鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

鏡の国の騎士は情緒の構造が風変わり(GLASS8-39)

2011-01-08 18:39:27 | Weblog
 白の騎士は、歌‘門の上に座ってる’の最後の語まで終わるとアリスに言った。「次の小川を越えればお前は女王になれる。でもお前がまずとどまって私を見送ってくれるとよいのだが!」と。
 
 PS1:誇り高いはずの騎士がこのように言うとは鏡の国は風変わり。彼は小さな女の子アリスと別れるのがさびしいのだ。まるで子どもよう。
 
 さらに騎士が続けて言う。「時間は長くかからない。お前が少し待ってくれて道の曲がり角に私が来たらハンカチ振ってくれればよい。私は元気づけられる。」アリスが「もちろんハンカチを振ります!」と答える。
 
 PS2:アリスはいつも通り礼儀正しい。しかしこれに続く彼女の外交辞令が白の騎士の反論を引き起こす。

 「こんなに遠くまで送ってくださり、歌も歌っていただきありがとうございます。歌をとても気に入りました!」とアリスが言う。「そうならいいのだが」と白の騎士が疑う。理由:「私が期待したようにはお前が泣かなかった。」
 
 PS3:だがこれまで見てきた歌‘門の上に座ってる’を聞き、果たして泣く者がいるだろうか。鏡の国の騎士は情緒の構造が風変わり。