日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第117回例会(平成26年5月8日)

2014年05月09日 | 例会報告

 先生の講話の始まる前に出席会員で役員改選について論議した結果、もう1年現行の顔ぶれで役員を務めることとなった。また、今年は俳句の会と合同で11月をめどに作品展を開催する運びとなりそう、との報告があった。

◇ 先生の講話

1.顔真卿

 4月から古来の著名書家についての解説を行うこととし、先ず王羲之から始めたが、今月は顔真卿を取り上げる。
 顔真卿の著名作品は、行・草:「祭姪(さいてつ)文稿」、行書:「争坐位帖」、楷書:「顔氏家碑」、「顔勤礼碑」など。王羲之の書が、◎点画が外へ向かう(例えばニンベン第1画目の左払いの先端部分が外側に払われる)、◎骨格がしっかりしている、のに対し顔真卿の書は、◎点画が内へ向かう(ニンベンの左払いの先端部分が内側に払われる)、◎筆なりの字で人間性が出る筆遣い、という特徴がある。
 行書の「争坐位帖」は初段~三段ぐらいの人が行書の勉強をするのに適している。楷書の「顔氏家碑」は鎌倉時代からお手本にされており特に看板屋が勉強した。また「顔勤礼碑」はキチッと書けており、明治以降に多くの人が学んだ。顔真卿はこれを最後に楷書は書くのを辞めた。

2.篆書→隷書→楷書→行書→草書の書体の変遷

 「本」の字を例に、各書体の字形を白板に書き表して(下図のとおり)書体の変遷が説明された。
各書体の境界は相互に重なっている。

◇ 作品展出展文言の決定

 作品展に出展する各自の文言案(漢詩の一節や古来の熟語など)を先生に提出し、その適否(同じ字が何回も出てくるものは避けた方がよい、など)を吟味の上了解された。また否となったものは各自別の文言を探すこととなった。

◇ 実技指導

 規定課題「中天街黄道」及び各自の随意課題作品について、朱書きによる添削指導が個別に懇切丁寧に行われた

(出席者10名) (荻野 記)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする