾏に要する準備期間等も考慮し、令和4年度後半(令和4年10月から令和5年3月までの各月の初日を想定)で、政令で定める。」とのこと。

(2)傷病手当金の支給期間の通算化 【健康保険法、船員保険法】
 傷病手当金について、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、その分の期間を延長して支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行う。



 現行、⽀給期間は、⽀給開始⽇から起算して1年6ヶ⽉を超えない期間とされている。(その間、⼀時的に就労した場合であっても、その就労した期間が1年6ヶ⽉の計算に含まれる。)
⾒直しの⽅向性として、「がん治療のために⼊退院を繰り返すなど、⻑期間に渡って療養のため休暇を取りながら働くケースが存在し、治療と仕事の両⽴の観点から、より柔軟な所得保障を⾏うことが可能となるよう、支給期間を通算化する。」としている。
実際に、長期治療が必要な疾病であっても復職した期間を含めて、再発を含めて再度の休業を伴う治療が必要となっても、容赦なく1年6か月で休業手当が打ち切られているケースを多く見ていたので、これはいい!
ただし「休職制度」の改定の議論が労使で必要となってくるのではないだろうか。
施⾏時期は令和4年1月。

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被用者保険の短時間労働者適用拡大についてのメモ

2020-06-08 | 書記長社労士 法改正 社会保険
【🏃Run2-44 5.20km 33:03 淀川新橋】 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案の成立によって、「短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件について、段階的に引き下げる(現行500人超⇒100人超⇒50人超)」となった。
この法案が国会に提出された頃、連合が主催する「2020 年公的年金・企業年金等制度改革に向けた勉強会」で、伊澤 知法厚生労働省年金局年金課長から「次期年金制度改正の方向性」を受けたが、その中で「被用者保険の適用拡大」の部分について抜粋してメモしておく。


(1)現行の501人以上を、令和4(2022)年10月1日から101人以上に、令和6(2024)年10月1日から51人以上にする。
 101人以上にすると45万人、51人以上にするとさらに20万人が新たに被保険者になると予測される。
ちなみに、事業主負担(厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料の負担)は1,590億円増えると予測されている。
当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれないこととする要件は撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2か月超の要件を適用するが、労働時間要件(週20時間)・賃金要件(月8.8万円)などは現行のまま。
【補足①】企業規模要件の「従業員数」は、週労働時間が通常の労働者の3/4以上の者を指し、それ未満のパート労働者を含まない
【補足②】月ごとに従業員数をカウントし、直近12か月のうち6か月で基準を上回ったら適用対象となる
【補足③】従業員数のカウントは、法人なら同一の法人番号を有する全事業所単位、個人事業主なら個々の事業所単位で行う



(2) 労働時間要件(週20時間) ⇒ まずは週20時間以上労働者への適用を優先するため、現状維持とする
【補足】週20時間の判定は、基本的に契約上の所定労働時間によって行うため、臨時に生じた残業等を含まない
(3) 賃金要件(月8.8万円) ⇒ 最低賃金の水準との関係も踏まえて、現状維持とする
【補足】月8.8万円の判定は、基本給及び諸手当によって行う。ただし、残業代・賞与・臨時的な賃金等を含まない
(4) 勤務期間要件(1年以上) ⇒ 実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2か月超の要件を適用する
【補足】現行制度の運用上、実際の勤務期間にかかわらず、基本的に下記のいずれかに当てはまれば1年以上見込みと扱う
⇒ 適用除外となるのは、契約期間が1年未満で、書面上更新可能性を示す記載がなく、更新の前例もない場合に限られている
(5) 学生除外要件⇒ 本格的就労の準備期間としての学生の位置づけ等も考慮し、現状維持とする

短時間被保険者の性別・年齢階級別分布
 これまでの適用拡大によって厚生年金加入となった者の多くは女性または高齢者であり、適用拡大はこうした者を厚生年金の支え手に加える効果をもたらしている。

短時間被保険者の適用拡大以前の公的年金の加入状況
• 2017年末時点の短時間被保険者を対象に、適用拡大施行前の2015年末時点の公的年金の加入状況等について、日本年金機構が保有する被保険者データを特別に集計した。
• この結果によると、適用拡大によって厚生年金加入となった者のうち約4割が国民年金第1号被保険者で、その約半数が保険料を免除または未納の状態であった。

週20時間以上・月収8.8万円以上の短時間労働者の公的年金の加入状況
• 週労働時間20時間以上・月額賃金が8.8万円(現行の賃金要件)以上で、被用者保険に加入していない短時間労働者の中で、半数近くは国民年金第1号被保険者であり、第3号被保険者(被扶養者)の割合は約4分の1。


個人の働き方と社会保険の適用区分
• 短時間労働者の社会保険制度上の適用区分は、各自の働き方(労働時間及び収入)や扶養者の有無によって異なっており、どの区分に属するかによって給付・負担の内容に差異が生まれることになる。
(注)被用者保険の適用基準としての賃金要件については、所定内給与から通勤手当等を除いた月額賃金で判断されるのに対して、被扶養者認定基準については年間の総収入金額で判断されることに留意が必要。





適用拡大の労働者への影響について
• 前回の適用拡大の際には、就業調整した人より労働時間を延ばした人の方が多い。
• 実際に適用を受けた短時間労働者の収入は増加傾向。
• 社会保険加入のメリットや働き方の変化について企業が従業員に丁寧に説明することが、就業調整の回避に有効。

被扶養者にとっての被扶養認定基準(130万円)と被用者保険適用基準(106万円)
• 被扶養認定基準(130万円)と異なり、被用者保険適用基準(106万円)は、超えると給付増を伴い、保険料負担も労使折半。
• また、契約時点で適用・不適用が定まり、「130万円の壁」のように、年末に年収を抑える調整が行われる問題が生じない。

個々の企業における追加的な保険料負担のイメージ
 短時間被保険者に係る平均的な標準報酬額172.8万円/年
 厚生年金保険料率18.3% ⇒ 事業主負担分9.15%
 健康保険料率10%(協会けんぽの平均料率) ⇒ 事業主負担分5%(40~65歳の被保険者については、介護保険料率1.73%(協会けんぽの料率)⇒ 事業主負担分0.865%)
⇒短時間被保険者1人当たり約24.5万円/年(40~65歳の者の場合、+約1.5万円)

適用拡大に伴う企業の雇用管理の見直し状況
• 適用拡大に伴い雇用管理上の見直しを行った事業所の中では、「所定労働時間の延長」等の適用拡大策と、「所定労働時間の短縮」等の適用回避策の両方を実施した事業所が多い。
• 見直しの理由としては、適用拡大策だけでなく、適用回避策についても短時間労働者の希望を踏まえたとの回答が多くを占め、コスト回避を企図した見直しは限定的であった。

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3月3日に国会に提出された「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(案)」について

2020-03-16 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 今国会(第201回国会(令和2年常会))に提出された、年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案(令和2年3月3日提出)の概要について。⇒https://www.mhlw.go.jp/content/000601826.pdf

年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案の概要
 改正の趣旨 より多くの人がより長く多様な形で働く社会へと変化する中で、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るため、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、在職中の年金受給の在り方の見直し、受給開始時期の選択肢の拡大、確定拠出年金の加入可能要件の見直し等の措置を講ずる。

改正の概要
1 被用者保険の適用拡大 【厚生年金保険法、健康保険法、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律平成24年改正法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法 】
①短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件について、段階的に引き下げる(現行500人超⇒100人超⇒50人超)。

 現行の501人以上を、令和4(2022)年10月1日から101人以上に、令和6(2024)年10月1日から51人以上にする。
101人以上にすると45万人、51人以上にするとさらに20万人が新たに被保険者になると予測される。
ちなみに、事業主負担(厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料の負担)は1,590億円増えると予測されている。
当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれないこととする要件は撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2か月超の要件を適用するが、労働時間要件(週20時間)・賃金要件(月8.8万円)などは現行のまま。
なお、2024年10月1日より、短時間労働者を適用対象とすべき特定適用事業所の範囲について、一または二以上の適用事業所に使用される特定労働者の総数が常時50人を超える適用事業所とする。

②5人以上の個人事業所に係る適用業種に、弁護士、税理士等の資格を有する者が行う法律又は会計に係る業務を行う事業を追加する 。
 社会保険労務士事務所も含まれる。令和4(2022)年10月1日より。

③厚生年金・健康保険の適用対象である国・自治体等で勤務する短時間労働者に対して、公務員共済の短期給付を適用する 。 令和4(2022)年10月1日より。

2 在職中の年金受給の在り方の見直し 【厚生年金保険法】
①高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため 、 在職中の老齢厚生年金受給者65歳以上の年金額を毎年定時に改定することとする 。

 現行、老齢厚生年金の受給権を取得した後に就労した場合は、資格喪失時(退職時・70歳到達時)に、受給権取得後の被保険者であった期間を加えて、老齢厚生年金の額を改定している(いわゆる退職改定)。
これを、65歳以上の者については、在職中であっても、年金額の改定を定時(毎年1回)に行うことにし、就労を継続したことの効果を退職を待たずに早期に年金額に反映する。
毎年9月1日を基準日とし、基準日の属する月前の被保険者であった期間を基礎として、基準日の属する月の翌月から改定する。
月額10万円で1年間就労した場合+7,000円程度/年(+500円程度/月)、月額20万円で1年間就労した場合+13,000円程度/年(+1,100円程度/月)、月額30万円で1年間就労した場合+20,000円程度/年(+1,600円程度/月)、翌年の年金額が増えると試算される。令和4(2022 )年4月1日より。

②60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について 、 支給停止とならない範囲を拡大する。
支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準を、現行の28万円から47万円(令和元年度額)に引き上げる 。

 65歳未満の老齢厚生年金の支給停止について、65歳以上の仕組みと同じものとし、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の額との合計額から名目賃金変動率に応じて自動改定される額を控除して得た額の2分の1相当額とする。
令和4(2022 )年4月1日よりなので、特別支給の老齢厚生年金をもらえる人のうち、1958年(昭和33年)4月2日生まれ~1961年(昭和36年)4月1日までの男性、1959年(昭和34年)4月2日生まれ~1966年(昭和41年)4月1日までの女性は、原則でならこの対象になるのかな。

3 受給開始時期の選択肢の拡大【国民年金法 、厚生年金保険法等】
 現在60歳から70歳の間となっている年金の受給開始時期の選択肢を、60歳から75歳の間に拡大する 。

 令和4(2022 )年4月1日より。よほど長生きする自信のある人、またはよほどの高給取りの人以外にはお勧め出来ない気がする。
「社会保障審議会年金部会における議論の整理」にあった、1月当たりの繰上げ減額率を0.5%から0.4%にするのは、政令の改正によるのかな。

4 確定拠出年金の加入可能要件の見直し等【確定拠出年金法、確定給付企業年金法、独立行政法人農業者年金基金法等】
①確定拠出年金の加入可能年齢を引き上げるとともに、受給開始時期等の選択肢を拡大する 。
※企業型DC:厚生年金被保険者のうち65歳未満⇒70歳未満 個人型DC(iDeCo):公的年金の被保険者のうち60歳未満⇒65歳未満
②確定拠出年金における中小企業向け制度の対象範囲の拡大(100人以下⇒300人以下)、企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和など、制度面・手続面の改善を図る 。

 4①は令和4(2022)年4月1日・同年5月1日等、4②は公布日から6月を超えない範囲で政令で定める日・令和4(2022)年10 月1日等。
企業型DC加入者のiDeCo加入要件について、企業型DC加入者は、企業型年金加入者掛金の拠出または個人型年金の加入を選択できるものとする、終了制度加入者の残余財産を国民年金基金連合会に移換できることとする、企業型DC加入者が退職した場合に、規約により、個人別管理資産を企業年金連合会に移換できるものとする、個人型年金に加入できないこと等のいずれにも該当する者について、脱退一時金の支給を請求できるものとする、などなど。

5 その他【国民年金法、厚生年金保険法、年金生活者支援給付金の支給に関する法律、児童扶養手当法等】
①国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え
②未婚のひとり親等を寡婦と同様に国民年金保険料の申請全額免除基準等に追加
③短期滞在の外国人に対する脱退一時金の支給上限年数を3年から5年に引上げ(具体の年数は政令で規定)
④年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会の対象者の見直し
⑤児童扶養手当と障害年金の併給調整の見直し 等

 5②・③は令和3(2021)年4月1日、5④は公布日、5⑤は令和(2021)年3月1日、等。
国民年金手帳は廃止される。

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今国会で出されるであろう年金の改正法案のうち、老齢の年金の繰り上げ・繰り下げについて

2020-02-21 | 書記長社労士 法改正 社会保険
 昨年、12月27日に「社会保障審議会年金部会における議論の整理」がまとめられたが、これに基づいて、第210通常国会に、年金に関する法改正案が提出される見通し。
議論の整理を踏まえると、おそらく内容は、

①短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大など
〇現行の500 人超という企業規模要件は撤廃し、、2024(令和6)年10 月に50 人超規模の企業まで適用することとし、その施行までの間にも、できるだけ多くの労働者の保障を充実させるため、2022(令和4)年10 月に100 人超規模の企業までは適用する。
〇5人以上の個人事業所のうち、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業について、適用業種に追加する。

②高齢期の就労と年金受給の在り方
〇60 歳台前半の老齢厚生年金に適用される在職老齢年金制度のうち、低在老を現行の28万円から高在老と同じ47 万円の基準に合わせる。
〇年金の受給開始時期については、現行よりもさらに柔軟に選択できるよう、その選択肢を増やす観点から、現行の60~70 歳から60~75 歳へと拡大する。
〇繰上げ・繰下げの増減率は、1月当たりの繰上げ減額率を0.4%に、繰下げ増額率は0.7%とする。



 現行の繰り上げの減額率は、0.5%。
この表は、加給年金や在職老齢年金、特別支給の老齢厚生年金の場合など、他の要素を考慮せずに、単に、老齢年金を繰り上げ・繰り下げしたときの損益分岐点を表したもの。


 繰り上げの減額率が0.4%となるなら、繰り上げを選択するメリットがとても大きくなるようだ。
一方、繰り下げはそもそもデメリットの方が大きくて選択するとしたら、よほど賃金の高い人とか、配偶者がいないか同い年か年上の場合だとか、よほど長生きする自信があるか、などの非常に限られた場合だと思っているので、75歳まで伸びたからといって選択する人は今同様少ないだろうな。(そんな議論は無かったが高在老を現行の低在老並みに引き下げたら別だろうけど)
先日、ご主人が66歳になる際に繰り下げ支給を選択して、それが受理された直後に亡くなったせいで、けっきょく老齢の年金を一切受け取れなくなったというケースを見た…気の毒だ…。
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「『在職老齢年金』の減額制度、見直しへ 基準『62万円超』引き上げ案軸に検討」について

2019-10-15 | 書記長社労士 法改正 社会保険

「在職老齢年金」の減額制度、見直しへ 基準「62万円超」引き上げ案軸に検討 毎日新聞2019年10月9日 20時15分
 働いて一定額以上の収入がある高齢者の厚生年金を減額する「在職老齢年金」について、厚生労働省は9日の社会保障審議会の年金部会で対象者を縮小する案を示した。現在は、賃金と年金の合計月額が60代前半で「28万円超」、65歳以上は「47万円超」で年金が減らされるが、減額基準を「62万円超」にそろえて引き上げる案を軸に検討する。


 このニュースについて良く聞かれるので、軽く解説。
今現在、ざっくり説明するとすれば、65歳までの年金受給者が働く場合、月の年金と賃金の1ヶ月相当分の合計が28万円を超えた場合、超えた分の50%分、受け取る年金が減額される。
65歳以上は、同じく月の年金(老齢厚生年金の分のみ、老齢基礎年金は除く)と賃金の1ヶ月相当分の合計が47万円を超えた場合、超えた分の50%分、受け取る年金が減額される。
さらに、これは理屈がなくて納得いかんが、70歳以降も厚生年金適用事業所に勤務している場合は、厚生年金保険の被保険者でないのに、65歳以上の方と同様の在職中による支給停止が行われる。
とにかく、これを在職老齢年金制度という(以下「在労」)
65歳以降の47万円ってハードル高くて対象者は少ないが、65歳未満の28万円は対象者が多く、せっかくもらえる年金が減らされるってことで、損した感が強く就労意欲を削る、という批判が多い。

 60代前半の在労対象者は、約67万人で、これによって削減できてる年金支給額は約4,800億円(2019年度末の推計値)。
大きな金額やけど、でもこれは特別支給の老齢厚生年金の対象者の制度なんで、男性昭和36年4月1日生まれまで、女性は昭和41年4月1日までに生まれまでしか対象にならないってことで、男性2025年、女性2030年で終わる制度、だから厚生労働省としてはあんまり問題にはしていない。
一方、65歳超の在労は、約41万人・約4,100億円(2018年度末)で、しかもこれは老齢厚生年金を受給されるすべての人に当てはまるってことで、将来にわたって適用されるので、うっかり「在労」が廃止されると、年金支給額が増えるってことで、財政的には痛い。


 だから、厚労省は、10月9日の社会保障審議会年金部会において、厚生年金保険料の算出に用いる「標準報酬月額」の最も高い等級が「62万円」であることを踏まえ、65歳以上を対象とした制度について、①減額基準を62万円超に引き上げ、または②全廃、の2案を示した。


 60代前半は、厚生年金の支給開始年齢の65歳への引き上げが完了(男性2025年、女性2030年)することを踏まえ、①自然消滅を待つ、または②62万円超に引き上げる、の2案を提示した。

 減額対象を縮小するのが軸となっていて、高齢者の就労拡大につなげる考えだが、笑えるくらいいじましくて、苦慮したことがにじむ、笑える数字。
部会の有識者からは効果への疑問や、年金財政の悪化を懸念する声が相次いだそうだが…(爆)。


 実はこれは、8月27日、同年金部会に示され公表された「2019(令和元)年財政検証結果」のオプション試算の中に以下の通り、織り込まれていることが前提ってことは留意すべき。

オプションB 保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択
①基礎年金の拠出期間延長 基礎年金給付算定時の納付年数の上限を現在の40年(20~60歳)から45年(20~65歳)に延長し、納付年数が伸びた分に合わせて基礎年金が増額する仕組みとした場合
②在職老齢年金の見直し 65歳以上の在職老齢年金の仕組みを緩和・廃止した場合
③厚生年金の加入年齢の上限の引き上げ 厚生年金の加入年齢の上限を現行の70歳から75歳に延長した場合
④就労延長と受給開始時期の選択肢の拡大 受給開始可能期間の年齢上限を現行の70歳から75歳まで拡大した場合、65歳を超えて70歳、75歳まで就労した者が、受給開始時期の繰下げを選択すると給付水準がどれだけ上昇するかを試算。
⑤就労延長と受給開始時期の選択肢の拡大(オプションB-④に①~③の制度改正を加味) 上記①~③の制度改正を仮定した上で、受給開始可能期間の年齢上限を 現行の70歳から75歳まで拡大した場合、65歳を超えて70歳、75歳まで就労した者が、受給開始時期の繰下げを選択すると給付水準がどれだけ上昇するかを試算。


 安倍晋三「不安倍増」内閣としては、今、老齢年金の繰り下げ支給をすれば「お得」ってことがアピールしたい。
しかし年金の繰り下げはなかなか選択されていないことに苛立っている(厚生年金受給者の1%程度、1.4万人しか選択していない、これは2016年数値だが、ほぼほぼ前からこの推移)。
みんなが老齢年金の受給を先送りしてくれたら、当面、年金財源の収支検証も先送りできるのに、って焦燥感があって、小泉進次郎が意味もわからず吠えてから「ねんきん定期便」の内容が変わってことがあった。
だから、今回の提案は、オプション試算を踏まえて、年金の給付水準の物差しになる所得代替率が好転するであろう、③と④から⇒⑤ってなのを視野に入れて、年金受給の「繰り下げ」を促進することが一番の目的であるのだろうな、と思う。

 ちゅうても、老齢厚生年金の繰り下げ支給については、メリットよりデメリットが多くて、この減額基準を「62万円超」にするということでは、「受給開始時期の選択肢の拡大」とはならないと思うのが実感。
そやな、老齢厚生年金の繰り下げ支給について、今度、書こうかな。

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「現在65歳からとなっている年金支給開始年齢の 引上げは行わない。」経済財政運営と改革の基本方針2019(令和元年6月21日閣議決定)より

2019-08-16 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 「令和元年財政検証」はすでに出来上がっているのに、政府は、年金問題を参議院選挙の争点にしたくないという思惑から未だに公表されていない。
ところで、経済財政運営と改革の基本方針2019(令和元年6月21日閣議決定)では、「現在65歳からとなっている年金支給開始年齢の 引上げは行わない。」と書いてある。

 よく、「自分らは年金もらえるのん、いくつになるかわからへんやん。」って、公的年金不信の人から多くある質問だが。
また、財務省の財政制度等審議会の財政制度分科会(2018年4月11日)で、「年金の支給開始年齢を68歳まで引き上げる」という趣旨の検討資料が出て、話題となっていたが。

 とりあえず、現在の政府の方針としては、支給開始年齢の引き上げはおこなうつもりはないようだ。

このことは、「第2章 Society 5.0時代にふさわしい仕組みづくり」の、「1.成長戦略実行計画をはじめとする成長力の強化」の、「(2)全世代型社会保障への改革」の、「① 70 歳までの就業機会確保」に書いてある。(本文13ページから)

(多様な選択肢)
 人生100年時代を迎え、働く意欲がある高齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高齢者の活躍の場を整備することが必要である。高齢者の雇用・就業機会を確保していくには、70歳までの就業機会の確保を図りつつ、65歳までと異なり、それぞれの高齢者の特性に応じた活躍のため、とり得る選択肢を広げる必要がある。
 このため、65歳から70歳までの就業機会確保については、多様な選択肢を法制度上整え、当該企業としては、そのうちどのような選択肢を用意するか、労使で話し合う仕組み、また、当該個人にどの選択肢を適用するか、企業が当該個人と相談し、選択ができるような仕組みを検討する。


 として、「高年齢者雇用安定法」の改正を前提とし、働き方の選択肢としては、

 法制度上整える選択肢のイメージは、
(a)定年廃止
(b)70歳までの定年延長
(c)継続雇用制度導入(現行65歳までの制度と同様、子会社・関連会社での継続雇用を含む)
(d)他の企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現
(e)個人とのフリーランス契約への資金提供
(f)個人の起業支援
(g)個人の社会貢献活動参加への資金提供
が想定し得る。
 企業は(a)から(g)の中から当該企業で採用するものを労使で話し合う。それぞれの選択肢の具体的な検討に当たっては、各選択肢における企業が負う責務の程度など、企業の関与の具体的な在り方について、今後慎重に検討する。


 そしてスケジュール感については、

(第一段階の法制整備)
 70歳までの就業機会の確保を円滑に進めるためには、法制についても、二段階に分けて、まず、第一段階の法制の整備を図ることが適切である。
 第一段階の法制については、法制度上、上記の(a)~(g)といった選択肢を明示した上で、70歳までの就業機会確保の努力規定とする。また、必要があると認める場合は、厚生労働大臣が、事業主に対して、個社労使で計画を策定するよう求め、計画策定については履行確保を求める。

(第二段階の法制整備)
 第一段階の実態の進捗を踏まえて、第二段階として、現行法のような企業名公表による担保(いわゆる義務化)のための法改正を検討する。この際は、かつての立法例のように、健康状態が良くない、出勤率が低いなどで労使が合意した場合について、適用除外規定を設けることについて検討する。

(提出時期及び留意点)
 混乱が生じないよう、65歳(現在63歳。2025年に施行完了予定)までの現行法制度は、改正を検討しないこととする。
 手続的には、労働政策審議会における審議を経て、2020年の通常国会において、第一段階の法案提出を図る。


 としており、そして最後に、支給開始年齢についてと、70歳以降の年金受給の繰り下げ、在職老齢年金の廃止について言及している。

(年金制度との関係)
 70 歳までの就業機会の確保に伴い、現在65歳からとなっている年金支給開始年齢の引上げは行わない。他方、現在60歳から70歳まで自分で選択可能となっている年金受給開始の時期については、70歳以降も選択できるよう、その範囲を拡大する。加えて、在職老齢年金制度について、公平性に留意した上で、就労意欲を阻害しない観点から将来的な制度の廃止も展望しつつ、社会保障審議会での議論を経て、速やかに制度の見直しを行う。
 このような取組を通じ、就労を阻害するあらゆる壁を撤廃し、働く意欲を削がない仕組みへと転換する。



 ちなみに「払ったってどうせもらえなくなるのでは?」という質問もよくありますが…。
日本の公的年金は、賦課方式となっていて、働く現在現役の人が払い込んだ金を現在の高齢者に支給する仕組みであり、この賦課方式によって「世代間扶養」が実現できる。
しかもその現役世代に払う保険料に、過去からの積立金、国庫負担を加えて支給されている。
何の工夫もしないと(機械的な給付水準調整のみ)、積立金は2055年になくなると言われていて、そうなったとしたら「保険料+国庫負担」の完全な賦課方式に移行することになる。(平成26年財政検証結果)
というわけで、日本の公的年金制度は、ある意味「破綻したくてもできない」制度なのだ。

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2018年4月1日からの変更(社会保険の関係)

2018-03-27 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 本日の佐川宣寿氏の証人喚問、朝はテレビ中継少し見れたけど、午後は新宿での会議と、さっきまでは議員会館で、立憲民主党の国土交通部会だったため、見れなかった。
今日はあそこ、大騒ぎ…(-.-#)
立憲民主党の福山議員らの質問に対し、佐川氏「刑事訴追の恐れからお答えできません」「告発を受けているので答弁を差し控えたい」
ますます疑惑と混迷が深まっただけやん…( ̄△ ̄)

 ところで、2018年4月1日からの変更(社会保険の関係)についてメモしておく。

平成30年度の国民年金保険料は、16,340円
 (平成29年度16,490円 → 平成30年度16,340円)
※法律に規定されている平成30年度の保険料額16,900円(平成16年度価格)に、平成16年度以降の物価や賃金の変動を反映した率(0.967)を乗じることにより、16,340円となる。

平成30年4月からの年金額は、月64,941円(老齢基礎年金(満額))
※平成29年平均の全国消費者物価指数は、0.5%となり、また、平成30年度の年金額改定に用いる名目手取り賃金変動率は▲0.4 %となった。この結果、平成30年度の年金額は、法律の規定に基づき、平成29年度から据え置きとなる。

子ども・子育て拠出金率の改定【予定】
 厚生年金の適用事業所が厚生年金保険料と合わせて納める子ども・子育て拠出金率が、1000分の2.3から1000分の2.9に引き上げる。

診療報酬改定
 平成30年度診療報酬改定については、医療機関の経営状況、物価・賃金の動向等を踏まえ、診療報酬本体0.55%のプラス改定とした。

オンライン診療料等の新設
 情報通信機器を活用した診療について、対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、オンライン診療料等を新設する。(オンライン診療料 70点 等)

国民健康保険制度の都道府県単位化
 国民健康保険制度の財政運営の都道府県単位化と財政支援の拡充による財政基盤の強化を柱とする国保改革を施行する。

同一都道府県内の市町村間異動における高額療養費の多数回該当の通算
 国民健康保険の被保険者が、同一都道府県内の他市町村へ住所を異動した場合について、当該被保険者が属する世帯の高額療養費の多数回該当に係る該当回数を引き継ぐ規定を設ける。

後期高齢者医療の保険料軽減特例の段階的な見直しについて
 後期高齢者医療の保険料軽減について、以下の内容を実施する。
(1)所得の低い方の所得割の軽減を2割軽減から本則(軽減なし)とする。
(2)元被扶養者の均等割の軽減を7割軽減から5割軽減とする。

国民健康保険・後期高齢者医療の保険料(税)の賦課(課税)限度額引上げ
 国民健康保険・後期高齢者医療の保険料(税)の賦課(課税)限度額について、国民健康保険は89万円から93万円に、後期高齢者医療は57万円から62万円に、それぞれ引き上げる(平成30年度分の保険料(税)から実施)。

介護報酬改定
 平成30年度介護報酬改定については、介護サービス事業者の経営状況、賃金・物価の動向等を踏まえ、0.54%のプラス改定とした。

第1号被保険者(65歳以上)の保険料
 平成30年度から平成32年度までの介護保険の第1号保険料について、各保険者において、介護保険事業計画に定めるサービス費用見込額等に基づき設定する。

母子父子寡婦福祉資金貸付金の対象の拡大 ※予算案が成立した場合
 母子父子寡婦福祉資金貸付金の修学資金、就学支度資金について、大学院に進学するひとり親家庭の子を対象に加える。
 <貸付上限額(月額)>
 ・修学資金 修士課程 132,000円 博士課程 183,000円
 ・就学支度資金 国公立 380,000円 私立 590,000円

平成30年4月から平成31年3月の児童扶養手当等の手当額 ※5、6については、予算案が成立した場合
 平成31年3月までの額は0.5%の引上げ(平成29年4月比)となる。
1.児童扶養手当
2.特別児童扶養手当及び特別障害者手当等
3.医療特別手当(原爆関係のその他手当含む)
4.特別障害給付金
5.予防接種による健康被害救済給付関係
6.新型インフルエンザ予防接種による健康被害救済給付関係
7.副作用被害救済給付関係
8.ハンセン病療養所非入所者給与金の手当など

     

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個人型確定拠出年金が、平成29年1月から、専業主婦、公務員の方を含め、 基本的に60歳未満のすべての方が利用できるようになった

2017-01-20 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 個人型確定拠出年金の加入者は、これまで自営業者の方などに限られていたが、平成29年1月からは、企業年金を実施している企業に勤めている人や公務員、専業主婦を含め、基本的にすべての方が加入できるようになった。
確定拠出年金は、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金のひとつで、日本に導入される頃は、「日本版401k」と言われていたもの。
確定給付企業年金法に基づく確定給付企業年金はDB(Defined Benefit Corporate Pension)で、この確定拠出年金はDC(Defined Contribution Plan)とも呼ばれる。
で、事業主が実施するのは「企業型確定拠出年金」、個人で加入するのが「個人型確定拠出年金」で、この個人型確定拠出年金を厚生労働省はiDeCo(イデコ)という愛称にしているようだ。
確定拠出年金の仕組みは、掛金を定めて事業主や加入者が拠出し、加入者自らが運用し掛金とその運用益との合計額をもとに給付額が決定されるというもの。

 個人型確定拠出年金には、①掛金が全額所得控除される、②運用益も非課税で再投資される、③受け取るときも税制優遇措置がある、という3つの税制優遇措置がある。
留意点は、①運用は加入者ご自身が行う、②中途での引出しに制限がある、③口座管理手数料などがかかる、という3点。


 さて、ここのところうちの産別労組の組合員から、今回の適用拡大に関して質問が寄せられる。
自分としては、老後資金の確保ということでは、当産別独自の全労済の年金制度(一定期間を超えれば元本越えで運用が有利)、労金の財形貯蓄(中途の引き出しが可能)などと、この個人型確定拠出年金(税制優遇が有利)の、メリットと留意点を押さえた上で、使い分けをすればいいのではないかと、説明している、今現在。
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平成28年10月より短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大

2016-10-04 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 先日(9月28日)、臨海統括支部港支部独自研修会「短時間労働者に対する社会保険の適用拡大について」を受講してきた。
今さら制度の中身を勉強しても、アナウンスする時間がないよな~って思いつつ、せっかくだから、ポイントだけ(キーワードだけ)メモしておこうと思う。

☆特定適用事業所となる要件の、「被保険者数の501人超」は、加入の対象となる短時間労働者を含めてではなく、現在の被保険者の数。
☆特定適用事業所となる要件の、「同一事業主」は、事業主が同じでも法人番号が違うと、それぞれ別々に被保険者数をカウント。
☆10月1日時点で要件に該当した場合は、職権で、特定適用事業所とする。
☆10月1日時点で要件に該当しないが、その後、要件を満たすことが見込まれる適用事業所には、「お知らせ」が送られて来、要件を満たしたら「特定適用事業所該当届」を提出する。
☆被保険者数(短時間労働者を除く)が500人以下となった場合も引き続き特定適用事業所として取り扱われるが、被保険者数(こっちは短時間労働者を含む)の4分の3以上の同意を得て、特定適用事業所府該当の届け出をすることができる。
☆週所定労働時間を算定するとき、時間外労働が恒常化している場合は、週所定労働時間としてカウントする(ただし法定内時間外労働だけ)。
☆週所定労働時間を算定するとき、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆など出勤日数の少ない週は除いて算定する。
☆賃金月額8.8万円以上かどうか計算する場合、最低賃金法で算入しないことを定めてある賃金(精皆勤手当・通勤手当・家族手当など)は除外するが、被保険者資格取得届・算定基礎届けなどの届け出の際の「報酬月額」には、これを含む。

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昨日、このような辞令を頂戴しました

2016-09-21 | 書記長社労士 法改正 社会保険

 うちの組織で、8月より、そもそもの役職に加え、社会保障対策局長という肩書を拝命した関係で、昨日、このような辞令を頂戴しました。
働く仲間のために、そして一生懸命頑張っている事業主のために(これはやや社労士目線)、さらには社会保険労務士が正しい思いでの仕事がしやすい制度が構築できるように、精進して参ります。
今後さらなるご指導ご鞭撻を、特に社会保険労務士の仲間の皆さんに、お願いいたします。
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