庭のムサシアブミ:武蔵鐙(サトイモ科テンナンショウ属)の大きな葉の陰に、先が丸まった特徴ある仏縁苞が見えています。
10年ほど前に買い求めた1本のムサシアブミが、秋には赤い果実をつけ、こぼれ種でしょうか何時の間にか庭のあちこちに何本か生えています。ムサシアブミなどテンナンショウの仲間は、栄養の具合で雌雄性転換することで知られていますが、最初の1本の株が雄、雌どちらであったか覚えていませんが、
どちらか一方では結実しないはずで、どうして増えたのか不思議です。あるいはすでに受精した株を買っていたのかもしれません。
海岸に近い林のやや湿ったところに多い多年草で、葉は2個つき、それぞれ3個の長さ15~30cmの大きい小葉があります。3~5月、葉の間から花茎がのび、仏炎苞に包まれた暗紫から緑色まで変化が多い筋が目立ちます。
名前の由来は、この仏炎苞の形を武蔵の国で生産された鐙にたとえたもので、武蔵の国に生えているということではないそうです。事実、ある図鑑では関西以西に分布するとしています。