1969/04/09に生まれて

1969年4月9日に生まれた人間の記録簿。例えば・・・・

義父の旅路

2006-07-25 18:29:33 | 旅の記録
今日は、仕事に身が入らなかった。

寝不足が影響していると思うけど、それだけではない。
義父のことを考えていた。
なぜ、義父は孫を連れて旅に出たのだろうか。

義父の生い立ちについて,ボクは詳しく知らない。
ただ、カミさんから聞いた話によれば、義父は幼い頃、母(義祖母)ともに中国から引き揚げてきた経験があるという。
終戦間もない頃の話しだから、当時、義父は7歳か8歳だろう。
外地にいた日本人の多くは財産を没収され、想像を絶する大混乱の中を必死の思いで帰国してきたのだ。
それは義父にとって大旅行だったに違いない。
今回の子供達のお気楽旅行とは天と地の違いだろう。

前出の義祖母は、昨年の今頃、97歳で他界した。まるでゼンマイ仕掛けの時計がゆっくりと止まるように。
その義祖母は、今のボクと同じ年齢のときに、10歳くらいの子供を筆頭に乳飲み子を含む5人の子供を連れて引き上げてきたという。義祖父は出征中で、戦後になって本国で再会したらしいのだが、大混乱の中、我が子を泣く泣く中国人に預けた日本人も多かった状況において、たった一人で5人の子供を連れて帰るという義祖母の勇気と判断は如何ようだったろうか。

5人の子供達は成人すると、父母宅を中心に(うちの近所)、所謂、スープが冷めない距離にそれぞれ家を建てた。そして、義父は、中国残留孤児の報道を見る度に「オレもひょっとすると・・」と呟いていたという。

そんな義父が、孫3人とスイス旅行だ。
今頃は子供達とヨーロッパへ向かう飛行機の中だ。
義父はどんなことを考えて孫達を眺めているのだろう。

自身の幼い頃の大旅行を思い出しているかもしれない。
孫を連れて旅行できる自身の人生に満足しているかもしれない。
これらのことを通して見えてくる社会の変化に驚嘆しているかもしれない。
これから見られるであろうスイスの美しい自然に心躍らせているかもしれない。
孫達だけを連れてきたことに、ちょっとした罪悪感を覚えているかもしれない。
まだまだ健康でいようと決意を新たにしているかもしれない。
孫達が起こすちょっとしたハプニングに期待しているかもしれない。
孫達の笑顔に充足しているかもしれない。

いずれにせよ、心底、楽しんでいるに違いない!。
そして、しばし人生を振り返ったりしていることも間違いない!。

この旅には「人生の仕上げ」という副題が合うような気がする。

ボクも、いつか、そんな旅ができたらなぁと思う。
けど、ボクらの世代では難しいだろうなぁとも思う。
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2 コメント

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いいですね~~ (poco)
2006-07-27 14:13:29
子供さんたち、いいですね!

小学生でスイスに行けるなんて・・

貴重な体験が子どもたちの心に成長にきっと素晴らしいものを残してくれるでしょうね

お父様に感謝感謝ですね

連れて行きたくても、経験させたくても、お金が・・・・

我が家はこの夏はボーイスカウトのキャンプのみ・・

8月終わりに天草へいきま~~す!!
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Unknown (hiratakuwa)
2006-07-27 20:38:09
昨日、帰宅する前に彼の地から電話があったんですけど、子供達は、ホテルの朝食ででたクロワッサンがでかかっただの、そのクロワッサンを手づかみする外人がイヤだったの、そんなことを報告していたらしいです。



ただ、ムスコは初めての飛行機が感動したみたいで、ロシアの湖がたくさん見えたとか、北極が見えて凄かったと言っていたそうです。





話しを聞いたカミさんがボクにそんなことを説明するんですけど、「北にあるのがナンキョクなのに・・ナニ言ってんのかしら・・」なんてトンチンカンなことを言ったので、「オマエはバ○かッ!」って、ここぞとばかりにどついてやりやした!。



ちなみにカミさんは、「右ね、右」とか言いながら、ヘーキで左にハンドルを切ってしまうタイプです。

困ったもんだ。
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