三流読書人

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ドングリ小屋住人 

ラムズフェルド米国防長官の「自動署名装置」

2005年01月21日 14時46分58秒 | 教育 
毎日新聞にコラム「世界の目」というのがあります。外国人ジャーナリストが執筆しています。1月21日は、「ワシントン・ポスト」のエレン・グッドマンという女性コラムニストが担当しています。タイトルは「『男らしさ』は『傲慢さ』に」。ラムズフェルド米国防長官について書いています。一部分だけですが紹介します。長くて申し訳ないが凄いことが書いてあります。


[・・・少数の地上戦力でイラク戦争に勝利しようとしていた当時、彼はヒーローだった。だが、この一年で「電撃戦」は「市街戦」に移行。米国人はアブグレイブ収容所事件で道徳的権威を失った。長官は兵士に装甲車不足を訴えられ、「戦争は手持ちの部隊で戦うものだ」と突き放した。そしてラムズフェルド体制のこれ以上ない失態が「自動署名装置」である。弔意の手紙の署名が装置によるものだというニュースは瞬く間に広がり、国防総省のスポークスマンもこれを認めた。この冷淡な効率性の追求は非礼というでけでは済まない。重傷を負った兵士の家族に対する侮辱でもある。息子や娘、夫や妻をイラクに送り出した家族に対し、長官は署名する時間もなかったというのだ。パウエル国務長官はラムズフェルド長官について「物事を人ごとのように話し、おそらくそう考えている」と解説したが、この一件でそれが追認された。米兵の死者は今や1300人を上回る。医療技術の進歩のおかげで命を落とさずに済んだが、悲惨な傷を抱えて行き永らえる兵士も少なくない。評判の悪い戦争が続き、長官の「男らしさ」は「傲慢さ」にとって代わった。・・・]


戦死者や戦傷者の家族への手紙の、長官の署名が「自動署名装置」でされていたというのです。
ブッシュはいつまでこの戦争を続けるのか、また、日本はいつまでそれに追随するのか。
愚かですよね。



 

与謝野晶子「或国」

2005年01月21日 10時19分23秒 | 教育 
与謝野晶子(1878~1942)に次のような詩があります。


 或国(あるくに)

堅苦しく、うはべの律儀のみを喜ぶ国、
しかも、かるはずみなる移り気の国、
支那人ほどの根気なくて、浅く利己主義なる国、
亜米利加の富なくて、亜米利加化する国、
疑惑と戦慄を感ぜざる国、
男みな背を屈めて宿命論者となりゆく国、
めでたく、うら安く、万々歳の国。


100年前「君死にたまふことなかれ」を発表した与謝野晶子は上のような詩も残しています。
或国とはどこの国かわかりますよね。今の私たちが皮肉られているような気がします。