三流読書人

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ドングリ小屋住人 

我々の憲法である 変える必要などない

2013年04月08日 13時21分06秒 | 堪忍袋


毎日新聞に「仲畑流万能川柳」(仲畑貴志選)という欄があり、投稿句を選んで載せています。4月3日、次のような句が選ばれて載っていた。
   九条を偲ぶ会にはならぬよう    奈良  平和党(柳名)
ドキッとしました。今、そういう危機にあるのだと改めて思い知ったのです。
仲畑氏はよくこの句をとってくれました。
「改憲」をいう人たちは96条をとりあえず変えて、「改憲」のハードルを下げようとしています。しかし、この人たちには99条を頭に叩き込ませたいと思います。
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
ここを変えたいのです。
3月末にすべて出そろった1票の格差是正訴訟の高裁判決は、昨年12月の総選挙結果について16件の判決は、違憲14(うち2件は選挙結果を無効)、2件は違憲状態である、とすべて違憲としました。
民主主義の根本である投票価値の平等が日本では今なお実現していないのです。
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
国政を担う国会議員を選ぶ選挙が、憲法違反の状態にあることを是正することには取り組もうとはせず、ついに司法の厳しい判断が下されたのです。これを最高裁がくつがえして合憲とすることはありえないでしょう。
民意を反映させるにはすべて比例代表にすべきです。0増5減など噴飯ものです。
憲法を守ろうとしない人々が憲法を変えようというのです。断じて許すことはできません。
左は、昭和22年文部省が制作し、中学校の教科書として配布された「あたらしい憲法のはなし」(復刻版)です。この教科書のしめくくりに次のような文章があります。「この憲法できめられてあることにあわないものは法律でも、命令でも、なんでも、いっさい規則としての力がありません。これも憲法がはっきり決めています。このように大事な憲法は、天皇陛下もこれをお守りになりますし、國務大臣も、國会の議員も、裁判官もみなこれを守ってゆく義務があるのです」。選挙制度以外にも憲法違反の状態で放置されていることはさまざまあります。民主主義や国民の権利など憲法の精神を政治の中で実現すればいいのです。
先日、開かれた日本維新の会の党大会で配布された「綱領」のなかで「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実な共同の幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる。」と書いた部分があるそうです。どこが日本を孤立させ、軽蔑の対象としているのでしょうか。強いて言えばアメリカでしょうか。しかしそういうふうにしてきたのはひたすら隷属の道を歩んできた自民党あるいは自民党的政治でしょう。日本国憲法は今でも日本人の総意です。「占領憲法」この異様な憎悪はなんでしょう。石原慎太郎氏の筆によるものだそうです。最も「尊重し擁護する義務を負ふ」立場にありながら、自らの国の憲法をこれほどの言葉で罵るとは。彼もかつては「文学者」であったのです。もう人前へ出て来るべきではないと思います。

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