むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ホルトノキ:(四国八十八ケ所で見た)

2014-06-12 05:09:48 | 植物観察過去ログについて

四国八十八ケ所遍路の旅、室戸岬近くの第25番津照寺の境内に何本かホルトノキ(ホルトノキ科ホルトノキ属)の古木があり、枝先にたくさん実が残っていました。
この木は常緑樹なのに、一年中赤く色づいた古い葉が枝に残り、順次落葉する特徴があることで知られていますが、社寺林の中で見かけるのは初めてでした。
平賀源内が紀州でこの木の実を見て、当時ポルトガル油といわれていたオリーブと勘違いしたことから、ポルトガルの木といったのが転訛してホルトノキと呼ばれるようになったなどの俗説があります。
この木は、7~8月、葉腋に長さ4~7cmの総状花序をだし、花弁の先が糸状に細かく裂けるはんをつけるはずですが、(‘09年7月23日記事)樹高が高く蕾の様子などは見えませんでした。

アコウ:赤榕(室戸岬に群生)

2014-06-10 20:16:31 | 植物観察過去ログについて


傘寿を迎えてそろそろエンディングの準備と、1月から月1回、バスによる四国八十八ケ所遍路を始めました。半年で30ケ寺を済ませたツアーは、ひたすらお寺を巡ってお経を唱えるというだけで、せっかく新しい土地へ行きながら植物観察などの暇は全くなく少々欲球不満気味でした。
室戸岬東の海岸にある空海修行の地といわれる御厨人窟(みくろど)に立ち寄りました。6回目で初めてお寺ではない場所への立ち寄りです。
洞窟ができた大きな岩塊に果実をいっぱいに付けたアコウ:赤榕(クワ科イチジク属)が張り付いていました。よく見ると崖になった岩の上に、何百メートルもアコウの群落が連なっています
遍路の合間に、植物園でしか見たことがないこの木、それも立派な群落を見てすっかりうれしくなりました。
日本では本州紀伊半島、四国、九州、琉球の海岸に生え亜熱帯から熱帯に分布する常緑高木で、はじめはほかの木に寄生し、高さ20m位で四方に枝を広げ、小枝は傷つけると白乳液が出ます。幹の周囲から気根を出しますが、ガジュマルのように高い枝から気根を垂らすことはありません。
雌雄同株で、花期はまちまちで花も果実もほとんど年中見られます。果嚢は直径約8㎜の球形で、葉脇や葉痕の脇に1~3個ずつつき枝には多数密集して付きます。
イチジクの仲間として、特定のイチジクコバチが送粉を行います。