鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

“話しかけるaddressing ”と“かける a-dressing ”(GLASS5-2)

2008-08-06 17:49:15 | Weblog
アリスはショールを白の女王にかけてあげながら「私は今、白の女王様に話しかけているんですね addressing ?」と言う。「お前がこれを、かける a-dressing と呼びたいのなら、その通りじゃ」と白の女王が答える。アリスは“話しかけるaddressing ”と言ったが、白の女王はその言葉を“(ショールを)かける a-dressing ”と理解したのである。そして白の女王が付け加える。お前はこれを、“かける a-dressing ”と呼ぶかもしれないが、「それは私の考えと全く違う!」と。これに対しアリスは会話の最初から議論したりするのは失礼だと思って微笑し反論しない。
PS:白の女王が“かける a-dressing ”ではなく、では何と考えていたのか知りたいところだが以後の議論がないのでわからない。残念である。


怯えて「バタつきパン、バタつきパン」とつぶやく不思議な白の女王(GLASS5-1)

2008-08-06 17:13:39 | Weblog
アリスが森の中でショールを見つけので誰のものだろうと思った。その時、白の女王が走ってやってくる。「途中でお会いできて良かったです」とアリスは言ってショールを白の女王にかけてあげる。ところがなぜか白の女王はどうしようもなく怯えきった様子で「バタつきパン、バタつきパン」とだけつぶやいていた。
ここで謎は①なぜ白の女王がどうしようもなく怯えていたのかその説明がないこと、また②なぜ彼女が「バタつきパン、バタつきパン」とつぶやくのかその理由もわからないこと。不思議な白の女王である。
(PS:「GLASS5-1」は、「Lewis Carroll, THROUGH THE LOOKING GLASS, 5 Wool and Water に関するコメント1」の意味である。以下の項目でも、同様。)