労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

2023年11月に読んだ本

2023-12-11 | 📖いい本読んでます?
11月の読書メーター 読んだ本の数:8 読んだページ数:2832 1日のページ数:97ページ

逆ソクラテス (集英社文庫)逆ソクラテス (集英社文庫)
読了日:11月01日 著者:伊坂 幸太郎
 逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える(逆ソクラテス)。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが(スロウではない)。最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも(アンスポーツマンライク)。など短編全5編の主人公はすべて小学生。デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。 ☆☆☆ 伊坂幸太郎の新境地ってのはまさに!5つの物語すべてが完璧!気持ちがめっちゃポジティブになってしまう⤴小四の孫1号にも、今はまだ早いが、もう少し大きくなったら絶対に読ませてみたい❗

上杉謙信 (吉川英治歴史時代文庫)上杉謙信 (吉川英治歴史時代文庫)
読了日:11月01日 著者:吉川 英治
 謙信を語るとき、好敵手信玄を無視することはできない。精悍孤高の謙信と千軍万馬の手だれの信玄。川中島の決戦で、戦国最強の甲軍と龍攘虎搏の激闘を演じ得る越軍も、いささかもこれに劣るものではない。その統率者謙信と彼の行動半径は? 英雄の心事は英雄のみが知る。 ☆☆★ なんとかっこいい武将なんだ!「正」と「義」とはこういうことなのか。

忍者だけど、OLやってます (双葉文庫)忍者だけど、OLやってます (双葉文庫)
読了日:11月08日 著者:橘 もも
 一見普通のOL・陽菜子には秘密がある。実は代々続く忍者の里の頭領娘で、忍者の生き方に嫌気がさして里を抜けだしたのだ。ある日、会社の上司・和泉沢が仕事の重要書類を紛失する。どうやら盗まれた可能性があり、陽菜子はこっそり忍術を使い書類を取り戻そうとするが、背後には思いがけない陰謀が待ち受けていて……!? ★★★ 軽くてチャラすぎて文章も稚拙で、続編もあるみたいやけど、きっともう読まないな。

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)
読了日:11月09日 著者:二宮敦人
 あなたの余命は半年です――ある病院で、医師・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道も説く。 しかし、副院長・福原は奇跡を最後に信じるまで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で勝ち残る戦いの結末とは究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を思い描いて、眩しいほどの人生の光。 ☆★★ 重い作品で読んでると気を病みそう…。しまった、続編もsetで買ってしまったから読まなきゃ。ちょっと辛い

バベル九朔 (角川文庫)バベル九朔 (角川文庫)
読了日:11月16日 著者:万城目 学
 俺は5階建ての雑居ビル「バベル九朔」の管理人をしながら作家を目指している。巨大ネズミ出没、空き巣事件発生と騒がしい毎日のなか、ついに自信作の大長編を書き上げた。だが、タイトル決めで悩む俺を、謎の“カラス女”が付け回す。ビル内のテナントに逃げこんだ俺は、ある絵に触れた途端、見慣れた自分の部屋で目覚める――外には何故か遙か上へと続く階段と見知らぬテナント達が。
「バベル九朔」に隠された壮大な秘密とは?
 ☆☆★ 万城目ワールド炸裂。不可解過ぎるったらありゃしない!

ミッドナイトイーグル (文春文庫)ミッドナイトイーグル (文春文庫)
読了日:11月18日 著者:高嶋 哲夫
 米空軍のステルス爆撃機が北アルプスに墜落!その搭載物をめぐって男たちの死闘が始まった。報道カメラマン西崎勇次もその渦中に…。かたや週刊誌記者の松永慶子は、横田基地に侵入・逃走した北朝鮮の工作員に接触する。吹雪の北アルプスと東京。二つの場所で、男と女は絆を取り戻せるのか。 ☆☆★ 安倍政権の時に骨抜きにされた今のマスコミにこの矜持はまだあるのか…とまったくお門違いの感想を持ってしまったが。

最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上) (TO文庫)最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上) (TO文庫)
読了日:11月21日 著者:二宮敦人
 小さな診療所を始めた医師・桐子は患者に余命を受け入れる道も言い切る。 一方、かつての同僚・福原は大病院で閑職に追いやられても尚、患者の「延命」を諦めない。別々の道を歩む二人が、ある難病の恋人同士を前に再会する時、それぞれに壮絶な過去が呼び覚まされるのだった。 ☆★★ 買ってしまったから続きに手を出したながら、やはり気持ちが落ちて、なかなか読み進まない⤵

ファイアガード 新宿警察署特殊事案対策課 (宝島社文庫)ファイアガード 新宿警察署特殊事案対策課 (宝島社文庫)
読了日:11月24日 著者:鷹樹 烏介
 江戸期に何度も大火に見舞われた東京では、明治維新を機にいくつもの 「火伏塚(ひぶせづか)」が築かれ、町を火災から護り続けてきた。しかし、オリンピックを控えて各所で建設・改築が進む中、火伏塚が次々と破壊されるという事件が起こる。相次ぐ火災や爆発事故を前に、警視庁は火伏塚修復の専門家を海外から招聘し、山本はその警護にあたることになった……。 ★★★ シリーズ2作目から読んでしまった。漫画か…。文章もうざい…。異色の伝奇警察小説、待望の第2弾なんだそうやけど…。

読書メーター

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【メモ】くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2023

2023-12-05 | 書記長社労士 公共交通

 くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2023@東洋大学白山キャンパス。
今年はコロナ禍開けたってことで完全リアル開催で、みなさん、公共交通を遣ってきてくださいね、ながら一日開催。
岡村俊之実行委員長(東洋大学)の開会挨拶で始まり、国土交通省公共交通政策審議官の石原大さんのショートスピーチ。
「公共交通日和の誘惑を断ち切って参加した。
「足」に関するニュース増えてきた。バスタクシーのドライバー不足、ライドシェア、ローカル線の存廃問題、取り上げられない日はない。コロナ禍の影響が大きく出ているのではないか。人毛が減っている中、オンラインテレワーク、混雑を避けたいなどの意識の変化で客が減っている。加えて離職を余儀なくされた現場の方々、それが一気に出てきている。
 コロナ禍で10~20年先の姿が一気に露呈した。
明治の時代から民間の交通事業者に支えられてきた。昨年鉄道開業100周年、バス、タクシー110周年、100年以上、民間の事業者によって交通が支えられてきた。日露戦争頃に国有鉄道。日本人は水や空気と同じように公共交通はあって当たり前だと思ってきた。
 行政も地域で身近な課題であるにもかかわらず正面から関わってきた歴史が自治体になかった。自治体が悪いわけではなく民間で質の高いサービスが提供されてきた結果だ。これからはそういうわけにはいかない。これから10年で人口は1000万人減、年寄りは300万増える。担い手不足で、運ばなくてはいけない人は逆に増えていく。次元の異なる供給者不足にどう対応していくか。考えていかないと思っている。
 交通事業者がコロナで痛んでいる、どう利便性を高めていくのか、地域交通法の改正、社会資本整備交付金など新しい予算が出来たことに新しい道具立ては出来た。地域公共交通のリ・デザイン、少しずつ市民権を得てきている。一番の肝は「共創」という言葉、地域の足について、様々な人が関わっていく共創。行政でも省庁横断的に議論を進めている。日本郵政の増田社長、交通分野で社会の誰も取り残されない社会を作るのが重要と述べている。まさにその通り。いかに地域の足の問題にいろいろな人を巻き込んで、従来から考えられない状況に取り組んでいかなければならない。


「くらしの足の共創の始め方」井原雅人(早稲田大学)
活性化再生法2007年 この法律はゼロから、公共交通はマイナスから始まっていることに驚いた。
道路運送法による運行主体と地域交通法による公共交通。
交通DX、交通GX、3つの共創(官民の共創、事業者間の共創、他分野との共創)。
利便性・生産性・持続可能性を高め地域公共交通の再構築(リ・デザイン)を推進。
エリア一括、複数年契約で事業者が安定する。(官民の共創)
前の改正、独禁法の適用除外(事業者間の共創)⇒法定協議会への意見聴取の上で⇒勝手に事業者だけで決めるのではなくて、自治体・住民も参加。
他分野の共創、交通×教育(富山県朝日町の「のっかる」スイミングスクールの送迎を親同士でマッチング、マッチング不成立の場合はタクシー事業者の配車。)
交通×介護(群馬県前橋市)⇒ディサービスとタクシー事業者でディサービス事業者の送迎負担を軽減。
⇒新しい移動を生み出さなければならないのではなく、今ある移動に対する役割を転換。

地域公共交通計画の策定と実施⇒地域の課題を発見・共有し、事業内容と実施主体と役割分担を決める。
参加の応諾義務と結果の尊重義務が発生⇒関係者間の合意形成を図る上で有効。


 ポスターセッションでは、今回全自交労連の津田書記次長が「ライドシェアこそが地域交通を破壊する!」を出展。
多くの人が話を聞いてくれていたようだが、後で労ったら「一緒に説明してくれたらよかったのに…」って、そらそうだった。


 ポスターセッションで、特に気になったのは、以下のもの。
③坂出市「香川県坂出地域の新しい運賃制度」
④全自交労連「ライドシェアこそが地域公共交通を破壊する」
⑯(株)REA「AI自動ルート作成システムを活用した配車業務の効率化と新たな移動サービス」
⑰(株)バイタルリード「共助交通『のりりん』導入に向けた町民・事業者・行政の三位一体による取組」
⑱運輸デジタルビジネス協議会「運輸デジタルビジネス協議会のご紹介」
㉗バスマップ沖縄「沖縄の路線バス おでかけガイドブックの紹介」
㉔弘前大学「特別支援学校におけるMM教育の意義」
特に㉔が気になったので、後日、また取り上げてみたい。


 オープンカンファレンス ②「運転手不足の救世主!?女性ドライバー採用の課題」
二種免許取得できない自動車学校(要件が厳しい)
保育所(企業内)⇒学童保育
求人で、茶髪・ピアス・ネイルOK・時間自由・洗車免除 八千代タクシー(千葉)
参加者(子育てママ)の意見:ママ向けの情報誌(フリーペーパー)にタクシードライバーの募集(情報・広告)というのは一度も見たことない。どんな仕事かも解らなくて(免許・勤務・給料)、私が出来る仕事なのかどうかもわからない。お母さん向けの再就職説明会(職種特化)に出てくるのも良いのでは。
youtubeでの職業紹介、インディードより安価で効果的(ハートフルタクシー)

分科会 ③バス・タクシードライバー不足にどう対応する?
入口(就職)選べる企業に ➡ 長く働いてもらう(定着) ➡ 出口(離職)もったいない離職は少なく
物心両面の幸福追求「物心両面の幸福とは経済的な安定や豊かさを求めていくとともに仕事の場での自己実現を通して、生きがいや働きがいといった人間としての心の豊かさを求めていくもの」(稲盛和夫)
多大な業務負担、かたや、これに見合う待遇とは言いがたい⇔これに見合わない停待遇(賃金)
2024年問題⇒「問題」という呼び方に違和感あり。スステナブルな姿を見据えた転機になり得る。





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社労士会の手帳、自分は愛用しているんだけど…

2023-11-29 | 書記長社労士 社労士

 毎年、東京社労士会の会報の11月号に社会保険労務士手帳が同封されてくる。
大阪会所属のときはそんなサービスがなかったから、東京会に転籍してからだから2013年から使っているんだ。
自分は、この手帳をめっちゃ愛用しているのだけど、先日、Facebookの全国社会保険労務士FB会に「先生方は使っていらっしゃいますか。」という記事がアップされて、コメント欄を見ていると意外と使ってない人のコメントが多くて驚いた。



 自分は資料編とスケジュール帳の前後を入れ替えて使ってて、資料編では、国年・厚年の数字、安全衛生管理体制、障害等級表、労災保険傷病部位表示図、国民年金・厚生年金保険の経過措置一覧表などを、出先で確認する必要がある時に活用している。
たしかに文字が小さすぎて、老眼が進んでいる目では厳しいのは厳しいが。
特に、関東全域の路線図なんてのは見る気もしないが…。
カバーの色はローテーションされているようで、今年が紺で、来年が茶色だから、再来年は黒だな。
そういえば以前は、年明けのところ、1月の1週目までしかページなかったが2022年から2週目まで入れてくれるようになって少しだけ便利になった。


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地域公共交通の有する多面的な効果(クロスセクター効果) ~算出ガイドライン標準版の公表について~

2023-11-24 | 書記長社労士 公共交通

 クロスセクター効果研究会(会長 土井勉 一般社団法人グローカル交流推進機構理事長)は、「地域公共交通の有する多面的な効果(クロスセクター効果)に係る算出ガイドライン標準版」を公表し、地域公共交通が、経済振興や健康・医療、福祉・介護、教育・スポーツ、環境・エネルギー等の他の行政分野における公的負担額を軽減している効果の算出手法を定めた。

 地域公共交通は、例えば、高齢者の外出機会が増えることで高齢者の健康増進や就労機会が増加し、そのために医療費や社会保障費が削減され、むしろ社会全体としての費用負担が下がるなど、単なる住民の移動手段にとどまらず、医療や福祉の質の向上、産業や観光振興、財政の改善、高齢者等が運転する自家用車の交通事故減少、健康増進、地域コミュニティの強化、まちのブランドイメージ向上、災害時の避難手段の確保など、多面的な外部効果、いわゆる「クロスセクター効果」をもたらすものとされている。


 地域公共交通のクロスセクター効果とは、地域公共交通を代替するのに追加的に必要となる多様な行政部門の分野別代替費用と、運行に対して行政が負担している財政支出を比較することにより把握できる地域公共交通の多面的な効果をいう。
これまでは利用者数や収支などで評価をすることが多かったが、「赤字」の地域公共交通を補助金などの公的資金で支える意味を定量的に評価するために開発された。
クロスセクターとは「多様な行政分野」のことを指す。

クロスセクター効果を算出する意義
・地域公共交通のクロスセクター効果として定量的に提示することで、財政支出・支援の必要性をより可視化することが可能。
・地域公共交通への支援の意義を行政内で共有でき、より利用者にとって使いやすい地域公共交通計画の実現が可能。


 これは、滋賀県の近江鉄道でクロスセクター効果を算定された事例だが、近江鉄道線の代わりに医療・教育・建設等の多様な分野で代替施策を実施した場合の費用は19.1億円/年以上となり、近江鉄道線の国・県・市町の財政支出と事業損失額の合計である6.7億円/年を大きく上回ることが確認された。

【参考】に置いておくが、この近畿運輸局の資料がひじょうにわかりやすい。
●クロスセクター効果「地域公共交通 赤字=廃止でいいの?」(国土交通省近畿運輸局作成資料)
 https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/cross_sector_leaflet.pdf

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【メモ】「年収の壁」にどう取り組むか (株)日本総合研究所 西沢和彦理事

2023-11-22 | 書記長社労士 お勉強の記録
【22 💪4-55 LiFETiCK RateralRaize10kg ShoulderPress32.5kg UpLightRow30kg RearDertoidRaize7kg BallCrunch LegRaizeBall】 厚生年金の「第3号被保険者」および健康保険の「被扶養者」になっているパートやアルバイトの人たちに「そんな壁を乗り越えてもっと働けっ💢」として 、10月20日より「年収の壁・支援強化パッケージ」を実施している。⇒厚労省のページ「ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 年収の壁・支援強化パッケージ
このブログでもちょろっと紹介したが…⇒「年収の壁・支援強化パッケージ」

 大きなお世話だ、的な気もするが、そんな折りに、連合が「社会保険の適用拡大に関する勉強会」を11月14日に開催。
そのときの(株)日本総合研究所 西沢和彦理事の講演「『年収の壁』にどう取り組むか」についてメモを残しておく。



1.前提としての知識
〇国民皆保険という美しい理念と矛盾。
社会保障として社会保険と福祉
社会保険は拠出原則があり財源は社会保険料⇒権利性があり(保険料を払ったのだから…)、排他的ともいえる(保険料を払わなければ受けられない)
福祉は拠出原則がなく、財源は租税(公費)

〇2階建て、国民年金に括弧して基礎年金…この説明が制度の真の理解を困難にしている。
⇒2階建てではなく3制度と基礎年金給付
基礎年金拠出金 厚生年金19.4兆円、共済組合2.3兆円、国民年金3.2兆円(合計25兆円)⇒これが基礎年金の収入25兆円⇒基礎年金拠出金 単価36,822円

〇第1~第3号の区分は1986年改正で導入
1985年以前、専業主婦は国民年金に任意加入し保険料負担(社会保険の徹底、「皆」は未実現
1986年以降、専業主婦は第3号として基礎年金拠出金として、保険料を負担せずとも基礎年金受給(払わなくてももらえるという福祉的取り扱いを混入させた)⇒社会保険の後退⇒皆年金を優先し福祉の混入

•厚生年金保険料 18.3 %は、厚生年金給付のみならず基礎年金の費用を含む
•国民年金保険料 (月額 16,520 円)は存在するが、 国民年金給付は存在しない
•第1号が国民年金の正真正銘の加入者
•基礎年金 (満額月 66,250 円) は、共通の給付の名称

第3号850万人、うち約6割は就業者、専業主婦の方が少ない
第1号の就業者994万人、うち約7割が被用者とその他の働き方
第2号となるには常用的使用関係が必要⇒被用者適用基準 正社員の労働時間の4分の3⇒被用者保険の適用拡大(現在101人以上)


2.年収の壁とは何か
〇106万と130万の相違、混乱を招く。
106万 被用者保険適用基準の一部(第2号か否か)⇒判定者は本人の勤務先(従業員101人以上)⇒法的根拠はない(8.8万円が厚生年金保険法に記載)、収入の範囲は限定的(厚年法は常用雇用を想定)
130万円は被扶養認定基準(第3号か否か)⇒判定者は配偶者の勤務先⇒法的根拠は厚生省の通知(1977年)⇒検認、収入の範囲は包括的(その時点の収入の年収換算)1993年以降据え置き。
106万円の壁について、辻元清美さんの質問主意書への答弁書R4/12/9 ⇒ 最近、社会保険適用拡大ガイドブックは修正⇒政府の広報のミスリード



130万円で2号になると可処分所得が▲15万円(取り戻すには151万円)、1号になると▲23万円(取り戻すには161万円)⇒就労調整の誘因に
8.8万円(×12≒106万円)の壁⇒3号は2号になれば可処分所得減(124万円で取り戻す)⇒就労調整の誘因に⇒1号は2号になればむしろ可処分所得増。
⇒年収の壁・支援強化パッケージは不公平
⇒壁というより給付増⇒誇大広告(老齢・障害・死亡、そんなに保証は充実しない)

〇一方で、扶養を外れて経済的に失うものは
①企業の家族手当(配偶者に家族手当が支給される従業員は55.1%)、②配偶者の健保組合の付加給付(給付4.3兆円の約2%、一部負担還元金(被扶養者は家族療養費付加金)、出産育児一時金への上乗せ)、③児童手当の所得制限(年収103万円以下の配偶者は扶養家族にカウントされ、その分、所得制限額が緩和される)
※配偶者控除は消失控除となっており、世帯可処分所得が一挙に減少する壁はない⇒妻の収入150万円までフルに控除を使える

3.制度論
〇では、壁を引き下げたら?⇒しかし第2号と第1号の公平性が損なわれる⇒第2号88,000円×18.3%=16,104円(労使折半)≒第1号16520円⇒負担面においてかろうじて公平性が保たれている
〇であれば、壁を引き上げたら?⇒パート主婦の労働供給(時間)を確かに促進⇒他方、優遇策であると批判の多い第3号のメリットは拡大、かつ、第1号となっている被用者の第2号への移行はより困難に
〇ではでは、壁の高さはそのままにして、可処分所得減少分を国が補填すれば?⇒第3号から第2号への移行者のみ補填すれば、第1号(5人未満個人事業所および複数事業所勤務者など)から第2号への移行者と不公平に。

※複数事業所勤務者は厚生年金加入に障壁(2事業所合計で8.8万円を上回っていても不可)⇒事業所ごとに被用者保険適用を判定する現行の仕組みがネック⇒本来、個人に着目し名寄せすべき


〇壁問題の根本的解決には2つの方向
①社会保険という方法の徹底⇒1985年以前の年金制度に戻す(専業主婦は国年に任意加入)⇒未納の増加が予想される⇒皆年金は後退
②皆年金という目的の重視⇒社会保険への福祉の混入を改め、福祉的部分は切り離し、その財源を租税に充てる。⇒諸外国をみれば、福祉的部分は租税、所得比例部分は社会保険料と役割分担⇒年金の理想像を語る時「カナダ」か「スウェーデン」

〇所得代替率-給付水準を表す代表的指標
世界共通の考え方。もっとも、わが国の定義は特殊であり、注意を要する
1.分母は1人分、分子は2人分*
2.分母は手取り(可処分所得)、分子は名目
61.7%=厚生年金・夫9万円+基礎年金・夫6.5万円+基礎年金・妻6.5万円/現役男性の平均的な手取り月収35.7万円
*数値は、2019 年財政検証。モデル夫婦世帯、あるいは、標準世帯と呼ばれる夫がサラリーマン、平均的収入、40 年間勤務。妻が専業主婦

1985年の2つの出来事
4月、年金改正法成立、「婦人の年金権の確立」の名のもとに第3号被保険者導入⇒6月、女子差別撤廃条約締結⇒男女共同参画⇒年金に関しては女性を庇護の対象とした⇒果たして、社会保険を標榜するもとにおいて、保険料負担のない基礎年金受給が権利の確立なのか?

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