労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

社会保険労務士として知っておくべき働き方改革関連法~同一労働同一賃金を中心とした実務対応に向けたスキルの習得と適正施行のために~

2019-11-01 | 書記長社労士 お勉強の記録

 10月21日に開催された令和元年度前期統轄支部必須研修会は、宮島朝子弁護士(安西法律事務所)による「社会保険労務士として知っておくべき働き方改革関連法~同一労働同一賃金を中心とした実務対応に向けたスキルの習得と適正施行のために~」だ。
なんと我が友人、おかざえもんこと岡崎教行弁護士の元妹弁❗


 東京会の必須研修で共通のレジュメを使って、安西事務所の弁護士が代わりばんこで講師を担当しているそうで、宮島弁護士は、これまで担当した弁護士から、とにかくボリューミーで時間が足りないと聞かされていたそうで、すごいスピードで話されるので、メモ、たいへんっ💦
しかし途中で、「速すぎた、やりすぎた」ってことに気付かれたようで、そこからはちょっと余裕で「こぼれ話」や「私の考え」が零れだしてきて、クスって笑えるお話もあって、聞きやすくなった~(そのクスって笑えるお話は軽々な内容ではないのやけど、ってのがいい!)
ってことで講演内容のメモを残しておく。(あくまでも自分用のメモなので、読みにくくても勘弁してください。)

諸手当については地裁の判断が高裁でひっくり返されている状況が続いている。(退職金も最高裁の判断待ち)

第1 働き方改革と同一労働同一賃金がなぜ関連付くのか⇒労働施策総合推進法…あらたに基本的理念が追加(3条2項)⇒人中心から職務(ジョブ型)中心へ
 ⇒現在の我が国の企業の実情と異なる(新規学卒一括採用、終身雇用・年功賃金制…)
4条「国の施策」、10条「基本方針」⇒政府主導による働き方改革⇒日本型雇用慣行のあり方の変更へ⇒属人的要素から職務的要素へ⇒いわゆる同一労働同一賃金の施策⇒行政指導に着手「職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアル」平31年3月作成

第2 いわゆる同一労働同一賃金とは⇒現行法上西欧型の本来の同一労働同一賃金の原則はない⇒正規と非正規の不合理な待遇差解消のこと⇒「有期労働者」「パートタイム労働者」「派遣労働者」と「(全ての)通常労働者」との間の均等待遇と均衡待遇⇒異なる正社員間の待遇差にはこの法律の対象ではない。
待遇の相違の内容と理由についての説明義務の対象は「最も近い」と判断する通常の労働者⇒使い分けが必要
☆パート有期法においても、原告が、訴訟上、比較対象を選択することができるため、全ての通常の労働者との間で待遇の相違が不合理ではないか検討しておく必要がある。

通常社員と有期・短時間社員との間の待遇の相違について三要素⇒待遇の性質・待遇の目的に照らし考慮して⇒当該待遇につて不合理な相違はあるか?⇒使用者が立証する⇒その立証がないと使用者に不利(井関松山ファクトリー事件【松山地判平30.4.24】)
要考慮三要素に基づき対比すべき具体的事項は⇒同一労働ではなく同一価値労働に着目すること⇒①具体的内容・差異をできるだけ網羅すること、②賃金項目ごとに趣旨を個別に判断すること、③ある賃金項目が他の賃金も踏まえて決定されている場合もあり、このような事情も考慮して判断すること、④手当の趣旨、内容について賃金規則に規定化すること

説明義務の強化や法改正の内容と目的⇒賃金規定や賃金説明書の必要性⇒説明義務の強化の法改正(パート有期法14条)⇒労働者が訴えを起こすことができないといったことがないようにすることが重要(労政審建議平29.6.16)
待遇の相違の内容及び理由の説明の内容は⇒就業規則又は賃金規程化しておくことが望ましい

第3 有期・パートと通常社員の待遇のサイト不合理な差異の禁止をめぐって
待遇の相違があれば直ちに不合理とされるものではない⇒「不合理」であるか否かの判断は規範的評価でその立証責任は⇒❶不合理の評価を基礎づける事実の立証…労働者側、❷不合理の評価を妨げる事実の立証…使用者側⇒不合理と認められた場合は私法上その部分は無効⇒「同一条件」となるものではない(補充効の否定)⇒不法行為であるから「損害賠償」


第4 待遇の「不合理な相違」についての判断・内容について
⇒不合理性の考慮の三要素との関係についての客観的具体化が必要⇒賃金決定基準・ルールの相違の問題⇒正社員、パート有期の地位と職務内容など相違の明白化のため就業規則化の必要性

第5 基本給に関する「不合理な待遇の禁止等に関する指針」をめぐって
指針の適用について⇒同じ賃金決定基準を求めているわけではないということが第一⇒第二は同じ決定基準をとっていない場合、その決定基準の相違が不合理でないことが求められる⇒相違を説明することができるか否かがポイント
三要素に相違があり基本給決定基準・ルール(これ自体が合理的であることが前提)に違いがあれば賃金差は問題とならないか⇒この点については何らのルールがない=判例もない

第6 諸手当をめぐる「不合理な相違」について判断・内容
○賞与 「寸志」支給については相違が不合理とは裁判所は判断しにくいのではないか?⇒正社員の賞与が何なのかが重要(相関関係)⇒賞与の性質(業績、月数、就労の対価...)
○退職金 指針に定めはない⇒同じ事案で判断が異なった事例「メトロコマース事件」⇒今まだ動くべきではない?
○諸手当 退職金、家族手当、住宅手当は指針上に記載なし⇒しかし実務上、家族手当・住宅手当は悩ましい(重要ではないか?)
支給の趣旨・目的に照らし「同一」⇒相違があれば相違に応じて支給⇒どの程度なら不合理ではないか⇒相違の程度に応じた支給とその内容については指針では全く定められていない⇒全て裁判所の判断に委ねる⇒(悩ましい…)
精皆勤手当⇒皆勤奨励の必要性に相違がないのであれば不支給とするのは困難と考える⇒昇級・賞与に出勤成績が反映される事情があれば不支給としても不合理と認められない可能性もある⇒金額の差は三要素との関係で問題ないケースもある

第7 不合理な相違と認められる場合の是正
各賃金項目について趣旨、目的、支給要件を明確に文書化(できれば規程化)して定めること⇒相違についての根拠の明確化⇒三要素との関係づけ

第8 派遣労働者をめぐる同一労働同一賃金への対応(略)

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「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2019」の初日に行ってきた

2019-10-28 | 書記長社労士 公共交通

【28 N5-59 LateralRaize9kg DPress16kg FrontRize6kg RearDeltoidRaize5kg SitUp SideBent】 10月26日、東洋大学白山キャンパスで開催された「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2019」の初日に行ってきた。

くらしの足をみんなで考える全国フォーラムとは?

少子高齢化が進む中で、日常の通院や買い物等に困難を抱える人々が全国で増え続けています。このくらしの足の問題を解決するために、当事者、行政職員、研究者、バス・タクシー事業者、福祉・介護・医療の従事者、NPOなど、多くの関係者が集まり、地域を越え、立場を越え、利用者・生活者の目線をベースとして本音で語り合い、お互いを知り合い、それぞれが抱える問題解決のヒントを得る「気づき」の場として、本フォーラムを開催しています。




 実行委員長の岡村敏之東洋大学教授から「本音で語り合おう、知り合おう、そしてこれまでの殻を破ろう!」と趣旨説明があった後、一つ目のプログラムは「くらしの足概論ーくらしの足からMaaS をとらえなおすー」。
コーディネーターの伊藤昌殻東大特任教授の「MaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス) 」について、「自動車から公共交通へのシフトは起こるか?これまでの公共交通は自家用車だった。MaaShaこれを覆す可能性がある。本来は公共交通の方が効率的、圧倒的な利便性を備えることでどう変わるか?自動車産業が基幹産業である日本どうするべきか?…」と熱い基調提案。
今回は「slido」というのを使って質問をリアルタイムに受け、いいねの数であとのディスカッションに利用されていたが、これ、とっても臨場感あって面白い。
しかもシンポ進行中に、瞬時に全体からのアンケートが採れるって機能に驚き!



 細谷精一氏(前橋市役所政策部交通政策課課長)と、黒澤隆由氏((株)DeNAオートモーティブ事業本部プロダクトマネジメント部部長)から取り組みの紹介と、slidoに寄せられた厳しい質問に答えてもらいつつ討論。
ゲームやプロ野球球団の印象が強いDeNAだが、この日の話しはDeNAが展開している「MOV」というタクシー配車アプリについて。
なぜDeNAがタクシーなんだ?という疑問に対して、交通に対する熱い思いを黒澤氏から聞けて、DeNAもこっちの人だと思えてしまって、MOVのことがとっても好きになってしまった(労働組合的には将来的な不安はまだまだあるが…)。


 例年2日目に開催されていたポスターセッションは、初日・2日目の両日に開催。
いくつか紹介すると、愉しみの交通研究会の「交通行動分析から見えてきた公共交通と人々の活動の実態~行動変容のための素材のヒント~あるいは、ボーッと生きていませんか?」、福島大学経済経営学類吉田ゼミの「地域を元気にするモビリティツールの創出」、国土交通省総合政策局地域交通課の「地域公共交通ネットワークの形成」。


 水戸市の「交通資源を活かした『バス路線第1次再編』」、北海道拓殖バス(株)の「大自然・十勝!~地元&観光利用の両立を目指す拓殖バスの今後の展開~」、親孝行タクシー全国会(仮称)の「免許返納後の足の確保『親孝行タクシー』」。
この親孝行タクシーには、かなり注目が集まっていた印象があったし、感心されていた。
自分的にも最近のタクシー事業者の公共交通としての観点での取り組みとしては、№1やねん!

「親孝行タク」商標権取得、熊本・つばめタクシー、10月に全国組織立ち上げ【東京交通新聞8月12日掲載】
 高齢の親が利用したタクシーの運賃の一部を、離れた地に住む子が支払う「親孝行タクシー」。熊本県人吉市のつばめタクシー(北昌二郎社長)が考案したサービスで、5月31日付で商標登録された。高齢運転者による交通事故が各地で相次ぎ、地方では生活の足の確保が社会的課題となる中、北社長は「運転免許を返納した方たちの経済的負担を減らし、タクシーを使いやすくしたい」と、10月にも全国組織を立ち上げて広めたい考えだ。親孝行タクシーは2016年末ごろ立ち上がり、事前に親と子が登録し、運賃額のうち、どちらが何割支払うかを決めてチケットを発行する仕組み。例えば、親が3割負担する場合、親は降車時に運賃の3割分をチケットに書き込み、残る7割は子が支払う。20組ほどが登録している。17年度から、ふるさと納税制度を活用した「親孝行タクシー補助券」も始まった。人吉市に寄付すると、返礼品として1万円当たり3000円分がもらえる。子が寄付をし、親にプレゼントできるようにした。1人に60枚の補助券を出した例もあった。北社長は「子にとっては親が1カ月に何回乗って病院や買い物など、どこに出かけているかが分かる。自治体の税金を使わず、タクシー会社が割引することもなく、高齢者の免許返納後の足を担える」と利点を挙げる。「私どもだと地元でしかできない。全国に広げたい」と語る。熊本県は3月、親孝行タクシーを「高齢者の事故防止を図る画期的な事業」として認定した。全国組織の名称は「親孝行タクシー全国会」となる方向で、一般社団法人で設立を目指す。



 バス停検索の「全国対応『バス停検索』のデータ更新するコミュニティ、オープンデータの活用」、(一社)最先端田舎中津川の「中津川市におけるグリーンスローモビリティを用いた観光・生活路線の実証実験」、おでかけカンパニーの「移動に関するお困りごと、おでかけカンパニーにご相談ください!」などなど。

 初日だけの印象だが、これまでよりもタクシーに関する内容のボリュームが多くなっていると感じた。
これは、幹線とフィーダーはバス、ラストマイルはタクシーという分担では、バス路線維持の困難さが顕著になって、タクシーのフレキシビリティやコスパが高い点を活用して、フィーダーについてもタクシーが使えないかという動きや検討が広がっているのではないかと(自家用有償運送も)。
2日目の「くらしの足基調討議」では吉田樹福島大学経済経営学類准教授から現行の交通空白地自家用有償運送制度への問題提起もあったようだ。
現在、来年の通常国会での法改正を見据えて交通政策審議会では自家用有償運送の規制緩和についての議論も始まっているが、守るべきこと、交通事業者が出来ることとそのやる気、がますます試されるのではないだろうか。
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正規と非正規の労働条件格差の是正-労契法20条をめぐる判例動向と新パート・有期労働法-

2019-10-24 | 書記長社労士 お勉強の記録

 10月16日、運輸労連さんの運輸問題研究集会で、宮里邦雄弁護士の「正規と非正規の労働条件格差の是正-労契法20条をめぐる判例動向と新パート・有期労働法-」について講演を受けたので、メモを残しておく。(あくまでも自分用のメモなので、読みにくくても勘弁してください。)

ハマキョウレックス、長澤運輸
個々の賃金項目・労働条件の趣旨・目的は何か、という点が不合理か否かを判断するキーポイント。
「その他の事情」について、職務内容及び変更範囲に関連する事情に限定されないとしたこと。
判例動向 学校法人産業医科大学事件【福岡高判20181129】、日本郵便事件(東日本)【東京高判20181213】、、日本郵便事件(西日本)【大阪高判20190124】、学校法人大阪医科薬科大学事件【大阪高判20190215】、メトロコマース事件【東京高判20190220】
パート有期労働法⇒均衡処遇ルール、均等処遇ルール、説明義務の立法化
⇒パート、有期、派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針【平301228厚労国440】⇒各社労使でよく検討してもらいたい。
非正規労働者がおかれている状況⇒①不安定雇用、②労働条件の格差処遇による低労働条件、③労働組合への未加入
格差是正に向けての労働組合の取り組み⇒①労働条件格差の総点検、②格差是正に向けての労使交渉、③非正規の処遇改善の取り組みと組織化、④非正規の労働条件改善を理由とする正規の労働条件の引き下げは法の趣旨に反し労働条件不利益変更の合理性を欠き無効
立法と労働運動⇒法の実効性を担保するのは労働者・労働組合の取り組みである「法を生かす」取り組みがなければ法は死文と化す。

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労働法・社会保障法の観点から考える副業・兼業の課題

2019-10-21 | 書記長社労士 お勉強の記録

【21 N3-67 VerticalChestPressM61kg DFry16kg PullOverM30kg SitUp LegRaize】 10月16日、運輸労連さんの運輸問題研究集会で、雨夜真規子社労士の「労働法・社会保障法の観点から考える副業・兼業の課題」について講演を受けたので、メモを残しておく。(あくまでも自分用のメモなので、読みにくくても勘弁してください。)

副業兼業には法律上の明確な定義がない。⇒だからとらえ方には個人差があるかもしれない。⇒射程【本業でフルタイムで働き、おまけのように副業するケース】【A社・B社・C社でボリューム同じくらいで働くケース】⇒どちらも必ず使用者がいて雇用契約に基づいて働いているケース⇒(フリーランスは今日は想定しない)⇒そうすると労基法と労災法が問題の2トップ

なぜ今「兼業・副業」⇒①労働力不足深刻、②著しい長寿化(教育→仕事→引退の3ステージからマルチステージの人生に)、③正社員年収の伸びの縮小(70年代生まれの年収アップ率は低下、賃金の伸びが急激にフラット化⇒世帯年収が上がらない)、④非正規労働者の増加(低所得であるために「食べるために」兼業・副業)
2018年1月 政府は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」、厚生労働省はモデル就業規則を改定(規定を入れてしまった、原則認める立て付けにしてしまった、念のため制限する項目も入れている)

○労働基準法に関する問題
❶労基法38条1項 事業場を異にする場合においても通算する、❷S230514基発769号 事業主を異にする場合をも含む、❸H110331基発168 36協定の問題、❹S231004基収217 割増賃金の問題
実態⇒しかし、「把握していない」「把握していても何もしていない」「通算するなんて考えたこともない」「どう管理してよいかわからない」⇒法令などを無視した運用となっている。
検討会は20190808に報告書⇒実態は「副業兼業に雇用を認めていない」「通算した労働時間が法定労働時間内でしか認めていない」⇒理由「日々の時間管理が実務上できない」「申告に信頼性がない」「変形性があって管理の実務が出来ない」⇒だから報告書では「通算規定」を削除するとしている⇒そして❶健康確保に取り組むことを前提に事業主ごとに上限規制、❷各事業主ごとに割増賃金⇒しかしいずれの案も最後に「考えられ得る選択肢の例示」としている。
⇒本業・副業を合わせて過労死ラインを超える長時間労働をさせることが可能に⇒残業の上限規制が形骸化⇒健康管理が本業か副業かどちらの責任になるか不明確に⇒「労働者の健康確保という法の目的を没却する」(連合の相原事務局長)
参考判例 マンナ運輸事件【京都地判平240713】労勝ち、小川建設事件【東京地決昭571119】労負け、十和田運輸事件【東京地判平130605】労勝ち
学説 菅野、荒木尚志  諸外国 フランス、ドイツ、オランダ
現状、今後の方向性を示していない[私見]⇒一律に禁止するのは難しそう(私的領域に会社が干渉するのは難しい)、一定のルールが必要となるのではないか。⇒「申請・届出」
⇒最大の価値「長時間労働に起因する疾病・負傷の防止」「使用者が負う労働者の健康・安全の管理責任を明確化」⇒労働時間管理・健康管理・職務専念義務・割増賃金

○労災保険法に関する問題
労災保険給付と災害補償との関係⇒労災保険の全体像⇒用語解説、災害補償、給付基礎日額、メリット制
裁判例 王子労基署長事件(凸版城北印刷)【最判昭611216】、国・淀川労基署長事件(大代興業ほか)【大阪地判平260924】、国・新宿労基署長事件【東京地判平240119】(←画期的!)
諸外国 フランス、ドイツ、オランダ
問題解決のために[私見]⇒解釈論に基づいては合算を主張できない⇒力尽くで立法論(合算に否定的な見解の論拠を論点)として合算を検討する。⇒論点①労基法の災害保証責任という枠を超えて補償を拡充している(通勤災害に関する給付、二次健康診断等給付、社会復帰促進等事業、労災保険への国庫補助の導入)、論点②メリット制の問題(❶大企業や労災発生率の高い業種など限定的に運用、❷使用者への不利益よりも社会経済上労働者保護に最大の価値を置くべき、❸通災・二次健康診断等給付・特定疾病と同様に収支率算定に含めないことも可能}

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残業税っ!(爆) めっちゃタイムリーな小説やと思ったら2015年8月初版の書き下ろしやねん、驚きや!

2019-10-18 | 書記長社労士 労務管理
残業税 (光文社文庫)
小前 亮
光文社

 残業をすればするほど取られる税金が増える「時間外労働税」が導入された。残業時間は劇的に減って、社会のありようは変わりつつあった。だが、もっと働かせたい企業も残業したい労働者も多く、サービス残業という「脱税」は絶えないのだが…。根っから真面目な残業税調査官と熱血労働基準監督官が働く人たちのために奮闘する、リアルすぎるお仕事ミステリー!

 「残業税、長時間労働を是正するために導入された新税で、法定外時間外労働した場合に支払われる残業手当に、所得税など以外に課せられる。
税率は、40時間まで20%、40時間を超えると40%、80時間超はなんと80%、これは事業主負担では無くて労使折半、だから残業をさせたのに残業手当を支払わなかった場合は、労働基準法違反だけでなく、脱税にもなる。
ただし脱税を告発した場合は、労働者は免除されその分は事業主負担となる。
残業税調査官はマルサならぬ『マルザ』と呼ばれ恐れられ、彼ら調査官は労働基準監督官とバディを組んで、臨検・税務調査に入る。」という架空の設定。
エピソードとしては、居酒屋ワタミの入社2ヶ月女性社員の自殺、マクドナルドの偽装店長、エステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」不払い残業・マタハラ、冠婚葬祭大手「ベルコ」で今まさに問題となっている「個別請負」「請負契約」という偽装請負、問題だらけの外国人技能実習生の働き方のなどをベースにして、様々な不払い残業隠蔽工作の手法を織り交ぜて、物語にしているので、とってもリアルで、身につまされる。
長時間労働を強いること、さらにサービス残業・不払い残業ってのは、従業員の賃金だけでなく、人生・時間・やる気・健康(命)の搾取であって、この世から絶対になくさなくてはならない。
それで、今年4月から労働基準法が改正されて時間外労働の上限規制適用となったのだけど(中小は来年4月から)、それを踏まえて書かれた小説かと思いきや、なんと2015年8月初版の書き下ろしなのに驚いた、4年前の出版とは思えず、とっても旬な物語だ。
充分に作り込まれているので、お話にも引き込まれるし、泣かせる台詞もいっぱいあるのよ。
いや、まさか、労働問題をこんなふうにエンタメ感たっぷりなお話に仕上げられるとは!
あ、そういえば「ダンダリン一〇一 (モーニングコミックス)ってコミックがあって、これはドラマにもなったな。
ぜひこの小説も、今、ドラマ化して欲しいなあ。(小説には続編が2冊あるようなので、ぜひ読んでみよう!)

残業禁止 (角川文庫)
荒木 源
KADOKAWA

 成瀬和正46歳、ゼネコン「ヤマジュウ建設」の現場事務所長。15階建てのホテル建設現場を取り仕切る成瀬のもとに、残業時間上限規制の指示が舞い込む。ただし納期は延ばせないという。無理難題に挑むのは、保育園の迎えがあり残業できないイクメン社員に、史上最高に使えない新人。綱渡りのスケジュールをこなすチームに容赦なく降りかかる理不尽な仕様変更、近隣住民のクレーム―。残業せずに、果たしてホテルは建つのか?

 そしてその「残業税 (光文社文庫)」を出先で読み終わってしまって、慌てて本屋に駆け込んで見つけたのがこの「残業禁止 (角川文庫)」、タイトルはこうなんだが帯には「でも、納期は延びません!?」ってのが書かれていて、それだけで爆笑、お話に期待感が上がった。
こちらは、無理な受注で現場は長時間労働で疲弊している状況なのに、会社は労働基準監督署が怖いからって時間労働の削減を徹底させようとするが、人員配置の改善も業務内容の見直しも一切行わないという、まさに現場の悲鳴がテーマ。
現場では、残業時間の誤魔化し・隠蔽に四苦八苦するが、逆に作業では様々な問題が顕在化、余計に労働時間が延びるという悪循環…。
これもとってもリアルで、読んでて背中に変な汗がじんわり流れそうな薄ら寒さを感じてしまう。

 経営者にとってとっても怖い「労働基準監督署」、なんせ警察署・税務署と同じように「署」が付いている(署がついてる役所の出先機関はこの3つだけ)。
なんせ、労働基準監督官には司法警察員の職務があり、具体的には、監督指導を通じて覚知した上記労働基準関係法令違反の被疑事件の一部や告訴・告発を受けた事件について、警察等の他の捜査機関と同様に、刑事訴訟法による捜査を行い、事件を検察庁へ送致・送付、刑事訴訟法上の権限は警察法の定める一般の警察と変わるところはなく、強制の処分である捜索・検証・差押のほか、被疑者を逮捕・勾留することも可能なのだ。
(警察官・自衛隊警務官・海上保安官以外の司法警察員は、そのほかに、麻薬取締官、麻薬取締員、刑務官など)
労働基準法第102条 労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。
これも、今、ドラマ化したら、ぜったいに共感が沸いて、成功するものになると思うけどな~。

   
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