労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

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5日の年次有給休暇の取得を企業に義務付けに関する「労働者が自ら時季指定して5日以上の年次有給休暇を取得した場合」について

2018-10-26 | 書記長社労士 法改正 労働関係

 年5日の年次有給休暇の取得を、企業に義務付けます。
【年5日以上の次有給休暇確実な取得 (新労基法第39条第7項 及び 第8項 並びに 新労基則第24条の5関係 )】

 これについて、厚生労働省の通達「働き方改革を推進するための関係法律整備によ正後労働基準法の施行について」【平成30年9月7日基発0907第1号】には、以下の通り記載されている。

⑴ 使用者による時季指定(新労基法第39条第7項及び第8項関係)
 使用者は、労働基準法第39条第1項から第3項までの規定により使用者が与えなければならない年次有給休暇(以下「年次有給休暇」という。)の日数が10労働日以上である労働者に係る年次有給休暇の日数のうち、5日については、基準日(継続勤務した期間を同条第2項に規定する6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下同じ。)から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならないものであること。
 この場合の使用者による時季指定の方法としては、例えば、年度当初に労働者の意見を聴いた上で年次有給休暇取得計画表を作成し、これに基づき年次有給休暇を付与すること等が考えられるものであること。
 ただし、労働基準法第39条第5項又は第6項の規定により年次有給休暇を与えた場合においては、当該与えた年次有給休暇の日数(当該日数が5日を超える場合には、5日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しないこと。すなわち、労働者が自ら時季指定して5日以上の年次有給休暇を取得した場合や、労働基準法第39条第6項に基づく計画的付与により5日以上の年次有給休暇を取得した場合には、使用者による時季指定は不要であること。


 下線部の「労働者が自ら時季指定して5日以上の年次有給休暇を取得した場合」について、いろいろな意見がちまたで行き交っているが、自分が厚生労働省に問い合わせた答えとしては、以下の通り。

例)10月1日に10日以上の年次有給休暇を付与。
事業主は、10月1日に、12月1日、1月1日、2月1日、3月1日、4月1日の、5日を、労働者の希望を聴いた上で、時期指定。
しかし、労働者は、11月1日に、自ら時期指定して、年次有給休暇を取得。

 この例の場合、11月1日は「労働者が自ら時季指定して5日以上の年次有給休暇を取得した場合」にあたるので、事業主が時期指定した「12月1日、1月1日、2月1日、3月1日、4月1日」のうちの1日は「控除される」とのこと。
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労政時報に、佐藤広一先生が、「年5日の年休取得義務への対応」という記事を執筆されていた

2018-10-16 | 書記長社労士 法改正 労働関係

 「労政時報」第3959号に、実務解説ー改正法対応シリーズ「平成31年4月施行 年5日の年休取得義務への対応」という記事があった。
解説しているのは、佐藤広一先生。
ひろかずです、こういちではありません、何度目かに会ったときに、間違って呼んだらとっても怒られた(汗)
その前の時は、彼は酔っ払ってて、たまたま自分が持っていた佐藤さんの著書を分捕り、頼んでもないのに変なメッセージ入りのサインを強制的に書いてくれた、嬉しかったです、おかげで商品価値が落ちてしまいました(泣)
そんなすてきな先生です。


 「Ⅰ」では法改正の内容の説明。
「対象労働者」「使用者が時期指定する日数」「年休を前倒しして付与した場合の年休時期指定義務の特例」「その他の留意事項」「経過措置(法附則4条)」について、厚生労働省通達「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による改正後の労働基準法の施行について」(平成30年9月7日基発0907第1号)の内容も踏まえて、わかりやすく解説されている。

 「Ⅱ」では来年度に向けた準備の手順。
「年休の利用実態を把握」として、勤怠管理システムなどによる「年次有給休暇管理簿」を今のうちから活用することによって、年休の利用実態を把握。
次に、年5日の年休を取得できない理由の特定とその解消に向けた取り組みを検討、年休の取得促進へと取り組むことの必要性と方法を解説されている。
「年休取得を推進するための取り組みの検討」では、①個別管理方式から基準日統一方式への移行、②年休の半日付与、③年休の計画的付与制度、について紹介。
年休の計画的付与制度では、制度内容、付与方式、導入例、とより詳細に解説し、労使協定記載例まで掲載してくれている。

 来週も、自分も「公共交通における働き方改革と労使の取り組み」というお題で講師を行うので、おかげさまで、ちょうど参考にさせていただくことが出来た。


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働き方改革関連法施行に向けた、最近の動向をメモしておく

2018-09-27 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」((政令第二五三号) (厚生労働省)について、9月7日付の官報に掲載されている。(官報 第7344号

1 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令、行政手続法施行令、青少年の雇用の促進等に関する法律第11条の労働に関する法律の規定等を定める政令及び厚生労働省組織令について、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下「改正法」という。 ) による労働基準法等の改正に伴う所要の規定の整備を行うこととした。 (第1条〜第4条関係)
2 改正法による労働基準法等の改正に伴う必要な経過措置を定めることとした。 (第5条〜第9条関係)
3 この政令は、平成31年4月1日から施行することとした。


 また、この前段で、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案要綱」等について、労働政策審議会の各分科会・部会で審議を行った結果、「妥当」または「おおむね妥当」と答申されている。(報道発表 平成30年9月3日 9月7日交付)

【要綱のポイント】
1.「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案要綱」(政令改正条文
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による労働基準法等の改正に伴う必要な経過措置等を定めるもの。

2.「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令案要綱」(省令改正条文
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等を行うもの。
(1)労働基準法施行規則の一部改正
ⅰ 労働条件の明示方法について、労働者が希望した場合にはファクシミリ、電子メールその他の電気通信の送信の方法によることができるものとするもの。
ⅱ 労働基準法第18条第2項等に規定する労働者の過半数を代表する者は、使用者の意向に基づき選出された者でないものとするもの。
ⅲ 清算期間が1箇月を超えるフレックスタイム制の協定で定める事項に、当該協定の有効期間を追加するもの。
ⅳ 時間外労働の上限規制について、以下の事項等を定めるもの。
・新労基法第36条第1項の協定(以下「36協定」という。)において定める事項
・健康福祉確保措置の実施状況に関する記録を3年間保存しなければならないものとすること。
・36協定の届出様式
・適用猶予となる事業・業務の範囲
ⅴ 年次有給休暇について、以下の事項等を定めるもの。
・通常の基準日より前の日に年次有給休暇を付与する場合の時季指定義務の考え方
・使用者は、年次有給休暇の時季指定に当たって、その時季について労働者の意見を聴かなければならず、その意見を尊重するよう努めなければならないものとすること。
・使用者は、年次有給休暇管理簿を作成し3年間保存しなければならないものとすること。

(2)労働安全衛生規則の一部改正
ⅰ 産業医の辞任又は解任時における衛生委員会等への報告を定めるもの。
ⅱ 産業医に対して提供する労働者の健康管理等に必要な情報及びその情報提供の時期を定めるもの。
ⅲ 産業医の勧告内容について事前に事業者の意見を求めることや、勧告内容等の記録及び保存、勧告内容等の衛生委員会等への報告を定めるもの。
ⅳ 事業者又は総括安全衛生管理者に対して意見を述べること等の産業医の権限について明確化するもの。
ⅴ 産業医の業務内容等の労働者への周知及びその方法を定めるもの。
ⅵ 医師による面接指導の対象となる労働者の要件や研究開発業務に従事する者に対する医師による面接指導の方法等を定めるもの。
ⅶ 労働者の労働時間の状況について、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法で把握するとともに、これらの方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じることを定めるもの。

3.「労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針案要綱」(指針
36協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項その他の必要な事項を定めるもの。
(1)労使当事者の責務
(2)使用者の責務
(3)業務区分の細分化
(4)限度時間を超えて延長時間を定めるに当たっての留意事項
(5)1箇月に満たない期間において労働する労働者についての延長時間の目安
(6)休日の労働を定めるに当たっての留意事項
(7)健康福祉確保措置
(8)適用除外・適用猶予業務

4.「事業主が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置に関する基本的な指針の一部を改正する件案要綱」
事業主が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置に関する基本的な指針に関し、労働条件明示に係る規定の整理を行うもの。


 そして、労働政策審議会職業安定分科会雇用・環境均等分科会同一労働同一賃金部会では、「同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台」について審議されている。
同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台(短時間・有期雇用労働者に関する部分)
同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台 対照表(派遣労働者に関する部分)
 これらについては、今後も審議が続き、結論はもう少し先になる模様。
なお、ガイドライン案において、「今後の法改正の検討過程を含め、検討を行う」とし、具体的な言及のなかった定年後の継続雇用における対応の箇所については、長澤運輸事件最高裁判決のポイントがほぼそのままで追記されている。
したがって、逆に原則がわかりにくなってしまっているので、部会議論では「定年後に継続雇用された有期雇用労働者であっても、労働契約法第20条改正後の短時間・有期雇用労働法第8条が適用されることを明記すべきではないか。」という意見が出されている。
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「働き方改革」に関するリーフレットでなかなか使いやすいものを見つけた

2018-08-09 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 友人である岡崎教行弁護士のブログ「労働法務弁護士、がむしゃらに生きる365日」の2018年8月5日の記事で知った「働き方改革」に関するリーフレット、「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて~」⇒こちらhttps://www.mhlw.go.jp/content/000335765.pdf
これがなかなか使いやすい。


働き方改革~ 一億総活躍社会の実現に向けて 一億総活躍社会の実現に向けて ~
 働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講じます。

〇働き方改革全体の推進
ポイント1 労働時間法制の見直し
 働き過ぎを防ぐことで、働く方々の健康を守り、多様な「ワーク・ライフ・バランス」を実現できるようにします。
ポイント2 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
 同一企業内における正規雇用と非正規雇用の間にある不合理な待遇の差をなくし、どのような雇用形態を選択しても「納得」できるようにします。

〇働き方改革の全体像
 「働き方改革」は、働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。

 日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが必要です。
 ↓
 働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指します。

〇中小企業・小規模事業者の働き方改革
 「働き方改革」は、我が国雇用の7割を担う中小企業・小規模事業者において、着実に実施することが必要です。魅力ある職場とすることで、人手不足解消にもつながります。

 職場環境の改善などの「魅力ある職場づくり」が人手不足解消につながることから人手不足感が強い中小企業・小規模事業者においては、生産性向上に加え、「働き方改革」による魅力ある職場づくりが重要です。
 ↓
 取組に当たっては、「意識の共有がされやすい」など、中小企業・小規模事業者だからこその強みもあります。
 ↓
「魅力ある職場づくり」→「人材の確保」→「業績の向上」→「利益増」の好循環をつくるため、「働き方改革」により魅力ある職場をつくりましょう。



ポイント1 労働時間法制の見直し
〇見直しの目的
 「働き過ぎ」を防ぎながら、「ワーク・ライフ・バランス」と「多様で柔軟な働き方」を実現します
⇒ 長時間労働をなくし、年次有給休暇を取得しやすくすること等によって、個々の事情にあった多様なワーク・ライフ・バランスの実現を目指します。
⇒ 働き過ぎを防いで健康を守る措置をしたうえで、自律的で創造的な働き方を希望する方々のための新たな制度をつくります。

〇見直しの内容
①残業時間の上限を規制します
②「勤務間インターバル」制度の導入を促します
③1人1年あたり5日間の年次有給休暇の取得を、企業に義務づけます
④月60時間を超える残業は、割増賃金率を引上げます(25%→50%)
▶中小企業で働く人にも適用(大企業は平成22年度~)
⑤労働時間の状況を客観的に把握するよう、企業に義務づけます
▶働く人の健康管理を徹底
▶管理職、裁量労働制適用者も対象
➅「フレックスタイム制」により働きやすくするため、制度を拡充します
▶労働時間の調整が可能な期間(清算期間)を延長(1か月→3か月)
▶子育て・介護しながらでも、より働きやすく
⑦専門的な職業の方の自律的で創造的な働き方である「高度プロフェッショナル制度」を新設し、選択できるようにします
▶前提として、働く人の健康を守る措置を義務化(罰則つき)
▶対象を限定(一定の年収以上で特定の高度専門職のみが対象)
 ↓
★生産性を向上しつつ長時間労働をなくすためには、これらの見直しとあわせ、職場の管理職の意識改革・非効率な業務プロセスの見直し・取引慣行の改善(適正な納期設定など)を通じて長時間労働をなくしていくことが必要です。
このような取り組みが全ての職場に広く浸透していくよう、厚生労働省では、周知・啓発や中小企業への支援・助成を行っていきます。

〇見直しの概要(残業時間の上限規制)
 残業時間の上限を法律で規制することは、70年前(1947年)に制定された「労働基準法」において、初めての大改革となります。
【現在】法律上は、残業時間の上限がありませんでした(行政指導のみ)。⇒【改正後】法律で残業時間の上限を定め、これを超える残業はできなくなります。

◎残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
(月45時間は、1日当たり2時間程度の残業に相当します。)
◎臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
・年720時間以内
・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
・月100時間未満(休日労働を含む)
を超えることはできません。
(月80時間は、1日当たり4時間程度の残業に相当します。)
また、原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。

労働時間法制の見直しについて(労働基準法、労働安全衛生法、労働時間等設定改善法の改正)の施行期日 2019年4月1日
※中小企業における残業時間の上限規制の適用は2020年4月1日
※中小企業における月60時間超の残業の、割増賃金率引上げの適用は2023年4月1日


ポイント2 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
〇改正の目的
 正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との不合理な待遇の差をなくす。
 ↓
 どのような雇用形態を選択しても、待遇に納得して働き続けられるようにすることで、多様で柔軟な働き方を「選択できる」ようにします。

〇改正の概要
①不合理な待遇差をなくすための規定の整備
 同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。ガイドラインを策定し、どのような待遇差が不合理に当たるかを明確に示します。

●均衡待遇規定(不合理な待遇差の禁止)
下記3点の違いを考慮した上で、不合理な待遇差を禁止します
①職務内容、②職務内容・配置の変更の範囲、③その他の事情
●均等待遇規定(差別的取扱いの禁止)
下記2点が同じ場合、差別的取扱いを禁止します
①職務内容、②職務内容・配置の変更の範囲

 派遣労働者については、下記のいずれかを確保することを義務化します。
(1)派遣先の労働者との均等・均衡待遇
(2)一定の要件を満たす労使協定による待遇
★併せて、派遣先になろうとする事業主に対し、派遣先労働者の待遇に関する派遣元への情報提供義務を新設します。

②労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
 非正規雇用労働者は、「正社員との待遇差の内容や理由」など、自身の待遇について説明を求めることができるようになります。事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければなりません。

③行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備
 都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続きを行います。「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由」に関する説明についても、行政ADRの対象となります。

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の改正)の施行期日 2020年4月1日
※中小企業におけるパートタイム・有期雇用労働法(注)の適用は2021年4月1日

 働き方改革については、評価できる改正もたくさんあるのだけど、「⑦専門的な職業の方の自律的で創造的な働き方である「高度プロフェッショナル制度」を新設し、選択できるようにします」という嘘っぱちな制度(「1日8時間を超えて働かせても残業代を払わなくてもよい仕組み」が正しい)があったり、今後に懸念を残す内容、また、不十分な部分もあって、十分な審議を尽くせたといえないのが残念であり不安がいっぱい。
ちなみに、自分が労働者代表として委員になっている労働政策審議会職業安定分科会での私の発言は以下の議事録のリンクからご参照を。

第124回 2017年6月16日 「同一労働同一賃金に関する法整備について」⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000173738.html
第126回 2017年9月1日 「働き方改革の長期的かつ継続的な取組について」⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000184230.html
第127回 2017年9月14日 「(1)働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱について(諮問)」⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000184236.html
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最低賃金 26円上げ 過去最大幅、全国平均時給874円

2018-07-26 | 書記長社労士 法改正 労働関係
最低賃金、地域差225円 時給700円台なお19県
 中央最低賃金審議会の小委員会が示した2018年度の地域別最低賃金の目安額を巡り、目安通りに引き上げても、最高額の東京都と最低額の沖縄県などの格差が225円に広がり、地方を中心に19県がなお時給700円台にとどまることが25日、分かった。
全国平均の時給の引き上げ目安は26円で、02年度に時給で示す現在の方式になってから最大となったが、依然として大都市圏と地方の格差が埋まらない実情が浮き彫りになった。
25日未明に終了した小委員会は、引き上げ目安を地域の経済情勢などに応じてA〜Dの四つのランクに分けて提示した。



 この今年の目安は、日額から時給で示す方式に変わった2002年度以降、最大の引き上げ額。
最低賃金の全国平均は現在、時給848円、26円の引き上げは、25円の大幅引き上げになった2016、2017年度を1円上回った。
審議会は今日、7月26日に厚労相に答申したが、今後は各都道府県の地方最低賃金審議会が、この目安をベースにそれぞれの新しい最低賃金額を決め、10月をめどに切り替わることになる。

 政府は最低賃金を毎年3%程度引き上げ「時給1000円」の実現を目指しているが、引き上げ率は政府目標に合わせ3年連続3%以上となった。(なお、時給1000円以上は、あくまでも全国平均で1000円。)
小委員会は労働側と経営側、大学教授らによる公益委員で構成しており、目安額を巡っては、大幅引き上げを求める労働側と、中小企業の経営環境は厳しいと主張する経営側が対立、しかし、政権の方針にも配慮した公益委員の提案を認める形で決着した。

公益委員会見解を取りまとめるにあたって(要旨)
・賃金に関する指標が全般的に上昇していること
・消費者物価がプラスに転じ、今後も引き続き上昇が見込まれること
・名目GDP成長率は年率3%に及ばないものの平成29年は前年比で上昇していること
・最低賃金引き上げが雇用情勢等に大きな影響を与えているとまでいえないこと
・地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き続き上昇させていく必要があること
・非正規雇用労働者の処遇改善が引き続き社会的に求められていることを特に重視する必要があること 等、様々な要素を総合的に勘案し、検討を行った。

 連合は、事務局長談話で、「労使の見解の隔たりが大きい中で、800円を越える件の昨年に倍する増加が期待できること、引き続き最高額に対する最低額の割合の改善が見込まれることなどから受け止めうるものである」としている。
ただ、地域間の格差が広がったままであること(拡大している)、それとBランクとCランクで、逆転現象となっている道県があることがとっても気になる。
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「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議」について

2018-07-04 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 「働き方改革関連法」の附帯決議、5月25日に衆議院で可決された時には11項目であったが、6月28日に参議院ではなんと47もの項目となった。
これは、いかに、この法律が、「曖昧」であり(国会審議を必要としない省令などでどうにでもなるように恣意的にしてある)、「未完成」であり(国会での審議が不十分)、「問題が多い」である(問題が起こることを容易に想像できる)ものであることを表している。
附帯決議に法的拘束力はないが、行政は一定縛るので、施行まで、まだまだ運動が必要だ。

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議
平成三十年六月二十八日
参議院厚生労働委員会

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一,労働時間の基本原則は、労働基準法第32条に規定されている「一日8時間、週40時間以内」であって、その法定労働時間の枠内で働けば、労働基準法第一条が規定する「人たるに値する生活を営む」ことのできる労働条件が実現されることを再確認し、本法に基づく施策の推進と併せ、政府の雇用・労働政策の基本としてその達成に向けた努力を継続すること。

二、働き過ぎによる過労死等を防止するため、労使合意に基づいて法定労働時間を超えて仕事をすることができる時間外労働時間の上限については、時間外労働の上限規制が適用される業務だけでなく、適用猶予後の自動車の運転業務や建設事業等についても、時間外労働の原則的上限は月45時間、年360時間であり、労使は36協定を締結するに際して全ての事業場がまずはその原則水準内に収める努力をすべきであること、休日労働は最小限に抑制すべきことについて指針に明記し、当該労使に周知徹底を図るとともに、とりわけ中小企業に対し、その達成に向けた労使の取組を政府として適切に支援すること。

三、労使が年720時間までの特例に係る協定を締結するに当たっては、それがあくまで通常予見できない等の臨時の事態への特例的な対応であるべきこと、安易な特例の活用は長時間労働の削減を目指す本法の趣旨に反するもので、具体的な事由を挙げず、単に「業務の都合上必要なとき」又は「業務上やむを得ないとき」と定めるなど恒常的な長時間労働を招くおそれがあるもの等については特例が認められないこと、特例に係る協定を締結する場合にも可能な限り原則水準に近い時間外労働時間とすべきであることを指針等で明確化し、周知徹底するとともに、都道府県労働局及び労働基準監督署において必要な助言指導を実施すること。

四、特例的延長の場合においては、時間外労働時間の設定次第では4週間で最大160時間までの時間外労働が可能であり、そのような短期に集中して時間外労働を行わせることは望ましくないことを周知徹底すること。

五、事業主は、特例の上限時間内であってもその雇用する労働者への安全配慮義務を負うこと、また、脳・心臓疾患の労災認定基準においては発症前1箇月間の時間外・休日労働がおおむね100時間超又は発症前2箇月間から6箇月間の月平均時間外・休日労働がおおむね80時間超の場合に業務と発症との関連性が強いと評価されることに留意するよう指針に定め、その徹底を図ること。

六、時間外労働時間の上限規制が5年間、適用猶予となる自動車運転業務、建設事業、医師については、その適用猶予期間においても時間外労働時間の削減に向けた実効性ある取組を関係省庁及び関係団体等の連携・協力を強化しつつ、推し進めること。

七、自動車運転業務の上限規制については、五年の適用猶予後の時間外労働時間の上限が休日を含まず年960時間という水準に設定されるが、現状において過労死や精神疾患などの健康被害が最も深刻であり、かつそのために深刻な人手不足に陥っている運輸・物流産業の現状にも鑑み、決して物流を止めてはいけないという強い決意の下、できるだけ早期に一般則に移行できるよう、関係省庁及び関係労使や荷主等を含めた協議の場における議論を加速し、猶予期間においても、実効性ある実労働時間及び拘束時間削減策を講ずること。
 また、5年の適用猶予後に一般則の適用に向けた検討を行うに当たっては、一般則の全ての規定を直ちに全面的に適用することが困難な場合であっても、一部の規定又は一部の事業・業務についてだけでも先行的に適用することを含め検討すること。

八、自動車運転業務については、過労死等の防止の観点から、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」の総拘束時間等の改善について、関係省庁と連携し、速やかに検討を開始すること。
 また、改善基準告示の見直しに当たっては、トラック運転者について、早朝・深夜の勤務、交代制勤務、宿泊を伴う勤務など多様な勤務実態や危険物の配送などその業務の特性を十分に踏まえて、労働政策審議会において検討し、勤務実態等に応じた基準を定めること。

九、改正労働基準法第140条第1項の遵守に向けた環境を整備するため、荷主の理解と協力を確保するための施策を強力に講ずるなど、取引環境の適正化や労働生産性の向上等の長時間労働是正に向けた環境整備に資する実効性ある具体的取組を速やかに推進すること。

十、医師の働き方改革については、応召義務等の特殊性を踏まえ、長時間労働等の勤務実態を十分考慮しつつ、地域における医療提供体制全体の在り方や医師一人一人の健康確保に関する視点を大切にしながら検討を進めること。

十一、教員の働き方改革については、教員の厳しい勤務実態や学校現場の特性を踏まえつつ、ICTやタイムカード等による勤務時間の客観的な把握等適正な勤務時間管理の徹底、労働安全衛生法に規定された衛生委員会の設置及び長時間勤務者に対する医師の面接指導など、長時間勤務の解消に向けた施策を推進すること。
 また、学校における36協定の締結・届出等及び時間外労働の上限規制等の法令遵守の徹底を図ること。

十二、本法による長時間労働削減策の実行に併せ、事業主が個々の労働者の労働時間の状況の把握を徹底し、かつその適正な記録と保存、労働者の求めに応じた労働時間情報の開示を推奨することなど、実効性ある改善策を講じていくこと。

十三、本法において努力義務化された勤務間インターバル制度について、労働者の健康の保持や仕事と生活の調和を図るために有効な制度であることに鑑み、好事例の普及や労務管理に係るコンサルティングの実施等、その導入促進に向けた具体的な支援策の展開を早急に実施するとともに、次回の見直しにおいて義務化を実現することも目指して、そのための具体的な実態調査及び研究等を行うこと。
 なお、一日当たりの休息時間を設定するに際しては、我が国における通勤時間の実態等を十分に考慮し、真に生活と仕事との両立が可能な実効性ある休息時間が確保されるよう、労使の取組を支援すること。

十四、年次有給休暇の取得促進に関する使用者の付与義務に関して、使用者は、時季指定を行うに当たっては、年休権を有する労働者から時季に関する意見を聴くこと、その際には時季に関する労働者の意思を尊重し、不当に権利を制限しないことを省令に規定すること。また、労働基準監督署は、違反に対して適切に監督指導を行うこと。

十五、時間外労働時間の上限規制の実効性を確保し、本法が目指す長時間労働の削減や過労死ゼロを実現するためには、36協定の協議・締結・運用における適正な労使関係の確保が必要不可欠であることから、とりわけ過半数労働組合が存在しない事業場における過半数代表者の選出をめぐる現状の課題を踏まえ、「使用者の意向による選出」は手続違反に当たること、及び、使用者は過半数代表者がその業務を円滑に推進できるよう必要な配慮を行わなければならない旨を省令に具体的に規定し、監督指導を徹底すること。
 また、使用者は、労働者が過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしてはならない旨の省令に基づき、その違反に対しては厳しく対処すること。

十六、裁量労働制の適用及び運用の適正化を図る上で、専門業務型においては過半数労働組合又は過半数代表者、企画業務型においては労使委員会の適正な運用が必要不可欠であることから、前項の過半数代表の選出等の適正化に加え、労使委員会の委員を指名する過半数代表の選出についても同様の対策を検討し、具体策を講ずること。

十七、特に、中小企業・小規模事業者においては、法令に関する知識や労務管理体制が必ずしも十分でない事業者が数多く存在すると考えられることを踏まえ、行政機関の対応に当たっては、その労働時間の動向、人材の確保の状況、取引の実態その他の事情を踏まえて必要な配慮を行うものとすること。

十八、裁量労働制については、今回発覚した平成25年度労働時間等総合実態調査の公的統計としての有意性・信頼性に関わる問題を真摯に反省し、改めて、現行の専門業務型及び企画業務型それぞれの裁量労働制の適用・運用実態を正確に把握し得る調査手法の設計を労使関係者の意見を聴きながら検討し、包括的な再調査を実施すること。
 その上で、現行の裁量労働制の制度の適正化を図るための制度改革案について検討を実施し、労働政策審議会における議論を行った上で早期に適正化策の実行を図ること。

十九、長時間労働の歯止めがないとの指摘を踏まえ、高度プロフェッショナル制度を導入するに当たっては、それが真に働く者の働きがいや自由で創造的な働き方につながる制度として運用され、かつそのような制度を自ら希望する労働者にのみ適用されなければならないことに留意し、この制度創設の趣旨にもとるような制度の誤用や濫用によって適用労働者の健康被害が引き起こされるような事態を決して許してはいけないことから、制度の趣旨に則った適正な運用について周知徹底するとともに、使用者による決議違反等に対しては厳正に対処すること。

二十、高度プロフェッショナル制度の適用労働者は、高度な専門職であり、使用者に対して強い交渉力を持つ者でなければならないという制度の趣旨に鑑み、政府は省令でその対象業務を定めるに当たっては対象業務を具体的かつ明確に限定列挙するとともに、法の趣旨を踏まえて、慎重かつ丁寧な議論を経て結論を得ること。
 労使委員会において対象業務を決議するに当たっても、要件に合致した業務が決議されるよう周知・指導を徹底するとともに、決議を受け付ける際にはその対象とされた業務が適用対象業務に該当するものであることを確認すること。

二十一、前項において届出が受け付けられた対象業務について、制度創設の趣旨に鑑み、使用者は始業・終業時間や深夜・休日労働など労働時間に関わる働き方についての業務命令や指示などを行ってはならないこと、及び実際の自由な働き方の裁量を奪うような成果や業務量の要求や納期・期限の設定などを行ってはならないことなどについて、省令で明確に規定し、監督指導を徹底すること。

二十二、高度プロフェッショナル制度の対象労働者の年収要件については、それが真に使用者に対して強い交渉力のある高度な専門職労働者にふさわしい処遇が保障される水準となるよう、労働政策審議会において真摯かつ丁寧な議論を行うこと。

二十三、高度プロフェッショナル制度を導入する全ての事業場に対して、労働基準監督署は立入調査を行い、法の趣旨に基づき、適用可否をきめ細かく確認し、必要な監督指導を行うこと。

二十四、今般の改正により新設される労働時間の状況の把握の義務化や、高度プロフェッショナル制度における健康管理時間の把握について、事業主による履行を徹底し、医師による面接指導の的確な実施等を通じ、労働者の健康が確保されるよう取り組むこと。

二十五、高度プロフェッショナル制度の対象となる労働者の健康確保を図るため、「健康管理時間」は客観的な方法による把握を原則とし、その適正な管理、記録、保存の在り方や、労働者等の求めに応じて開示する手続など、指針等で明確に示すとともに、労働基準監督署は、法定の健康確保措置の確実な実施に向けた監督指導を適切に行うこと。

二十六、高度プロフェッショナル制度適用労働者やその遺族などからの労災申請があった場合には、労働基準監督署は、当該労働者の労働時間の把握について徹底した調査を行う等、迅速かつ公正な対応を行うこと。

二十七、高度プロフェッショナル制度に関し、それが真に制度の適用を望む労働者にのみ適用されることを担保するためには、本人同意の手続の適正な運用が重要であることから、提供されるべき情報や書面での確認方法を含め、本人同意に係る手続の要件等について指針等において明確に規定するとともに、本人同意が適正に確保されることについて決議の届出の際に労働基準監督署において確認すること。
 また、使用者に対して、同意を得る際には不同意に対していかなる不利益取扱いもしてはならないこと、労働者が同意を撤回する場合の手続についても明確に決議した上で、同意の撤回を求めた労働者を速やかに制度から外すとともに、いかなる不利益取扱いもしてはならないことについて、周知徹底し、監督指導を徹底すること。

二十八、高度プロフェッショナル制度においても、使用者の労働者に対する安全配慮義務は課されることを踏まえ、労働基準監督署は、高度プロフェッショナル制度適用労働者の健康管理時間の把握・記録に関して、当該使用者に対して、適切な監督指導を行うこと。

二十九、高度プロフェッショナル制度を導入するに当たっての労使委員会における決議については、その制度創設の趣旨に鑑み、有効期間を定め、自動更新は認めないことを省令等において規定すること。
 加えて、本人同意については、対象労働者としての要件充足を適正に確認するためにも、短期の有期契約労働者においては労働契約の更新ごと、無期又は一年以上の労働契約においては一年ごとに合意内容の確認・更新が行われるべきであることを指針に規定し、監督指導を徹底すること。

三十、高度プロフェッショナル制度の具体的な実施の在り方については、多くの事項が省令に委任されていることから、委員会審査を通じて確認された立法趣旨や、本附帯決議の要請内容を十分に踏まえ、労働政策審議会における議論を速やかに開始し、省令等に委任されている一つ一つの事項について十分かつ丁寧な審議を行い、明確な規定を設定するとともに、対象事業主や労働者に対して十分な周知・啓発を行い、併せて監督指導する労働基準監督官等に対しても十分な教育・訓練を行うこと。

三十一、高度プロフェッショナル制度に関して、政府は、3年を目途に、適用対象者の健康管理時間の実態、労働者の意見、導入後の課題等について取りまとめを行い、本委員会に報告すること。

三十二、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の三法改正による同一労働同一賃金は、非正規雇用労働者の待遇改善によって実現すべきであり、各社の労使による合意なき通常の労働者の待遇引下げは、基本的に三法改正の趣旨に反するとともに、労働条件の不利益変更法理にも抵触する可能性がある旨を指針等において明らかにし、その内容を労使に対して丁寧に周知・説明を行うことについて、労働政策審議会において検討を行うこと。

三十三、低処遇の通常の労働者に関する雇用管理区分を新設したり職務分離等を行ったりした場合でも、非正規雇用労働者と通常の労働者との不合理な待遇の禁止規定や差別的取扱いの禁止規定を回避することはできないものである旨を、指針等において明らかにすることについて、労働政策審議会において検討を行うこと。

三十四、派遣労働者の待遇決定に関して以下の措置を講ずること。
1 派遣労働者の待遇決定は、派遣先に直接雇用される通常の労働者との均等・均衡が原則であって、労使協定による待遇改善方式は例外である旨を、派遣元事業主・派遣先の双方に対して丁寧に周知・説明を行うこと。
2 労使協定の記載事項の一つである「派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」に関して、同等以上の賃金の額の基礎となる「一般の労働者の平均的な賃金の額」は、政府が公式統計等によって定めることを原則とし、やむを得ずその他の統計を活用する場合であっても、「一般の労働者の平均的な賃金の額」を示すものとして適切な統計とすることについて、労働政策審議会において検討を行うこと。
3 労使協定における賃金の定めについては、対象派遣労働者に適用する就業規則等に記載すべきものである旨を周知徹底すること。
4 労使協定で定めた内容を行政が適正に把握するため、派遣元事業主が、労働者派遣法第23条第1項に基づく事業報告において、改正労働者派遣法第30条の4に定めている5つの労使協定記載事項を、それぞれ詳しく報告することとし、その内容を周知・徹底することについて、労働政策審議会において検討を行うこと。

三十五、使用者が、非正規雇用労働者に通常の労働者との待遇差を説明するに当たっては、非正規雇用労働者が理解できるような説明となるよう、資料の活用を基本にその説明方法の在り方について、労働政策審議会において検討を行うこと。

三十六、「働き方改革」の目的、及び一億総活躍社会の実現に向けては、本法が定める均等・均衡待遇の実現による不合理な待遇差の解消とともに、不本意非正規雇用労働者の正社員化や無期転換の促進による雇用の安定及び待遇の改善が必要であることから、引き続き、厚生労働省が策定する「正社員転換・待遇改善実現プラン」等の実効性ある推進に注力すること。

三十七、労働契約法第18条の無期転換権を行使した労働者について、労働契約法による無期転換の状況等を踏まえ、必要な検討を加えること。

三十八、本委員会における審査を踏まえ、職場におけるパワーハラスメント等によって多くの労働者の健康被害が生じており、その規制・防止を行うことが喫緊の課題であるとの共通の認識に基づき、国際労働機関(ILO)において「労働の世界における暴力とハラスメント」の禁止に向けた新たな国際労働基準の策定が行われることや、既に国連人権機関等からセクシュアルハラスメント等の禁止の法制度化を要請されていることも念頭に、実効性ある規制を担保するための法整備やパワーハラスメント等の防止に関するガイドラインの策定に向けた検討を、労働政策審議会において早急に開始すること。
 また、厚生労働省の「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書を踏まえ、顧客や取引先からの著しい迷惑行為について、関係者の協力の下で更なる実態把握を行うとともに、その対応策について具体的に検討すること。

三十九、多様な就業形態で就労する労働者(副業・兼業・雇用類似の者を含む)を保護する観点から、長時間労働の抑制や社会・労働保険の適用・給付、労災認定など、必要な保護措置について専門的な検討を加え、所要の措置を講ずること。
 特に、副業・兼業の際の、働き方の変化等を踏まえた実効性のある労働時間管理の在り方等について、労働者の健康確保等にも配慮しつつ、検討を進めること。

四十、本法が目指す過労死ゼロ、長時間労働の削減、家庭生活と仕事との両立、及び女性の活躍などの働き方改革を実現するためには、法令の遵守を確保するための監督指導の徹底が必要不可欠であることから、労働基準監督官の増員を政府の優先事項として確保し、労働行政事務のシステム化を始め、労働基準監督署の体制強化を早急に図ること。
 また、短時間・有期雇用労働法及び労働者派遣法の適正な運用には、待遇改善推進指導官、雇用環境改善・均等推進指導官や需給調整指導官等の機能強化も重要であり、そのための体制の充実・強化や関係部署の有機的な連携・協力体制の増強を確保すること。

四十一、多様な就業形態が増加する中で、経営者あるいは労働者自らが労働法制や各種ルールについて知ることは大変重要であることを踏まえ、ワークルール教育の推進を図ること。

四十二、中小企業や小規模事業者において、時間外労働の上限規制が遵守できる環境を整えるために関係省庁が連携し、政府全体で中小企業の人材確保や取引条件等の改善に向けて適切な措置を講ずること。
 特に中小企業庁とも協力して、働き方改革の推進を中小企業施策の一つの柱に位置付け、長時間労働につながる取引慣行の見直しを含めた業界改革につなげるよう取り組むこと。

四十三、事務所その他の作業場における労働者の休養、清潔保持等のため事業者が講ずるべき必要な措置について、働き方改革の実現には、職場環境の改善を図ることも重要であるとの観点を踏まえ、労働者のニーズを把握しつつ、関係省令等の必要な見直しを検討すること。

四十四、働き方改革実行計画の中で取組テーマとして掲載されている、就職氷河期世代への対応、子育て・介護と仕事の両立、外国人人材の受入れについても重要な課題であることから、現状把握や今後の対応等については各関係省庁と連携して取り組み、必要な措置を講ずること。

四十五、全ての労働者の健康確保が適切に行われるよう、産業医等産業保健活動の専門職の育成や衛生委員会の活性化等を通じて、産業医・産業保健機能の強化を確実に推進すること。
 とりわけ、50人未満の小規模な事業場については、医師や保健師等産業保健活動の専門職の選任の促進、産業保健総合支援センターによる支援や研修等を通じた産業保健活動の担い手の確保を始め、産業保健機能の強化を図るための検討を行い、必要な措置を講ずるとともに、働き方改革推進支援センター等とも連携してきめ細かな支援を行うこと。
 併せて、当該事業場におけるストレスチェックの実施が効果的に促されるよう必要な支援を行うこと。

四十六、新技術・新商品等の研究開発業務に関し、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、指導を徹底すること。
 また、新技術・新商品等の研究開発業務に従事する従業員に対しては、十分に手厚い健康確保措置を採るよう努めるものとすること。

四十七、働き方改革の実行の過渡期においては、いわゆる生活残業を行う従業員が生活困窮に陥ること、高度プロフェッショナル制度の運用の仕方が必ずしも適切ではないこと等の問題が生じる可能性があることから、本法施行後、労働時間等の実態についての調査を定期的に行い、現状を把握しつつ、働き方改革実行計画の必要な見直しを不断に行うこと。

 右決議する。

     
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2018年4月1日からの変更(労働・雇用関係)

2018-03-28 | 書記長社労士 法改正 労働関係
障害者の法定雇用率の引上げ
 「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、事業主に対して、その雇用する労働者に占める障害者の割合が一定率(法定雇用率)以上になるよう義務づけている。
平成30年4月1日から、障害者雇用義務の対象として、これまでの身体障害者、知的障害者に精神障害者が加わり、あわせて法定雇用率も次のように変わる。
・民間企業 2.2%(従前2.0%)
・国、地方公共団体等 2.5%(従前2.3%)
・都道府県等の教育委員会 2.4%(従前2.2%)。

精神障害者である短時間労働者の法定雇用率上の特例
 精神障害者について、法定雇用率上0.5でカウントする短時間労働者であっても、①新規雇い入れから3年以内の方、または精神障害者保護福祉手帳取得から3年以内の方、かつ、②平成35年3月31日までに雇い入れられ、精神障害者保護福祉手帳を取得した方であれば、短時間労働者1人をもって1とカウントする。

労災保険率等の改定
 業種毎の労災保険率等について、平成30年度から改定する。

雇用保険料率の改定【据え置き】
 一般の事業1000分の9、農林水産・清酒製造の事業1000分の11、建設の事業1000分の12

労災保険の介護(補償)給付額の改定
 平成30年4月から、介護を要する程度の区分に応じ、以下の額とする。
(1)常時介護を要する方
 ・最高限度額:月額105,290円(160円の引き上げ)
 ・最低保障額:月額57,190円(80円の引き上げ)
(2)随時介護を要する方
 ・最高限度額:月額52,650円(80円の引き上げ)
 ・最低保障額:月額28,600円(40円の引き上げ)

家事支援従事者に係る特別加入制度の新設
 個人家庭に雇用され、家事、育児等の作業に従事する者について、特別加入制度の対象とする。

准救急職員が休憩時間の自由利用の原則の適用除外
 消防法施行例令の規制緩和により、救急業務を担うことが可能となった准救急職員も、救急職員と同様に、労働基準法第34条第3項に定める休憩時間の自由利用の原則の適用除外とする。

    

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労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率 平成29年と同率と諮問

2018-01-12 | 書記長社労士 法改正 労働関係


 本日は「第129回労働政策審議会職業安定分科会」資料についてはこちらを
議題は、
(1) 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案要綱について(諮問)
(2) 2017年度の年度目標に係る中間評価について
(3) 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案要綱について(諮問)


(1)に関して、労働側委員としては、「雇用保険料率の弾力条項については、その要件を満たしていることから、1000分の6を維持することに特段の異論はない。ただし、3年間(平成29~31年度)までの時限的な引き下げであり、3年経過後は速やかに引き上げられるものと認識している。一方で、これまでも労働側から意見を申し上げてきたが、2000 年および2003 年改正に引き下げられた基本手当(所定給付日数、給付率)の改善や、現在暫定的に引き下げられている国庫負担の法律本則への復帰等の課題が残されている。国庫負担については、雇用保険法附則15条には「できるだけ速やかに安定した財源を確保した上で、国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとする」と記載されているとおり、国庫負担を現行の2.5%から本則の25%に戻すことが必要であることも申し上げておきたい。」と意見したが、これと同趣旨の意見が使用者側からもあった。


(2)に関して、労働側委員から、
「ハローワークで働く方々の約半数が臨時・非常勤職員であるが、雇用情勢の悪化をはじめ、いざというときにスキルを持った方々がいないことのないよう、安易に人員を削減するのではなく、処遇の改善や人材育成等を通じて、ハローワークの機能を高めていただきたい。」
「就職氷河期世代の就職支援については待ったなしであることから、正社員化に向けたパッケージ支援を2019年度まで集中的に支援を行う旨「働き方改革実行計画」においても記載があるところ。本パッケージ支援の実績状況についても適宜ご報告いただきたい。」
そして自分は、
「②人材確保対策コーナー設置ハローワークにおける人材不足分野の充足数について、現時点では目標を下回っている実績となっているが、その分析結果として、4ページにあるとおり、『就職するにあたり制約等が多い休職者の割合が相対的に高い傾向にある』 ことを理由としている。私ども私鉄総連の職場でも、バスとタクシーの職場では要員不足が深刻な課題となっているが、人手不足分野であるバス・タクシー・トラックなどの運輸、そして福祉、建設、警備分野においても、こうした就職するにあたり制約等が多い休職者などの方々が職に就きづらい状況であるといわれながら、しかしミスマッチが大きいのかとも考える。5ページの今後の方針の中で記載されているように、これまでの施策を継続することだけで良いのか。また、新たな施策について何か検討されているのかお伺いしたい。加えて、7月の分科会の中では、現在12か所に設置されている人材確保対策コーナー設置ハローワークを増やすために概算要求を検討しているとしていたが、次年度増やす予定はあるのか。」と発言をした。
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労災保険率の改定等、労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱

2017-12-22 | 書記長社労士 法改正 労働関係

 労働政策審議会は、12月18日「労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」に対し、「妥当」とする答申が出たとのこと。
労災保険率は、厚生労働大臣が業種ごとに定めており、それぞれの業種の過去3年間の災害発生状況などを考慮し、原則3年ごとに改定している。
改正省令は平成30年4月1日に施行予定。


【省令改正案のポイント】
1 平成30年4月から適用される新たな労災保険率(54業種)を設定、これにより、全業種の平均料率は 4.5/1,000となる。
(交通運輸事業は1000分の4.5から1000分の4に、引き上げられたのはガラス又はセメント製造業、非鉄金属精錬業、清掃、火葬またはと畜事業)
2 社会復帰促進等事業等に必要な費用の限度額を引き上げる。
3 家事支援業務に従事する方について、労災保険の特別加入制度の対象に追加する。
4 時間外労働の上限規制等の円滑な移行のため、中小企業事業主に対して、助成金の内容を拡充する。
5 「労働者災害補償保険法」に基づく介護(補償)給付と、「炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法」に基づく介護料の最高限度額及び最低保障額を引き上げる。


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最低賃金 大阪は「909円」、東京と金沢に続いてようやく今年900円台に到達

2017-10-03 | 書記長社労士 法改正 労働関係

 あなたの働く街ではどういうの?遠藤憲一の「確認した?」方言編!
大阪弁では普通やな…、大阪も「最低賃金、確認したん?」の方がいいと思うねんけど。


 大阪は「909円」、東京と金沢に続いてようやく今年900円台に到達。
しかしながら、景気的に、東京・神奈川より辛い状況やから、政策と実勢とが心許なく、事業者の負担増が心配…(橋下から松井、維新の会が府政・市政を牛耳ってるから、森友学園がいい例で、しがらみばっかで、ほんまに府市にお金が落ちて来る政策をせーへんから、景気が上向かんのや…って、まじに思うわ)


 使いやすい制度かどうかって尋ねられると、ちょっと「う~ん」やけど、こんな制度もあります。
「業務改善助成金」
「業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。生産性向上のための設備投資やサービスの利用などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成します。」
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ちなみに「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱について」の関係法案は…

2017-09-15 | 書記長社労士 法改正 労働関係


 昨日は、私鉄総連高齢者・退職者の会全国連絡協議会第36回定期総会@東京グランドホテル。
その総会後の懇親会で大先輩方の洗礼を思いっきり受け、〆の( ^_^)/□☆□\(^_^ )後、先輩方を見送ったのち、総連本部で「なおらい」は龍源餃子(東京都港区芝2丁目5−29)。
たまたま見つけたお店やって、餃子はちょっと台湾風で好みではなかったが、麻婆豆腐がやばいほど美味しく、直会参加者全員虜になっちまった(*^O^*)
ランチでこの麻婆豆腐を白ご飯と共に是非食いたい!立川でいつも食ってる「陳建一麻婆豆腐」と比較出来るくらい美味しかった!!
んで、今朝、9時に厚生労働省地下1階のSubway集合で労働側委員の打ち合わせを経て、10時から9階で労働政策審議会職業安定分科会にて、働き方改革推進に関して雇用対策法と派遣法改正案などの審議。
次は、13時15分からは18階にて社会保険審査会やが、それまで約2時間のインターバル、とりあえず地下1階の食堂でカツカレー600円を食って、そのあとは日比谷公園のベンチで、働き方改革に関する残り6本の法律案を読み込みますか~ってなった。
ちなみに「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱について」の関係法案は、①労働基準法、②じん肺法、③雇用対策法、④労働安全衛生法、⑤派遣法、⑥労働時間等の設定の改善に関する特別措置法、⑦パートタイム労働法、⑧労働契約法、です。
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働き方改革実行計画「罰則付き時間外労働の上限規制の導入など」について、自動車運転者の場合を想定して考えてみた

2017-05-09 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 GW明け初日の仕事の後、久しぶりの職場の仲間と飲みに行ったら、たいして飲んでもないのに、みんな酷く酔っ払い、久々に仕事の話ししながら飲んだからかな~、楽しくて(笑) 

 平成29年3月28日(火)にまとまった「働き方改革実行計画」。
その4で記載されている「罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正」について、自動車運転者の場合を想定して考えてみた。
ただし、自動車の運転業務については、「今回は、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、年 960時間(=月平均80時間)以内の規制を適用することとし、かつ、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする。5年後の施行に向けて、荷主を含めた関係者で構成する協議会で労働時間の短縮策を検討するなど、長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進する。」とされたので、しばらくの間、関係はない。
しかし、「改正法の一般則の施行期日の5年後に、年 960時間(=月平均80時間)以内の規制を適用する」ということが、いかに馬鹿らしいか、という観点で、試算してみた。


 まずは、最初の6月を、原則である「週40時間を超えて労働可能となる時間外労働の限度を、原則として、月45時間、かつ、年360時間とし、違反には以下の特例の場合を除いて罰則を課す。」とする。
自動車運転者の場合、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」により、「休日労働は2週間に1回が限度」とされているので、原則によると休日労働を含む年間の法定外労働時間の上限は「568時間」となる。

 しかし「特例として、臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても、上回ることができない時間外労働時間を年720時間(=月平均60時間)とする。かつ、年720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限、上回ることのできない上限を設ける。」ということになっているので、残りの6月で可能であった時間外労働「90時間」は、特例により「450時間」が上限となり、この6月で可能な時間外労働の時間は月平均75時間となる。

 で、この残りの6月に、「この上限について、①2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで、80時間以内を満たさなければならないとする。②単月では、休日労働を含んで 100時間未満を満たさなければならないとする。③加えて、時間外労働の限度の原則は、月45時間、かつ、年360時間であることに鑑み、これを上回る特例の適用は、年半分を上回らないよう、年6回を上限とする。」という部分を当てはめると、「休日労働を含んで80時間を満たさなければならない」ってことになるから、法定外労働の時間は実際には「480時間」にまで膨らむ。
原則の6月の時間外労働には休日労働を含まないから、「休日労働は2週間に1回が限度」とされている休日労働の時間を加え、特例の労働時間を足すと、年間の法定外労働時間数の上限は、このパターンの場合、「854時間」となる。



 次に、一月おきに、原則と特例を当てはめるようにすると、どうなるか。
「この上限について、①2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで、80時間以内を満たさなければならないとする。②単月では、休日労働を含んで 100時間未満を満たさなければならないとする。③加えて、時間外労働の限度の原則は、月45時間、かつ、年360時間であることに鑑み、これを上回る特例の適用は、年半分を上回らないよう、年6回を上限とする。」ことから、原則では「45時間」、特例では「単月では、休日労働を含んで 100時間未満を満たさなければならないとする」ということなので、45時間と99時間の時間外労働(99時間には休日労働を含む)を仮定してみると、「①2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで、80時間以内を満たさなければならないとする。」に反する所が出て来た。


 で、4月に一回、「96時間(休日労働を含む)」とすれば、「いずれにおいても、休日労働を含んで、80時間以内を満たさなければならない」はクリア。
しかしながら、「特例として、臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても、上回ることができない時間外労働時間を年720時間(=月平均60時間)とする。」の「720時間」には、引っかかるので、時間外労働時間(休日労働ではなくって)で、「31時間」の削減調整は必要となる。
したがって、最大で「928時間」までは、時間外労働と休日労働を組み合わせて、労働させることが出来る、とうことになる。

 これはあくまでも時間外労働と休日労働だけで考えたシミュレーションであって、実際には「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」告示により、拘束時間、休息期間、運転時間の限度の定めがあるので、現実的にはここまで働かすことは出来ない。
ただし、自動車運転者でない、一般の労働者に関しては、休日労働の限度という制約がないので、毎週一回の法定休日に働くことが可能。
したがって、自動車運転者のこの仮定(適用ははるか先だけど)よりも、さらに長時間労働が認められる(そこまでは罰則が適用されない)。

 「働き方改革実行計画」のこの内容って、「罰則がある」ということ以外で、長時間労働に関して「ふたをした」ってことは、まったくないと思う。
(このシミュレーションに関し、間違っていたら、教えてくださいね!)
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最低賃金のランク区分の見直しがされたけど…

2017-04-26 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会は3月28日、地域別最低賃金の目安制度で埼玉、山梨、徳島3県のランク引き上げを決めた(2017年度改定から適用、新ランクは埼玉県をBからA、山梨県をCからB、徳島県をDからCにそれぞれ引き上げる)。
新たな最低賃金額は今夏に目安をまとめ、10月ごろから適用される。


各都道府県に適用される目安のランク

 そもそもこの最低賃金の都道府県ごとのランク区分が、地方間格差拡大の原因だと思うねんけどな。
でも、ずいぶん前のことだが、御前崎にサーフィンに行った際に、ファストフードのお店の求人の時間給を見たときに「え!こんなに高いの!?」って一瞬驚いたが、静岡市や浜松市などがある静岡県だからだ、と納得。
これは御前崎がどうのこうのと言っているわけではなく、これこそ地域最低賃金制度の効果であると思ったのだ。
都道府県ごとのランク区分が、地域の実勢に合致しているのか?

 昔は、主婦パートや学生アルバイト等、家計の補助として働く非正規労働者のための最低基準であったけど、今では、生活保護費などと比較されたり、初任給との見合いになったり、中小企業の支払い能力が論点となったりで、もはや賃金の低位基準(水準)となっているという点や、働くこと全体のセーフティネットになっているという点などからも、地域別最低賃金の制度の根幹から、今のままでいいのかと思うのだが…。

 平成29年3月28日に働き方改革実現会議で決定された「働き方改革実行計画」では、最低賃金については、「年率3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく。これにより、全国加重平均が 1000円になることを目指す。このような最低賃金の引き上げに向けて、中小企業、小規模事業者の生産性向上等のための支援や取引条件の改善を図る。」としている。
一方、連合は「誰でも1,000円」を求めている。

 ちなみに、ランク区分の見直しの基礎とされた指標は次の通り。

Ⅰ 所得・消費関係
① 1人当たりの県民所得 「県民経済計算年報」内閣府(平成21~25年)
② 雇用者1人当たりの雇用者報酬 「県民経済計算年報」内閣府(平成21~25年)
③ 1世帯1月当たりの消費支出(単身世帯) 「全国消費実態調査」総務省(平成26年)
④ 消費者物価地域差指数 「小売物価統計調査」総務省(平成25~27年)
⑤ 1人当たり家計最終消費支出 「県民経済計算年報」内閣府(平成21~25年)

Ⅱ 給与関係
⑥ 1人1時間当たり所定内給与額(5人以上) 「賃金構造基本統計調査」厚生労働省(平成23~27年)
⑦ 常用労働者1人1時間当たり所定内給与額(5人以上) 「毎月勤労統計調査 - 地方調査」厚生労働省(平成22~26年)
⑧ 常用労働者1人1時間当たり所定内給与額(中位数)(1~29人(製造業99人)) 「最低賃金に関する基礎調査」厚生労働省(平成24~28年)
⑨ 短時間労働者1人1時間当たり所定内給与額(5人以上) 「賃金構造基本統計調査」厚生労働省(平成23~27年)
⑩ 1人1時間当たり所定内給与における第1・十分位数(5人以上) 「賃金構造基本統計調査」厚生労働省(平成23~27年)
⑪ 短時間労働者1人1時間当たり所定内給与における第1・十分位数(5人以上) 「賃金構造基本統計調査」厚生労働省(平成23~27年)
⑫ 常用労働者1人1時間当たり所定内給与における第1・十分位数(1~29人(製造業99人)) 「最低賃金に関する基礎調査」厚生労働省(平成24~28年)
⑬ 新規高校学卒者の初任給(10人以上) 「賃金構造基本統計調査」厚生労働省(平成23~27年)
⑭ 地域別最低賃金額 厚生労働省(平成24~28年)

Ⅲ 企業経営関係
⑮ 1事業従事者当たり付加価値額(製造業) 「経済センサス-活動調査」総務省(平成24年)
⑯ 1事業従事者当たり付加価値額(建設業) 「経済センサス-活動調査」総務省(平成24年)
⑰ 1事業従事者当たり付加価値額(卸売業,小売業) 「経済センサス-活動調査」総務省(平成24年)
⑱ 1事業従事者当たり付加価値額(飲食サービス業) 「経済センサス-活動調査」総務省(平成24年)
⑲ 1事業従事者当たり付加価値額(サービス業) 「経済センサス-活動調査」総務省(平成24年)
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倉重弁護士の「無期転換制度と均衡処遇の最新実務~最新判例を踏まえて~」①

2016-10-21 | 書記長社労士 法改正 労働関係

 先日、東京社労士会臨海統括支部港支部勤務等部会研修会で、倉重公太朗弁護士による「無期転換制度と均衡処遇の最新実務~最新判例を踏まえて~」を受講してきた。
本来なら3時間で行う講演を1時間で、ということで「ダイジェスト版」なのだけど、しかし語り口もいつもに増して早口で、しかも内容も濃いので、メモを取るにしても、お腹に落とすにも、すごくたいへんだった~!
通算契約期間が5年を超える労働者が、無期転換申込制度を行使できるのだけど、その起算日は、平成25年(2013年)4月1日以降の契約締結・更新。
遅くとも2018年3月までに、できれば2017年3月までにしっかりと対応しておかないといけないってことでの今回の講義。
とってもわかりやすく具体的な講演内容だったが、すべては書けないので、一つだけメモしておこう。
 
 「そもそも転換権発生に対してどのように備えるべきか」
〇契約社員の活用方法について再考する機会
【方針1】無期転換を発生させない(←採用に困らない会社向き)
更新上限規制(5年上限ルールなど、転換権を発生させない)(←例外は作らない、しっかり運用する必要がある)
不行使合意+正社員登用制度(残したい人材は正社員にと要して残す)
【方針2】無期転換発生に備える。
転換権行使に備えて転換者就業規則を準備→転換権行使後の活用方法を検討する。
①従前同様(ただ無期)→有期契約社員就業規則の準用(←労働条件が一緒の場合)
②無期転換者独自の類型→無期転換者就業規則の作成(←無期になるなら職責や職務をアップさせたい)
③正社員的活用→正社員就業規則の適用(有期契約の5年間を試用期間としてあつかう、など)
④複数選択制

〇複数制度を策定し、会社側が一方的に割り振ることは?→原則として①として、「特に認めた者」は②とするなどといった承認型であれば可能だろう。(←または職種によって変えるのもあり)

労働契約法 (有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)
第十八条  同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。
2  当該使用者との間で締結された一の有期労働契約の契約期間が満了した日と当該使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働省令で定める基準に該当する場合の当該いずれにも含まれない期間を除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、当該空白期間が六月(当該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約期間(当該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の間に空白期間がないときは、当該二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間。以下この項において同じ。)が一年に満たない場合にあっては、当該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に算入しない。
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2017年1月より施行される育児・介護休業法

2016-08-03 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 8月1日から福島県郡山入り、昨日は私鉄総連第4回中央委員会、16秋季・年末闘争の方針などを決定、引き続き私鉄総連ハイタク協議会第39回定期委員会(総会)を開催、2016年度の活動方針を決定した。
そして本日は、私鉄総連第83回定期大会開会、藤井一也委員長、最後の委員長挨拶、@郡山ユラックス熱海。



 厚生労働省「改正育児・介護休業法に関する広報資料」について(周知依頼) ってのが、全国社会保険労務士会連合会にあったようで、では、ってことで改正内容のご紹介。
この法律、正式名称は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、1991年5月15日に出来た法律(1992年4月施行)、当初は育児休業法(正式名称:育児休業等に関する法律)であったが、1995年に育児・介護休業法となった。
その後、1999年、2002年、2005年、2010年と何度も改正されて、そして今回の改正の施行日は2017年1月から。


①介護休業の分割取得
 これまで、対象家族1人につき要介護状態1回につき1回だけ、合計93日まで認められていた介護休業を、3回に分割して取得できるようになる。(ただし、合計は93日のまま変わらないので、注意)
なお、現行の介護休業の対象となる家族は、「配偶者・父母・子・配偶者の父母・同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹および孫」となっているが、これに加えて、「同郷・扶養していない祖父母、兄弟姉妹および孫」が追加される予定(省令の変更による)。

②介護休暇の取得単位の柔軟化
 要介護状態にある対象家族の介護のために年5日(要介護状態の対象家族が2人以上いる場合は10日)まで認められている介護休暇について、半日(所定労働時間の二分の一)単位での取得が可能となる。
介護休暇とは、要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者は、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うために、休暇の取得が可能という制度。
なお、介護休暇を無給扱いしていても、半日単位の場合は半日分は給与が発生するので注意が必要。

③介護のための所定労働時間の短縮等の措置
 労働者の申出により、現在は最大93日間まで認められている所定労働時間の短縮措置が、現行では介護休業を取得した日数分、所定労働時間の短縮等の措置の期間を差し引いても良いことになっており、介護休業と短縮等の措置合わせて最大93日しかできなかったが、介護休業とは別に、利用開始から3年の間に、所定労働時間の短縮等の措置を2回以上利用が可能になる。
短縮等の措置とは、「週又は月の所定労働時間の短縮措置(短時間勤務)」、「フレックスタイム制度」、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤の制度)」、「介護サービスを利用する場合、労働者が負担する費用を助成する制度その他これに準ずる制度」の4つで、事業主が選択して実施することになる。

④介護のための所定外労働の制限(残業の免除)
 労働者が請求した場合、会社はその労働者に、対象家族の介護が終了するまで、所定外労働を免除するという制度の新設。
育児を行うものについてはこれまでも認められていたが、介護を行うものにも拡大がされた。
なお、法定労働時間の8時間でないところに注意、また、育児の場合と同様、事業の正常な運営を妨げる場合に限り、会社は労働者の請求を拒否することができる。


⑤有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和
 有期契約労働者の育児休業については、①申し出時点で過去1年以上継続して雇用期間されている者、②子が1歳に達する日から1年を経過する日まで雇用関係が続く見込みがあること、③子が2歳になるまでの間に雇用契約が更新されないことが明らかである者を除く、が条件だった。
今回の改正では、①申し出時点で過去1年以上継続して雇用期間されている者については変更ないが、その後の契約期間については、②子が1歳6ヶ月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでないこと、となり、必要な将来の労働契約の期間が6ヶ月期間が短くなり、かつ、雇用契約があるかどうか未定でも育児休業が取得できるように緩和された。
また、有期契約労働者の介護休業も、申出時点において、①雇用期間が1年以上、②介護休業を取得する日から9箇月を経過する日までの間に雇用契約がなくなることが明らかでないこと、となる。

⑥子の看護休暇の取得単位の柔軟化
 介護休暇同様に、子の看護休暇についても半日単位の取得を認める。
子の看護休暇とは、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、1年に5日(子が2人以上の場合は10日)まで、病気、けがをした子の看護又は子に予防接種、健康診断を受けさせるために、休暇の取得が可能とする制度(小学校就学の始期に達するまでとは、子が6歳に達する日の属する年度の3月31日までをいう)

⑦育児休業等の対象となる子の範囲
 現行は法律上の子(実子・養子)に限られていたが、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等の、法律上の親子関係に準じると言えるような関係にある子についても、育児休業制度等の対象に追加される。

⑧いわゆるマタハラ・パタハラなどの防止措置の新設(これは育児・介護休業法に加えて男女雇用機会均等法も改正)
 妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする、上司・同僚などによる就業環境を害する行為を防止するため、雇用管理上必要な措置(労働者への周知・啓発、相談体制の整備等の内容を想定。指針で規定。)が、事業主に義務づけられるようになる。
なお、派遣先で就業する派遣労働者については、派遣先も事業主とみなして、この記防止措置義務を適用し、また事業主による育児休業等の取得等を理由とする不利益取扱いの禁止規定を派遣先にも適用する。
ちなみに、パタハラとは、パタニティー‐ハラスメント(paternity+harassment)の略で、マタニティーハラスメントと同様に、育児のための休暇や時短を申し出る男性に対するいやがらせのこと、和製英語なので注意。
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