むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ヒゴタイ:平江帯(熊本に生えても名は肥後ではない)

2017-09-02 14:49:03 | 植物観察記録

六甲高山植物園のよく目立つ銀紫色をした球形の花をつけたヒゴタイ:平江帯(キク科ヒゴタイ属)が咲いています。来園者の話題になったのか。大新聞の夕刊にも紹介されていました。

昔大陸と陸続きであった名残りで本州愛知県、岐阜県、岡山県、四国、九州および朝鮮に隔離分布していたというヒゴタイも、今では九州のごく限られた地域にしか残ってないといいます。

日当たりのよい山野にごくまれに生える多年草で高さ1m内外、茎と葉裏に白い綿毛が密生します。 花は夏から秋、頭花は1個の筒状花からなり、頭花が集まって直系約5cmの球状の花序となります。筒状花の花冠は深く5裂します。

先日九住山を歩いた友人が、草原に自生の?ヒゴタイが咲いていたと写真を送ってくれました。久住山に生え、熊本県阿蘇郡にヒゴタイ公園というのがあるという話を聞くと、ヒゴタイのヒゴはてっきり肥後と思うのですが、図鑑での和名は肥後ではなく平江帯となっており、語源はふつう不詳とされています。

一説によると平江帯は益軒の大和本草にあるからとか、肥後躰が細川家写生帖にとあるなどの話があります。分布から肥後がもとで和名の平江帯は肥後からの転訛とみる方が自然な気がします。