労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

【労災隠し】「4日以上の休業を要する労働災害が発生したのに、遅滞なく労働者死傷病報告を提出しなかったもの」の送検事案

2022-07-13 | 書記長社労士 労働災害

 厚生労働省労働基準局監督課が令和4年6月30日に更新した、令和3年6月1日~令和4年5月31日公表分の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」。https://www.mhlw.go.jp/content/000958620.pdf
これを見ていたら、「4日以上の休業を要する労働災害が発生したのに、遅滞なく労働者死傷病報告を提出しなかったもの」という事案が結構あるなあと驚いた。
ちょうどこないだの労働保険審査会で、審査長から「労災隠しって多いものなのでしょうか?」「または会社は労災で処理することを嫌がるのでしょうか?」「なぜ労災を隠そうとするのでしょうか?」という問いがあって、使用者側の参与、わたしら労働者側の参与が現場の実態を報告し、少し議論をしたところだったから、ちょっと気になったもので見てみたんだが。
労働基準監督署が送検した事案は以下の通り、1年間で40件。

(株)翔プランニング 北海道札幌市豊平区
(株)マルナカ工業 北海道亀田郡七飯町
(株)関東製作所 茨城県猿島郡境町
(株)那須バイゼハム 栃木県那須塩原市
石原金属化工(株) 東京都江戸川区
(株)石毛型枠工業 東京都板橋区
(有)髙栄建興 東京都八王子市
王子コンテナー(株) 東京都中央区
横浜工業(株) 神奈川県横浜市栄区
特定非営利活動法人若葉台スポーツ・文化クラブ 神奈川県横浜市旭区
山本解体工業 神奈川県茅ケ崎市
(株)宇徳 神奈川県横浜市中区
(資)美工舎田辺塗装店 新潟県上越市
鳴沢・富士河口湖恩賜県有財産保護組合 山梨県南都留郡鳴沢村
(株)原山組 長野県松本市
(有)小平建設 長野県茅野市
(株)キトウ 長野県長野市
エア・ウォーター・マッハ(株) 長野県松本市
(株)木村建材 岐阜県海津市
(株)サンポウ 岐阜県大垣市
ネクセルプロ(株) 愛知県岡崎市
衣浦興業(株) 愛知県西尾市
(有)伸明工業 愛知県刈谷市
横浜ゴム(株)三重工場 三重県伊勢市
(株)コンストラクトエトウ 大阪府交野市
(株)ナミヤ 大阪府門真市
(株)SHIGE 大阪府摂津市
正尚サービス 和歌山県有田郡有田川町
(株)ファーム木精 島根県飯石郡飯南町
(有)矢野塗装 島根県松江市
(有)岡田組 岡山県岡山市北区
(有)松村 広島県広島市安佐南区
日和工業(株) 香川県丸亀市
OM企画 福岡県北九州市戸畑区
(株)山口建設 長崎県諫早市
(有)赤木硝子店 長崎県壱岐市
(有)城下建設 熊本県上益城郡益城町
マツミヤ工房 熊本市東区
(有)野呂電設 大分県豊後大野市
(株)孝賢索道 大分県豊後大野市

 なんとこんなにもあるのだ。
そして、「4日以上の休業を要する労働災害について、虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告を提出したもの」という事案については次の通り13件。

(株)阿部建設 北海道石狩郡新篠津村
村上建設工業(株)石巻営業所 宮城県石巻市
(株)ドミノ・ピザジャパン 東京都千代田区
(株)下仁田物産 神奈川県厚木市
平野電業(株) 富山県富山市
(株)早川組 愛知県海部郡飛島村
(株)中野建材 愛知県弥富市
西行建設(株) 島根県益田市
(有)大光永建設 福岡県大川市
(有)中山工業 熊本県熊本市南区
(株)双葉建設 熊本県熊本市北区
(株)真重建 大分県大分市
高田通運(株) 大分県豊後高田市

労働安全衛生法第100条 厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者、労働者、機械等貸与者、建築物貸与者又はコンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
2 厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、登録製造時等検査機関等に対し、必要な事項を報告させることができる。
3 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。

労働安全衛生規則第97条 事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、様式第二十三号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
2 前項の場合において、休業の日数が四日に満たないときは、事業者は、同項の規定にかかわらず、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの期間における当該事実について、様式第二十四号による報告書をそれぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

【罰則】労働安全衛生法第120条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
五 第百条第一項又は第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者


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新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い 前提としてコロナをちゃんと労災にしているかってことがあるけど❗

2022-06-03 | 書記長社労士 労働災害
 

 新型コロナウイルス感染症の労災補償の取扱いについては、令和2年4月28 日付け基補発0428 第1号「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」に基づき実施されており、もちろん感染症の罹患後症状についても労災保険給付の対象とされている。
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」2022年4月改訂版https://www.mhlw.go.jp/content/000935241.pdf(以下「診療の手引き」という。)が取りまとめられたことを踏まえて、感染症に係る「罹患後症状の労災補償における取扱いを明確にした上で、今後、より一層適切な業務運営の徹底を図ることとするので、適切な対応に遺漏なきを期されたい。」として、2022年5月12 日に基補発0512 第1号として通達が発出されている。⇒https://www.mhlw.go.jp/content/000938471.pdf

1 基本的な考え方
 本感染症については、感染性が消失した後であっても、呼吸器や循環器、神経、精神等に係る症状がみられる場合がある。新型コロナウイルス感染後のこれらの症状については、いまだ不明な点が多く、国内における定義は定まっていないが、WHO の定義の「postCOVID-19 condition」を「COVID-19 後の症状」と訳した上で、診療の手引きでは「罹患後症状」とされた。
 これらの罹患後症状については、業務により新型コロナウイルスに感染した後の症状であり療養等が必要と認められる場合は、労災保険給付の対象となるものであること。

2 具体的な取扱い
(1)療養補償給付
 医師により療養が必要と認められる以下の場合については、本感染症の罹患後症状として、療養補償給付の対象となる。
 ア 診療の手引きに記載されている症状に対する療養(感染後ある程度期間を経過してから出現した症状も含む)
 イ 上記アの症状以外で本感染症により新たに発症した傷病(精神障害も含む)に対する療養
 ウ 本感染症の合併症と認められる傷病に対する療養
(2)休業補償給付
 罹患後症状により、休業の必要性が医師により認められる場合は、休業補償給付の対象となる。
 なお、症状の程度は変動し、数か月以上続く症状や症状消失後に再度出現することもあり、職場復帰の時期や就労時間等の調整が必要となる場合もあることに留意すること。
(3)障害補償給付
 診療の手引きによれば、本感染症の罹患後症状はいまだ不明な点が多いものの、時間の経過とともに一般的には改善が見込まれることから、リハビリテーションを含め、対症療法や経過観察での療養が必要な場合には、上記のとおり療養補償給付等の対象となるが、十分な治療を行ってもなお症状の改善の見込みがなく、症状固定と判断され後遺障害が残存する場合は、療養補償給付等は終了し、障害補償給付の対象となる。

3 相談等における対応
 本感染症に係る罹患後症状の労災保険給付に関する相談等があった場合には、上記の取扱い等の懇切丁寧な説明に努めることとし、罹患後症状がいまだ不明な点が多いこと等を理由として、労災保険給付の対象とならないと誤解されるような対応は行わないよう徹底すること。
 なお、罹患後症状については、「いわゆる"後遺症"」として「後遺症」との用語を用いられる場合も少なくないが、通常は障害補償給付における後遺障害の状態ではなく、療養が必要な状態を意味する場合が多いことから、説明等を行う際に誤解を生じさせることのないよう留意すること。


コロナ労災 関連記事
2020-05-01 新型コロナウイルス感染症の労災認定、感染経路が特定されなくとも、認められやすくなる!⇒https://blog.goo.ne.jp/hisap_surfrider/e/0efa888733ae171965fd41a0ba8045ed
2021-12-07 新型コロナウイルス感染症に関する保険給付及び特別支給金の額について、メリット収支率の算定に反映させないようになります⇒https://blog.goo.ne.jp/hisap_surfrider/e/c125ce12d292caeacb5cd1f872e5ba4c

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職場で新型コロナウイルスに感染した方へ 業務によって感染した場合、労災保険給付の対象となります

2022-02-18 | 書記長社労士 労働災害

職場で新型コロナウイルスに感染した方へ
業務によって感染した場合、労災保険給付の対象となります ⇒ 労災保険給付の対象となります - 厚生労働省
 対象となるのは?
■感染経路が業務によることが明らかな場合
■感染経路が不明の場合でも、感染リスクが高い業務※に従事し、それにより感染した蓋然性が強い場合
※(例1)複数の感染者が確認された労働環境下での業務
※(例2)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下の業務
■医師・看護師や介護の業務に従事される方々については、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として対象
■症状が持続し(罹患後症状があり)、療養等が必要と認められる場合も保険給付の対象

新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)
Q「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、どのようなケースを想定しているのでしょうか?
A 請求人を含め、2人以上の感染が確認された場合をいい、請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか、例えば、施設利用者が感染している場合等を想定しています。


 となっているが、労働相談の窓口には、「仕事で感染した可能性が高いのに労災を申請させてもらえなかった」、「陽性と判定されたスタッフがいるにもかかわらず、勤め先のお店がそのことを隠して営業を続けている」といった相談が寄せられているというし、コロナ感染が労災になるということを、勤め先も労働者本人も知らないケースが多いという実態がある。
そもそも日本国内の累計感染者数が400万人を超え、なおかつ職場クラスターが発生しているという報道や報告がかなりの数あるにもかかわらず、労災請求件数(2022年1月31日現在)で、医療従事者等で15,395件(うち死亡25件)、医療従事者等以外で8,662件(死亡125件)というのは少なすぎるのではないか、という問題意識を持っている。


 そういった議論を森屋隆参議院議員としていたところ、一度、厚生労働省に状況をヒアリングしてみようと言うことになり、2月16日、森屋隆参議院事務所に、厚生労働省労働基準局の労災担当の方にお越しいただいて、「労災認定の状況」、「感染症に関する保険給付及び特別支給金の額についてメリット収支率の算定に反映させないようになった経緯」、「労災申請から認定の手続きの状況」、「事業者への周知の取り組み」などについて、レクを受けた。
また、私の方からは、現場での実態や事例について、報告させていただいた。

 厚生労働省としても、ホームページやリーフレット作成などによって周知に努めていること、次の年度更新の際には適用事業所にすべてにリーフレットを同封しさらに周知していくとのこと。
また所轄の監督署で、職場クラスターと判断された場合や報道などで了知した際には、労災の請求勧奨を行っているとのこと。
しかしながら、今回のレクによって、課題や疑問も生じたので、今後どうしていくか、森屋隆参議院議員と相談しながら取り組んでいきたい。

 いずれにしても、コロナであっても ⇒ 「労災かくし」は犯罪です。 - 厚生労働省

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コロナの職場クラスターは労災になるんやけど、8月に相次いだデパ地下のクラスターは労災申請されているのか❔ 2021-09-22
新型コロナウイルス感染症に関する保険給付及び特別支給金の額について、メリット収支率の算定に反映させないようになります 2021-12-07


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新型コロナウイルス感染症に関する保険給付及び特別支給金の額について、メリット収支率の算定に反映させないようになります

2021-12-07 | 書記長社労士 労働災害
 先日、「コロナの職場クラスターは労災になるんやけど、8月に相次いだデパ地下のクラスターは労災申請されているのか❔」という記事を書いたが、11月26日に「第101回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」が開催され、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」が審議、妥当であるとの答申が行われた。


 事業主の労働災害防止努力の促進や保険料負担の公平性を図るために、労災保険の保険料は、災害の多いところは上がり、少ないところは下がるという、「労災保険のメリット制」という制度がある。

 そして、業務中に(業務によって)感染症に掛かってしまった場合、労働災害として認定される。←特例措置がある。
しかし、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、
①事業主が十分に衛生環境の整備に努めても、新型コロナウイルス感染症の感染を完全に防ぐことは難しいこと
②医療・介護の事業はもとより、幅広い業種について政府が緊急事態宣言時の業務継続を要請していること
から、今般、コロナによる労災については、このメリット制の対象としないということになる。(新型コロナウイルス感染症に係る調整率については「0」とするという方法)
これで、事業主は、職場での感染者に対して、躊躇することなく、労災申請を行って欲しい。

 

1 趣旨
 労働者災害補償保険制度においては、事業の種類ごとに労災保険率が定められているが、事業の種類が同一であっても、業務災害について支給された労働者災害補償保険法(昭和22 年法律第50 号)の規定による保険給付及び労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49 年労働省令第30 号)の規定による特別支給金の額等から算定されるメリット収支率の値に応じ、個別事業の労災保険率を増減(-40%から+40%まで)し、事業主の労働災害防止努力の促進や保険料負担の公平性を図っている。
 今般、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、①事業主が十分に衛生環境の整備に努めても、新型コロナウイルス感染症の感染を完全に防ぐことは難しいこと、②医療・介護の事業はもとより、幅広い業種について政府が緊急事態宣言時の業務継続を要請していることなどを踏まえて、新型コロナウイルス感染症に関する保険給付及び特別支給金の額について、メリット収支率の算定に反映させないようにするため、所要の改正を行う。

2 内容
 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44 年法律第84 号。以下「徴収法」という。)第12 条第3項の規定に基づき、以下の措置を講じる。
(1)徴収法第12 条第3項及び第20 条第1項の業務災害に関する保険給付等の額と保険料の額との割合(以下「メリット収支率」という。)の算定に当たり、新型コロナウイルス感染症に関する業務災害について支給された保険給付については、その額に厚生労働大臣が定める率(以下「新型コロナウイルス感染症に係る調整率」という。)を乗じて得た額を算入するものとすること。
※ 新型コロナウイルス感染症に係る調整率については、徴収則附則第7条第1項第1号に規定を設け、これを0とする厚生労働大臣告示を定めることとする。
(2)徴収則第18 条の2の特例として、新型コロナウイルス感染症に関する特別支給金の額については、メリット収支率の算定に当たり、算入しないものとする。

3 施行期日等
施行期日:公布日


参照リンク⇒関西労働者安全センター「コロナ禍の労災補償と安全衛生-労働者が感染したら迷わず労災保険の給付を請求するという常識」

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コロナの職場クラスターは労災になるんやけど、8月に相次いだデパ地下のクラスターは労災申請されているのか❔

2021-09-22 | 書記長社労士 労働災害
 8月、阪神百貨店梅田本店(報道によると8月8日時点で145名)、阪急百貨店梅田本店(同8月16日時点で89人)、伊勢丹新宿店本館(同8月4日時点で81人)、そのほか、東武百貨店宇都宮本店、ルミネ各店舗など、デパ地下などの食品売り場やテナントで大規模なクラスターが起こったというニュースが多くあった。
8月2~9日までの8日間だけで、東京や大阪など7都道府県で、5人以上の感染者が報告された百貨店は23店舗あったという。
換気が難しい地下のバックヤードなどの環境や、声を出しての接客などいくつかの要因があるとの報道や、伊勢丹を除いては、会社がそれ以上の感染拡大を防止するために積極的なPCR検査を実施して、短期に感染者を特定したせいで、多数の感染者が判明したことによるらしい。(伊勢丹新宿店が取引先の外部社員に事実上の「PCR検査阻止令」を行ったとかっていうスクープがあったが…)

 ところで、コロナの職場クラスターは労災になる可能性がある。
「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/000797792.pdf)により、「調査により感染経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合」には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とするとされている。
「(ア)複数(請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務」に該当するからだ。

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)
問1 労働者が新型コロナウイルスに感染した場合、労災保険給付の対象となりますか。
業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
また、新型コロナウイルス感染症による症状が継続(遷延)し、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。
請求の手続等については、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。
(職場で新型コロナウイルスに感染した方へ(リーフレット))

新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)
問5 「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、具体的にどのようなケースを想定しているのでしょうか。
請求人を含め、2人以上の感染が確認された場合をいい、請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか、例えば、施設利用者が感染している場合等を想定しています。
なお、同一事業場内で、複数の労働者の感染があっても、お互いに近接や接触の機会がなく、業務での関係もないような場合は、これに当たらないと考えられます。


 業務に起因して新型コロナウイルスに感染した労働者の方やそのご遺族の方は、正社員、パート、アルバイトなどの雇用形態によらず、次のような保険給付を受けられる。
〇療養補償給付(新型コロナウイルスに陽性となった後の入院費や治療費、病院から提供される食事代等については、公費負担となるが、市町村民税の所得割額を合算した額が56万4千円を超える人は、入院費や治療費等において、月額2万円を上限に自己負担となる。また、感染の可能性がなくなった日(隔離解除後)以降継続して入院される場合の費用や、通院等の費用は自己負担となるが、労災になると自己負担はない。)
①労災指定医療機関を受診すれば、原則として無料で治療を受けることができる。
②やむを得ず労災指定医療機関以外で治療を受けた場合、一度治療費を負担してもらい後で労災請求をすることで、負担した費用の全額が支給される。

〇休業補償給付
 療養のために仕事を休み、賃金を受けていない場合、給付を受けることができる。
■給付日:休業4日目から(休業3日までは事業主が6割負担する)
■給付額:休業1日あたり給付基礎日額の8割(特別支給金2割含む、なお労災を使わずに健康保険の傷病手当を使ったとしたら、標準報酬日額の3分の2しかもらえないのでこの差は大きい)
*原則として「給付基礎日額」は発症日直前3か月分の賃金を暦日数で割ったものです

〇遺族補償給付
 業務に起因して感染したため亡くなった労働者のご遺族の方は、遺族補償年金、遺族補償一時金などを受け取ることができる。⇒これがもっとも重要❗

 さらに、労災と認定されて休業する期間およびその後30日間は、会社は解雇できないと法律で定められているので「雇用が保護される」ってことも重要。


 厚生労働省が公表している「新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等」を見ると、自分の手元にあった今年の7月21日のと、最新の9月10日で見てみると、「卸売業、小売業」の労災請求件数は、9月10日は311件(うち死亡10件)で、7月21日の243件(うち死亡4件)から、68件しか増えていない。(死亡が6件も増えているのは悲しい)
ということは、前述の8月の百貨店などでのクラスターのほとんどが労災の手続きがなされていないようだ。

 労災の申請って、会社がやってくれなくても労働者個人で申請ができる。
会社が労災を認めないのであれば,労働基準監督署に直接行って,労災申請の相談をすることができるし、会社が,申請書類の事業主証明欄に署名押印をしてくれないのであれば,会社の証明なしでも労働基準監督署に提出でき,労働基準監督署に提出をすれば労働基準監督署が職権で調査をしてくれる。
私生活での感染経路が特定できなくて、今回の職場クラスターで感染したとしか考えられないという方は(遺族も…😭)、是非、労災申請をやってみるべきだ。

 ただ、企業があえて労災隠しをしているとは思いたくないが、根本的にコロナ労災がメリット制の対象から除外されていないということは大きな課題ではある。

新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて

1 労災補償の考え方について
 本感染症については、従来からの業務起因性の考え方に基づき、労働基準法施行規則別表(以下「別表」という。)第1の2第6号1又は5に該当するものについて、労災保険給付の対象となるものであるが、その判断に際しては、本感染症の現時点における感染状況と、症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという本感染症の特性にかんがみた適切な対応が必要となる。
 このため、当分の間、別表第1の2第6号5の運用については、調査により感染経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とすること。

2 具体的な取扱いについて
(1)国内の場合
ア 医療従事者等
 患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となること。
イ 医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定されたもの
 感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災保険給付の対象となること。
ウ 医療従事者等以外の労働者であって上記イ以外のもの
 調査により感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的に高いと考えられる次のような労働環境下での業務に従事していた労働者が感染したときには、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められるか否かを、個々の事案に即して適切に判断すること。
 この際、新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況、一般生活状況等を調査した上で、必要に応じて医学専門家の意見も踏まえて判断すること。
(ア)複数(請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務
(イ)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務


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脳・心臓疾患の労災認定基準が改正 「勤務間インターバルが短い勤務」が労働時間以外の負荷要因の見直しで評価対象として追加された!

2021-09-21 | 書記長社労士 労働災害

 厚生労働省は、業務による過重負荷を原因とする脳血管疾患及び虚血性心疾患等については、2001年(平成13年)12月に改正した「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」に基づき労災認定を行っていたが、改正から約20年が経過する中で、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていることから、最新の医学的知見を踏まえて、「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」において検証等を行い、2021年(令和3)年7月16日に報告書が取りまとめられたことを受けて、認定基準の改正を行い、9月15日より適用されている。
⇒厚生労働省プレスリリース2021/9/14 「脳・心臓疾患の労災認定基準を改正しました」

 「業務の過重性の評価」について、長期間の過重業務の判定に使う基準である、「労働時間」(〇発症前1か月間に100時間または2~6か月間平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性は強い(※)、〇月45時間を超えて長くなるほど、関連性は強まる、〇発症前1~6か月間平均で月45時間以内の時間外労働は、発症との関連性は弱い)、「労働時間以外の負荷要因」(〇拘束時間が長い勤務、〇出張の多い業務など)については、残念ながら維持された。
しかし、以下のものが新たに認定基準に追加された。

長期間の過重業務では、
〇労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
 【(※)の水準には至らないがこれに近い時間外労働+一定の労働時間以外の負荷⇒業務と発症との関連が強いと評価することを明示】
〇労働時間以外の負荷要因を見直し
 【勤務間インターバルが短い勤務や身体的負荷を伴う業務などを評価対象として追加】

短期間の過重業務・異常な出来事では、
〇業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
 →「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」等を例示

さらに、認定基準の対象疾病に「重篤な心不全」が追加された。

 「勤務間インターバルが短い勤務」については、次の通り。
勤務間インターバルとは、終業から始業までの時間をいう。
勤務間インターバルが短い勤務については、その程度(時間数、頻度、連続性等)や業務内容等の観点から検討し、評価すること。
なお、長期間の過重業務の判断に当たっては、睡眠時間の確保の観点から、勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無、時間数、頻度、連続性等について検討し、評価すること。


資料1 脳・心臓疾患の労災認定基準の改正概要
資料2 血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について
資料3 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書


 ところで、4月、実態調査の結果を受けて、第5回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会から、2024年4月告示施行に向けた議論が本格的に開始されるとともに、5月からは、タクシー・バス・トラック各モードごとの作業部会が開催されている。
タクシーの労働者代表委員であるわたしたちは、①年拘束時間は3300時間以下にすべき、②日勤の休息期間は11時間に見直すべき、③隔勤の休息期間は24時間必要、④休日労働は2週間に1回を維持すべき、⑤累進歩合については厳格に禁止すべきと主張している。
これに対して、使用者代表の委員からは、「1日の休息期間を11時間としてしまうと、1日の拘束時間の最大が13時間となってしまい、業務の繁閑に対応できない」との反論が出されてるところ。

 この「休息期間」というのは、いわゆる「勤務間インターバル」のことであり、私たちの自動車運転の業務については、1979年(昭和54年)より連続8時間以上の勤務間インターバルが告示により義務付けられている。
タクシーだけでなく、バス・トラックも同様に、今回の2024年改正に向けて、労側は「連続11時間以上」の勤務間インターバルを主張しているが、これの根拠の一つは、EU指令(Regulation(EC)No561/2006)であるが、先日公表された「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書」、そして今回改正された「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」によって、労側の主張の正当性は、さらに補強された。

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職場の喫煙施設(喫煙所)において感染した場合、労災になるか?

2021-07-29 | 書記長社労士 労働災害

【🏃Run10-49 5.61km 38:38 馬入河川敷】 厚生労働省が公表している「新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等(令和3年7月16日 18時現在)」を見ると、昨年からの感染症のニュースの中で職場でのクラスターがたくさん報告されているのにも関わらず、労災請求・認定件数があまりにも少なすぎると感じている。
令和3年7月16日 18時現在、医療従事者等以外での労災請求・認定件数は、請求件数 3,683 (うち遺族請求(死亡)45)、決定件数 2,310 (23)、うち支給件数 2,247 (22)。
本記事下部に記載しているとおり「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」により、「調査により感染経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合」には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とするとされている。
会社や感染した労働者が、このことを知らず、労災申請していないのではないだろうか。
それで、健康保険の傷病手当の申請となっているのではないか。
厚生労働省や労働基準監督署、各健康保険の保険者には、もっと周知徹底して貰いたい。

 ところで職場の喫煙施設(喫煙所)において感染したという事例をいくつか聞いた。
喫煙する際には、マスクを外すが、パブリックの喫煙所と違って、職場内だとどうしても会話も多くなり、感染のリスクが高まるだろう。
ただし、国立感染症研究所感染症疫学センターが公表している濃厚接触者の定義では、濃厚接触と判断する目安を「1メートル以内かつ15分以上の接触」としているようで、喫煙は15分未満で終了することから、保健所には濃厚接触と認定して貰えず検査も受けられないという話しも以前からよく聞く。

 で、職場の喫煙所で同僚から感染した場合、これは労災となるのかどうか、という質問も寄せられている。
自分は、「私生活で明らかに感染した場合でなければ、複数(請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下であったことから、労災は認定されると思われるので、是非、労災申請してみて欲しい」と伝えている。

 しかし質問者からは「喫煙所は、たしかに事業場内だが、業務中ではないので業務起因性が認められないのではないか?」と言われる。

 例えばだが、休憩中のケガが労災になるのかどうか考えてみる。
「業務の休憩中」という状況は、「事業主の支配下にありながら、業務に従事していない状態」にあたるため、多くの場合、業務遂行性が認められる。
一方、休憩中の行為は業務ではなく私的行為であって、私的行為には業務起因性は認められず、よって、労災認定もされない。
しかし、ケガの原因が職場の施設や設備、管理にある場合には、業務起因性が認められ、労災と認定されることがある。

 よって、喫煙所で喫煙しているケースをこれに当てはめてみると、「事業主の支配下にありながら、業務に従事していない状態」にあたるため、業務遂行性が認められ、感染の場所である会社の喫煙所は、職場の施設や設備、管理にあたり、業務起因性が認められ、以下の取扱いにより、労災と認定されるべきだ。

 さて、これは自分の問題意識であって、なんとかならないかと思っている問題が、「症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという本感染症の特性」と定義しているにも関わらず、厚生労働省は、このコロナ労災の取り扱いによる認定事案を、「メリット制」の対象から除外していないことだ。
なんせ、「本感染症の特性」を鑑みたときに事業主の責任はどこまであるのかっという観点と、そしてメリット制の対象の災害とされることによって、事業主が労災申請を回避しようということにならないかという観点から、「メリット制」の対象から除外すべきだと思う。
昨年の夏以降、国会議員に対してや、さまざま機会をとらえての政策要請でなんとかならんかと運動中ながら、今現在、改善できず…。
しかし、「コロナ労災に取り扱いに認定事案」は、ぜひ、メリット制の対象からはずしたい❕❕

基補発0428 第1号 令和2年4月28 日
改正 基補発1201 第1号 令和2年12 月1日
改正 基補発0624 第1号 令和3年6月24 日

新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて

1 労災補償の考え方について
 本感染症については、従来からの業務起因性の考え方に基づき、労働基準法施行規則別表(以下「別表」という。)第1の2第6号1又は5に該当するものについて、労災保険給付の対象となるものであるが、その判断に際しては、本感染症の現時点における感染状況と、症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという本感染症の特性にかんがみた適切な対応が必要となる。
 このため、当分の間、別表第1の2第6号5の運用については、調査により感染経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とすること。

2 具体的な取扱いについて
(1)国内の場合
ア 医療従事者等
 患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となること。
イ 医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定されたもの
 感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災保険給付の対象となること。
ウ 医療従事者等以外の労働者であって上記イ以外のもの
 調査により感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的に高いと考えられる次のような労働環境下での業務に従事していた労働者が感染したときには、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められるか否かを、個々の事案に即して適切に判断すること。
 この際、新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況、一般生活状況等を調査した上で、必要に応じて医学専門家の意見も踏まえて判断すること。
(ア)複数(請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務
(イ)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

労働基準法施行規則別表(以下「別表」という。)第1の2第6号1又は5
六 細菌、ウイルス等の病原体による次に掲げる疾病
患者の診療若しくは看護の業務、介護の業務又は研究その他の目的で病原体を取り扱う業務による伝染性疾
2 動物若しくはその死体、獣毛、革その他動物性の物又はぼろ等の古物を取り扱う業務によるブルセラ症、炭疽病等の伝染性疾患
3 湿潤地における業務によるワイル病等のレプトスピラ症
4 屋外における業務による恙虫病
5 1から4までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他細菌、ウイルス等の病原体にさらされる業務に起因することの明らかな疾病


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ヒューマンエラー「原因となる人間の12の特性」

2021-05-31 | 書記長社労士 労働災害

 先日、労働新聞社セミナー「事故防止 人の問題を考える 「安全スタッフ」連載100回記念」と題する、労働安全衛生総合研究所の高木元也氏のオンラインセミナーを受講した。
労災を中心に事故防止についての様々テーマを取り上げた連載を振り返るという内容で、それぞれ深く掘り下げることなく、トピックについての紹介だったが、具体例を挙げられながらの説明で、とても勉強になった。
「事故ゼロ」を目指す考え方の落とし穴、全産業の課題となっている熱中症の対策、現場では基本ルールが守りにくい状況もある中、基本ルールを守り続ける秘訣、安全の見える化、休業4日未満の災害から学ぶ、危険感受性を向上させる、などなどが、特に興味深かった。
「ヒューマンエラー ー原因となる人間の12の特性ー」については、災害防止にとって絶対に押さえておかなければならないポイントだと思ったので、これだけは具体的にここでメモしておこう。

ヒューマンエラー「原因となる人間の12の特性」
①無知・未経験・不慣れ
例)危険か安全か判断がつかない ⇒ 教育訓練、リスクアセスメント(職場の潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し(洗い出し)、これを除去、低減するため手法)

②危険軽視、慣れ
例)これぐらいなら大丈夫、安易な教え、マニュアルに従わない

③不注意
例)作業に夢中になると他のことを忘れる、作業に集中すれば安全に注意が払えなくなる

④コミュニケーションエラー
例)指示のマンネリ化、曖昧化、一方的化で伝達不通

⑤集団欠陥
例)作業優先のため、手順を省略し、作業員全てが良しとする ⇒ 組織の問題。リスクに目が行かない。

⑥近道・省略行動
例)やることが面倒、作業手順の省略、作業の近道を優先 ⇒ 合理的な本能。

⑦場面行動(本能のおもむく行動)
例)道路に飛び出す、思わず手を出す、思わず上げる・下げる ⇒ 瞬間的に注意が一点に集中すると、とっさに、反射的に行動する本能的な行動。

⑧パニック
例)驚いたときや慌てたとき、脳が正常な働きをしない

⑨錯覚、思い込み
例)指示の聞き間違い、合図の見聞違い、ど忘れ、思い込み

⑩高年齢者の心身機能低下
例)足腰の衰え、バランス感覚の低下

⑪疲労・体力低下
例)疲れると意思に反しミスをする、病後の体力低下

⑫単調
例)単純作業、単調作業の繰り返しによるマンネリ化



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増加している新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数

2020-10-01 | 書記長社労士 労働災害

 5月にこのブログでも取り上げたが(新型コロナウイルス感染症の労災認定、感染経路が特定されなくとも、認められやすくなる!)、来月行う講演で、新型コロナウイルス感染症に関する労災について、調べていたんだが、新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数がかなり増えているという現状を確認した。

 現在、新型コロナウィルスと労災の関係については、感染経路が判明しない場合であっても、感染リスクが高いと考えられるような業務に従事していた場合は、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断するとされいてる。

1 医療従事者等(通知 記の2の(1)のア)
【考え方:医師、看護師、介護従事者等の医療従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合は、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として労災保険給付の対象となる】

2 医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定された場合(通知 記の2の(1)のイ)
【考え方:感染源が業務に内在していることが明らかな場合は、労災保険給付の対象となる】

3 医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定されない場合(通知 記の2の(1)のウ)
【考え方:感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的に高いと考えられる業務(複数の感染者が確認された労働環境下での業務や顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務など)に従事し、業務により感染した蓋然性が高いものと認められる場合は、労災保険給付の対象となる】


 この3については、「新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)」においては、
問6 「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」として想定しているのは、どのような業務でしょうか。
小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等を想定しています。

とされているが、「複数の感染者が確認された労働環境下での業務」「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」に限らず、「他の業務でも、感染リスクが高いと考えられる労働環境下の業務に従事していた場合には、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。」とされている。

 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る労災認定事例」では、事例8で、タクシー乗務員の労災事案が紹介されている。

 タクシー乗務員のH さんは、乗客輸送の業務に従事していたが、発熱の症状が出現したため、PCR検査を受けたところ新型コロナウイルス感染陽性と判定された。
労働基準監督署において調査したところ、H さんの感染経路は特定されなかったが、発症前の14日間の業務内容については、日々数十人の乗客(海外や県外からの乗客を含む)を輸送する業務を行っていたことが認められ、感染リスクが相対的に高いと考えられる業務に従事していたものと認められた。
一方、発症前14日間の私生活での外出については、日用品の買い物などで、私生活における感染のリスクは低いものと認められた。
医学専門家からは、飛沫感染が考えられるなど、当該乗務員の感染は、業務により感染した蓋然性が高いものと認められるとの意見であった。
以上の経過から、H さんは、新型コロナウイルスに感染しており、感染経路は特定されないが、従事した業務は、顧客との近接や接触が多い労働環境下での業務と認められ、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと判断されることから、支給決定された。


 ところで以前、うちの加盟労組から問い合わせがあって、厚生労働省に念のため確認したが、コロナによる労災補償は、当然に「労災保険のメリット制」において、業務災害に対して支払われた保険給付及び特別支給金の額には参入される。

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7月より労働保険審査会の労働者側参与に就任、本日初公開審理、労働者の利益にいかに寄り添った意見を伝えきれるか!がんばるぞ!

2020-08-21 | 書記長社労士 労働災害

 7月より労働保険審査会の労働者側参与に就任した。
労働保険審査会とは、労災保険及び雇用保険の給付処分に関して、第2審として行政不服審査を行う国の機関だ。
主として労働者災害補償保険に係る再審査請求の審査を行う、渡邉英寿審査長・室井純子審査委員・小畑史子審査委員の第3合議体を担当することになった。
労働保険審査会は、社会保険審査会と違って、霞ヶ関の本庁にあるのではなくて、芝公園の労働委員会会館にあるのだ。


 7月に就任したが、いきなり初めての審理を、所用のために欠席(うちの定期大会の日だったため)、んで、本日の公開審理が自分のデビューとなった。
本日の審理事件は、障害等級3件、業務上外6件、治癒認定が2件、再発認定が1件だった。
社会保険審査会では、公開審理中に参与は質問と意見が出来るが合議には参加できない。
一方、労働保険審査会では、公開審理中に参与は質問するが、合議に参加し、そこで意見を具申できるようだ。

 社会保険審査会でも、原処分取り消しとなる事案は相当少ないが、労働保険審査会ではさらに稀だと言うこと。
そうなると、参与としても、よほど注意しないと「原処分妥当」と判断すること前提で臨んでしまい、そのわずかな「原処分取り消し」とすべき事件を見逃してしまいそうで、それはかなり怖い。
実際今日も自分としては、原処分が妥当やなって印象がほとんどやったが、1件だけ、業務上外の案件で「原処分取り消し」すべきだと意見させていただいた。
いずれにしても労働者の利益にいかに寄り添った判断を行って合議で意見するか(守るべき正当な働く人に限るが)、労側参与として、しっかり慎重にやっていかなあかんな!

労働者災害補償保険法 第五章 不服申立て及び訴訟
第三十八条 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
○2 前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日から三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、労働者災害補償保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
○3 第一項の審査請求及び再審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、これを裁判上の請求とみなす。
第三十九条 前条第一項の審査請求及び再審査請求については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二章(第二十二条を除く。)及び第四章の規定は、適用しない。
第四十条 第三十八条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する労働者災害補償保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。



 ところで、昨日、毎年夏の恒例の「ミョウガ」を大量にいただいたので、少し持って帰った♪
冷や奴にトッピングとか、さくっと塩茹でしてそのままでとか、卵とじにしたりとか、塩昆布とごま油でそのまんまで、とかいいよな~、美味しいかったわ、ありがとうございますっ😊

 ところで、社会保険審査会の事件プリント、労働保険審査会の事件プリント、読み込む時間って、とんでもなくて、自分自身が過重労働になるのでは💦ってな不安が過ぎっている今日この頃…😅



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新型コロナウイルス感染症の労災認定、感染経路が特定されなくとも、認められやすくなる!

2020-05-01 | 書記長社労士 労働災害

 本日、第149回労政審職業安定分科会(持ち回り開催)を経て、 雇用調整助成金の特例措置を実施します~雇用調整助成金を活用して従業員の雇用の維持に努めてください。~が公布、公表された。
令和2年4月8日以降の休業等に遡及して適用される。

 ところで、新型コロナウィルスに感染した場合の労災について、以下の通りの懸念があった。

◆業務中に新型コロナウィルスに感染した場合。
⇒業務上災害となり、会社は労働基準法に基づく災害補償をする必要がある。
⇒ただし、会社は労働者災害補償保険法を利用する。(療養補償給付・休業補償給付など)

◆通勤中に新型コロナウィルスに感染した場合。
⇒あくまでも私傷病だが労災保険法の通勤途上災害となり、会社は労働者災害補償保険法を利用する。(療養給付・休業給付など) 。

◆労災認定について
⇒業務上災害の場合に問題になるのが、①業務起因性(傷病などが業務に起因して生じたものであるということ。業務と傷病などとの間に相当因果関係が存在すること。)と②業務遂行性(労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態)
⇒通勤災害の場合に問題になるのが、「通勤に通常伴う危険が具現化したこと。」
⇒いずれにしても、感染経路を証明することができるかがポイント。
⇒できなければ、傷病手当金となる。

 この問題について、「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」【基補発0428第1号 令和2年 4月28日】という通達が発せられた。https://www.mhlw.go.jp/content/000626126.pdf
この通達によって、医療従事者、介護従事者は、業務外で感染したことが 明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象とされる。
感染経路の証明は不要となる。
また、医療従事者等以外の労働者であって、調査により感染経路が特定されない場合であっても 、職場で複数の感染者が出た場合や、感染リスクが比較的高いと思われる業務をしている人は(厚生労働省は小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等を想定している)、業務により感染した可能性が高いとして、労災認定を判断するとした。
現状の、感染ルートが特定出来ない感染状況と、症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという特性を踏まえての通達で、非常に理にかなっている!

基補発0428 第1号
令和2年4月28日
都道府県労働局労働基準部長 殿
厚生労働省労働基準局補償課長
新型コロナウイルス感染症 の労災補償 における取扱い について

 新型コロナウイルス感染症(以下「本感染症」という。) に係る労災補償業務における留意点 については、令和2年2月3日 け 基補発 0203第1号で通知しているところであるが、今般 、本感染症の労災補償について、下記のとおり取り扱うこととしたので、本感染症に係る労災保険給付の請求や相談があった場合には、これを踏まえて適切に対応されたい 。
1 労災補償の考え方 について
 本感染症については、 従来からの業務起因性の考え方に基づき、 労働基準法施行規則別表 (以下「別表」という。)第1の2第6号1又は5に該当するものについて、労災保険給付の対象となるものであるが、その判断に際しては、本感染症の現時点における感染状況と、症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという本感染症の特性にかんがみた適切な対応が必要となる。
 このため、当分の間、 別表第1の2第6号5の運用については、調査により感染経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とすること 。

2 具体的な取扱いについて
(1)国内の場合
ア 医療従事者等
 患者の診療若しくは看護の業務又は 介護の業務 等に従事する医師、看護師、介護従事者等が 新型コロナウイルス に感染した場合には、 業務外で感染したことが 明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となること。
イ 医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定されたもの
 感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災保険給付の対象となること。
ウ 医療従事者等以外の労働者であって上記イ以外のもの
 調査により感染経路が特定されない場合であっても 、感染リスクが相対的に高いと考えられる次のような労働環境下での業務に従事していた労働者が感染したときには、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められるか否かを、個々の事案に即して適切に判断すること。
 この際、新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況、一般生活状況等を調査した上で、医学専門家の意見も踏まえて判断すること。
(ア)複数 (請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務
(イ)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

(2)国外の場合
ア 海外出張労働者
 海外出張労働者については、出張先国が多数の 本感染症 の発生国であるとして、明らかに高い感染リスクを有すると客観的に認められる場合には、出張業務に内在 する危険が具現化したものか否かを 、 個々の事案に即して判断する こと 。
イ 海外派遣特別加入者
 海外派遣特別加入者については、 国内労働者に準じて判断すること。


 「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、具体的に、請求人を含め、2人以上の感染が確認された場合をいい、請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか、例えば、施設利用者が感染している場合等を想定し、同一事業場内で、複数の労働者の感染があっても、お互いに近接や接触の機会がなく、業務での関係もないような場合は、これに当たらないと考えられるとのこと。
「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」については、小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等を想定しているとしている。
また、他の業務でも、感染リスクが高いと考えられる労働環境下の業務に従事していた場合には、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断するとしている。

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「労災認定について」のほんとに基本的な内容の講演を1時間でさせてもらったが、やっぱ1時間では時間が足らん…(__*)

2018-10-25 | 書記長社労士 労働災害
 今週月曜日に開催したうちの組織の「社会保障研究集会」では、全労済から、労働者共済運動の歴史と意味について、災害が多発している昨今で無補償者を無くす運動の重要性、災害に備えて、について講演をいただき、2番目には自分が「労災認定について」について講演、そして、介護離職のない社会をめざす会の共同代表で、NPO法人 介護者サポートネットワークセンター・アラジンの牧野史子様にお越し頂き「「職場から介護離職をなくすためにできること」~あなた自身心構えはありますか~」について講演をいただいた。

 今回の研究集会の講演テーマを決める際に、「うちの東ブロックと西ブロックの労働学校で社会保障について講座を組んだ際に、労災認定に関する質問が非常に多い」という問題意識と、「うちの産業の中で特にバスやタクシー職場で労働者不足が深刻な中、離職理由に『介護』のためということが増えている」という問題意識があって、どちらにしましょうかってと検討頂いたところ、両方組んで欲しいとなってしまったので、無理矢理二本立てになってしまった。

 いろいろタイムスケジュールで頭を悩ました結果、自分の持ち時間は精一杯絞り出しても1時間。
ほんとなら、悩むであろう「労災の認定事例や判例」を例示して、労災認定されたかどうか議論してもらうとか、またはフリーで参加者から「職場で実際にあった労災かどうか判断や対応が難しかった事案」を発言してもらってみんなで検討する、ってなワークを組み込みたかったけど、時間的には無理。
しかたないし、ほんとに、定型的な基本的な労災の考え方を、実例を散りばめながら、一方的に喋りまくったってな内容になってしまった。
聴く側としてはあまり面白くは無かったやろうなって反省だ。

 あとの懇親会とかでの参加者からの感想では、「盛りだくさんすぎてメモが間に合わない、せめて事例のキーワードだけでもレジュメに落としておいて欲しかった」という声が多くあった。
ごめんなさい、キーワードだけを落とすと、きっとあとで見返したときに、そのキーワードだけが一人歩きし、もっとも悩ましい「個別具体的な状況」ってのがどっかに行っちゃって、危ういのでそれは無理なのです!ごめんなさい!


「労災認定について」

◆業務災害 「労働者の業務上の事由による負傷、疾病、障害又は死亡」


 業務災害であると認められるためには、「業務起因性」がなければならず、業務起因性が成立するためには、その第一次的な条件として「業務遂行性」がなければならない。

○業務起因性
 傷病などが業務に起因して生じたものであるということであり、業務と傷病などとの間に、相当因果関係が存在することをいう。

○業務遂行性
 労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態をいう。 
① 事業主の支配・管理下で業務に従事している場合
② 事業主の支配・管理下にあるが、業務に従事していない場合
③ 事業主の支配下にはあるが、管理下を離れて業務に従事している場合

 業務上の負傷の認定 業務に伴う危険が現実化して生ずる災害が、業務遂行性及び業務起因性が認められる災害である場合に、業務上の負傷として取り扱われる。

① 事業主の支配・管理下で業務に従事している場合
◇作業中
 作業中に発生した災害は、大部分が業務災害として認定される。
 ただし、その災害が業務外の原因により起こった場合や、担当業務外の行為に従事中などに起こった場合には、業務外とされることもある。

◇作業に伴う必要行為、合理的行為中
 労働者の担当業務とはいえないが、単なる私的行為ともいえないような行為は、それが特別の業務命令により積極的に是認されている場合には、その行為自体が担当業務となる。
 しかしそうでない場合には、次に該当するときに、業務行為または業務付随行為と判断され、その行為による災害については、一般に業務起因性が認められる。
Ⅰ 労働者の担当業務の遂行上、必要な行為。
Ⅱ 当該業務を担当する労働者として合理的な行為。
Ⅲ 業務行為の過程で通常ありがちな些細な行為。

◇緊急業務中
 緊急業務(事業場として突発事故・火災などの緊急の事態が生じ、これに臨んで行われる業務)は、事業主の命による場合はもちろん、事業主の命を待たなくても、その事業の労働者として当然に期待される行為(期待行為)である限り、当該行為中の災害については、一般に業務起因性が認められる。

② 事業主の支配・管理下にあるが、業務に従事していない場合
◇作業に伴う準備行為または後始末行為中
 次のような準備行為または後始末行為は、業務行為に通常または当然に付随するものであれば、業務行為の延長とみられるため、当該行為中の災害については、一般に業務起因性が認められる。
Ⅰ 準備行為→機械器具や作業環境の整備など
Ⅱ 後始末行為→終業後の機械器具の整備・返還、作業環境の整理など

◇作業の中断中
 生理的行為(用便や飲水など)または反射的行為(風で飛ばされた帽子を拾おうとするなど)は、業務行為そのものといえないが、それが私的行為や恣意的行為などでなければ、業務に付随する行為として、作業からの離脱はなかったとみるのが相当であり、当該行為中の災害については、一般的に業務起因性が認められる。

◇休憩時間中
 事業主の管理下(事業施設内)にある限り、休憩時間中でも事業主の支配下にあることから業務遂行性は認められるが、休憩時間中は、労働者の自由行動が許されていることから、その時間中の個々の行為は私的行為とされる。したがって、休憩時間中の災害は、それが事業場施設またはその管理に起因することが証明されなければ、一般に業務起因性は認められないことになる。

③ 事業主の支配下にはあるが、管理下を離れて業務に従事している場合
◇出張中
 通常「出張」とは、一般に事業主の命令により、通常の勤務地を離れて用務地に赴いてから、用務を果たして戻るまでの一連の過程を含むものである。つまり、特別の事情がない限り、出張過程全般ついて事業主の支配下にあるといってよく、その過程全般が業務行為と判断される。したがって、出張中の個々の行為は、積極的な私用・私的行為・恣意的行為などを除き、一般に出張に当然または通常行う行為であり、当該行為中の災害については業務起因性が認められる。

◇通勤途上
 通勤途上は、事業主の支配下にあるとはいえないことから、業務遂行性はないことになる。したがって、その間に発生した災害については、一般に業務起因性が認められない。
 しかし、次のような災害は業務災害となる。
Ⅰ 事業主が提供する労働者のための専用の交通機関(通勤専用バスなど)の利用に起因する災害
Ⅱ 突発事故などにより事業主の命令を受けて出勤する際の災害など

④ その他特殊な状況による場合
◇療養中
 療養中の災害については、当初の業務上の傷病と、その療養中に、業務外の災害によって加重し憎悪した場合、ないしは療養中における業務外の災害による死亡との間に因果関係があるかどうかによって、現在の死傷病の業務上外が決まる。

◇天災地変による災害
 天災地変(暴風雨、水害、地震、土砂崩れ、落雷、噴火など)に起因する災害であっても、天災地変による災害を被りやすい業務上の事情があって、その事情と相まって発生したと認められる場合には、業務に伴う危険が現実化して発生したものとして、一般に業務起因性が認められる。

◇他人の故意による災害
 他人の故意による災害であっても、災害の原因が業務にあって、業務と災害との間に因果関係が認められる場合には、業務災害となる場合がある。したがって、加害行為が明らかに業務と関連しており、私怨や私的関係に起因したものでない場合には、それぞれの具体的事情を考慮することにより業務起因性が認められることがある。

◇自己の故意による災害
 故意とは、一般に、自分の行為が一定の結果を生ずべきことを認識し、かつ、その結果を生ずることを認容することをいう。故意による災害については、通常、業務との因果関係が成立しないため、業務起因性は認められない。ただし、労働者が結果の発生を認容していても業務との因果関係が認められる災害については、一般に業務起因性が認められる。

◆業務上の疾病
 業務上の疾病の認定については、業務が競合する原因のうち、相対的に有力な原因として認められる場合に、業務上の疾病として取り扱われる。
業務上疾病の範囲と分類は、労基法施行規則別表第1の2に明示されている。
Ⅰ 業務上の負傷に起因する疾病
Ⅱ 物理的因子による疾病(潜水病、騒音による難聴など)
Ⅲ 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する疾病(腰痛、腱鞘炎など)
Ⅳ 化学物質等による疾病(化学物質に起因する呼吸器疾患・皮膚疾患、酸素欠乏症など)
Ⅴ 粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺と合併した疾病
Ⅵ 細菌、ウィルス等の病原体による疾病
Ⅶ がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務による疾病(石綿業務による肺がん又は中皮腫など)
Ⅷ その他厚生労働大臣の指定する疾病
Ⅸ その他業務に起因することの明らかな疾病


◆通勤災害
 通勤災害とは「労働者の通勤による負傷、疾病、障害または死亡」とされているが、この「通勤による」とは、通勤と相当因果関係のあること、つまり、通勤に通常伴う危険が具現化したことをいうのであり、これは業務災害の場合のいわゆる業務起因性に相当する考え方である。

労働者災害補償保険法 第7条
2 前項第二号の通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
一 住居と就業の場所との間の往復
二 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
三 第一号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)

① 就業に関し
 「就業に関し」とは、移動行為が、業務に就くためまたは業務を終了したことにより行われるものであることを意味する。
 つまり、通勤と認められるためには、移動行為が業務と密接な関係をもって行われることが必要となる。

② 合理的な経路及び方法
 「合理的な経路及び方法」とは、住居と就業の場所を移動する場合に、一般に労働者が用いると認められる経路及び手段などをいう。
○合理的な経路
 乗車定期券に表示され、または、会社に届け出ているような、鉄道、バスなどの通常利用する経路及び通常これに代替することが考えられる経路など。
○合理的な方法
 通常用いられる交通方法は、その労働者が平常用いているか否かにかかわらず、一般的に合理的な方法とされる。

③ 業務の性質を有するもの
 「業務の性質を有するもの」とは、以上に述べた通勤の要件を満たす移動ではあるが、当該移動による災害が業務災害と解されるものをいう。このような移動は、業務災害として労災保険の保護を受けることができるため、通勤災害の範囲から除かれている。

④ 住居
 「住居」とは、労働者が居住して日常生活の用に供している場所で、本人の就業のための拠点となるところをいう。

⑤ 就業の場所
 「就業の場所」とは、業務を開始し、または終了する場所をいう。

⑥ 就業の場所から他の就業の場所への移動
 複数就業者の事業場間の移動

⑦ 住居間の移動
 住居と就業場所との往復に先行し、または後続する住居間の移動は、厚生労働省令に定める要件に該当するものに限り、通勤災害として認められる。(単身赴任者の赴任先住居・帰省先住居間の移動)

労働者災害補償保険法 第7条
3 労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、第一項第二号の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

 厚生労働省令で定める逸脱、中断の例外となる行為
① 日用品の購入その他これに準ずる行為
② 職業訓練、学校教育法第1条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
③ 選挙権の行使その他これに準ずる行為
④ 病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為
⑤ 要介護状態にある配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに配偶者の父母の介護(継続的に又は反復して行われるものに限る。)


 ご静聴ありがとうございました。
個別具体的な状況により、業務災害・通勤災害と認められるかどうかの判断がなされます。
また、不認定となった場合、納得がいかなければ、不服申し立ての制度もあります。
ご不明なケースがありましたら、ご相談ください。
一緒に、対応を、検討しましょう!
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脳・心臓疾患と精神障害事案の労災認定と裁判例の傾向

2016-03-16 | 書記長社労士 労働災害

 昨日、東京社労士会大田支部主催(臨海統括支部共催)研修会@大田区民ホールアプリコ。
研修は、第一部は、「脳・心臓疾患・精神障害事案の労災認定について」、講師は高橋健先生。
講演の内容は、1.業務上疾病の位置づけと認定基準、2.脳・心臓疾患、精神障害事案の監督署の調査の流れ、3.脳・心臓疾患、精神障害の労災認定基準、4.労働基準監督署による労働時間のとりまとめ、5.増加する脳・心臓疾患、精神障害の労災申請・認定件数、6.その他諸問題。


 第二部は、「企業の安全配慮義務に関する裁判例の傾向について」、講師は岡崎教行先生。
講演の内容は、第1 はじめに(本日の主眼)、第2 労災民訴の構造、第3 脳・心臓疾患による死亡の場合、第4 精神疾患による自殺の場合 第5 まとめ(パネルディスカッションへの導入を兼ねて)。


 厚生労働省勤務時代、労働基準監督署で主に労災補償分野で勤務され退職後、社労士として活躍されている高橋先生と、使用者側弁護士として最前線で活躍されている若手実力派のおかざえもん、いや岡崎弁護士のタッグは、実務的であって最強の講演だった(岡崎弁護士曰く最強とは「渋い2人」だというが、それに対してはオカザエモンに関して全面的に否認します)。


 高橋先生のパートでは、「労働基準監督署による労働時間のとりまとめ」で衝撃の事実があった。
労働時間のとりまとめの方法は、
・労働時間集計表によって集計
・1週間ごとに実労働時間を集計して1週間単位の総労働時間数とする
・1週間単位の総労働時間数から40時間を引いて、時間外労働時間数とする
・以上による4週間と2日間の総労働時間数と時間外労働時間数を(それぞれ)合計 ← 賃金計算期間だとか、歴月だとかで集計しないということがポイント。
そして「発症日」について、脳・心臓疾患の場合は特定できるが、精神障害の場合は、たとえば3月上旬に発症していた場合は、3月1日から10日まですべてを発症日と仮定するとのこと。
で、精神事案における恒常的長時間労働は、その10の発症日前を30日ずつさかのぼって集計されたすべての月(膨大な数になる)の中の時間外労働時間をみるとのこと。
だから、労災の調査によって確認された時間外労働時間と、時間外手当を支給すべき時間外労働は同一ではなく、賃金計算期間や歴月の範囲で「今月、時間外多いからそろそろ抑えろ」という管理では、労災認定の際には役に立たない可能性があるということになる。


 また、岡崎弁護士のパートでは、脳・心臓疾患による死亡の場合と精神疾患による自殺の場合、因果関係の判断基準は労災認定基準に基づいて判断するのが一般的であり、損害賠償請求訴訟でも、労災認定がされた場合、同様の結論になるのがほとんどとのこと、ということに注目した。

 私鉄総連の組合員で考えれば、特にバス職場が要員不足で、乗合バス事業ではダイヤに穴を開けることは出来ず、貸切バスでは昨今の需要増と安全対策で、足らない人員の中でやりくりが厳しくて、長時間労働が恒常化している。この問題が重くのしかかってくる。
したがって、この講演の内容を受け、安全配慮義務と回避義務をいかに尽くすのか、そこにつきるということ、そしていかに、組合員を守り、雇用を守り、公共交通を守るのか、をどう伝えていくか、ということを危機感持って考えさせられた。

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いつどこで蚊に刺されたかをちゃんと証明すればいいのだな

2014-09-03 | 書記長社労士 労働災害
 デング熱、とうとう大阪にまで飛び火してしまった(;゜ロ゜)
大阪の感染者も、やはり東京の代々木公園に行ったってこと、代々木公園、恐るべし!


 デング熱というと、3年連続世界一になったトッププロサーファー、アンディ・アイアン(Andy Irons)がプエルトリコでの試合の時に感染し、試合出場はやめ、急遽、自宅のあるハワイへ帰る途中に急逝したってことを思い出す。
そのときに初めてデング熱っていう病気のことを知ったが、強靱な肉体を持った32歳のアンディの命を奪うようなデング熱の恐ろしさに当時(2010年11月2日)驚いたのだが…
しかし現在の日本での扱いでは(厚生労働大臣も言っていたが)、それほど心配することはないとのこと、ほんとうなんだろうか…。

 ところで、代々木公園で、蚊の駆除などをしている労働者(行政の人かな?委託された業者かな?)の方とか、それを取材しているマスコミのスタッフの人とかが、蚊に刺されてデング熱を発症したときに、労働災害が認められるかどうか、気になって気になって仕方が無いのだけど。
 
 業務上疾病、業務に起因することの明らかな疾病、労基法施行規則別表第1の2に例示されているのは
(1)業務上の負傷に起因する疾病
(2)物理的因子による疾病(潜水病、騒音による難聴など)
(3)身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する疾病(腰痛、腱鞘炎など)
(4)化学物質等による疾病(化学物質に起因する呼吸器疾患・皮膚疾患、酸素欠乏症など)
(5)粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺と合併した疾病
(6)細菌、ウィルス等の病原体による疾病
(7)がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務による疾病(石綿業務による肺がん又は中皮腫など)
(8)長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む。)若しくは解離性大動脈瘤又はこれらの疾病に付随する疾病
(9)人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病
(10)その他厚生労働大臣の指定する疾病
(11)その他業務に起因することの明らかな疾病
となっており、(6)を見るとデング熱の感染も業務上疾病として認められそうだが、業務起因性と業務遂行性がちゃんと証明できるかどうかがポイント。
ってことは「いつ、どこで蚊に刺されたか」をいかに証明するかだな。

【以下は労働局のサイトより】
 労働者に生じる疾病については、一般に多数の原因又は条件が競合しており、このような広義の条件の一つとして労働あるいは業務が関与することを完全に否定し得るものは極めて稀です。しかしながら、単にこのような条件関係があることをもって直ちに業務と疾病との間に因果関係を認めるのではなく、業務と疾病との間にいわゆる相当因果関係があると認められる場合にはじめて業務上疾病として取り扱われることになります。
 労災保険法による業務災害に関する保険給付は、労働基準法の規定に定める災害補償事由が生じた場合に行うものとされていますが、労働基準法における災害補償責任は事業主の過失の有無を問うことなく、事業主に課せられるものとされていること(無過失賠償責任)、また、罰則をもってその履行が担保されていること(労基法第119条第1号)、労災保険法における保険給付の原資は事業主の負担する保険料とされていること等から考えますと、労働者がり患した疾病の業務起因性は、明確で、かつ、妥当なものでなければならないことになります。また、業務により有害因子のばく露を受けることによって生体に何らかの反応が生じたとしても、これが直ちに労災保険給付の対象となるものではなく、医学上療養を要することが認められる疾病が生じた場合にはじめて労災保険給付の対象となります。

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労災隠しは犯罪です

2013-11-19 | 書記長社労士 労働災害

 「ダンダリン 労働基準監督官」の第7話は、「南三条(松坂)が指導係として凛と行動を共にするうちに“ダンダ化”しているのではないかと土手山(北村)ら監督課の面々の面々は心配する。そんな中、労働基準監督署に会社からの帰宅途中に歩道橋から転落死した英夫(大高洋夫・54)の息子・修司(中村倫也・26)と妻・恵子(朝加真由美・58)が労災保険について相談に訪れた。労災は必ず下りると言い切る南三条に、凛は一抹の不安を覚えていた。凛の不安は的中する。英夫は会社帰りに私用で寄り道をしていたことが判明し、労災は下りなかった。英夫の自宅を訪れると、英夫が頭痛を訴えていたことを知り、凛は「労働災害」の可能性を疑い…」という展開だった。

Q 仕事中にケガをしたのに、「元請けに迷惑がかかるから、健康保険で治療するように」と上司から言われたのですが、どうしたらよいでしょうか?
A 仕事中のケガでは健康保険は使えません。会社が認めてくれなくても労災保険の請求はできますので、労働基準監督署にご相談ください。

 厚生労働省の「お仕事での怪我は労災保険!」のリーフレットにこのようなQ&Aがあったが、しばらく前に、うちの弟がまさにこんな目に遭ってね~(^0^;)

「誰の弟に喧嘩売っとるねん!」

 防水工事の現場で弟が重量物を運搬中に乾ききっていない塗装面を踏んでしまい転倒、手首を骨折、折れた骨が皮膚を突き破ってしまったという事故。
弟の雇い主は孫請けだったのだけど、この弟の業務上災害(手首の骨折)に対して、健康保険を使用させた上で(実は健康保険も協会けんぽには入れてくれなかったようで、弟の国民健康保険だった)、会社は独自で入っている損害保険からの給付を弟に渡しただけ。
労災の手続きはしないうえに、「うちは会社のお金で保険に入ってあげてここまでちゃんと面倒をみてあげている、感謝しなさい」という趣旨のことを、手術前の弟と付き添っていた母に言っていたとのこと。

 なんでやねん。
俺が大阪府茨木市にある弟の会社へしずしずと訪問、名刺は出さずに低姿勢で「労災申請してください」とご相談に行ったのだが、「うちは出来るだけのことはしている、元請けの会社には相談したが、『うちは知らん、自分とこでちゃんとしないと、これからあなたとこには仕事は渡せない』と言われた、うちも困っているのだ」と言うので、「では元請けにご相談に上がります」(元請けは、手術前の弟のところにお見舞いに来たときに名刺を置いて帰っていた)、といったら「うちは出来るだけのことはした、好きなようにしてくれ」と開き直られてしまった。

 次に大阪市生野区の、その元請(実はそこは下請け)会社に訪問。
「労災申請してください」とご相談させていただいたら、「下請けの会社にはちゃんとしろと言ってある、ちゃんとしないならうちから再度ちゃんとするように言う、そんないい加減な会社にはこれから仕事を渡せない」と言う。
「いやいや、なんも下請けの会社の責任だとか、御社の責任だとか言っていない、下請けの会社が損害保険で支払ってくれた足らずの分を労災申請してくれたらそれでいいのだ」というと、「実は元請けは東京の会社で、うちは下請け、元請には一応相談したが、『知らない、責任保って処理しろ』と言われたのでうちも困っているのだ、だからうちとしてはこれ以上どうしようもないので孫請けに相談してくれ」とのたまう。

 実は弟の事故を知った直後に、自分は保険関係の成立状況はすでに労働基準監督署で調べてあったので、「元請けはどこか知ってますよ、おたくの立場を気にして交渉してるのが面倒くさくなってきたから、それなら『労災隠し』として労働基準監督署に告発します、お宅にはお手間は取らせません」と言い切ったら、「ちょっと考えさせてください」とのこと。

 「いやいや、考えてもらわなくていいです、労働基準監督署に行ってきます」
「いやいや、時間を下さい(__;)」

 しばらくすると電話があった、「うちの顧問の社労士に相談した」(←おいおい、胡桃沢みたいな社労士か?)。
「立て替えていただいた医療費と、休業補償給付相当分は、うちと孫請けで折半してお支払いする、ただし孫請けの損害保険から支給された分は差し引かせていただく。なお休業補償給付相当分は100分の100で計算させていただくので矛を収めて欲しい…監督署には『ちゃんとしてもらった』と言っておいて欲しいがいかがでしょうか」

 孫請け、下請けの悲哀とはまさにこのことだ。
孫請け、下請け、元請けの会社の名前を、いや、せめて元請けの会社名を、この際だからこのブログで公表しようかとも思ったが、ま、そこまでしなくてもいいか。

 というわけでダンダリンの第7話を見ながらこんなこと思い出した。
第7話の視聴率は7.2%、第6話の7.6%より下がっちゃった、でもほんま裏番組のリーガルハイより、ダンダリンの方がお勉強になるよ~、視聴率アップしますように!

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