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三流読書人

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ドングリ小屋住人 

戦争で死ぬ若者 アメリカ

2009年04月01日 22時28分45秒 | 平和


先日短いがベトナムへ旅した。
あらためてベトナム戦争とはなんだったのか。
考えさせられた。
ベトナムは緑も水も日の光も豊かで人々はやさしい。
この国をあれほど無残に破壊し、蹂躙しつくしたアメリカという国と、その国の若者たち。
今またイラクで。
「殺せ!殺せ!殺せ!」と徹底的にたたきこまれたアメリカの若者たち。
命令どおりに殺した。
生きのびて帰還した彼らが気づいたのは、殺した相手は実は自分たちと同じ人間だったのだということ。
家族も、恋人も、友人もいる自分たちと同じ人間だったということに気付く。
大勢の帰還兵が自殺し、PTSDに苦しみ、人間性を剥奪されて生ける屍となっているものも多数いる。

次に紹介するのは3月30日付毎日新聞コラム「発信箱」である。
イラクで今行われていることはなにか。
読んでみる価値はあると思う。

  「発信箱」  脱走兵と反戦歌 福島良典

 黒人男性のアンドレ・シェパードさん(31)は6年前、米オハイオ州でホームレス生活を送っていた。
コンピューター工学を修めたが、バブル崩壊で定職に就けずにいた。
 声をかけたのが米軍だった。「テロにおびえ、抑圧された世界の人々を救うため、君が必要だ」。安定した収入、無料の住居、医療保険、奨学金--軍の担当者が提示した待遇はまぶしかった。
 「より良い暮らし」を渇望していたシェパードさんはドイツ駐留米軍に配属後、イラクに。だが、そこで会ったイラク人の顔には解放の歓喜でなく、米軍への恐怖と怒りがみなぎっていた。
 帰還後、再びイラク行きの命令を受け、「不当な戦争にこれ以上かかわれない」と腹を決め、基地を後にした。欧州連合(EU)の亡命・難民受け入れの法律に基づき、ドイツへの政治亡命を申請中だ。
 「戦争が好きな国民はいない。戦争したがるのは政府だけだ」。そう語る彼を平和団体は支援するが、祖国の退役軍人からは脱走に「裏切り者」「弱虫」と批判も出る。
 2度の大戦で焦土と化し、反戦世論に火のつきやすい欧州と、「軍事が文化の一部」(シェパードさん)の米国。軍や戦争に対する国民の距離感は大西洋の両岸で異なる。
 フランスの作家・歌手、ボリス・ビアン(1920~59年)の反戦歌「脱走兵」の一節にある。「服従を拒め。戦争に行くな。出征を拒否せよ。血を流すなら、大統領閣下、あなたの血を」
 フランスでは6月、ビアン没後50年を記念するアルバムが発売される。「脱走兵」も入る予定だ。半世紀後の今もイラク、アフガニスタンで武装勢力との戦争が続く。ビアンの歌詞はさびつかない。
(ブリュッセル支局)